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浮気相手が“慰謝料を支払ってくれない”場合は? 4つの対処法を解説

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更新日:2024年11月20日  公開日:2018年08月08日
浮気相手が“慰謝料を支払ってくれない”場合は? 4つの対処法を解説

配偶者が浮気をした場合、浮気相手にも慰謝料を請求できますが、浮気相手が慰謝料を“支払わない場合”があります。
もしも「払わない」と言われたら、まずは慰謝料請求ができるケースなのかできないケースなのか、しっかり確認しなければなりません。

また、慰謝料を支払わせるためのコツや交渉方法があります。
今回は、慰謝料を払わない浮気相手に対し、効率的に慰謝料請求する方法について、弁護士が詳しく解説します。

1、なぜ浮気相手は慰謝料を払わないのか?

浮気相手は、配偶者のある人と不倫したのですから、当然慰謝料支払い義務があるはずです。
それにもかかわらず、どうして支払わないのでしょうか?

まず、浮気相手が慰謝料を支払わない理由を確認していきましょう。

  1. (1)浮気・不倫の事実がない

    浮気相手が慰謝料を払わない理由として、「実際には浮気や不倫をしていない」ケースがあります。浮気や不倫が、請求者の勘違いということです。 この場合、相手には支払義務がありませんから、払わないのも当然です。
    不倫の慰謝料請求をするときには、きっちり証拠をそろえて確証を得てからにする必要があります。

  2. (2)既婚者とは知らなかった

    不貞行為(不倫、浮気)で慰謝料が発生するためには「故意」や「過失」が必要です。
    ところが、配偶者が「独身」と偽って不倫をしているケースがあり、そのような場合、浮気相手は「独身と聞いていた」「既婚者と知らなかったので、故意がない、責任が発生しない」と主張して、慰謝料を支払わない可能性があります。

  3. (3)夫婦関係が破綻していると聞いていた

    既婚者であっても、夫婦関係が完全に破たんしている場合には、別の異性と肉体関係を持っても不法行為にはなりません
    そこで、浮気相手は「夫婦関係が破たんしていると聞いていた」という弁解をして、慰謝料を支払わないことが多いです。たとえば「別居していると聞いていた」「協議離婚の話し合いをしていると聞いていた」「離婚調停中で、もうすぐ離婚すると言っていた」といった主張です。

    このような主張がなされたとしても、<実際には夫婦関係が破たんしていなかったのであれば、相手が何と言おうと慰謝料請求ができる可能性が高いです(ただし、相手方に故意・過失がないと判断される余地はあります)。

  4. (4)無理やり誘われた

    たとえば、強姦に近いような形で無理矢理性交渉を強要されたのであれば、不貞にはなりません。そういった事情がある場合には、相手は「無理矢理された」と言って、慰謝料を支払わないことも当然です。
    ただ、ちょっと強めに誘われた、という程度であれば、断ろうと思えば断れるので、不法行為が成立し、相手方に慰謝料の支払義務が発生します。

  5. (5)自分だけ払うことに納得できない

    浮気相手は「浮気した配偶者も悪いのだから、私が全部の慰謝料を支払うことには納得できない」と言って、慰謝料を支払わないケースがあります。
    ただ、不貞の慰謝料は、不法行為者(既婚者と浮気相手)の共同不法行為にもとづくものであり、双方が全額の支払い義務を負いますので、この主張は通りません。

    慰謝料の支払額の分担については、既婚者とその浮気相手の間で問題になるにすぎません。

  6. (6)慰謝料を「払えない」ケース

    慰謝料を支払いたくても、請求額が高額過ぎて支払えない、という主張もよくあります。
    特に、浮気相手が若い女性で1人暮らし、などというケースでは、「お金がない。謝るから許してください」などと言ってくることがあります。


    以下の「不倫・浮気の慰謝料を請求したい方へ」のページでは、より詳しく慰謝料請求に関するポイントや注意点を解説しています。あわせてご一読ください。

    浮気・不倫の慰謝料請求をしたい方へ

2、まず確認!浮気相手に慰謝料請求できるケースとできないケースとは?

浮気相手から「慰謝料を払わない」と言われたとき、まずすべきなのは、「本当に、浮気相手に慰謝料請求ができるケースなのか」確認することです。
以下では、浮気相手に慰謝料を請求するための条件を、確認していきましょう。

  1. (1)浮気相手に慰謝料を請求するための条件

    ① 肉体関係があった
    法律上、不貞と評価されて慰謝料請求権が発生するには、「肉体関係の存在」が必要となることがほとんどです。性行為又はそれに類似した行為を認定せずに慰謝料請求を認めた裁判例もありますが、数としては少なくなっています。
    単に恋愛感情を持っているだけとか、デートをしているだけでは、法的な「不貞行為」にならず、慰謝料請求が難しくなります。

    ② 浮気相手に「故意・過失」がある
    浮気相手に慰謝料請求をするには、浮気相手に「故意・過失」があることが必要です。つまり、浮気相手が「既婚者であることを知っていた」か「知らないことに過失があった」ことが必要となります。
    たとえば、相手に夫や妻がいると知りながら肉体関係を持ったら、通常は不貞の故意があります。

    また、通常の注意を払っていれば相手に夫や妻がいることがわかる状況であったにもかかわらず、浮気相手の不注意で気づかなかった場合には、過失があるのでやはり不貞行為の慰謝料請求が認められます。

    ③ 浮気相手の自由意思で性交渉をした
    不貞行為が不法行為となって慰謝料請求が認められるためには、浮気相手の自由意思にもとづいて性交渉が行われたことが必要です。

    たとえば、浮気相手が既婚者を好きになり、恋愛関係となって肉体関係を持てば不貞行為です。半ば強引な誘いがあったとしても、最終的に自分で選んで不貞関係になったのであれば、やはり不貞が成立して慰謝料が発生します。

    ④ 不貞によって、夫婦生活が侵害・破壊された
    慰謝料請求が認められるためには、不貞行為により、「夫婦生活が侵害・破壊された」ことも必要です。特に円満な関係にあった夫婦が不貞行為によって離婚にまで至った場合には慰謝料額は大きくなる傾向にあります。

    反対に、もともと夫婦仲が悪く、夫婦生活がなくなって家庭内別居状態や別居状態にあった場合には慰謝料額は大きく減額されますし、夫婦関係が完全に破たんしている場合には、そもそも慰謝料が発生しないことになります。

  2. (2)慰謝料請求できないケース

    次に、慰謝料請求ができないケースを見ていきましょう。

    ① 相手に故意過失がなかった
    たとえば、出会い系サイトなどで知り合って、夫が浮気相手の女性に「独身」と説明しており、お互いの素性を知らないまま肉体関係を持った場合などには、相手に故意過失がなく、慰謝料が発生しない可能性があります。

    ② 性行為を強要された
    慰謝料が発生するためには、不貞行為が相手の自由意思に基づいて行われた必要があります。たとえば、配偶者が相手の女性(もしくは男性)に対し、暴行や脅迫などの手段を用いて無理矢理性行為をした場合には、慰謝料は発生しません。

    ③ すでに慰謝料の支払いを受けている
    実際に配偶者と相手が不倫関係にあったとしても、すでに十分な慰謝料を受け取っている場合には、それ以上に請求することはできません。
    たとえば、離婚の際に夫から500万円の慰謝料を受け取っている場合などには、その後にさらにプラスして浮気相手に慰謝料請求をするのは難しくなるでしょう。

    ④ 時効期間が経過した
    慰謝料請求権は、民法上の「損害賠償請求権」という権利です。損害賠償請求権には時効があるので、一定期間が経過すると、相手方が時効を主張(援用)した場合にはもはや請求できなくなります。

    不倫相手の素性もしくは不貞行為を知った日から3年(消滅時効)、あるいは不貞行為があった日から20年(除斥期間)を過ぎると、慰謝料請求をすることができない

    不貞慰謝料請求の時効は、「損害及び加害者を知ったときから3年」ですので、①不貞行為があったことと、②浮気相手の名前や住所などの素性を知ったときから3年が経過した時点で時効となります。

    ⑤ 証拠がない
    浮気の証拠が手元にない場合には、浮気相手が「浮気していません」と主張してきたときに、それ以上追及する方法がありません。
    また、証拠が不十分な場合にも、浮気相手が「支払いを求めるなら裁判して下さい」と開き直ったときに、敗訴するリスクをおそれて裁判に踏み切れず、慰謝料請求を諦めざるを得ない場合もあります。

3、浮気相手が慰謝料を支払わない時の4つの対処方法

慰謝料請求したのに浮気相手が払わない場合、どのように対応したら良いのでしょうか?
以下で、ケース別に望ましい対処法をご紹介します。

  1. (1)相手が「不倫していない」と主張する場合

    まず、浮気相手が「不倫していないから慰謝料を支払わない」というケースがあります。この場合には、不倫の証拠を突きつけることが効果的です。
    たとえば、2人で交わしていたメールや写真、興信所の報告書などを入手していることを伝えましょう。

    なお、必ずしもこのときに証拠の現物を提示する必要はありません。むしろ、原本を提示すると、その場で毀損される可能性があるので、提示をするならコピーにしましょう

  2. (2)相手が支払いに納得しない場合

    たとえば、相手が「既婚者とは知らなかった」「無理矢理性交渉をされた」「婚姻関係が既に破たんしていた」などと言って慰謝料支払いを拒絶する場合には、それぞれの主張内容に即して、反論を行う必要があります。

    たとえば、既婚者であると知らなかったという場合、「平日の夜しか会おうとしない、友人は1人もしらない、2人でしかあったことがない、休日には連絡がとれない、家にも招待されたことがないのだから、当然既婚者だと気づくべき」などの反論ができます。

    「無理矢理された」という主張に対しては、浮気相手の主張内容の矛盾点を突いて合意があったという反論をすることも可能ですし、当初は明確な合意がなかったとしても、その後は浮気相手の自由意思で関係を続けていた点を指摘することなどが可能です。

    また、「婚姻関係が破たんしていた」という主張に対しては、「実際には子供もいて、休日には家族で出掛ける良い関係であった」など、証拠写真を沿えて説明することで、反論することが可能です。

  3. (3)相手が通常の交渉では支払いに応じない場合

    口頭やメール、普通の手紙などで請求をしても浮気相手が慰謝料を支払わない場合には、内容証明郵便を使って慰謝料請求をすることが効果的です。
    内容証明郵便自体には差押えなどの効力はありませんが、通常の書面とは異なりますし、請求をする際に使用されることも多く、相手に強いプレッシャーを与える効果があるからです。

    弁護士名で内容証明郵便を送ると、さらに相手に与えるプレッシャーが強くなるので、「慰謝料を払わない」と言っている浮気相手でも、支払いに応じる可能性が高くなります。

    内容証明郵便の送付後に浮気相手と話し合いをして慰謝料の支払いについて合意ができたら、示談書を作成しましょう。必要に応じて、公正証書の作成についても検討しておけば万全です。

  4. (4)相手が「支払えない」という場合

    次に、浮気相手が「金額が高すぎるので、慰謝料を払えない」と反論してくるケースがあります。この場合には、慰謝料を減額したり、分割払いを認めることで、合意できる可能性があります

    たとえば、300万円の慰謝料請求をして「払えない」と断られた場合、200万円や150万円に減額したら、支払いを受けられるケースがあります。
    浮気相手の手元にまとまったお金がない場合には、月々5万円や10万円などの分割払いにすることで、支払いについての合意ができる可能性もあります。

    こうした減額や分割払いの交渉では、さじ加減が重要であり、専門家でないと難しいことも多いので、相手が慰謝料を支払わないと言い出した場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
    分割払いの合意をする際にも、弁護士に依頼をしておけば、相手方の支払いが滞ったときにも備えた合意書を作成してもらえるはずです。

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4、浮気相手に対してやってはいけない4つのこと

浮気相手から「慰謝料を支払わない」と言われると、ついつい感情的になってしまいがちですが、以下のようなことはしてはいけません。
このようなことをすると、かえって不利になってしまう可能性があります。

  1. (1)浮気相手の家や職場に押しかける

    ご主人や奥さんの浮気相手が慰謝料を支払わない場合、腹が立って、浮気相手の家や職場に押しかけてしまう人がいます。 しかし、このようなことは、得策ではありません。
    浮気相手から「不法侵入」と言われる可能性もありますし、浮気相手の職場で「不倫女!」などと言って騒いだら、かえって「名誉毀損罪」になってしまう可能性もあります。 こちらが被害者のはずだったのに、浮気相手の方がむしろ犯罪の被害者となり、警察を呼ばれてしまうかもしれません。

    浮気相手が慰謝料を払わないとしても、このような法律に違反した方法ではなく、裁判所を使った適法な手続きで請求しましょう。

  2. (2)ネットで誹謗中傷する

    浮気相手が慰謝料を支払わないと言ったとき、押しかけ行為はしなくても、ネット上で誹謗中傷する方がいます。 たとえば、浮気相手を誹謗中傷するブログを作成したり、自分のSNSなどで浮気相手と旦那さんの関係などを書いたりして、相手を追い詰めようとするのです。

    しかし、ネット上の投稿であっても「名誉毀損罪」が成立する可能性があります。
    名誉毀損行為をすると、反対に相手から慰謝料請求をされてしまうこともあるので、決してしてはいけません。

  3. (3)退職を強要する

    浮気相手から慰謝料を支払わないと言われると、腹が立って、相手に対して退職を強要する方がいます。特に、夫と浮気相手が同じ職場で働いているケースに多いパターンです。
    しかし、浮気したからと言って必ずしも会社を辞めないといけないというものではありません。

    浮気相手が会社を辞めるべき義務は無いのに、無理矢理会社を辞めさせたとなると、刑法上の「強要罪」が成立してしまう可能性もあります。 配偶者と浮気相手が同じ職場で働いている状況は許しがたいかも知れませんが、社内の規律については、会社に任せるべきです。

  4. (4)浮気相手の両親に対して慰謝料請求する

    浮気相手自身にお金がないなどの理由で支払わないと言われたときに、よくみられるのが、浮気相手の両親に慰謝料請求をしてしまうパターンです。
    浮気をしたのは本人であり、法的には両親に慰謝料支払義務がありません。浮気相手の両親から支払うと言っているのでなければ、両親に請求をするのはやめておいたほうがいいでしょう。
    浮気相手が両親に秘密にしていた場合などは、大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。

    相手が慰謝料を支払わないと言ったときには、裁判所の正当な手続きで請求を行い、相手が判決に従わない場合には、相手の資産や給料に強制執行をかけることで回収をはかるべきです。

5、浮気相手が慰謝料を支払わない場合、弁護士に相談を

浮気相手が慰謝料を支払わない場合、請求者としては困ってしまうことが多いです。
相手からさまざまな反論をされたり「お金がない」と開き直られたりして、裁判をするかどうか迷われる方も多くいます。

そんなときに、弁護士が間に入って請求をすると、相手が任意に慰謝料の支払いに応じ、すぐに解決することがあります。また、どうしても支払わない場合には、慰謝料請求訴訟を起こすこともできます
当事務所では、浮気相手への慰謝料請求や離婚裁判など、男女問題にも積極的に取り組んでいます。 慰謝料を支払わない浮気相手にお悩みの場合には、お気軽に無料相談をご利用ください。

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この記事の監修
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所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
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