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夫婦喧嘩が原因で離婚をしたい! 離婚を切り出す前の準備や注意点

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更新日:2024年08月09日  公開日:2023年03月09日
夫婦喧嘩が原因で離婚をしたい! 離婚を切り出す前の準備や注意点

夫婦といっても育ってきた環境やそれぞれの価値観などが異なりますので、お互いの意見の対立から夫婦喧嘩に発展することもあるでしょう。夫婦喧嘩の頻度や内容によっては、これ以上、婚姻生活を続けていくことが難しいと考えて、離婚を検討することもあるかもしれません。

このような夫婦喧嘩や性格の不一致を理由に離婚をすることはできるのでしょうか。また、話し合おうとしても喧嘩になってしまい話し合いができない場合にはどのように対処したらよいのでしょうか。

今回は、夫婦喧嘩を理由とする離婚の可否と離婚の進め方について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、夫婦喧嘩を理由に離婚することはできる?

夫婦喧嘩を理由に離婚をすることはできるのでしょうか。以下では、夫婦喧嘩を理由とする離婚の可能性について説明します。

  1. (1)話し合いで合意ができれば夫婦喧嘩を理由とする離婚も可能

    離婚する方法でもっとも一般的なのは、「協議離婚」という方法です。協議離婚とは、夫婦の話し合いによって離婚をする方法であり、夫婦間で離婚の合意が得られた場合には、市区町村役場に離婚届を提出することで離婚が成立します。

    協議離婚では、離婚をする理由を問われることはありませんので、夫婦の双方が離婚に合意しているのであれば、夫婦喧嘩を理由に離婚をすることも可能です。

  2. (2)話し合いでの離婚が難しい場合には法定離婚事由が必要

    話し合いでの離婚が難しい場合には、最終的に裁判離婚を選択することになりますが、裁判所に離婚を認めてもらうためには、以下のような法定離婚事由が必要となります

    ① 不貞行為

    不貞行為とは、配偶者のある方が、配偶者以外の異性との間で肉体関係を持つことをいいます。一般的に、不倫と呼ばれる行為がこれにあたりますが、食事にいっただけ、キスしただけという場合には不貞行為にはあたりません。

    ② 悪意の遺棄

    悪意の遺棄とは、正当な理由なく、夫婦の基本的な義務である、同居・協力・扶助義務を放棄することをいいます。たとえば、配偶者に生活費を渡さない、勝手に自宅を出ていったまま戻らないなどの状態がこれにあたります。

    ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでない

    配偶者の生死が3年以上明らかでない場合も法定離婚事由に該当します。ただし、生死不明が要件となりますので、単にどこにいるのかわからないという場合には、生死不明にはあたりません。

    ④ 強度の精神病にかかり回復見込みがない

    配偶者が強度の精神病にかかって、回復の見込みがないという場合には、夫婦としての基本的な義務を果たすことができませんので、法定離婚事由になります。ただし、回復の見込みの有無や離婚後の生活状況などを踏まえて、離婚の可否は慎重に判断される傾向にあります。

    ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由

    婚姻を継続し難い重大な事由とは、婚姻関係が破綻して回復の見込みがない状態であることをいいます。上記の4つの法定離婚事由に比べると、抽象的な内容になっていますので、婚姻生活中のさまざまな事情が考慮されて離婚の可否が判断されることになります。

    婚姻を継続し難い重大な事由に該当するケースとしては、以下のものが挙げられます。

    • DV、モラハラ
    • セックスレス、性的異常
    • 過度な宗教活動
    • 長期間の別居
    • 犯罪行為による服役


    夫婦喧嘩についても、その頻度や程度によっては「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当することもあります。その場合は、夫婦喧嘩を理由に離婚をすることができる可能性もあります。

  3. (3)夫婦喧嘩で離婚問題に至るケース・離婚を考えるケース

    夫婦といっても育った環境やそれぞれの価値観が異なりますので、どのような夫婦でも多かれ少なかれ夫婦喧嘩をすることもあるでしょう。夫婦喧嘩をしたとしても、お互いに譲歩し合いながら解決ができる夫婦であれば離婚にまで発展することはありません。また、一時的な感情による喧嘩の場合には、冷静になってからお互い自分の過ちに気付くなど、その後の話し合いによって関係の修復は可能です。

    しかし、以下のようなケースでは、夫婦の信頼関係の回復が困難となり、夫婦喧嘩が原因で離婚に至る可能性があります。

    • 頻繁な夫婦喧嘩により、信頼関係を築くことができず、回復困難な状況になっている場合
    • 夫婦喧嘩が子どもの精神面に悪影響を与えている場合
    • 夫婦喧嘩を子どもにこれ以上見せたくない場合
    • 夫婦喧嘩が単なる口喧嘩ではなく暴力まで発展している場合

2、夫婦間での話し合いが難しい場合における、離婚の流れ

夫婦間での話し合いが難しいという場合には、以下のような流れで離婚を進めていく必要があります。

  1. (1)別居をする

    お互いに顔を合わせて生活をしている環境では、離婚の話し合いをしようとしても、夫婦喧嘩になってしまい話し合いをすることができない場合があります。そのような場合には、まずは別居をして、お互いに距離を置くとよいでしょう。
    お互いに冷静になることによって、離婚の話し合いを進められる可能性があります。

  2. (2)弁護士に代理人になってもらう

    当事者同士の話し合いでは、どうしても感情的になってしまい、その結果、夫婦喧嘩に発展する可能性があります。そのような場合には、弁護士に依頼をして、弁護士に離婚の話し合いを進めてもらうとよいでしょう。

    弁護士であれば夫(または妻)の代理人として、相手と話をすることができます。客観的な第三者が間に入ることで、感情的な話し合いにはならず、冷静に離婚の話を進めることができます

  3. (3)離婚調停を申し立てる

    上記の方法でも離婚の合意に至らない場合には、次の段階として、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます

    離婚調停は、基本的には協議離婚と同様に話し合いの手続きとなりますが、話し合いの場所が家庭裁判所であり、夫婦の話し合いに家庭裁判所の調停委員が立ち会ってくれます。夫婦が交互に調停委員とお話するという流れで進みますので、夫婦が直接顔を合わせることがありません。そのため、裁判所外で話し合いをしている時よりも、離婚に向けて建設的な話し合いを進めることが可能な場合も多いです。

    夫婦喧嘩ばかりで話し合いにならないという場合でも、離婚調停の手続きを利用することによって、スムーズな話し合いを進めることができる場合もあります。

    なお、離婚調停は、離婚裁判のように強制的に夫婦を離婚させるものではなく、あくまで話し合いの手続です。調停においても離婚の合意ができない場合には、調停不成立になってしまいます。この場合には、最終的に、離婚裁判によって離婚を争っていく必要があります。

3、離婚を切り出す前に準備すべきことや注意点

配偶者に離婚を切り出す前には、以下のような準備をしておく必要があります。また、離婚を進めるにあたっての注意点も解説します。

  1. (1)希望する離婚条件を明確にしておく

    離婚をする場合には、夫婦の状況に応じて、以下の離婚条件を決めておくべきです。協議離婚は、単なる離婚の話し合いではなく、離婚条件のすり合わせをしていく作業です。そのため、何の準備もなく離婚の話を切り出したとしても、スムーズな話し合いは難しいといえますので、あらかじめ希望する離婚条件を明確にしておくことが大切です

    ① 親権

    夫婦に子どもがいる場合には、離婚後はどちらか一方を親権者に指定しなければなりません。親権者に指定された親が基本的には子どもと一緒に生活することになりますので、子どもの生活環境や希望なども踏まえて十分に話し合いをすることが必要です。

    ② 養育費

    子どもと一緒に生活する監護親は、非監護親に対して、子どもの生活費などを含めた養育費を請求することができます。養育費の金額は、まずはお互いの話し合いによって決めることになります。その際には、裁判所が公表している養育費の算定表を利用することによって、養育費の相場を把握することができ、スムーズな話し合いを行うことができるでしょう。

    ③ 面会交流

    子どもがいる夫婦の場合には、離婚後に子どもと一緒に生活していない親と子どもが会うことができます。これを「面会交流」といいます。夫婦喧嘩をしていた夫婦の場合には、面会交流のやり取りでも争いになることが予想されますので、面会交流の日時、頻度、場所、方法、連絡方法などを明確に取り決めておくとよいでしょう。

    ④ 婚姻費用

    離婚条件ではありませんが、離婚前に別居をする場合には、収入の少ない方から多い方に婚姻費用という生活費を請求することが認められています。経済的な不安から焦って不利な条件で離婚をすることがないようにするためにも婚姻費用を請求し、じっくりと離婚の話を進めていきましょう。

  2. (2)法定離婚事由を裏付ける証拠を集める

    お互いの話し合いで離婚の合意ができない場合には、最終的に裁判所に離婚訴訟を提起することになります。すでに説明したとおり、裁判離婚をするためには、法定離婚事由があることが必要となり、法定離婚事由があることは離婚を求める原告の側で主張立証していかなければなりません。そのため、離婚を切り出す前には、将来の離婚裁判の可能性も見越して、あらかじめ法定離婚事由を裏付ける証拠を集めておきましょう

    夫婦喧嘩を理由とする離婚で、法定離婚事由を裏付ける証拠となり得るものとしては、以下のものが挙げられます。

    • 夫婦喧嘩で暴言を吐かれた状況を記録したボイスレコーダー
    • 夫婦喧嘩で暴力を振るわれた際の写真や医師の診断書
    • 夫婦喧嘩の状況を詳しく記載した日記やメモ
  3. (3)合意が成立した場合には強制執行認諾文言付公正証書を作成する

    夫婦の話し合いによって離婚の合意ができた場合には、離婚届を提出する前に離婚条件に関する合意内容を書面にまとめておきましょう。そして、金銭を支払ってもらう内容の書面を作成する場合には、強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくことがおすすめです

    強制執行認諾文言付公正証書とは、相手が、合意した内容に従ってお金(養育費、慰謝料、財産分与)を支払わない場合に、裁判手続きをすることなく相手の財産を差し押さえることができる文書のことをいいます。通常の合意書では、相手がお金を支払わない場合には、裁判を起こして判決を取得しなければなりませんので、時間も費用もかかってしまいます。

    強制執行認諾文言付公正証書であれば、改めて訴訟をすることなく、簡単に相手の財産を差し押さえることができますので、お金の支払いに関することが合意内容に含まれている場合には、必ず作成するようにしましょう。

4、離婚問題を弁護士に相談するメリット

離婚問題を弁護士に相談することには、以下のようなメリットがあります。

  1. (1)精神的な負担を軽減しながら離婚の準備や話し合いができる

    当事者同士での話し合いでは、どうしても感情的になってしまい夫婦喧嘩が生じるなどして、スムーズに話し合いを進めることができないことが多いです。弁護士に依頼をすれば、相手との交渉をすべて弁護士に任せることができますので、相手と話し合いをしなければならないという精神的な負担を軽減することができます

    離婚をすることを決めた場合には、働く場所や住む場所を探さなければならないこともありますが、話し合いを弁護士に任せることができれば、離婚後の準備もスムーズに進めることができるでしょう。

  2. (2)有利な条件で離婚が成立するように交渉ができる

    離婚をする際には、親権、養育費、婚姻費用、面会交流、財産分与などの条件を決めなければならないことがあります。このような離婚条件を取り決めるには、相場となる金額や計算方法などを把握していなければ、不利な条件で離婚をしてしまうリスクがあります。

    離婚後は、誰でも経済的な面で不安を感じるかもしれませんが、そのような不安を少しでも緩和するためには、有利な条件で離婚を成立させることが大切です。弁護士であれば、豊富な知識や経験に基づいて、相手と交渉をすることができますので、個人で交渉をするよりも有利な条件を獲得することができる可能性は上がるでしょう

  3. (3)裁判に発展した場合に備えて適切なアドバイスができる

    離婚をするためには、相手の合意が必要です。また、離婚には合意できていても、離婚条件で合意に至らず離婚が成立しないというケースもあります。そのような場合には、最終的には裁判を起こす必要がありますが、裁判で有利な結果を得るためには、自己の主張を裏付ける証拠が不可欠です。

    証拠の収集は、相手に離婚を切り出す前から進めておく必要があります。そのため、早めに弁護士に相談をすることによって、将来の裁判に備えた適切な行動をとることができます

5、まとめ

夫婦喧嘩によって離婚を考える夫婦も少なくないでしょう。夫婦喧嘩の頻度や程度によっては、夫婦喧嘩を理由として離婚をすることができるケースもありますが、そのためには、事前の準備が重要です。

少しでも、有利な条件で離婚をしたいとお考えの方は、離婚を切り出す前に、まずは弁護士にご相談ください。弁護士であれば、離婚前の準備に関するアドバイスや離婚を切り出した後のサポートを行うことができます。離婚における準備・交渉や調停などについてはベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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