弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

プラトニック不倫とは? 離婚や慰謝料請求できた実例、流れを解説

  • 不倫
  • プラトニック不倫
更新日:2024年06月18日  公開日:2024年06月18日
プラトニック不倫とは? 離婚や慰謝料請求できた実例、流れを解説

パートナーの不倫を問い詰めたところ、「プラトニック不倫だから問題ない」と相手が言い張ることもあります。

プラトニック不倫とは、法律用語ではなく、一般的に肉体関係がない不倫のことをいいます。法律の言う「不貞行為」とは、肉体関係があることを意味しますので、プラトニック不倫が事実であれば、それを理由とした離婚や慰謝料請求は困難です。しかし、場合によっては、離婚や慰謝料請求ができる可能性もあります。そのため、離婚をお考えの方は、いくつかのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

今回は、プラトニック不倫で離婚や慰謝料請求をする流れとそのポイントについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、プラトニック不倫による離婚・慰謝料請求

プラトニック不倫を理由に、離婚や慰謝料請求はできるのかを解説します。

  1. (1)そもそもプラトニック不倫とは、どんな不倫?

    プラトニック不倫と通常の不倫は、肉体関係の有無で区別されます。

    プラトニック不倫とは法的な言葉ではなく、一般的な用語であり、肉体関係がない不倫のことを意味します。お互いに恋愛感情があるものの、肉体的なつながりがないのがプラトニック不倫の特徴です

    これに対して、通常の不倫は、配偶者以外の異性との間で肉体関係を持つことを指し、法的には「不貞行為」と呼ばれます。

  2. (2)プラトニック不倫で離婚は可能?

    夫婦が離婚する方法には、以下の3つの方法があります。

    • 協議離婚
    • 調停離婚
    • 裁判離婚


    このうち、協議離婚と調停離婚は夫婦の話し合いにより離婚をする方法ですので、夫婦双方の合意があれば、どんな理由でも離婚が可能です。

    裁判離婚の場合には、以下のような法定離婚事由がなければ離婚をすることができません。

    • 不貞行為
    • 悪意の遺棄
    • 3年以上の生死不明
    • 回復の見込みのない強度の精神病
    • その他婚姻を継続し難い重大な事由


    「不貞行為」は肉体関係を伴う不倫を指すため、プラトニック不倫(単なる恋愛関係)では法定離婚事由の「不貞行為」には該当しません。プラトニック不倫のみが離婚理由だと、裁判所に離婚を認めてもらうのは難しいといえます。
    しかしながら、継続している期間などの個別具体的な事情によって、プラトニックであるとしても、その第三者との関係が婚姻関係を破綻させたと認められる場合には、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するとして、離婚が認められる可能性もあります。

  3. (3)プラトニック不倫で慰謝料請求は可能?

    肉体関係のある一般的な不倫であれば、夫婦の貞操義務違反であるとして、離婚慰謝料を請求することができます。相手が不倫を認めなかったとしても、裁判で不倫が立証できれば、慰謝料の支払いを命じてもらうことが可能です。

    一方で、プラトニック不倫は、肉体関係がないため夫婦の貞操義務違反はありません。相手が任意に支払いに応じてくれない場合、裁判所に慰謝料を認めてもらうのは難しいといえます。

    ただし、肉体関係がなくても、単なる恋愛感情を超えた接触関係があり、それにより夫婦関係を破綻に至らしめたものと認められるケースであれば、例外的に慰謝料請求が認められる可能性もあります

2、プラトニック不倫で訴えた裁判例を紹介

プラトニック不倫で離婚・慰謝料請求した裁判例を紹介します。

  1. (1)東京地裁平成17年11月15日判決

    【事案の概要】
    この事案は、Bが妻(A)と不倫をしている疑いのあるC1とC2に対して、不法行為に基づく損害賠償の支払いを求める訴訟を提起したというものになります。
    C1はAのアルバイト先の知り合いで、Aと交際していたという事情があり、C2はAを自宅に泊めるなど行為をしていたという事情がありました。

    【裁判所の判断】
    C1については、証拠関係からは肉体関係が認められないとして不貞行為は否定しています。しかし、C1がBに対し、Aと結婚させてほしいと懇願し続けた結果、BとAとは別居し、離婚に至ったという事情から、婚姻生活を破壊したものとして違法と評価できるとして、不法行為に基づく損害賠償の支払いを命じました。

    C2については、信用調査会社の調査結果から肉体関係があったと認め、不貞行為を理由とする損害賠償の支払いを命じました。

  2. (2)東京地裁平成24年11月28日判決

    【事案の概要】
    この事案は、すでに離婚が成立したBが妻(A)との不倫相手(C)に対して、不法行為に基づく損害賠償の支払いを求める訴訟を提起したというものです。
    裁判では、不貞行為の有無と不貞行為がなかった場合の不法行為の成否が争点になりました。

    【裁判所の判断】
    裁判所は、証拠関係からは肉体関係があったものとは認められないとして、不貞行為は否定しています。
    しかし、CはBに読まれる可能性を認識しながら、夫婦の婚姻生活の平穏を害するようなメールを送ったことを認定し、そのことが夫婦の婚姻生活の平穏を害する違法な行為であるとして、慰謝料の支払いを命じました。

3、プラトニック不倫が原因で離婚する流れやポイント

プラトニック不倫による離婚は、以下のような流れで進めていきます。

  1. (1)不倫の証拠を集める

    プラトニック不倫であっても、例外的に離婚や慰謝料請求が認められることがあります。そのためには、離婚を請求する側で、その事実を立証しなければなりません。離婚を決意したら、まずはプラトニック不倫の証拠を集めるようにしましょう。

    ただし、通常の不倫であれば肉体関係があったかどうかという明確な基準がありますが、プラトニック不倫は、お互いの気持ちの問題で客観的な証拠が集めにくいといえます。どのような証拠が必要になるかは、ケース・バイ・ケースですまずは弁護士に相談して必要な証拠についてのアドバイスを受けるとよいでしょう

  2. (2)協議離婚

    十分な証拠が集まった段階で、相手に離婚を切り出して、話し合いを進めていきます。その際には、以下の条件も決めていくようにしましょう。

    • 慰謝料
    • 財産分与
    • 親権
    • 養育費
    • 面会交流
    • 年金分割


    これらの条件がまとまり、離婚の合意に至った場合には、その内容を離婚協議書にまとめておくようにしましょう。養育費、慰謝料、財産分与といったお金の支払いが含まれている場合には、公正証書にしておくのが安心です。

  3. (3)調停離婚、審判離婚

    夫婦の話し合いで離婚の合意に至らなかった場合には、家庭裁判所に離婚調停の申し立てを行います。

    離婚調停も協議離婚と同様に話し合いの手続きになりますが、お互いが直接話し合う必要がないため、スムーズに話し合いを進めることが期待できます。調停成立にあたっては、お互いの合意が必要であるため、合意が得られないときは調停不成立となります。

    離婚の合意ができているものの、ささいなところで争いがあるために調停が成立しないという場合には、審判離婚という形式がとられることもあります。審判離婚とは、裁判官が職権で必要な判断を行い、離婚を成立させる手続きです。

  4. (4)裁判離婚

    上記の方法で離婚できないときは、最終的に裁判所に離婚訴訟を提起します。

    プラトニック不倫という理由だけでは、法定離婚事由のいずれにも該当しませんが、その他の事情も踏まえて、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」があると認められれば、離婚できる可能性もあります。

4、プラトニック不倫で離婚する前に知っておくべきこと

プラトニック不倫での離婚をお考えの方は、以下のことを知っておくとよいでしょう。

  1. (1)離婚後の生活費や家賃などの出費に対する備えが必要

    一般的な肉体関係のある不倫を理由に離婚するケースであれば、離婚慰謝料を請求することができますので、それを当面の生活費に充てることができます。

    しかし、プラトニック不倫での離婚の場合、慰謝料の獲得は難しいと言えます。離婚後の生活費や家賃などの出費に対する備えが必要になりますので、離婚を決意した場合には、将来の出費に備えて、少しずつお金をためていくことが大切です。また、離婚の際には、財産分与や養育費など、金銭的な条件をしっかりと決めましょう。

  2. (2)子どもがいる場合には親権で争いになることもある

    夫婦に子どもがいる場合には、親権をめぐって争いになることがあります。

    プラトニック不倫をしているような人には親権を渡せないと考える方も多いですが、親権者の適格性を判断する事情として、不倫の有無は重視されません。そのため、親権の獲得を希望する場合には、自分が親権者にふさわしいという事情を主張していくことが重要です。

    また、子どもの親権を獲得した場合には、非監護親である相手に対して、養育費を請求することができます。養育費の金額などは夫婦の話し合いで自由に決めることができますが、裁判所が公表している養育費算定表を用いれば相場を踏まえた金額を定めることが可能です。

  3. (3)離婚ではなく別居も選択肢のひとつ

    プラトニック不倫では離婚が難しいという場合には、相手から婚姻費用という生活費をもらいながら別居をするというのも選択肢のひとつになります。

    別居期間の長さは、法定離婚事由の判断要素のひとつになりますので、今すぐに離婚するだけの事情がなかったとしても、別居期間が長くなれば、そのこと理由に離婚が認められる可能性もあります。

    相手と一緒の生活に苦痛を感じるなら、しばらくの間別居をするということも検討してみるとよいでしょう。

5、まとめ

プラトニック不倫が原因で離婚したい場合、双方が合意すれば離婚は可能ですが、話し合いがまとまらない場合は、裁判離婚にまで発展する可能性があります。

ただし、プラトニック不倫である場合、肉体関係がないため、慰謝料請求が認められない可能性があります。ただし、これによって、婚姻関係の維持が著しく難しくなった場合には、慰謝料請求できる可能性もありますので、まずは弁護士にご相談ください。

プラトニック不倫による離婚をお考えの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

同じカテゴリのコラム(不倫)

PAGE TOP