婚外恋愛とはどのようなこと指すのでしょうか。以下では、婚外恋愛の概要や婚外恋愛をしてしまう理由などについて説明します。

1. （1）婚外恋愛とは何か？

   婚外恋愛とは、結婚している状態で配偶者以外の人と恋愛関係になることをいいます。
   「婚外恋愛」という言葉は、法的な用語ではなく、テレビドラマをきっかけに生まれた言葉だといわれています。

2. （2）婚外恋愛と不倫との違い

   不倫とは、法的な用語では「不貞」といいますが、配偶者以外の異性との間で肉体関係を持つことをいいます。
   婚外恋愛と不倫は区別して使われることもありますが、婚外恋愛と呼んでいたとしても、肉体関係を伴っている場合には不倫（不貞）です。法的には両者を区別できません。
   
   また、婚外恋愛と似た言葉として、「プラトニック不倫」や「セカンドパートナー」というものがあります。
   
   プラトニック不倫とは、肉体関係を伴わない不倫をいうのもので不貞行為にはあたりませんが、それにより夫婦関係を壊す事態になれば離婚や慰謝料の原因となることがあります。
   セカンドパートナーとは、配偶者とは別のパートナーのことをいいます。プラトニック不倫と同様に肉体関係のないパートナーを指すこともあります。これも肉体関係を伴う場合には、不倫（不貞）に当たります。

3. （3）婚外恋愛をしてしまう理由

   結婚をしていながら婚外恋愛をしてしまう理由としては、以下のようなことが言われています。

   • 配偶者からは得られない恋愛感情を求めている
   • 異性として扱ってもらえる喜び
   • 気軽に付き合える関係性
   • 離婚はしたくないけど恋愛はしたい
   • 育児が落ち着いて時間に余裕ができた
   
   
   

   近年では、マッチングアプリや出会い系サイトなどの利用が一般化しており、誰でも気軽に異性と出会うことが可能になりました。このような時代の変化も婚外恋愛をしてしまう、婚外恋愛が容易化した理由のひとつといえるでしょう。

婚外恋愛がバレてしまったらどうなるのでしょうか。以下では、婚外恋愛がバレたときのリスクを説明します。

1. （1）配偶者から慰謝料請求される

   肉体関係を伴う婚外恋愛は、「不貞行為」にあたりますので、配偶者から不貞行為を理由に慰謝料を請求される可能性があります。
   また、プラトニックな関係であったとしても、婚外恋愛により夫婦関係を破壊したと評価されると、慰謝料請求の対象になってしまいます。

2. （2）W不倫だった場合、相手の配偶者から慰謝料を請求される

   婚外恋愛の相手も既婚者であった場合、W不倫になりますので、自分の配偶者だけでなく相手の配偶者からも慰謝料を請求されるおそれがあります。自分の家庭だけでなく相手の家庭も巻き込んで泥沼のトラブルに発展するリスクがあるといえます。

3. （3）離婚や訴訟に発展する

   婚外恋愛は、配偶者に対する裏切り行為です。信頼を失った配偶者から離婚を請求されることも考えられます。
   あなたが離婚に応じなかったとしても、肉体関係を伴う婚外恋愛は法定離婚事由のひとつである「不貞行為」に該当しますので、訴訟に発展すれば離婚が認められる可能性が高いです。

4. （4）離婚したくてもできなくなる（有責配偶者）

   肉体関係を伴う婚外恋愛をした人は、婚姻関係の破綻を招いた「有責配偶者」にあたります。有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません。あなたが離婚したいと思っても、配偶者が離婚に応じてくれなければ離婚できません。

5. （5）婚姻費用をもらえなくなる

   夫婦が別居を開始すると、一方の配偶者は他方の配偶者に対して生活費として婚姻費用を請求することができます。収入が少ない方が多い方に対して請求することが一般的ですが、子どもがどちらと一緒に暮らしているかなどの事情によって異なります。
   
   しかし、婚姻費用を請求する側が有責配偶者の場合には、婚姻費用の請求が制限されたり、減額されてしまったりする可能性があります。

6. （6）家族を傷つけてしまう

   婚外恋愛は、家族に対する重大な裏切り行為ですので、婚外恋愛がバレれば家族を傷つけることになります。
   
   特に、子どもがいる家庭では、夫婦関係が悪化することで子どもの精神状態にも悪影響が及ぶ可能性があります。軽い気持ちで婚外恋愛をした結果、家庭の崩壊という取り返しのつかない事態になるリスクがあるでしょう。

7. （7）社会的信用を失う

   婚外恋愛の相手が同じ職場の人であった場合、2人の関係が職場にバレる可能性があります。職場にバレれば、社会的信用性を失うことにつながりかねません。
   不倫で直ちに解雇される可能性は低いですが、何らかの懲戒処分がくだされる可能性はあります。そのような処分がなくても、職場に居づらくなった結果として退職を余儀なくされることもあるでしょう。

上述したリスクにより生じるさまざまなトラブルを避けるためにも、以下のようなことを考えることが大切です。

1. （1）リスクを把握し、自分にとっての優先順位を考える

   婚外恋愛をすることには、さまざまなリスクがあります。恋愛をしている間は楽しいかもしれませんが、失うものもあるでしょう。家庭や子ども、仕事や社会的地位などを犠牲にしてでも婚外恋愛が優先すべきものであるといえるかどうか、婚外恋愛を続けるべきかどうかをよく考えてみてください。

2. （2）婚外恋愛の相手と別れる

   婚外恋愛によるトラブルを防ぐには、婚外恋愛の相手と別れることが最も効果的な手段といえます。お互いに恋愛感情があるとなかなかスムーズに別れることができないかもしれませんが、トラブルに発展する前に早めに関係を解消するべきでしょう。

3. （3）弁護士に相談する

   婚外恋愛がバレると、離婚問題や慰謝料請求などの法的トラブルに発展するリスクがあります。このような法的トラブルに対応するには、専門家である弁護士のアドバイスが必要です。誤った対応をしてしまうとトラブルが深刻化するリスクもあります。早めに弁護士に相談することをおすすめします。

婚外恋愛をして配偶者から慰謝料請求をされてしまった場合、以下のような対応を検討しましょう。

1. （1）まずは誠実に対応する

   婚外恋愛が事実であれば、配偶者に対する重大な裏切り行為になりますので、さらに相手を傷つけることのないよう誠実に対応することが大切です。
   慰謝料を請求された場合、すぐに支払いを拒否するのではなく、相手の請求内容をしっかりと精査したうえで、誠意を持った回答をすることを心がけましょう。

2. （2）不貞行為があったのかを確認

   婚外恋愛には、肉体関係を伴わないプラトニックな関係もあります。配偶者が不貞行為を理由として慰謝料請求をしている場合には、肉体関係の有無が重要なポイントとなります。
   肉体関係がないプラトニックな関係であれば、婚外恋愛に至ったという非は認めつつも、慰謝料請求を拒否・減額できる可能性があるでしょう。

3. （3）慰謝料の金額が適切かを確認

   肉体関係を伴う婚外恋愛であった場合、原則として慰謝料の支払義務が生じると考えましょう。
   ただし、配偶者からの請求額が適切な金額を超えている場合には減額交渉できる場合があります。請求額をそのまま支払う前に、慰謝料金額の相場を踏まえて適切な金額であるかどうかを確認してみましょう。

4. （4）夫婦関係の破綻はあったと言えるのかを確認

   婚外恋愛に至った時点ですでに夫婦関係が破綻している場合には、肉体関係を伴う婚外恋愛であったとしても慰謝料の支払いを免れることができます。
   夫婦関係が破綻していたかどうかは、開始時点での別居の有無や夫婦間の交流の有無・内容などにより判断されます。開始時点での夫婦の状況を振り返ってみましょう。
   
   以下の「不倫・浮気の慰謝料を請求された方へ」のページでは、より詳しく慰謝料請求に関するポイントや注意点を解説しています。あわせてご一読ください。

   
   

婚外恋愛がバレると、慰謝料請求や離婚問題などさまざまなトラブルに発展する可能性があります。トラブルが生じたときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

1. （1）慰謝料額が適切か判断できる

   上述の通り、不貞行為を理由とする慰謝料の金額には一定の相場があります。しかし、その金額はさまざまな要素を考慮して判断されますので、一般の方が正確に判断することはできないでしょう。
   弁護士に相談をすれば婚外恋愛の具体的な状況を踏まえて、相手から請求された慰謝料額が適切であるかどうか、減額交渉が可能であるかどうか判断することが可能です。

2. （2）法的観点からアドバイスができる

   婚外恋愛がバレて離婚を請求されている場合、離婚に応じるかどうか、離婚に応じる場合どのような条件で離婚をするのかを決めていかなければなりません。離婚条件には、慰謝料以外にも親権、養育費、財産分与、年金分割、面会交流などさまざまな事項がありますので、それらを適切に決めていくには、弁護士による法的アドバイスが不可欠です。
   
   弁護士に相談をすれば、婚外恋愛をしたという落ち度があったとしても、適切な条件で離婚できるようアドバイスを受けることができます。

3. （3）相手との交渉を任せられる

   離婚や慰謝料を請求された場合、まずは相手との交渉により問題の解決を図る必要があります。しかし、交渉で相手が感情的になってしまうこともあります。その結果、必要以上に責められて精神的な負担が大きくなったり、相手に対して強く出られないため不利な条件に応じてしまったりする可能性があります。
   
   弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として相手との交渉を行います。これにより精神的な負担を軽減しつつ不利な条件に応じるリスクを回避することが可能になります。

婚外恋愛とは、配偶者以外の人と恋愛関係を結ぶことであり、肉体関係があれば不倫と変わりません。婚外恋愛がバレた場合は慰謝料請求されたり離婚に発展したりするリスクがありますので、そのようなトラブルに発展したときはすぐに弁護士に相談するようにしてください。

婚外恋愛による慰謝料請求や離婚問題でお困りの方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。