モラハラ妻診断|モラハラ妻の9つの特徴と対処法を弁護士が解説

モラハラは、肉体的な暴力と違って、他人の目に見える形で傷が残るわけではありません。そのため、周囲の人に気付きにくく、加害者本人の自覚にも個人差が出やすいのが特徴です。
「うちの嫁は、いわゆるモラハラ妻なのかも」
「これってモラハラ? それとも、普通?」
このように、みなさんの中にも、妻がモラハラと言えるのかどうか、はっきりと判断がつかないと感じている人は多いでしょう。
本コラムでは、モラハラ妻に該当するかをチェックできる診断リストやモラハラから抜け出す方法、モラハラが治らない場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所 離婚専門チームの弁護士が解説します。
目次を
1、モラハラ妻の特徴は? 具体的な言動と診断チェックリスト
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(1)あなたの妻にも当てはまる? モラハラ妻の11の言動
まずは、モラハラ妻によく見られる典型的な言動を挙げてみます。
あなたの妻に当てはまる言動が複数ある場合は、モラハラ妻である可能性が高いといえます。- ① 話しかけても無視される
- ② 何を話しても否定される
- ③ 夫からの反論はすべて「言い訳」「口答え」だと言われる
- ④ 収入や会社での地位が低いと言って罵倒される
- ⑤ 容姿や性格を非難される
- ⑥ 家事や育児がろくにできないと非難される
- ⑦ 何かにつけて「男のくせに」と侮辱される
- ⑧ 「これくらい常識でしょ?」と呆れられる
- ⑨ 理由なく睨みつけられることがある
- ⑩ あなたの友達や親族の悪口をあなたの目の前で言う
- ⑪ 子供にもあなたの悪口を吹き込んでいる
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(2)チェックリストでわかる! モラハラ妻の9つの特徴
- ① 自分が常に正しいと思っている
- ② 外では献身的な妻を演じている
- ③ 夫を孤立させてコントロールしようとする
- ④ 平気で事実と違うことを言う
- ⑤ 常識を盾に攻撃してくる
- ⑥ 夫に感謝をしない
- ⑦ 元々細かい性格で文句が多い
- ⑧ 夫に厳しいが自分には甘い
- ⑨ 自分の親と仲が良い
【① 自分が常に正しいと思っている】
モラハラ妻の世界の正義は、常に「自分」。
そのため「自分がやることはすべて正しく、夫がやることはすべて間違い」という図式がモラハラ妻の中ではもうすっかり定着しています。
結婚生活で不都合なことが起こったときに、すべての責任を夫であるあなたに押し付けてくるのもこれが原因です。
いつも自分が世界の中心にいるので、「良いことは自分の手柄、悪いことは夫の不手際」という感覚が当然のように染み付いているのでしょう。
【② 外では献身的な妻を演じている】
2人きりのときにどんなに高圧的な態度を取るモラハラ妻でも、夫の友達や職場の同僚が一緒にいる場面では、しおらしく優しい献身的な妻を演じることが多いです。
これはモラハラ妻のプライドが人並み外れて高いことが原因のひとつで、「理想の夫婦だと思われたい」「幸せな結婚生活を送っていると思われたい」という願望が、そのような外面の良さを生み出します。
【③ 夫を孤立させてコントロールしようとする】
モラハラ妻は、夫を自分のコントロール下に置きたがります。
夫が孤立して自分を頼らざるを得ない状況を作るために、夫が友達と出かけるのを禁止したり、実家と連絡を取ることに良い顔をしなかったりして、じわじわと夫の社会を狭めていくのです。
【④ 平気で事実と違うことを言う】
夫を周りから孤立させるためなら、平気で嘘をつくところもモラハラ妻の特徴のひとつ。
たとえば夫の友達や職場の同僚に「実は浮気されているみたいなんです…」と相談を持ちかけたり、「無駄遣いが多くて困っている」「家事を一切手伝ってくれない」など、夫を貶めるような嘘を言いふらして同情を引き、周りを自分の味方につけようとします。
【⑤ 常識を盾に攻撃してくる】
世間の常識を盾に夫の自尊心を傷付けてくるところも、モラハラ妻の厄介なところ。
それが実際に常識かどうかに関わらず、「これくらい常識でしょ?」「常識で考えたらこうに決まってるでしょ?」と、気の弱い男性なら「そうかもしれない…」と思わず自分の世間知らずを恥じてしまうようなポイントを突いて攻撃を行うのです。
【⑥ 夫に感謝をしない】
モラハラ妻は自分が家庭内のピラミッドの頂点にいるので、夫からの気配りや親切もすべて「してもらって当然」という態度で受け止めます。
モラハラ妻にとっては、それらの思いやりを周りが与えてくれないことのほうが問題なのであり、優しくされることは通常運転。
そのため夫に対する感謝はなく、自分が常に正しいという思考回路から夫に謝ることもありません。
【⑦ 元々細かい性格で文句が多い】
モラハラ妻は夫の欠点や家事のやり残しなどを目ざとく見つけてしまうことが多く、元々の性格に細かく神経質な面があります。
自分がイヤだったことをいつまでも忘れず覚えているところもモラハラ妻の特徴で、新しい文句をつけるときにも「あの時もああだった、こうだった」というように過去の出来事を掘り返してくる傾向があるでしょう。
【⑧ 夫に厳しいが自分には甘い】
モラハラ妻の厳しい視線が注がれているのは夫に対してのみで、自分には驚くほど甘いことがあるのもモラハラ妻の特徴のひとつです。
たとえば夫の趣味の買い物には目くじらを立てて「無駄遣いだ!」と怒るくせに、自分には高級な化粧品やブランド品をしれっと購入していたりします。
それを夫が指摘しても、「あなたが浪費家だから私が節約に節約を重ねて、やっとの思いで購入できたものなのに…」「私にはたまの贅沢すらも許されないの?」と、あくまでも自分は被害者であるというスタンスを崩しません。
【⑨ 自分の親と仲が良い】
モラハラ妻には、自分の実家の家族が大好きという特徴もあります。
それ自体は良いことなのですが、夫婦間で意見が食い違ったりケンカになったりしたときに、すぐに自分の親に泣きついて、親から自分の夫に「今回は折れてやってくれないかな」というような連絡を入れてもらうというのがよくあるパターンです。
過保護な親とモラハラ妻のタッグに、参ってしまう男性も多いでしょう。
2、モラハラ妻で家庭が崩壊! モラハラ妻のエピソード
ネットには、妻からのモラハラで家庭が崩壊している、または崩壊寸前だという男性からの悲鳴の声が数多く投稿されています。
その中から典型的なエピソードをひとつご紹介します。
私は37歳、妻専業主婦は36歳。子供が4歳と1歳半の四人暮らしです。
何かにつけて私の言動だったりに文句をつけ、凄い暴力的な言葉を子供の前でもお構いなしに吐きます。「役立たず」「何もしないくせに偉そう」「子育てに協力しない親失格者」としょっちゅう言われます。
ですが私には身に覚えがないんです。ゴミ集め、風呂掃除、子供の入浴、休日は妻を出かけさせ子供の面倒。これで足りないと言われれば、そうなんですかとしか言えませんが、目いっぱいやってるつもりなんです。
仕事は特殊な警備会社勤務です。休日は決まっておりませんが比較的、自由に休日の設定ができます。
今日、これから夜勤なのですが、妻に遊びに行くから上の子を昼間見ててほしいと言われました。本来ならば寝る時間が欲しいのですが、断って文句を言われる方が嫌ですので引き受け、子供と楽しく半日遊びました。
それから会社の仮眠室で眠ろうと、夕方に戻ってきた妻に子供を預け、会社に向かったらメールがきました。
「パパともっと遊びたいと泣き止まないんだけど。どうしてくれるの!?」と。どうしろっていうんですか。
じゃあ今日は寝なくてもいいと思い「じゃあ今からもう少し遊ぶよ」とメールを送ると「なら最初からそうしろ」「でも来なくていい。半端な事ばっかりしやがって」ときました。手が震えましたね。怒りで。胃袋がキューと冷たくなっていくのを感じました。
引用元:「妻のストレスで死にそう」(発言小町)
夫が家事や育児を可能な限り手伝っているのに専業主婦の妻は感謝もせず、暴言を吐くばかり。モラハラ妻にもさまざまなタイプがありますが、この方の奥さんは感情にまかせて夫にひどい暴言を頻繁に吐くヒステリー気質のようです。
モラハラを受けている男性のなかには、妻からのヒステリックな暴言が怖いという方もいるでしょう。自分に甘く夫に厳しいというのは、モラハラ妻によくある特徴です。
なお、この男性は「子どもがいなければ離婚確定」だと言いつつも、離婚すると親権者が母親となる可能性が高いため、我慢しているとのことです。
3、モラハラ妻となってしまう5つの原因
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(1)結婚生活への不満が溜まっている
女性側が先ほど挙げたモラハラ妻の特徴を備えていることはもちろん、やはりモラハラの直接的な原因になっているのは、妻の中にある日頃の不満です。
どんなにモンスター級のモラハラ妻でも、本人の機嫌が良いときには意外と穏やかなことも多く、平和に過ごせることもあります。
逆に家事や育児のストレスが溜まっていたり、妻側の人間関係にトラブルが起こったりすると、夫とは一切関係のない不満であったとしても夫を標的にして八つ当たりをすることがあるでしょう。 -
(2)被害者意識が強い性格
夫が標準的なサラリーマンで、平均的な収入を得ていたとしても、被害者意識が強い性格の妻は夫に不満をぶつけて攻撃してくることがあります。
「あなたが甲斐性なしだから欲しいものも買えない」「あなたがいつまで経っても係長だから私も会社の人に頭を下げないといけない」といった調子です。
「足るを知る」という発想がなく、「夫は妻を幸せにして当たり前」と思っているので、満たされないと感じることがあると、「悪いのは夫で自分は被害者だ」と考えます。その結果、加害者である夫に対して不満をぶつけてくるのです。 -
(3)過去にモラハラを受けた経験がある
過去にモラハラを受けて育った人は、大人になると自分がモラハラをしてしまうというケースもゼロではありません。
親からモラハラを受けて育つと、十分な愛情を受け取れていないため、自分を大切にし、他人を愛するという心が育っていない可能性があります。
そのため、自分の言動が相手を傷つけていることに気づかないまま、モラハラ妻となってしまうのでしょう。
また、母親が父親に対してモラハラをしているのを見て育った人も、自分が結婚した後は同じように夫に対してモラハラをしてしまうケースが少なくありません。 -
(4)出産前や産後、子育てのストレスが溜まっている
女性に特有の事情として、出産前や産後、子育てにおいてストレスがたまりやすいと言うことがあります。
出産前後には、ホルモンバランスの変化の影響で精神的に不安定になりがちです。育児においては常に子どもから目が離せないため、気が休まる暇もなく、睡眠不足にもなりやすい状況にあります。
このようなストレスから、たとえ夫に非がないことが分かっていても当たり散らしてしまう妻は少なくありません。
出産や子育てにまつわるストレスが原因のモラハラは、一過性のものに過ぎない可能性もあります。
妊娠前にはモラハラの兆候がなく、まだ乳幼児を育てている場合は、当面の間は妻を気遣いつつ様子を見るのがよいでしょう。 -
(5)夫が真面目で優しすぎる
夫がとても真面目な性格で、妻からの理不尽な八つ当たりに対しても「俺にもきっと悪いところがあるんだろう」「もっと妻の期待に応えられるようにならなきゃ」と頑張ってしまうタイプの場合、妻からのモラハラは加速しやすくなります。
モラハラは加害者側が100%悪いのですが、「妻は自分のためを思ってあえて怒ってくれているのかも」「意地悪でこんなことを言うはずがない」と性善説を信じるあまり、妻からの暴言に何も言い返すことなく耐えてしまう男性もいます。
このようなケースでは、モラハラ妻のほうも「この人はこの程度のことではビクともしないんだ」と解釈し、言動がさらにエスカレートするのです。
4、妻のモラハラは治るのか?
妻のモラハラを治すのは簡単なことではありませんが、治せる可能性はあります。
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(1)妻自身がモラハラをやめたいと思っている場合
モラハラ妻の中には、自分がモラハラをしていることを自覚しつつも、なかなかやめることができずに悩んでいる人もいます。
この場合は、夫であるあなたが妻への対応を変えて、治すきっかけを与えてあげることでモラハラを治せる可能性が高いでしょう。 -
(2)妻がモラハラを自覚していない場合
実際には、妻自身にはモラハラをしているという自覚はなく、ただ日頃の鬱憤を夫で晴らしているだけ、ついイライラして八つ当たりしてしまうだけ、というように、あまり深刻には考えていない可能性があります。自分の言動が夫を傷付けていることにすら思い至っていないケースも、珍しくありません。
モラハラは、本人が自覚して「治したい」と願わない限り、自然に治ることはまずありません。
モラハラをなくすために大切なのは、妻に対して「それはモラハラである」「自分は傷付いている」と、きちんと伝えることです。
妻がモラハラに走ってしまうほどストレスを抱えているのはなぜなのか、その不満を解消するためにじっくり話し合ってみるのも効果的でしょう。
5、妻のモラハラが治らない場合の対処法
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(1)ストレスを発散しながらやり過ごす
日常生活における妻の言動をいちいち気にとめず、受け流すのがもっとも現実的な対処法かもしれません。とはいえ、ストレスは溜まっていくものです。
ストレスを溜め続けると心身に不調をきたすおそれがあるため、妻と離れられるような趣味で自分の時間を充実させたり、定期的に友人に話を聞いてもらったり、ストレスを発散することも大切にしましょう。妻のモラハラが軽度の場合は、この対処法がおすすめです。
しかし、モラハラだけでなくDVもされている場合や、あなたが精神的に参っているような場合には、無理をしてはいけません。医師や弁護士など、第三者の力を借りることで状況が改善されることもあるため、「周囲に頼る」ということもご検討ください。 -
(2)モラハラ妻に対抗する
妻からモラハラ行為を受けたら、こちらも対抗してみるというのもひとつの手段です。そうすることによって、妻が自分のモラハラ行為に気付き、どれだけ相手を傷つけていたのかを自覚してくれる可能性があります。
ただし、あくまでも「妻の自覚を促すための対抗だ」という意識は常に持っておいてください。単にモラハラ行為をやり返すだけでは夫婦喧嘩にしかなりませんし、深刻なトラブルに発展するおそれもあります。 -
(3)別居する
モラハラで追い詰められた精神を休めるためにも、ひとまず別居して様子を見るという方も少なくありません。モラハラ妻と顔を合わせない生活に移ることで、状況を冷静に整理することができますし、妻も自分の行いを見直すきっかけになります。
場合によっては、ここで妻が反省して「もう1度やり直したい」と謝罪してくれることもあるでしょう。
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6、モラハラ妻と離婚する場合の注意点
モラハラは、加害者にのみ原因があるわけではなく、両者の相性が関係している場合もあります。自分の言動でパートナーが傷ついていても、そのことをなんとも思わない(ストレスに思わない)人もいることはたしかです。夫が行動を改めたり、妻の言葉をスルーすることで改善を図ることも大切ですが、「相性が合わない」ということは、根本的にはどうにもできないことかもしれません。
妻のモラハラによって婚姻関係がすでに客観的に大きく破綻していて、将来にわたり修復の可能性が低いといえる場合は、「婚姻を継続し難い重要な事由」という法律上の離婚原因に該当する可能性が高いといえます。
対処を重ねてもいっこうにモラハラが減らなかったり、現状を改善することができなかったりするときには、離婚を選ぶのもひとつの方法です。6章では、モラハラ妻と離婚したくなったときに押さえておきたい注意点をまとめてみましたので、いざというときの参考にしてください。
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(1)モラハラの証拠はあるか
離婚をスムーズに進めるためにも、モラハラの証拠はしっかり残しておきましょう。相手が実際に暴言を吐いている録音データや、メールの文面など、具体的なものであればあるほど証拠として有効です。
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(2)慰謝料を請求できるか
別居後、やっぱり離婚したい気持ちが変わらない場合は、離婚に伴ってモラハラの慰謝料を請求することもできます。
モラハラだけの慰謝料だと、金額の相場は数十万程度ですが、モラハラが原因でうつ病になり通院した記録があったり、精神的苦痛の度合いが大きい場合は、高額な慰謝料が認められることがあり得るでしょう。 -
(3)親権を獲得できるか
未成年の子どもがいる夫婦が離婚する際には、どちらか一方を親権者に指定しなければなりません。
ただ、離婚原因がどちらにあるかという問題と、親権をどちらが獲得するかという問題は、基本的に別問題となります。そして、一般的に親権争いでは「母性優先の原則」や「継続性の原則」により、母親が圧倒的に有利なのが現状です。
そのため、妻のモラハラが原因で離婚する場合でも、子どもの親権は妻にとられてしまう可能性が高いといえます。どうしても親権を獲得したい場合は、別途、対処しておくことが必要です。 -
(4)養育費を支払えるか
妻が親権者となった場合、あなたには養育費の支払い義務が発生します。
養育費は子どもを育てるために負担すべきお金なので、妻に離婚の責任がある場合でも、夫の支払い義務は免除されません。離婚時に親権の獲得が難しい場合は、養育費を毎月いくら支払うかを計画しておきましょう。
ベリーベストでは、養育費を無料で簡単に計算することができる養育費計算ツールを公開しています。どのくらいの費用になるのかをシミュレーションしたい方は、ぜひご活用ください。 -
(5)妻と冷静に話し合えるか
妻と離婚するためには、まずは2人で話し合うことになります。慰謝料や親権、養育費についても話し合って決めなければなりません。
モラハラ妻は基本的に強気であるため、夫としては、離婚したい理由や離婚条件を主張する根拠などを理詰めで説明し、説得する必要があるでしょう。
ただ、円満に離婚するためには、お互いに冷静になって話し合うことが必要です。しかし、あなたが冷静に話し合うつもりでも、モラハラ妻が冷静に話し合ってくれるとは限りません。場合によっては、モラハラがエスカレートして深刻なトラブルに発展するおそれもあります。
妻のモラハラがひどい場合には、弁護士に代理人として交渉の窓口に立ってもらうことも選択肢のひとつです。 -
(6)話し合いがまとまらなければ離婚調停
離婚は基本的に当事者同士の話し合いで手続きを行うことができますが、話し合いがまとまらなかった場合は離婚調停を行います。
離婚調停では、調停委員が間に入ってお互いの話を聞き、話し合いがスムーズに進むようにサポートしてくれるため、離婚そのものに加えて慰謝料の金額などもここで改めて話し合うことが可能です。
夫婦間にモラハラがある場合は、当事者同士の話し合いが難しいケースも多いので、実質的にはこの調停が離婚の第1ステップになるでしょう。
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7、モラハラ妻を訴えたい! モラハラは罪になる?
モラハラは、相手の人格権を不当に侵害する重大な違法行為です。刑法上の名誉毀損罪(同法第230条1項)や侮辱罪(同法第231条)に該当する可能性もあります。
ただし、モラハラで妻を警察に告訴するのは現実的な対処法とはいえません。DVでケガを負わされたケースであれば警察も動きますが、精神的なモラハラのみでは警察が動くケースは極めてまれです。
通常は「家庭内の問題なので、話し合ってみてください」と言われてしまいます。モラハラ妻を訴えるなら、民事上の慰謝料請求をすることになるでしょう。
なお、モラハラそのものは違法行為であるため、離婚しなくても妻に慰謝料を請求することは可能です。
先に慰謝料を請求して、妻の反応を見てから離婚するかどうかを考えるのもよいでしょう。場合によっては、慰謝料を請求されたことで初めて妻がことの重大性を認識し、モラハラを止めようと決意する可能性もあります。
8、モラハラ妻に関するQ&A
Q1. 妻のモラハラで悩んでいる人は多い?
裁判所が公開する令和6年の「司法統計」によれば、夫から離婚調停を申し立てた動機としてもっとも多かったのが「性格が合わない」で59.9%、次いで多かったのが「精神的に虐待する」で21.8%でした。
これにより、妻のモラハラによって離婚を決意している方は、決して少なくないことが分かります。
Q2. モラハラ妻には、どんな特徴がある?
以下の9つの項目は診断チェックリストとして活用できますので、ぜひ参考になさってください。
- 自分が常に正しいと思っている
- 外では献身的な妻を演じている
- 夫を孤立させてコントロールしようとする
- 平気で事実と違うことを言う
- 常識を盾に攻撃してくる
- 夫に感謝をしない
- 元々細かい性格で文句が多い
- 夫に厳しいが自分には甘い
- 自分の親と仲が良い
Q3. モラハラ妻となってしまう原因はどのようなもの?
妻から夫に対して引き起こされるモラハラには、主に次のような原因があります。
- 結婚生活への不満が溜まっている
- 被害者意識が強い性格
- 過去にモラハラを受けた経験がある
- 出産前や産後、子育てのストレスが溜まっている
- 夫が真面目で優しすぎる
お悩みの方はご相談ください
9、弁護士からのメッセージ
モラハラ妻は、「常に自分が正しい」と思い込んでいるところが最大の特徴で、夫が何を言っても「言い訳だ」「口答えをするな」と取り合わないケースがほとんどです。
「男のくせに」「常識的に考えなよ」と、世間の目や一般常識を盾に攻撃してくることも多く、「妻の言うことが正しいのかもしれない」「俺にも悪いところがあるから」と、モラハラであることをだんだんと疑わなくなってしまう方もいます。
しかしモラハラは立派な暴力であり、たとえ夫婦であっても許されるものではありません。我慢の限界から離婚を切り出したとしても、おかしな話ではないでしょう。
ベリーベスト法律事務所では、モラハラ妻との離婚にあたって、不利にならない条件で離婚成立できるように、知見豊富な弁護士がサポートいたします。どのように話を進めていくべきか、離婚専門チームの弁護士が最適な戦略を考えますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
なお、弁護士相談については、お近くの事務所で対面もしくはZoomなどを活用したオンライン上で行うことが可能です。詳しくは「オンライン相談(電話・Zoom)」のページをご覧ください。

- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
-
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
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