弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

配偶者が不倫相手と同棲! 慰謝料を請求する方法とは

  • 慰謝料
  • 不倫
  • 同棲
更新日:2024年11月20日  公開日:2024年11月20日
配偶者が不倫相手と同棲! 慰謝料を請求する方法とは

別居中の配偶者が離婚成立前に不倫相手と同棲を始めるケースがあります。夫婦が離婚するには配偶者との合意が必要になりますが、配偶者が不倫相手と同棲しているようなケースについては、不倫相手と同棲している配偶者の合意がなくても裁判で離婚ができ、慰謝料を請求できる可能性があります。

不倫相手と同棲する配偶者との離婚を有利に進めるためにも、慰謝料請求をする際の注意点や準備事項などをしっかりと押さえておきましょう。

今回は、不倫相手と同棲中の配偶者と離婚する方法や慰謝料請求をする方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

目次を

1、配偶者が不倫相手と同棲していたら、離婚できる? 慰謝料は請求できる?

配偶者が不倫相手と同棲している場合、離婚や慰謝料を請求することはできるのでしょうか。

  1. (1)不倫相手と同棲している配偶者と離婚をする方法は3つある

    そもそも離婚は相手との合意があればできますので、不倫相手と同棲している配偶者が離婚に応じてくれれば、話し合って合意することで離婚をすることができます。これを協議離婚といいます。

    相手が離婚に応じてくれない場合には、家庭裁判所に離婚調停の申し立てをすることになります。調停で離婚が成立する場合を調停離婚といいます。調停も話し合いの手続きであるため、調停の中でも相手が離婚に応じてくれないときは調停不成立となり、調停は終了します。

    調停でも離婚の合意ができなかった場合、最終的には、家庭裁判所に離婚訴訟を提起して裁判所に離婚の可否を判断してもらうことになります。その際に重要になるのが、以下の法定離婚事由が存在するかどうかです。

    • 不貞行為
    • 悪意の遺棄
    • 配偶者の生死が3年以上明らかでない
    • 回復の見込みのない強度の精神病
    • その他婚姻を継続し難い重大な事由


    配偶者が不倫相手と同棲中の場合は「不貞行為」に該当する可能性が高いといえます。また具体的な事情によっては、「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性もあります。そのため、配偶者が不倫相手と同棲している場合には、裁判離婚によって離婚できる可能性が高いといえます。

  2. (2)同棲している配偶者と不倫相手の双方に対して慰謝料請求が可能

    配偶者が不倫相手と同棲をしている場合には、不貞行為を理由として、民法709条に基づいて、不法行為による損害賠償請求(慰謝料請求)をすることができます。この慰謝料請求は、同棲している配偶者と不倫相手の双方に対して行うことができます。

    ただし、双方に対して請求できるといっても慰謝料の二重取りは認められません。つまり、どちらか一方に対して請求しても双方に請求しても、支払われるべき慰謝料の総額は変わりません。

2、配偶者が不倫相手と同棲中の場合に、慰謝料請求する際の注意点

相手との交渉や裁判を優位に進めるためには、不貞行為があるとわかる確かな証拠が欠かせません。以下では、不倫相手と同棲する配偶者に対して、慰謝料請求をする際の注意点について説明します。

  1. (1)配偶者と不倫相手が同棲している証拠を集める

    不貞行為を根拠として慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手との間で肉体関係があることを立証しなければなりません。

    不貞行為の直接の証拠としては、配偶者と不倫相手が性行為をしている動画や写真などです。しかしながら、このような動画や写真の入手は難しいでしょう。
    このような直接的な証拠がなくても、例えば男女が同棲している場合には社会通念上、肉体関係があると推認できます。そのため、配偶者と不倫相手が同棲している証拠によって肉体関係(不貞行為)を立証していくことが考えられます。

    まずは配偶者と不倫相手が一緒に生活している状況を写真や動画におさめるなどして証拠を集めていきましょう

  2. (2)配偶者が不倫相手と同棲する前に夫婦関係が破綻していないことに関する証拠を集める

    配偶者や不倫相手に対して慰謝料請求をすると、「すでに夫婦関係は破綻していた」という反論がなされることが多いです。この反論が認められることはあまり多くありませんが、同棲開始時点ですでに夫婦関係が破綻していたと認められた場合には慰謝料請求は認められません。念のため、配偶者が不倫相手と同棲する前に夫婦関係は継続していたことに関する証拠も確保しておきましょう

    具体的には、夫婦間のメールやLINEのやり取り、家族で撮った写真や動画などがあります。

  3. (3)証拠や慰謝料額に関することは弁護士に相談する

    慰謝料請求に必要になる証拠は具体的な事案によって異なります状況に応じた適切な証拠を集めるために、まずは弁護士に相談することをおすすめします

    弁護士であれば、必要な証拠や証拠の収集方法についてアドバイスができます。それにしたがって証拠収集を行うことで適切な証拠を確保できるでしょう。また、弁護士には慰謝料相場についての相談も可能です。
    弁護士に依頼すれば、証拠の収集から相手方との交渉、交渉でまとまらない場合の調停や訴訟についても相談でき、本人に代わって対応できますので、精神的な負担は小さくなるでしょう。

離婚・不倫慰謝料・婚約破棄などで
お悩みの方はご相談ください
初回相談60分無料
ご相談の内容によって一部有料と
なる場合がございます。
電話でお問い合わせ 0120-663-031 平日9:30〜21:00 / 土日祝9:30〜18:00
オンラインでは24時間受付中

3、慰謝料請求以外に、配偶者と離婚する前に知っておくべきこと

配偶者と離婚をする場合、慰謝料請求以外にも以下のことを考えておかなければなりません。

  1. (1)慰謝料以外に請求できるお金

    離婚の際には、慰謝料以外にも以下のような項目でお金を請求できる可能性があります。

    • 婚姻費用
    • 養育費
    • 財産分与
    • 年金分割


    配偶者が不倫相手と同棲しており、夫婦が別居している場合には、離婚成立までの生活費として婚姻費用を請求することができます。話し合いで離婚が決まらずに調停や裁判に発展すると離婚成立までかなりの時間を要しますその間の生活費を確保するためにも婚姻費用の請求はすぐに行いましょう
    また、夫婦に子どもがいる場合は離婚後の養育費についての取り決めも必要です。婚姻費用と養育費の金額については、裁判所が公表している養育費・婚姻費用算定表によって金額の相場を把握できますので、金額算定の参考にするとよいでしょう。

    また、婚姻中に築いた夫婦の共有財産は財産分与で清算を求めることができます。専業主婦であっても2分の1の財産を請求する権利がありますので、離婚後の経済的な不安を解消するためにもしっかりと請求していくことが大切です

    以下の「離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください」のページでは、財産分与の対象になるもの・ならないもの、注意点などについて解説しています。ぜひご参考ください。


  2. 適切な分配・損をしないために離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください
  3. (2)離婚に必要な準備

    離婚する際に必要な準備としては、生活場所と収入の確保が挙げられます。

    離婚によって現在ご自身が生活している家から出て行かなければならない可能性があります。離婚後の生活をどのようにしていくのか考え、当面の住まいについて新たなアパートを借りる、実家に戻るなど、生活場所を確保するようにしましょう。

    また、配偶者の方が収入が高い場合、離婚成立までは相手から婚姻費用の支払いが受けられますが、離婚が成立すると婚姻費用はなくなります。子どもがいる場合には、離婚後は養育費の支払いはありますが、養育費の金額は婚姻費用よりも低額なことが一般的です。離婚後は自分で生計を立てていかなければなりませんので、特に専業主婦の方は、新たな仕事を探すなどして収入を確保しましょう。

4、慰謝料や財産分与を請求する流れ

以下では、弁護士に相談した後に慰謝料や財産分与を獲得するまでの流れを説明します。

  1. (1)同棲先に内容証明郵便を送付する

    まずは同棲先に慰謝料を請求する旨の通知書を送付します。この際、内容証明郵便を使用します。
    配偶者に対して離婚や婚姻費用の支払いを求める場合には、通知書の中で併せて請求します。

  2. (2)配偶者や不倫相手と交渉する

    配偶者や不倫相手に内容証明郵便が届いた後は両者と交渉を開始します。

    配偶者とは、慰謝料だけでなく婚姻費用や離婚・財産分与等についての話し合いもしなければなりませんので、不倫相手が慰謝料の支払いに応じる意向を示したときは、先に不倫相手との交渉を進めて合意を成立させることもあります。

    配偶者や不倫相手との交渉で合意が成立したときは、口頭での合意で終わらせるのではなく、必ず合意書を作成します。金銭の支払いが含まれている場合には、執行認諾文言付きの公正証書の形式にしておくのが安心です。

  3. (3)話し合いがまとまらない場合は調停を申し立てる

    配偶者と離婚やその条件についての話合いがまとまらない場合には家庭裁判所に離婚調停の申し立てを行います。婚姻費用を請求する調停も一緒に申し立てることが多いです。

    不倫相手に対しても、家庭裁判所で慰謝料請求調停を行うことも可能です。しかしながら、この手続きはあまり一般的ではなく、不倫相手との交渉がまとまらない場合にはすぐに訴訟を提起することが一般的です。

  4. (4)調停でも解決できない場合は訴訟を申し立てる

    調停で解決できない場合は、訴訟を提起する必要があります。
    配偶者との関係では家庭裁判所に離婚訴訟を提起します。この訴訟の中で親権や養育費、財産分与等の離婚条件についても判断されます。
    不倫相手との関係では、地方裁判所または簡易裁判所に民事訴訟を提起します。地方裁判所か簡易裁判所かは請求する金額によって決まります。
    裁判(訴訟)になると専門的な知識がなければ対応が難しいため、弁護士のサポートを受けながら進めていくとよいでしょう

離婚・不倫慰謝料・婚約破棄などで
お悩みの方はご相談ください
初回相談60分無料
ご相談の内容によって一部有料と
なる場合がございます。
電話でお問い合わせ 0120-663-031 平日9:30〜21:00 / 土日祝9:30〜18:00
オンラインでは24時間受付中

5、まとめ

配偶者が不倫相手と同棲中の場合、その証拠があれば「不貞行為」を理由として離婚や慰謝料請求をすることができます。その際、弁護士に相談すれば、証拠収集や慰謝料額の算定、配偶者・不倫相手との交渉を任せられますので、精神的な不安が軽くなるでしょう。

不倫相手と同棲する配偶者との離婚や慰謝料請求をお考えの方は、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

同じカテゴリのコラム(慰謝料)

同じカテゴリのコラム一覧はこちら 弁護士コラム 離婚・男女問題SOS一覧はこちら
PAGE TOP