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日本の離婚率(割合)や原因は? 統計からみる実態

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更新日:2022年11月07日  公開日:2018年04月13日
日本の離婚率(割合)や原因は? 統計からみる実態

離婚を迷っているときは、離婚した夫婦の離婚理由や日本で離婚している人の割合、離婚の方法について知りたいと考える方も多いのではないでしょうか。

今回は、さまざまな視点から見た日本の離婚率や男女(夫妻)別の離婚理由ランキング、離婚の方法などについて解説します。

協議離婚がなかなか成立しない場合の対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1、さまざまな視点から見た日本の離婚率

厚生労働省が公表している「令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、令和3年における婚姻件数は50万1116組で、離婚件数は18万4386組でした。

この結果をうけて算出された離婚率は1.50(人口千対)です。
人口千対とは、1000人中の発生比率をさすので、1000人中1.50人が離婚しているということになります。令和2年の離婚率は1.57だったので、前年度に比べて少し下がったと言えます。

次に、年齢や婚姻期間などさまざまな視点から日本の離婚の内訳を見てみましょう。

  1. (1)年齢別

    令和2年において、もっとも離婚をした年齢は男性が35歳~39歳、女性は30~34歳
    次に多いのが、男性は40~44歳、女性は35~39歳でした。

  2. (2)婚姻期間別

    結婚後の同居生活期間別による離婚率をみると、令和3年は5年未満の夫婦の離婚率が高いという結果でした。なお、5年未満でみると、結婚後の同居生活が1~2年未満の離婚率が、もっとも高くなっています。

  3. (3)都道府県別

    令和元年における、離婚率の高い都道府県のトップ10は次のとおりです。

    都道府県名 離婚率(人口千対)
    1位 沖縄県 2.2
    2位 福岡県 1.7
    2位 大阪府 1.7
    4位 宮崎県 1.69
    5位 北海道 1.68
    6位 和歌山県 1.59
    7位 大分県 1.58
    8位 鹿児島県 1.57
    9位 熊本県 1.56
    10位 香川県 1.55

    反対に、離婚率の低い都道府県トップ3もご紹介しましょう。

    もっとも離婚率の低い都道府県は、秋田県でした。離婚率は1.11です。
    次に少ないのが富山県で離婚率は1.15、三番目に少ないのは山形県で離婚率は1.18でした。

  4. (4)世界の離婚率

    日本の離婚率は、世界の離婚率と比べると高い方ではありません。

    総務省統計局が令和4年に公表しているデータにおいて、もっとも離婚率が高い国はベラルーシでした。1000人あたりの離婚率は3.7で、離婚大国ともいわれるアメリカ合衆国が2.3(一部の州を除く)であることと比較しても、非常に離婚率が高いことがわかります。

    アジアに目をむけると、カザフスタンとキプロスが離婚率2.6と高い数値になっており、次がイラン、韓国、ジョージアの2.1でした。

    ただし、国によって調査対象が異なることや、離婚においては宗教や文化の問題が絡むこともあるため、あくまでも参考レベルの数値と考えるべきでしょう。

    参考:世界の統計 2022 |総務省統計局

2、男女別の離婚理由

令和2年度の司法統計によると、婚姻関係事件(離婚調停)の申し立て理由のランキング1~10位は、男女別に次のとおりです。
なお、「その他」「不明」の結果は、除外しています。

  1. (1)女性(妻)の理由

    1位 性格の不一致
    2位 生活費を渡さない
    3位 精神的な虐待
    4位 暴力
    5位 異性関係
    6位 浪費
    7位 家庭を捨てて省みない
    8位 性の不一致(性的不調和)
    9位 家族親族と折り合いが悪い
    10位 飲酒過多
  2. (2)男性(夫)の理由

    1位 性格の不一致
    2位 精神的な虐待
    3位 異性関係
    4位 家族親族と折り合いが悪い
    5位 浪費する
    6位 性の不一致(性的不調和)
    7位 暴力
    8位 同居に応じない
    9位 家庭を捨てて省みない
    10位 生活費を渡さない

    男女ともに、もっとも多かった理由は、性格の不一致でした。

    次に多いのが、男性(夫)は「精神的な虐待」、といった内面的な問題、女性(妻)は、「生活費を渡さない」という金銭的な問題です。理由は異なりますが、共に夫婦の関係性が色濃くでる結果となっています。
    また、「性の不一致」を男女ともにあげており、夫婦間で解決することが難しい問題であることが垣間見えます。

3、4つの離婚方法と選ばれる割合

離婚をするためには、次の4つの方法があります。

  • ① 協議離婚
  • ② 調停離婚
  • ③ 審判離婚
  • ④ 裁判離婚


4つの中で、もっとも多いのが協議離婚(話し合いのみで離婚をする方法)です。令和3年に離婚をした夫婦のうち、86%もの夫婦が協議による離婚を選んでいます。

次に多いのが、調停離婚(夫婦による話し合いが成立しない場合に、調停委員を間に入れて話し合いをする方法)です。全体の約9%の夫婦が調停によって離婚をしています。
離婚というと裁判をイメージされるかもしれませんが、裁判離婚は全体でみると1%であり、和解に至ったケースを含めても約3%です。

そして、もっとも少ない離婚方法が、審判離婚です。聞き慣れない言葉だと感じた方も多いのではないでしょうか。

審判離婚は、調停での話し合いが不成立となった場合に家庭裁判所によって「離婚をするべき」と判断されることを指します。審判内容に不服があるときは、2週間以内に申し立てることで離婚は不成立となります。そもそも裁判所が審判離婚を選択することが少なく、審判内容がくつがえされることもあるため、審判離婚の割合は極めて低くなっています。

4、協議離婚がなかなか成立しないときの対処法

協議離婚の場合は、話し合いが進まず離婚になかなか至らないケースも少なくありません。

話し合いによる離婚(協議離婚)を成立させたくても、お互いの主張だけを訴えていても話はまとまらないでしょう。つまり、協議離婚を成立させるためにはお互いに妥協点を見つけて折り合いをつける必要があるのです。

しかし、関係性が悪化してしまえば、相手側の主張は何ひとつ受け入れたくないと考えるかもしれません。「どのようにして自分の主張をとおすか」ということしか考えられなくなってしまうケースもあるでしょう。ただし、こうなってしまうと、もはや協議(話し合い)とは名ばかりで、いわゆる夫婦げんかの延長戦のようになってしまいます。

協議離婚が成立しなければ、いつまでもトラブルに向き合わなければいけないために長い間ストレスを抱えて生活することになるでしょう。新しい生活を始めることも難しく、子ども精神面にも悪影響を及ぼすおそれがあります。

もし相手が離婚を拒否していれば別居すら拒まれてしまうこともあり、離婚を望む側のストレスは計り知れません。また、協議が長引いている間に財産を隠されたり使われたりして公平に財産分与が行われなくなる可能性もあります。

このような事態を防ぐためにも、協議による離婚を望む場合には

  • 決めなければいけないことを書き出す
  • 感情的にならないために第三者に同席してもらう
  • 交渉の最低ラインを決める

などの工夫が必要です。

第三者とは、たとえば、お互いの両親や友人などがあげられます。第三者が同席することで、どちらかが理不尽な言い分を主張したときには、公平に指摘をしてもらえることが期待できます。
ただし、親しい相手であれば、なかなか公平中立になるのは難しく、一方の肩を持ってしまうことも考えられます。結果として、火に油を注ぐ事態になってしまう可能性もあるでしょう。

そこで、もし冷静に話し合える第三者が夫婦の周りにいなければ弁護士に依頼するのも一案です。

弁護士に相談することで、言い分が一般的に認められるのか、また、財産分与や親権、養育費や慰謝料などについても、アドバイスを受けることができます。

また、協議離婚では離婚後のトラブルに備えて公正証書を作成することがあります。公正証書に、支払いを怠った場合には直ちに強制執行を受けても異議がない旨の文言を入れておけば、離婚後に慰謝料や養育費などが支払われなかったときに直ちに強制執行(相手の給与や銀行口座の差し押さえ)が可能となります。
弁護士に依頼すれば、公正証書の作り方についてもアドバイスを受けられます。

協議離婚がなかなか成立しない場合には、ぜひ離婚問題の対応実績が豊富な弁護士を探すことも視野に入れてみてください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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