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浪費癖の夫(妻)と離婚する方法や借金の返済義務を弁護士が解説

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更新日:2024年10月09日  公開日:2019年07月18日
浪費癖の夫(妻)と離婚する方法や借金の返済義務を弁護士が解説

結婚してからずっと夫(妻)の浪費癖がひどく、我慢できないから離婚したいという方がいらっしゃいます。

浪費癖のある相手と離婚する際、財産分与や親権、慰謝料などの条件はどのように取り決めるのが公平なのでしょうか。また離婚を切り出しても相手が同意してくれなかった場合、どうしたら良いのでしょうか。

そんな疑問を解消できるように、相手の浪費を理由として離婚できるのか、借金の分担やその他の離婚条件の取り決め方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が詳しく解説いたします。

1、なかなか離婚してくれない浪費癖のある夫(妻)と離婚は可能か?

  1. (1)相手が離婚してくれない場合「法定離婚事由」が必要

    浪費や借金癖のある夫や妻に「離婚したい」と持ちかけても合意が得られず離婚届を提出できない場合、協議離婚は成立しません。
    このような場合、まずは家庭裁判所で「離婚調停」を行う必要があります。調停で相手が離婚に納得すれば、財産分与や子どもの親権などの条件を取り決めて離婚できます。
    調停でも相手が離婚を拒絶する場合には、離婚訴訟によって強制的に離婚をさせてもらうしかありません。
    離婚訴訟で離婚が認められるには「法定離婚事由」が必要です。法定離婚事由とは、法律の定める離婚原因のことです。

  2. (2)「浪費」で法定離婚事由が認められるケースとは

    「借金」や「浪費」「金銭感覚のずれ」があるだけでは法定離婚事由になりません。浪費が離婚原因として認められるには、以下のような事情が必要です。

    • 配偶者が収入を全てギャンブルやショッピングに費やし、生活費をくれない(悪意の遺棄)
    • 夫(妻)がギャンブルに浪費して会社に行かない、仕事をしない(悪意の遺棄)
    • お金のことを指摘すると、激しく暴言や暴力を振るわれる、責められて精神的に追い詰められる(DV、モラハラ)


    またお金の問題が発端であっても、夫婦関係が著しく悪化していてお互いが修復の意思をなくしていれば、「婚姻関係(夫婦関係)を継続し難い事由」が認められて離婚させてもらえる可能性もあります。
    「それなら心当たりがある」「こんなケースでは離婚できるだろうか?」という場合は、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

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2、夫(妻)が勝手に作った借金の返済義務は?

婚姻中に夫や妻が借金した場合、その返済義務は結婚生活中や離婚後に他方の配偶者に及ぶのでしょうか?
まず民法の規定により「日常家事債務」は夫婦の連帯責任となります。つまり、食料品などの生活必需品を買うための負債は、配偶者にも当然支払い義務が発生します。
一方、それ以外の個人的な借金や多額の借金については、夫婦の連帯責任にはなりません。
たとえば夫がパチンコやぜいたく品の購入のために浪費したお金について、妻が支払いをする必要はありません。このことは、離婚後も同じなので、「離婚しても夫のカードの支払い義務が及ぶかも」などと心配する必要はありません。

3、浪費癖の夫(妻)と離婚する前に確認しておきたい財産分与について

次に浪費癖のある夫や妻と離婚する際の財産分与がどうなるのか、みてみましょう。
財産分与は、結婚生活においてためた共有財産を夫婦が分け合う手続きです。
財産分与の割合は、基本的に夫婦が半分ずつです。
しかし夫や妻の浪費を理由に家計が圧迫され、預貯金や保険などの共有財産が減ってしまっていたら、相手に渡す財産分与を減らすのが公平です。その場合、財産分与の割合を変更できる可能性があります。ただし浪費した事実を証明し、どのくらい浪費されたのか金額がはっきりと分からないと考慮されません。
財産分与を有利に進めるには、的確な証拠を集めて提示する必要があります。ひとりで対処するのが不安なら、弁護士に相談すると良いでしょう。

なお借金は基本的に財産分与の対象にならないので、離婚の際に相手のカードなどの個人的な借金を半分背負わされることもありません。


「離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください」のページでは、財産分与の対象になるもの・ならないもの、注意点などについて解説しています。ぜひご参考ください。

適切な分配・損をしないために離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください

4、夫婦間に子どもがいる場合の親権について

浪費癖のある夫や妻との間に未成年の子どもがいたら、離婚後の子どもの親権者を決める必要があります。
このとき「相手は浪費しているから、親権をとれないはず」と考える方がおられますが、浪費と親権に直接的な関係はありません。
協議離婚(話し合い)や調停離婚で夫婦が合意すれば、浪費した配偶者に親権を認めることも問題なく可能です。訴訟では、確かに経済状況も考慮しますが、絶対的な基準ではありません。
たとえば子どもが小さい場合には母親が親権者として指定されるケースが多いようです。そこで妻が浪費家で借金を抱えていても、子どもが乳幼児なら妻が親権者になる可能性が高くなります。もしもあなたが男性でどうしても親権を獲得したいなら、妻に浪費癖があっても油断してはなりません。裁判所が親権者を判断する際には、それぞれの親と子どもとの関係やこれまでの養育実績、現在の生活状況、子どもの状態、経済状況、身体の健康状態などさまざまな事情を考慮します。親権を取るためには、こういったいろいろな条件を整える必要があります。

また離婚後には養育費も発生します。相手が浪費家でも、離婚後相手が親権者となったら、あなたが相手に対し、毎月養育費を支払い続けなければなりません。
「本当にお金が子どものために使われているのか?」と考えるのも当然ですが、お金の使われ方を指定することはできません。それが嫌なら自分が親権を取得しておく必要があります。

浪費家の相手と離婚するときに親権や養育費について不安があるなら、早めに弁護士に相談するのが良いでしょう。

5、夫(妻)の浪費を理由に離婚する際の慰謝料について

婚姻中、夫や妻に浪費されて家庭生活の家計費が少なくなり、大変な思いをされた方もいます。自分の小遣いは少ないのに相手は好きに浪費して多額の借金をしていたということもあり、納得できないのも当然です。そこで浪費家の夫や妻と離婚するときに「慰謝料請求できないのか?」と考える方が多数おられます。
相手の浪費を理由に離婚するとき、慰謝料請求できるケースとできないケースがあるので、それぞれ検討しましょう。

  1. (1)慰謝料請求できるケース

    離婚の際に慰謝料請求できるのは、相手に「有責性」がある場合です。
    有責性とは、「婚姻関係(夫婦関係)を破綻させたことについての責任」です。
    つまり、自らの過ちによって結婚生活や家庭生活を壊してしまった場合に慰謝料が発生します。
    有責性が認められる典型例は、不貞や悪意の遺棄、DVなどのケースです。

    たとえば以下のような場合、慰謝料請求できる可能性があります。

    • 浪費癖のある夫や妻が別の異性と不倫した場合やあなたとの性生活を正当な理由なく拒絶した場合
    • 浪費癖のある相手から暴力を振るわれていた場合
    • 「働いてほしい」と言っているのに相手が借金するばかりで仕事もせずぶらぶらしていた場合
    • 相手が収入をすべて浪費にまわし、生活費を渡してくれなかった場合
    • 相手が浪費、借金を繰り返した上で家出してしまった場合
    • 相手の浪費が原因で夫婦仲が悪化し、別居して長期間が経過しているケース


    一方相手が浪費家であっても、あなたが不倫していたり相手に暴力を振るっていたりした場合には、こちらから相手に対して慰謝料を払わないといけないケースもあるので注意が必要です。

  2. (2)慰謝料請求できないケース

    夫や妻が浪費家であっても慰謝料請求できないのは、以下のように相手に有責性が認められない場合です。

    • 浪費や借金は激しいが、生活費はちゃんと渡してくれている
    • こっそり消費者金融やカードで多額の借金をしていたが、家族に迷惑がかかっていない
    • 相手や自分の実家の両親に借金の肩代わりをしてもらった
    • 相手が浪費するので、自分が働いたお金で生活をしていた
    • 相手が専業主婦で家計管理が苦手だった
  3. (3)慰謝料請求するために必要な証拠

    慰謝料が発生するケースであっても、必ず証拠が必要です。証拠がないのに慰謝料請求しても、相手にしらを切られたらそれ以上何も言えないからです。
    たとえば相手が不倫しているなら不倫の証拠、暴力を振るわれたなら診断書などの証拠など、逐一残しておく必要があります。
    慰謝料の証拠収集方法や相手への請求方法がわからない場合や不安がある場合には、弁護士の力を借りるのが良いでしょう。

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6、浪費癖の夫(妻)と離婚するときの手順について

事浪費癖のある夫や妻と離婚する際、どのような手順で進めていけば良いのでしょうか?

  1. (1)話し合いによる協議離婚

    まずは話し合いにより、協議離婚を目指しましょう。
    相手が離婚を受け入れたら、離婚届を作成・提出するだけで離婚が成立します。
    ただ、協議離婚であっても、慰謝料や財産分与、子どもの養育費などの問題についても取り決めて、協議離婚合意書にまとめておくべきです。
    相手が浪費家で財産分与や慰謝料、養育費を払ってもらう場合には、将来の不払いに備えて必ず「離婚公正証書」にしておきましょう。

  2. (2)離婚調停

    相手と話し合っても離婚に応じてもらえない場合や財産分与などの離婚条件について合意ができない場合、離婚調停をする必要があります。
    離婚調停では家庭裁判所の調停委員が間に入って夫婦間の調整をしてくれます。相手が浪費して結婚生活に困難をきたしていたことなどを説得的に主張すると、調停委員が積極的に相手に離婚に応じるよう言ってくれる可能性もあります。
    ただ調停は強制ではないので、相手が納得しない場合には最終的に不成立となります。

  3. (3)離婚裁判

    調停でも不成立になった場合には、裁判によって離婚を認めてもらうしかありません。
    離婚訴訟では、当初に説明したように「法定離婚事由」がある場合に離婚を認めてもらえます。また相手に有責性があれば、慰謝料の支払い命令も出してもらえます。
    相手が浪費家の場合、支払い命令が出ても財産分与や慰謝料、養育費などの支払いをしない可能性もありますが、そのようなケースでは給料や預貯金、生命保険などの強制執行(差し押さえ)によって取り立てることが可能です。

7、まとめ

夫あるいは妻が浪費家の場合、離婚そのものだけではなく、離婚条件を取り決める際にもいろいろなトラブルが発生しがちです。

有利な条件で離婚するには、離婚問題についての知識と経験が豊富な弁護士によるサポートが重要です。「浪費家の夫あるいは妻と離婚したい」と考えたら、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。

離婚に関する初回相談は、60分まで無料でお受けしております(ご相談内容によっては一部有料)。お客さまのお話を親身になってうかがい、あなたの願いをかなえるためのアドバイスをいたします。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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