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弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

暴力夫と離婚……どうやったら安全にDV夫から逃れられる?

2018年11月09日
  • 離婚
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暴力夫と離婚……どうやったら安全にDV夫から逃れられる?

暴力夫と離婚する場合には、自分自身の身の安全を確保することを第一に考える必要があります。そのうえで、離婚や財産の分与などの問題をひとつひとつ解決していくことになります。
一人では解決が難しいこともありますが、夫婦間の暴力(DV)関係から逃れるための手続きや流れを弁護士が解説します。

1、身体的な暴力と精神的な暴力、性的な暴力について

夫婦間の暴力(DV)と言われるものにはどのようなものがあるのか、具体例を挙げていきます。

  1. (1)身体的な暴力の事例

    • 馬乗りになって首を絞められる
    • 棒やベルトで殴られる、皿や鍋など物を投げつけられる
    • 包丁を突き付けられる
    • 殴る蹴る
    • 髪の毛をつかんで引きずり回される
    • 裸で冷水を浴びせられる
  2. (2)精神的な暴力の事例

    • 何時間も罵倒される
    • 自分や子ども、親族の悪口を常時聞かされる
    • 大声で怒鳴られる
    • 火をつけるとか一生閉じ込めるなどと脅迫する
    • しつこく監視する
    • 外出を禁止して外部と連絡させないようにする
  3. (3)性的な暴力の事例

    • 嫌がっているのに無理やり性交渉を強要する
    • 避妊せずに性行為におよび、妊娠すると堕胎を強要する
    • 堕胎直後から性交渉を求める
    • 妻の意思に反して異常な性交渉を求める

    以上のように、DVには身体的、精神的、性的な暴力があります。これらはDVの典型的な行動として考えられており、こうした夫からの暴力で苦しい思いをしている方は、それを理由として離婚が認められる場合が多いといえます。

2、まずは身の安全を確保することが大切

先に例として挙げたようなDVの状態にある場合は、離婚に先立ち、できるだけ早く別居するべきです。心身ともに健全な状態が失われており、この状況が続けば命の危険が発生する可能性がありますし、精神的にだめになってしまうリスクが現実のものとなりかねません。
DV夫から逃れるのは難しいことです。しかし、あきらめずに、とにかく別居するんだ、最終的にはきちんと離婚するんだという意思を持って、行動に移す努力をしていくべきです。

  1. (1)別居中の生活費について

    別居していても、離婚するまでの間は、夫に対して生活費を請求できます。婚姻費用分担請求権といわれる権利です。もちろん、夫婦間で冷静に話し合うことは難しいでしょうから、弁護士を通じて、また、裁判所の調停を利用するなどして、手続きを進めていくべきです。

  2. (2)別居するときの注意点

    別居を決意したとしても行動に移すときには以下の点に気をつけましょう。

    ① 行き先や住所を秘匿する
    DV状態から別居する場合は、別居先を相手に伝えないほうが安全です。もちろん、伝えなければ相手は怒るでしょうから、見つかった場合のリスクは非常に高くなります。ですから、別居する際には、以下に説明するようなさまざまな支援機関に助けを求めて、相手に居場所が知られないように慎重に進めることが重要です。
    なお、行き先を知らせずに別居した場合、相手が警察に捜索願を出したり、市役所で住民票をとって新しい住所を探そうとすることがあります。
    この場合、先に警察に連絡しておけば捜索願を受理しないという取り扱いをしてくれます。また、市役所も同様に、住民票を移転しないで済むようにしてくれたり、または移転した場合でも、移転先を開示しないという手続きをしてくれます。
    いずれにしても、事前に相談のうえ手続きをしておくほうが安全です。

    ② 子どもの手続き
    また、学齢期の子どもがいる場合は、別居先によっては転校の手続きをとる必要があります。この場合も、学校に事情を説明して、転校の事実や転校先を夫に知らせないようにしてもらうことも考えられます。また、離婚して妻が親権をとるまでは、夫も親権者です。学校から子どもが夫に連れ去られる危険もありますから、その点も学校に伝えて、夫に子どもを引き渡さないように依頼しておく必要があります。

3、暴力夫を遠ざける! 保護命令と手続きの流れ

暴力夫から逃れるために保護命令という制度があります。保護命令制度の内容と手続きの流れについて説明します。

  1. (1)保護命令とは

    保護命令制度とは、配偶者や同居中の交際相手からの身体に対する暴力を防ぐため、被害者の申し立てにより、裁判所が、加害者に対し、被害者へのつきまといなどをしてはならないことなどを命ずる命令です。

  2. (2)保護命令の種類

    続いて、保護命令の種類について説明します。

    ① 接近禁止
    6ヶ月間、申立人の身辺につきまとい、またはその通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずる保護命令です。要は、加害者が被害者に近づくことを禁止する命令のことです。
    申し立てを行った人だけでなく、その子どもや親族にも現実的な危険がある場合は、その子どもや親族などへの接近禁止を求めることもできます。

    ② 退去命令
    2ヶ月間、申立人と共に生活の本拠としている住居から退去することおよびその住居の付近を徘徊(はいかい)してはならないことを命ずる保護命令です。加害者を家から出ていかせて、家に近づくことを禁ずる命令です。この命令が出されている間に、荷物をまとめて家を出ていくことも可能です。

    ③ 電話、メールなどの禁止命令
    申立人への接近禁止命令の期間中、以下のすべて行為をあわせて禁止する保護命令です。

    1. ①面会の要求
    2. ②行動を監視していると思わせるような事項を告げ、または知り得る状態に置くこと
    3. ③著しく粗野または乱暴な言動
    4. ④無言電話、または緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、もしくは電子メールを送信すること
    5. ⑤緊急やむを得ない場合を除き、午後10時から午前6時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、または電子メールを送信すること
    6. ⑥汚物、動物の死体その他の著しく不快または嫌悪の情を催させるような物を送付し、または知り得る状態に置くこと
    7. ⑦名誉を害する事項を告げ、または知り得る状態に置くこと
    8. ⑧性的羞恥心を害する事項を告げ、もしくは知り得る状態に置き、または性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、もしくは知り得る状態に置くこと
  3. (3)保護命令を出してもらうための手続きの流れ

    保護命令を得るためにはどのような手続きをおこなえばよいのか、説明していきます。

    ① 裁判所への申し立て
    保護命令の申し立ては、申立書に次のことを書いて、住所地(申立人又は相手方いずれでも可)の管轄の地方裁判所に提出して行います。

    1. ①当事者(申立人と相手方)の氏名と住所
      なお、被害者が相手の暴力から逃れて一時避難している場合には、避難先の住所ではなく、それまで家の住所を記載すればよいとされています。
      代理人として弁護士に保護命令申し立ての手続きを委任した場合は、代理人の氏名および住所も記載します。
    2. ②申立ての趣旨
      発令してほしい保護命令の内容(接近禁止、退去命令など)を書きます。
    3. ③相手方から身体に対する暴力または生命等に対する脅迫を受けた状況
      いつ、どこで、どのように相手方から暴力または脅迫を受けたかなど具体的な状況を書きます。
    4. ④生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きい事情
      具体的な危険が想定できることが、保護命令を出すための重要なポイントです。たとえば、相手方が繰り返し暴力を振るっており、今後も暴力が続く恐れがあること、別居したけれども妻の職場に現れて住所をしつこく聞いて、自宅に戻るように脅迫していることなどの事情が考えられます。
    5. ⑤配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)・警察に相談した事実等
      相談などをした機関の名称、日時、相談などの内容、相談などに対してとられた措置を記載します。原則として、裁判所に保護命令を申し立てる前に、警察やDVセンターなどで事前に相談して対策をとっていることが条件となります。

    ② 申し立て後の流れ
    裁判所は、申立書の受理の当日か、当日以外でもできるだけ速やかに、申立人本人または代理人と面接をし、申し立ての実情などを具体的に聞き取ります。その後1週間程度先に口頭弁論または相手方が立ち会うことができる審尋(しんじん)の期日を設けます。
    ただし、暴力の程度が激しい場合や、被害者が逃げ場を失っており、直ちに命令を出さなければ重大な危険があるような場合には、相手方への審尋期日(しんじんきじつ)などを経ずに保護命令が発令されることがあります。
    審理の結果、保護命令発令の要件を満たしていると判断された場合には、速やかに、保護命令を発令します。

    ③ 命令が発令されたら
    保護命令は、相手方に対する決定書の送達または期日における言い渡しにより、効力を生じます。相手方が保護命令に違反すると、刑事罰(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の制裁が加えられることになります。

4、家庭内暴力(DV)の相談先一覧

DV被害に遭われている方に向けて、さまざまな相談機関や支援センターがあります。
ここでは、代表的な相談先をご紹介しつつ、各機関の支援内容を説明してきます。

  1. (1)配偶者暴力相談支援センター

    配偶者暴力相談支援センターとは、配偶者からの暴力全般に関する相談窓口のことです。実際には、都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設がその機能を果たしています。また、市町村が設置する適切な施設でも、配偶者暴力相談支援センターの機能を果たしている場所があります。
    具体的には、配偶者からの暴力の防止および被害者の保護を図るため、 以下のような支援を行っています。

    • 相談や相談機関の紹介
    • カウンセリング
    • 被害者および同伴者の緊急時における安全の確保および一時保護
    • 自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
    • 被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
    • 保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助

    相談にあたっては、事前の電話連絡をおすすめします。各地域の連絡先はこちらで確認できます。

  2. (2)福祉事務所

    福祉事務所とは、都道府県および市区町村に設置された地域住民の福祉を支援する行政機関です。地域によって名称が多少異なる場合がありますが、全国で1000カ所以上の窓口があり、広く相談に応じています。
    福祉事務所には、ケースワーカー、ソーシャルワーカー、保健師などが配置されています。これらの職員が、さまざまな福祉についてサポートを行っています。
    具体的な支援内容は、公営住宅などの住む場所探し・生活資金援助・離婚後の母子生活支援施設への一時的な入所・就労支援などについてサポートなどです。最寄りの市町村役所に電話すれば福祉事務所の連絡先を教えてもらえます。

  3. (3)女性センター

    女性センターとは、各都道府県や市町村が自主的に設置している女性支援のための施設の総称で、地域によってさまざまな名称があります。
    女性問題の解決や女性の地位向上などを目的としていますが、なかには「配偶者暴力相談支援センター」に指定されている施設などもありますので、DV被害配偶者からの支援にも対応してくれる拠点です。
    女性センターの機能や拠点はこちらから参照してください。

  4. (4)民間シェルター

    いわゆる「民間シェルター」とは、DV被害者が緊急一時的に避難できる施設です。公的団体ではなく、民間団体が設置するため、民間シェルターと呼ばれます。多くの民間シェルターで、被害者の一時保護はもちろん、相談への対応、被害者の自立へ向けたサポートなどのさまざまな援助を行っています。各都道府県・政令指定都市が把握している民間シェルターを運営している団体数は平成29年11月1日現在、全国で108カ所あります。なお、民間シェルターは被害者の安全の確保のため、所在地は公開されていません。連絡先は、警察や配偶者暴力相談支援センターを通じて行うことが一般的です。

  5. (5)警察

    そもそもDVは暴行罪または傷害罪に該当するれっきとした犯罪です。また、DVセンターは被害者を保護してはくれますが、加害者に対して強制的な権限を有してはいません。DVの危険が現実に迫っている場合は警察に助けを求めることが重要です。ためらわず110番に電話しましょう。
    なお、裁判所に対して行う保護命令の申し立てにあたっては、警察や配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)に被害の申告を行っていることが条件です。警察への通報はためらう方が多いですが、命に代わるものはありません。勇気を出して最寄りの警察に連絡してください。

  6. (6)弁護士

    住居の確保や一時保護、そして金銭的な支援とは別に、今後の加害配偶者との関係をどうするかという問題は放っておけない重大事です。離婚するにも、生活費を請求するにも、すべて加害者である夫との交渉が必要となりますが、現実にご自身で相手と対応することは不可能に近いです。
    こうした場合にあなたの代理人となって権利を守ってくれるのが弁護士です。通常の離婚でも、当事者同士で冷静に話し合うことは困難です。ましてDV事件においては、弁護士抜きでの交渉や進展はおよそ考えられないと言っても過言ではありません。なお、DV事件は特殊な手続きも多く、経験の多い弁護士に依頼するべきです。

5、家庭内暴力(DV)で離婚する場合の慰謝料相場や証拠とは?

DVが原因で離婚する場合の慰謝料相場や証拠となるものを説明します。

  1. (1)家庭内暴力(DV)による慰謝料相場

    DVが原因で離婚した場合の慰謝料相場額は、50万から300万程度といわれています。身体的暴力だけでなく、言葉による精神的な暴力であるモラハラも、被害の程度が重いことを立証できれば慰謝料請求できる可能性があります。
    なお、実際の離婚慰謝料の金額は、まずは話し合い、それで決まらなければ、調停や裁判で決定します。裁判所は、相場を見ながら、個々の事情を検討して適切な金額を決定しています。

  2. (2)証拠となるもの

    証拠となりうるものは以下のとおりです。

    ① 傷の写真・診断書
    DVは家庭内の密室で行われることが多く、客観的な証拠が少ない場合が多いものです。けがの傷跡がある場合は、必ず写真を撮って、病院で診断書をもらうようにしましょう。

    ② 暴行の現場を撮影した動画や録音
    病院に行けない場合や、夫が周到で、わざと傷跡を残さないように暴力を行っているような場合もあります。こうした場合は、暴行をされている際中に録音や録画をするなどが考えられます。また、皿を投げたり壁を壊す場合には、その破損物の写真を撮っておくことも意味があります。

    ③ 日記やメモ
    写真や診断書に比べれば効果は薄いですが、毎日書いている日記やメモも、証拠能力があります。ポイントとしては、具体的な暴力の記録を、その日の具体的な別の事柄(今日は参観日で、14時から長女の算数の授業を見に行ったなど、後から検証できる事柄)とあわせて記載しておくことです。と、その当時、事実そのままを記載したものだという意味付けが可能になります。

    ④ 友人知人の証言やメール
    家庭内の問題は人に言いづらいですが、暴力については、信頼できる友人に話したり、メールを送って履歴を残しておくと、後から証拠として出せる可能性があります。メールは履歴を印刷して提出できますし、友人との会話は友人が証言してくれれば証拠能力が認められる可能性があります。

6、まとめ

DVによる苦しみは離婚問題の中でも最大級の苦しみといってよいものです。しかし、DVの問題はその苦しみの大きさだけでなく、自分ひとりでは、逃げ出したり対処することが極めて難しい点にあります。DV被害を受け続けていると、命はもちろん、精神的なバランスを失い時には大切な人生を台無しにする可能性もあります。子どもがいる場合は、DV家庭での生育が成長に大きなダメージを与えることもわかっています。ぜひ、専門家である弁護士に相談し、あなた自身の大切な未来を一緒に探していくべきです。ベリーベスト法律事務所では、DV離婚事件に特有の問題に対し、迅速に真剣に取り組んでいます。一人で悩むことなく勇気を出して、どうぞご連絡ください。

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