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再婚したときに養育費を減額できる場合と方法について

2019年02月04日
再婚したときに養育費を減額できる場合と方法について

離婚するときに養育費の約束をしてずっと真面目に払ってきた方でも、再婚したら新しい妻(夫)や子どもができるので、元妻(夫)への養育費の支払いが負担になってしまいます。
そんなとき、養育費を減額できないのでしょうか?
今回は再婚するときに養育費の減額が可能か、またどのようにして減額してもらえるのか、弁護士が解説します。

1、養育費の支払義務や法的拘束力について確認しよう

  1. (1)そもそも養育費とは

    養育費とは子どもを実際に養育監護しない親が、子どもが成人するまでの間負担する、子どもの養育にかかる費用です。
    離婚によって親権者にならなかった親は子どもを実際に養育することはなくなりますが、たとえ別居していても親には子どもへの扶養義務があるので、養育費の支払いが必要となります。
    養育費支払義務は子どもに対する「生活保持義務」を根拠としています。そのため、自分と同等の生活水準を子どもに保障する必要があり、「余裕があるときに支払えば良い」というレベルのものとは違います。

    離婚時に養育費を支払う約束をした場合、口頭であれ書面であれ、法的にはその内容に従った支払義務が生じます。もっとも、養育費の取決め方法によって、支払わなかった場合に取られる手続が異なってきます。

  2. (2)口約束で養育費を取り決めた場合

    夫婦が口約束で養育費の取決めをした場合、それだけでは養育費の支払義務に法的な強制力は認められません。つまり、支払いをしなくても預貯金や給与などの財産がすぐに差し押さえられることはありません。
    しかし、養育費の支払いをしない場合、元妻(夫)から「養育費請求調停」を起こされたときには、養育費の金額や支払方法について取り決めていくことになります。そして、調停が成立したのに、その後、養育費を支払わなかった場合には、強制執行手続により財産を差し押さえられる可能性があります。

  3. (3)離婚協議書を作成した場合

    離婚の際、離婚協議書によって養育費の支払義務を定めることがあります。しかし、離婚協議書を公正証書にしておらず、単に当事者同士が署名押印した書面にすぎない場合には、養育費の支払いは直ちに法的に強制されるものではありません。
    この場合にも、相手はあなたに対して養育費の支払いを求める調停を申し立て、家庭裁判所で養育費の金額や支払方法を決定することになります。その後の手続は先ほど述べたとおりです。

  4. (4)離婚公正証書を作成した場合

    離婚の際、離婚協議内容について公正証書を作成したケースでは、公正証書に強制執行認諾(受諾)文言(「養育費の支払いをしないときには直ちに強制執行に服する」という内容の文言のこと)があれば,公正証書に基づいて強制執行をすることができます。そのため、養育費の支払いをしなければ預貯金や給料などを差し押さえられる可能性があります。

  5. (5)養育費の支払期間について

    養育費は、いつまで支払う必要があるのでしょうか?
    基本的には、子どもが成人するまでです。
    現在、選挙権年齢は18歳まで引き下げられていますが、選挙権年齢以外の民法の成人年齢は20歳です。そこで、養育費は基本的に20歳まで支払う必要があります。 ただ、2022年4月からの民法改正によって成人年齢が18歳に下がるので、それ以降は18歳まで支払えば足りることになる可能性もあります。
    また、現在においても当事者の話し合いにより、養育費の支払終期を20歳とは別の時期に設定できます。たとえば18歳までと定めることも可能ですし、一般的には子どもが大学を卒業する22歳になった後初めて迎える3月までとすることもできます。

2、一度取り決めた養育費の支払額を減額できる?

離婚時に養育費の金額や支払終期を取り決めたものの、その後の事情によって養育費を減額することは可能なのでしょうか?
以下で、減額できるケースとできないケースをご説明します。

  1. (1)減額が可能なケース

    一度取り決めた養育費を減額できる可能性があるのは、以下のような場合です。

    ●予測不可能な事情によって、支払義務者の収入が減った
    離婚時(養育費の金額を合意した当時)には予測できなかった事情により、減収が発生した場合には養育費の減額を求めることができます。たとえば病気やケガ、リストラなどで仕事ができなくなった場合、生活保護を受けるようになった場合などです。物価や貨幣価値が大幅に変動して、相対的に支払義務者の収入が減った場合も同様です。

    ●受け取る側の収入が増えた
    離婚後、元妻(夫)の収入が増えた場合には養育費を減額してもらうことができます。

    ●再婚して再婚相手や再婚相手との間の子ども(養子縁組した場合を含む)の扶養義務が発生した
    養育費の支払義務者が再婚し、新しい妻や子どもができた場合には、そちらを扶養すべき義務が発生するので、以前の子どもに対する養育費の金額はその分下げざるを得ません。
    自分の血縁の子どもだけではなく、再婚相手に連れ子がいて養子縁組をした場合にもやはり養育費の減額を請求することができます。

  2. (2)減額が不可能なケース

    以下のような場合、養育費を減額してもらうことはできません。

    ●子どもと面会させてもらえない
    子どもと面会させてもらえないからといって、養育費の減額や支払いを拒否することはできません。養育費と面会交流は引換えではないからです。

    ●離婚してから「相場より高い」と知った
    離婚時に金額に納得して養育費の支払いに合意した場合、後に「相場の金額より高い」と知ったからという理由で減額してもらうことはできません。

    ●予想できる事情による減収
    自ら望んで給料の低い職場に転職した場合など、減収が予測可能な事情によって発生した場合には、養育費を減額してもらえない可能性が高くなります。

3、あらためて養育費を取り決める場合の手続や注意点

再婚などの事情で養育費の減額請求ができる場合、どのようにして新たな養育費の金額を取り決めることができるのでしょうか?
手続や注意点をご説明します。

  1. (1)再婚時、養育費の減額請求方法や手続の流れ

    養育費の減額請求をするときには、以下のような手順で進めましょう。

    ●話し合いをする
    養育費の減額請求をするときには、まずは元妻(夫)と話し合いをしましょう。お互いが減額について合意できたら、家庭裁判所で面倒な手続をする必要はありません。
    離婚時に養育費の支払いについて公正証書を作成したり離婚調停で調書が作成されている場合には、減額された事実を法的に明確にするため、新たな取決め内容についても再度公正証書を作成しておきましょう。

    ●養育費減額請求調停を起こす
    元妻(夫)と直接話し合いをしても合意できない場合には、家庭裁判所で養育費減額請求調停を申し立てる必要があります。養育費減額請求調停を申し立てると、調停委員を介して元妻と養育費の妥当な金額について、話し合い、決定できます。
    調停でも合意できない場合には、養育費減額調停は「審判」という手続に自動的に移行します。そして裁判所が、夫婦の年収やこれまでの話し合いの経過を見て、妥当と判断した養育費の金額を決めてくれます。減額が必要な事案であれば、減額を認めてくれますし、減額できない事案であれば申立ては認められません。

  2. (2)養育費相場の確認と金額の算出

    再婚して子ども(再婚相手の連れ子を含む)ができたときなど、養育費の金額を減額すべきケースでは「どこまで減額するか」が問題になりやすいです。
    養育費には相場の金額があります。一般的には、家庭裁判所の定める「養育費算定表」を使って決めることが多数です。
    しかし「養育費算定表」は、一方の親が子どもを全員扶養しているケースを前提としています。
    元妻(夫)が前の子ども、元夫(妻)が再婚相手とその子どもを扶養しているという状態は想定されていません。そこでこの場合、個別的な計算によって、養育費を算定する必要があります。

    このようなイレギュラーなケースにおいては、養育費は以下のように計算します。
    まずは、扶養義務者(養育費を支払う側)と権利者(養育費を請求する側)の「基礎収入」を算定します。基礎収入は、年収に基礎収入率をかけて計算しますが、基礎収入率(総収入のうち、生活費に充てられる金額の割合)は、職種や経済力(収入)に応じて適切な値を当てはめて求めます。目安として、給与所得者の場合には34~42%、自営業者の場合には47~52%程度となります。収入が高くなると、基礎収入率は下がります。

    次に子どもの年齢に応じて生活費の指数(成人を100とした場合に子どもにかかる生活費の数値)を計算します。15歳以上の場合の指数は90、13歳以下の場合には55です。

    そして基礎収入と生活指数を組み合わせて計算することにより、養育費の金額を算出します。

    再婚した場合の養育費の計算方法は、再婚相手の収入、子どもの人数や年齢を考慮するため大変複雑で、当事者の方が自分で計算しても間違ってしまう可能性が高いです。
    正確に計算するためには、弁護士に相談することをおすすめします。

4、再婚し、新しい配偶者の連れ子と養子縁組するとき知っておきたいこと

再婚したとき、新たな妻に連れ子がいたら、養子縁組をするかしないか考える必要があります。
養子縁組をすると、再婚相手の子どもとの間に法的な親子関係が生じるので、さまざまな法律上の権利・義務が発生します。これに対し養子縁組をしない場合、再婚相手の子どもとの関係は法的には「他人」なので、法的関係はほぼ発生しません。
以下では、再婚して新たな配偶者の連れ子と養子縁組する方法と、そのとき発生する法律関係について、説明します。

  1. (1)養子縁組の手続の流れ

    再婚相手の連れ子と養子縁組をするときには、婚姻届を提出後「縁組届」という書類を市町村役場に提出することになります。
    未成年と養子縁組をするときには、基本的に家庭裁判所の許可が必要となりますが、再婚に伴う養子縁組の場合にはその手続が省略されています。
    婚姻届を提出する際に縁組届の用紙をもらい、同時に提出しましょう。

  2. (2)扶養義務が発生する

    再婚相手の子どもと養子縁組した場合には、その子どもに対する扶養義務が発生します。
    自分の収入からその費用を出す必要があるので、その分、以前の子どもに支払える養育費の金額が減額される、という仕組みです。
    また、いったん再婚相手の連れ子と養子縁組してしまったら、再婚相手と離婚しても子どもとの親子関係はなくなりません。「離縁」するまでは再婚相手の子どもの養育費支払義務が残るので、注意が必要です。

  3. (3)相続権が発生する

    再婚相手の子どもと養子縁組をすると、その子どもとの間に法的な親子関係が生まれるので、一方が死亡した場合には相続権を取得します。
    そこで、あなたが亡くなると、連れ子もあなたの遺産を相続する権利を有します。この場合、以前の妻(夫)の子どもと養子縁組した子どもの相続分は等分です。
    将来、遺産相続が起こったときにトラブルが発生する可能性が高まるので、遺言書などを作成してトラブルの予防をしておく必要があります。

  4. (4)戸籍について

    再婚相手の子どもと養子縁組をすると、子どもはあなたの戸籍に入り、続柄が「養子/養女」となります。
    参考までに、もしも養子縁組をしなければ子どもの戸籍や姓は以前のままです。その場合、家庭裁判所に「子の氏の変更」を申し立て、家庭裁判所の許可を受けた後で役所に「母(父)の氏を称する入籍届」という書類を提出することにより、連れ子をあなたの姓にすることができます。ただし、この手続は、養子縁組手続とは別個の手続であるため、氏が同じになるだけで、法的な親子関係が生じるわけではありません。

    このように、養子縁組をすると、再婚相手の連れ子との間に法的関係が発生して様々な効果が発生しますが、結果として子どもとの絆が深まって親子関係を築きやすくなるなど、良いこともたくさんあります。再婚した場合の養子縁組については、過剰に心配する必要はありません。

5、まとめ

再婚したことを理由に元妻(夫)に養育費の減額請求をすると、相手は納得しないことが多く、トラブルになりやすいです。また、再婚の場合、適切な養育費の算定方法も難しくなります。自分で対応するのに限界を感じたら、お早めに弁護士までご相談ください。

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