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浮気相手に本気になった配偶者との離婚を進める方法を弁護士が解説

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更新日:2024年11月20日  公開日:2023年11月30日
浮気相手に本気になった配偶者との離婚を進める方法を弁護士が解説

浮気相手(不倫相手)に本気になっている配偶者(妻・夫)とは、夫婦関係の修復が困難な場合もあるでしょう。

そのような状況においては、離婚を考える方も多いと思いますが、配偶者の浮気が原因で離婚する場合、慰謝料請求や離婚条件についてしっかりと考えたうえで離婚手続きを進めることが大切です。適正な条件でスムーズに離婚を成立させるためには、弁護士にご依頼ください。

本記事では、浮気相手に本気になった配偶者と離婚する際の方法や注意点を、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、浮気相手に本気になった配偶者と離婚する前に検討すべきこと

配偶者が浮気相手に本気になっていることが分かり、離婚したいと考え始めた方は、まず以下の各点を検討しましょう。

  1. (1)そもそも本当に離婚したいか

    離婚をすると、配偶者との関係性を元に戻すことはできません。子どもがいる場合は、家庭のあり方や生活面、経済的な面などさまざまな場面で変化が出てきます。

    一度配偶者が浮気をしたとしても、その後に関係修復を試みた結果、良好な夫婦関係を取り戻せた例も存在します。
    まずは配偶者と本当に離婚したいかどうかを、今一度慎重に考えてみましょう。まだやり直したい気持ちが残っていれば、関係修復について配偶者と話し合うこともひとつの方法です。

  2. (2)離婚後の生活|収入・住まいなど

    配偶者と離婚する場合は、離婚後の生活のめどを立てておかなければなりません。特に、生活に十分な収入を得られるのか、住まいはどこに構えるのかなどは重要なので、離婚を切り出す前に検討しておきましょう。

    ご自身の給与だけでは収入が足りない場合は、実家の援助を受けることなども検討できます。また、国の「児童扶養手当」や自治体が設けているひとり親手当など、利用できる公的制度を漏れなく確認し、離婚後の収入を確保しましょう。

  3. (3)離婚条件|お金・子どもなど

    配偶者と離婚する際には、お金や子どもなどに関する離婚条件を話し合う必要があります。話し合いがまとまらなければ、離婚調停や離婚訴訟によって離婚条件を取り決めます。

    お金に関する離婚条件については、離婚後の生活をイメージしたうえで、生活保障として十分な金額を請求しましょう。どのような金銭を請求できるのかについては、後述します。

    子どもがいる場合は、親権をどちらが取得するのかも大きな問題です。子どもの利益を最優先に考慮して、どちらが親権者となるべきかをよく考えましょう。
    なお、双方が親権を希望する場合は、子どもの養育に関する分担状況や子どもの意思などを考慮して、家庭裁判所が親権者を決定します。親権争いが想定される場合には、その見通しについて弁護士にご相談ください。

2、配偶者の浮気が原因で離婚する際に請求できる金銭

配偶者の浮気が原因となって離婚をする場合は、ご自身の法律上の権利に基づき、以下の金銭を請求することができます。

  1. (1)財産分与・年金分割

    「財産分与」とは、離婚する夫婦の共有財産を公平に分けることをいいます。婚姻期間中に夫婦のいずれかが取得した財産は、原則として財産分与の対象です(贈与や相続などによって取得した財産を除きます)。

    配偶者の方が婚姻期間中に多くの収入を得ていた場合、多額の財産分与を受けられる可能性があります。弁護士のサポートを受けながら財産調査を行い、適正額の財産分与を受け取りましょう

    なお、婚姻期間中の厚生年金保険の加入記録についても、離婚時に分割を請求できます(=年金分割)。
    特に専業主婦(主夫)の方、自営業の方、夫婦ともに会社員で配偶者より収入が少ない方などは、年金分割の請求を忘れずに行いましょう

  2. (2)慰謝料

    「慰謝料」とは、精神的な損害に対する賠償金です。配偶者が浮気(不貞行為)をした場合、それによって被った精神的損害につき、配偶者に対して慰謝料を請求できます。

    配偶者の浮気が原因で離婚する場合、慰謝料額は100万円から300万円程度が一般的です。浮気の期間が長い場合や頻度が多い場合、夫婦間に未成熟の子がいる場合などには、慰謝料が高額となる傾向にあります。

  3. (3)婚姻費用

    離婚する前に配偶者と別居している場合は、婚姻費用の精算が発生することもあります。ご自身が子どもと同居する場合や、配偶者のほうがご自身よりも多くの収入を得ている場合には、婚姻費用を請求できる可能性が高いといえますので、できれば別居したらすぐに請求しましょう

    婚姻費用の金額を算定する際には、裁判所が公表している「婚姻費用算定表」が参考となります。

  4. (4)養育費

    子どもがいる夫婦が離婚する際には、養育費が問題となります。ご自身が子どもの親権者となる場合は、養育費を請求することが可能です。

    養育費の金額を算定する際には、裁判所が公表している「養育費算定表」を参考に、子どもの人数や年齢、夫婦の収入などに応じた相場を確認することができます。

3、浮気の慰謝料請求を行う際のポイント

浮気の慰謝料請求を行う際には、以下のポイントに留意して準備を進めましょう。

  1. (1)浮気の証拠を確保する

    配偶者が不倫関係を否定している場合は、その証拠を確保しなければなりません。
    原則として、配偶者と浮気相手の間で性交渉があったことを示す証拠が必要です(性交渉がなくても慰謝料請求が認められる場合もありますが、例外的です)。

    浮気の証拠としてもっとも有力なのは、浮気相手と会っている状況に関する機械的な記録です。例えば、現場の写真・動画・音声などが確保できれば、浮気の事実の立証に役立ちます。場合によっては、探偵を雇って張り込んでもらうこともあります。

    また、浮気に関するやり取りのデータ(メール、メッセージなど)も、浮気の証拠となる場合があります。弁護士のアドバイスを受けながら、有力な証拠をできる限り集めましょう

  2. (2)損害額を適切に見積もる

    浮気に関する慰謝料の金額は、浮気の期間・頻度や未成熟の子どもの有無など、具体的な事情によって異なります。

    慰謝料を請求する際には、具体的な事情から請求金額を考えることが大切です。弁護士にご相談いただければ、どの程度の額の慰謝料を請求すべきかについて、経験に基づく検討を経たうえでアドバイスいたします。

  3. (3)損害賠償請求権の消滅時効に注意する

    浮気に関する慰謝料請求権は、以下のいずれかの期間が経過すると時効消滅します(民法第724条)。

    不倫相手の素性もしくは不貞行為を知った日から3年(消滅時効)、あるいは不貞行為があった日から20年(除斥期間)を過ぎると、慰謝料請求をすることができない

    • ① 被害者が損害(=浮気の事実)および加害者(=浮気相手)を知った時から3年
    • ② 不法行為(=浮気)の時から20年


    上記いずれかの期間が経過すると、浮気の慰謝料を請求できなくなってしまいます。慰謝料請求権が時効消滅する前に、内容証明郵便による請求や訴訟提起などを行いましょう

4、浮気相手に本気になっている配偶者との離婚の進め方

浮気相手に本気になっている配偶者と離婚する際には、以下の手順を経る必要があります。弁護士にご依頼いただければ、代理人として、スムーズかつ適切な条件で離婚を成立させられるように尽力いたします。

  1. (1)離婚協議

    まずは夫婦で話し合い、離婚やその条件についての合意を目指します。
    離婚の合意が成立したら、その内容を離婚公正証書にまとめて締結しましょう。公正証書は公証人が作成する公文書で、合意内容に関する高い証明力が認められるほか、必要な文言を入れておけば、慰謝料などの不払いが生じれば直ちに強制執行を申し立てられるメリットがあります。

    弁護士を代理人とすれば、法的な根拠に基づいて離婚条件を交渉できるため、有利な条件で離婚が成立する可能性が高まります。

  2. (2)離婚調停

    離婚協議が不調に終わった場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。

    離婚調停では調停委員が仲介者として、夫婦双方の言い分を公平に聞き取ったうえで、和解(調停)による解決を目指します。
    弁護士は、離婚調停についても全面的にサポートいたします。調停委員に対して説得的に主張を伝え、有利な条件での離婚成立を目指します。

  3. (3)離婚裁判

    離婚調停が不成立となった場合は、裁判所に離婚訴訟を提起することになります。
    配偶者の浮気は不貞行為に当たるため、訴訟を通じた離婚の請求が可能です。離婚を認める判決が言い渡されれば、その主文の中で離婚条件も定められます。

    また配偶者が浮気相手に本気になっている状況では、浮気をして、離婚原因を作った配偶者側(=有責配偶者)から離婚を請求されるケースが考えられます。しかし原則として有責配偶者からの離婚請求は認められませんが、もし離婚に応じることを考えた場合は弁護士が介入することで、離婚に応じる代わりに有利な条件で離婚できるよう交渉することが可能です。

    弁護士は、依頼者の代理人として、浮気の事実や適正な離婚条件につき、証拠に基づく説得力のある主張・立証を行い、依頼者に有利な離婚判決を得られるように尽力いたします。

5、まとめ

浮気相手に本気になった配偶者と離婚したい場合は、浮気の証拠を確保したうえで、どのような離婚条件を求めるべきかを検討しましょう。弁護士にご相談いただければ、ご家庭の状況を踏まえて、どのような条件による離婚を目指すべきかについてアドバイスいたします。

ベリーベスト法律事務所は、離婚に関するご相談を随時受け付けております。配偶者の浮気が発覚して離婚を考え始めた方は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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