ガスライティングで離婚できる? 精神的DVで確実に離婚する方法とは
ガスライティングとは、心理的虐待の一種であり、誤った情報で相手を心理的に操り、正常な判断力を奪う行為をいいます。
ガスライティングを受けている状況だと、正常な判断力が奪われてしまい、離婚をしたくてもできない状態になってしまいます。そのため、配偶者からガスライティングを受けている方は、早めに離婚に向けた準備を進めていくことが大切です。
今回は、ガスライティングなどの精神的DVを理由に離婚する方法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、ガスライティングとは
ガスライティングとは、誤った情報で被害者を心理的に操り、正常な判断力を奪う行為をいいます。誤った情報を植え付けることで、被害者は「自分が悪い」、「相手が正しい」と思い込むようになり、どんどん自信を失っていってしまいます。自信を失った被害者は、正しいことを言っていると信じ込ませた加害者に依存するようになり、加害者から離れられない状態になっていってしまいます。
夫婦間でガスライティングが行われた場合、配偶者を精神的に追い詰めて離婚をしたくても言い出せない状況になることがあります。そのため、加害者から心理的に洗脳されて抜け出せなくなる前に、離婚に向けた準備を進めていくことが大切です。
2、ガスライティングで離婚する場合にやるべき2つのこと
ガスライティングを理由に離婚する場合には、以下のことをやっておく必要があります。
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(1)離婚に必要な証拠を集める
夫婦が離婚する方法には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つの方法があります。ガスライティングなどの精神的DVをする人は、自らに非があるにもかかわらず非を認めない人もいますので、夫婦の話し合い(協議離婚)では離婚することができず、調停や裁判にまで発展することも少なくありません。
調停や裁判になった場合には、調停委員や裁判官にガスライティングがあったことを知ってもらう必要がありますので、そのための証拠を集める必要があります。ガスライティングの証拠になり得るものとしては、以下のものが挙げられます。- 配偶者の言動を録画した動画
- 配偶者から送られてきたメールやLINEのメッセージ
- ガスライティングの被害状況をまとめたメモや日記
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(2)専門家に一刻も早く相談する
ガスライティングの被害を受けている方は、相手から精神的に洗脳され、正常な判断力が奪われた状態になっています。そのような状態だと、相手から理不尽なことを言われたとしても、それが正しいことだと理解して行動してしまいますので、離婚したいという思いを抱かない可能性があります。
そのため、相手からの言動に少しでも違和感や疑問を感じたときは、すぐに専門家に相談することが大切です。専門家に相談をすれば、客観的に状況を分析してくれますので、ガスライティングによる異常な環境から抜け出すきっかけになるでしょう。ガスライティングによる離婚を相談できる専門家としては、以下の専門家が挙げられます。- 医師(精神科・心療内科)
- 弁護士
- DV相談ナビ
- 配偶者暴力相談支援センター
- 婦人相談所
第三者に相談したという事実は、ご自身がガスライティングを受けているという証拠にもなります。また、専門家への相談では、証拠がなくてもかまいません。一刻も早く相談するようにしましょう。専門家の判断をあおぎつつも、ご自身の離婚に対する考えを落ち着いてまとめることが大切です。
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なる場合がございます。
3、離婚後も安心して生活するためにやるべき4つのこと
ガスライティングの被害から抜け出すためには早めに離婚をしたほうが良いのですが、離婚後の生活に不安があっては元も子もありません。離婚後も安心して生活するためには、以下の4つのことを行う必要があります。
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(1)別居をするための準備
ガスライティングを受けている場合には、一刻も早くその状況から抜け出す必要があります。しかし、ガスライティングをしている相手は、容易には離婚に応じてくれませんので、離婚問題が長期化する可能性があります。
そのため、まずは、相手と別居をして距離を置くのがよいでしょう。別居をするためには、別居先の住まいを探す必要がありますが、その際には相手に気付かれないように探すのが重要です。万が一、別居先がバレてしまうと、自宅に連れ戻されてしまうリスクがありますので注意が必要です。
なお、身の危険を感じたときは、すぐに警察などに連絡し、保護してもらうことも検討しましょう。弁護士に相談をすれば、別居のタイミングなどもアドバイスしてもらえますので、必要に応じて利用してみるとよいでしょう。 -
(2)仕事を探す
ガスライティングをしている相手は、別居をしても生活費を支払ってくれない可能性があります。別居中の経済的不安を少しでも解消するためには、自分で仕事をして生活費を稼がなければなりません。現在、専業主婦という方は仕事探しも別居準備と並行して行っていきましょう。
また、別居にあたっては、引っ越し費用や家具・家電の購入などまとまったお金が必要になりますので、しばらくの間生活できるだけの蓄えを作ることも大切です。
なお、別居中の生活費については、婚姻費用の請求をすることもできますが、話し合いで応じてくれない場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担調停(結婚しているときの費用について話し合いがまとまらない場合の裁判所の手続き)の申し立てが必要になります。ひとりで対応するのが不安なときは、弁護士に相談することをおすすめします。 -
(3)住所が知られないよう「支援措置」を自治体に依頼する
支援措置とは、DVや虐待などによる被害者の居場所を知られないようにするために、住民票や戸籍の閲覧などを制限する制度です。
ガスライティングの加害者は、別居や離婚した相手を探して連れ戻そうとすることもありますので、居場所が知られないようにすることが重要です。支援措置の制度を利用すれば、婚姻中であっても配偶者からの住民票や戸籍の附票の請求を制限することができますので、必ず利用するようにしましょう。
なお、支援措置の期間は、1年となっていますので、その後も継続して利用する場合には、忘れずに延長の申し出をする必要があります。 -
(4)子どもに関する手続き
夫婦に子どもがいる場合には、以下のような手続きが必要になります。
- 戸籍や氏の変更
- 児童扶養手当の手続き
- 学校の手続き
離婚する際には、子どもにも少なからず負担をかけることになりますので、できる限りスムーズに手続きを進めてあげることが大切です。
4、精神的DVを受け離婚するなら、弁護士に早めに相談を
精神的DVを理由に離婚をお考えなのであれば、ご自身で離婚手続きを進めるのではなく、早めに弁護士へ相談したほうが良いでしょう。弁護士に依頼すれば、相手に会わずに離婚手続きが進められる、といったメリットがあるからです。以下で詳しくお伝えします。
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(1)相手に会わずに離婚ができる
離婚をする際には、まずは相手との話し合いが必要になります。しかし、ガスライティングの加害者と被害者は、対等な関係ではなく、被害者が加害者に依存している状態になっています。これでは、離婚したくても離婚してもらえず、離婚ができても不利な離婚条件で離婚させられるリスクがあります。
そのため、ガスライティングの被害を受けている方は、弁護士に依頼をして、離婚手続きを進めていくことをおすすめします。弁護士であれば、代理人として、相手との離婚交渉を行うことができますので、相手に会わずに離婚をすることができます。ガスライティングによる異常な状況から抜け出すためにも、弁護士のサポートは不可欠といえるでしょう。 -
(2)精神的DVに対して慰謝料請求ができる
ガスライティングなどの心理的虐待を受けている場合には、離婚時に精神的DVを理由とする慰謝料請求が可能です。
ただし、慰謝料を請求するためには、請求する側において、ガスライティングがあったことを証拠により立証していかなければなりません。相手がガスライティングを認めることはほとんどありませんので、証拠がなければ慰謝料請求は認められないでしょう。
弁護士に相談をすれば、ガスライティングの立証に必要となる証拠をアドバイスしてもらうことができますので、離婚を切り出す前に十分な証拠を確保できる可能性が高くなります。また、慰謝料の交渉についても弁護士に任せることができますので、相手から理不尽なことを言われて精神的ストレスを受けるおそれもありません。 -
(3)財産分与や住宅ローンなどお金の問題も不利にならない決着がつけられる
離婚にあたっては、財産分与(離婚時に財産を夫婦で分けること)の取り決めも必要になってきます。
財産分与では、婚姻期間中の夫婦の共有材財産を清算することになりますが、そのためには、相手の持っている財産を把握していなければなりません。相手がどのような財産を持っているのかわからないという場合には、相手の財産隠しにより不利な条件での財産分与になるおそれがあります。
弁護士であれば、弁護士会照会や裁判所の調査嘱託などの手段により相手の財産を明らかにしていくことができます。また、住宅ローンが残っている自宅がある場合でも、状況に応じた適切な解決方法を提案することにより、離婚後のトラブルを予防できます。
少しでも有利な条件で離婚したいという場合には、弁護士のサポートが不可欠です。 -
(4)子どもがいる場合、親権や養育費の問題も適切に解決できる
夫婦に子どもがいる場合には、親権や養育費の取り決めも必要です。
子どもの親権をどちらにするのかは、離婚条件の中でも争いになりやすい項目のひとつですので、子どものことを第一に考えて、しっかりと決めていかなければなりません。ガスライティングの被害を受けている方は、相手の言い分がすべて正しいと思い込んでしまう傾向にありますので、親権が取れる状況であるにもかかわらず、相手の主張に従って親権を譲ってしまうおそれもあります。
そのような事態にならないようにするためにも、弁護士を代理人にして離婚条件の交渉を行うようにしましょう。
5、まとめ
ガスライティングによる精神的虐待を受けている方は、加害者側から精神的に洗脳されている状態ですので、自分からは離婚を言い出せない状態になっていることが多いです。そのような状況から抜け出すためには、客観的な立場から判断できる専門家のアドバイスが不可欠になりますので、まずは、本コラムで紹介した専門家への相談をおすすめします。
専門家の相談と並行して、やはり自分の状況はおかしい、離婚したいということであれば、早めに弁護士に相談しましょう。ベリーベスト法律事務所では初回60分相談無料で、離婚のご相談を受け付けております。ぜひご相談ください。
- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
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[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
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