弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

サレ夫とは|意味やなりやすい人の特徴、慰謝料請求の流れを解説

  • 不倫
  • サレ夫
更新日:2025年06月19日  公開日:2025年06月19日
サレ夫とは|意味やなりやすい人の特徴、慰謝料請求の流れを解説

サレ夫(されお)とは、妻に不倫された夫を指す俗語であり、主にネット上で使われる表現です。最近では、サレ夫をテーマにしたドラマや漫画なども増えてきていますので、一度は目にしたことがある人もいらっしゃるでしょう。

自分がサレ夫になってしまった場合、妻に裏切られたという気持ちから離婚を考える方もいるかもしれません。しかし、焦って離婚を切り出してしまうと、不倫が証明できずに慰謝料が請求できなくなるなどのリスクもありますので、冷静に行動することが重要です。

今回は、サレ夫の意味やサレ夫になりやすい人の特徴、離婚や慰謝料請求の流れなどについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

目次を

1、サレ夫とは

サレ夫とは、どのような人のことを指す言葉なのでしょうか。以下では、サレ夫とは何か、サレ夫になりやすい人の特徴について説明します。

  1. (1)サレ夫とはどのような人のこと?

    サレ夫(されお)とは、妻に不倫された夫を指す俗語であり、主にネット上で使われる表現です。サレ夫と同様の俗語には、以下のようなものがあります。

    • シタ夫:不倫をした夫
    • サレ妻:夫に不倫をされた妻
    • シタ妻:不倫をした妻


    もともとは、テレビドラマなどで夫に不倫された妻のことを「サレ妻」と表現したのが始まりといわれており、その後、妻を夫に置き換えた「サレ夫」という言葉が生まれたようです。

    妻が不倫をするケースも少なくないため、誰でも「サレ夫」になる可能性があるといえるでしょう。

  2. (2)サレ夫になりやすい人の特徴

    一般的に以下のような特徴のある人は、サレ夫になりやすいといわれています。

    ① 夫婦間のコミュニケーションが欠如している
    結婚当初は、「好きだよ」「愛している」などの言葉をかけていた夫も、婚姻生活が長くなるにつれて、徐々に妻への愛情表現が減っていくケースも少なくありません。また、お互いの関係性もマンネリ化していき、一緒に出掛けたりする機会も少なくなることもあるでしょう。
    このように夫婦間のコミュニケーションが欠如していると、妻は「夫から大切にされていない」などと不安を抱き、優しい言葉をかけてくれる男性と不倫に走ってしまう可能性があります。

    ② 見た目や自己管理をおろそかにしている
    結婚当初は、服装や髪形を気にしていた男性も、徐々に見た目への意識がおろそかになっていくことがあります。夫が見た目や自己管理をおろそかにしていると、妻は夫に対して魅力を感じず、他の男性と不倫してしまうケースもあるでしょう。

    ③ 仕事優先で家事や育児に協力しない
    夫が仕事優先で家事や育児に協力してくれない場合、妻は大きなストレスを抱えることになります。そんな時、親身になって話を聞いてくれる他の男性の方が魅力的に感じてしまい、不倫されるというケースもあるでしょう。

2、サレ夫になったらすべきことは?

もしあなたがサレ夫になってしまったら、以下のような対処法を検討しましょう。

  1. (1)冷静に行動する

    妻に不倫をされると、相手に裏切られたという気持ちから感情的になってしまい、暴言を吐いたり、暴力を振るってしまうことがあります。しかし、これらの行動はDVやモラハラを理由に妻から慰謝料を請求されるリスクがありますので、絶対にしてはいけません。

    妻に対して感情的になってしまう気持ちも理解できますが、冷静に行動することが大切です。

    また、不倫をした妻や不倫相手が許せないからといって、職場に不倫の事実を知らせたり、SNSなどで拡散するなどの報復行動も行ってはいけません。これらの行動は損賠賠償請求の対象になるだけでなく、名誉毀損罪などで刑事処分を受けるリスクもありますので注意が必要です。

  2. (2)夫婦関係を再構築できないか話し合う

    妻に不倫をされたとしても、離婚しか選択肢がないというわけではありません。

    特に、子どもがいる夫婦では、離婚によって子どもへ悪影響が生じる可能性もありますので、子どものことを考えると、夫婦関係の再構築も選択肢のうちのひとつとして検討すべきでしょう。

    夫婦関係の再構築を希望するのであれば、今後の夫婦関係について妻と話し合います。その際には、不倫相手との関係性を絶つとともに、できれば不倫をした妻に誓約書を書いてもらうとよいでしょう。

  3. (3)離婚や慰謝料請求を検討する

    不倫をした妻と、夫婦関係の再構築が難しい場合は、離婚を検討します。
    離婚にあたっては、親権、養育費、慰謝料、財産分与、面会交流など決めなければならない事項がたくさんあります。いきなり離婚を切り出してもスムーズな話し合いは困難ですので、事前にしっかりと準備をしてから離婚の話し合いを始めるようにしましょう。

3、サレ夫が離婚する場合の流れ|慰謝料請求・親権など

サレ夫が離婚を決断した場合、以下のような流れで離婚や慰謝料請求の手続きを進めていきます。

  1. (1)サレ夫が妻と離婚する場合の流れ

    サレ夫が妻と離婚する場合の流れは、以下のとおりです。

    ① 不倫の証拠を集める
    妻が不倫をしていることがわかったら、すぐに離婚を切り出すのではなく、まずは不倫の証拠を集めましょう

    不倫をしていることが確実であったとしても、証拠がない状態では不倫を認めさせることは難しいです。それどころか、不倫の証拠を消されてしまうリスクもありますので、慎重に対応しましょう。

    浮気・不倫の証拠となり得るもの ポイント:直接的に肉体関係を立証できるもの 写真・動画・録音・音声データ・クレカ明細・領収書・メール・SNS等・手帳・日記・メモ・探偵事務所の調査報告書・GPS・ホテルのサービス券

    ② 妻と離婚について話し合いをする
    不倫の証拠が確保できたら、妻と離婚についての話し合いを行います。

    妻が不倫を認めているようであれば、慰謝料についての話し合いも行います。また子どもがいる夫婦では、子どもの親権や養育費についての話し合いも必要です。

    妻との話し合いにより離婚や離婚条件についての合意ができたら、離婚届に記入をして、役所へ提出をすれば離婚成立です。その際には、離婚に関する条件をまとめた離婚協議書を作成することをおすすめします。離婚協議書に合意内容をまとめることで、離婚した後に、言った言わないの水掛け論を防ぐことが可能です。

    ③ 離婚調停の申し立て
    妻との話し合いが難航する場合は、家庭裁判所に離婚調停の申し立てを行います。

    離婚調停は、調停委員が間に入って夫婦間の離婚問題について調整してくれますので、夫婦だけで話し合うよりもスムーズな解決が期待できる手続きです。

    ただし、離婚調停を成立させるには、夫婦双方の合意が必要になります。そのため、妻が離婚に応じない、不倫を認めないような場合には調停による解決が望めず、調停不成立になる可能性が高いです。

    ④ 離婚訴訟の提起
    調停が不成立になってしまったときは、最終的に家庭裁判所に離婚訴訟を提起します。

    離婚訴訟は、協議離婚や調停離婚とは異なり、裁判所が離婚の可否を判断する手続きです。そのため、離婚を認めてもらうには、以下の法定離婚事由(=裁判で離婚が認められるための理由)のいずれかに該当しなければなりません。

    法定離婚事由(民法第770条)
    • 不貞行為
    • 悪意の遺棄
    • 3年以上の生死不明
    • 回復の見込みのない強度の精神病
    • 婚姻を継続し難い重大な事由


    サレ夫は、妻に不倫をされていますので、法定離婚事由である「不貞行為」に該当します。そのため、妻の不倫を裏付ける証拠があれば裁判離婚が認められる可能性が高いでしょう。

  2. (2)サレ夫が不倫相手に慰謝料請求をする場合の流れ

    サレ夫は、不倫をした妻に対する離婚や慰謝料請求だけでなく、妻の不倫相手に対して慰謝料請求をすることもできます。

    以下では、サレ夫が妻の不倫相手に慰謝料請求をする場合の流れを説明します。

    ① 不倫の証拠を集める
    妻の不倫相手に慰謝料請求をする場合も不倫の証拠が不可欠です。
    不倫の証拠がなければ「不倫なんてしていない」などと不倫を否定されてしまいますので、必ず、証拠を集めてから慰謝料請求をするようにしましょう。

    ② 内容証明郵便を送付する
    証拠が確保できたら、内容証明郵便を利用して妻の不倫相手に対して慰謝料の支払いを求める通知書を送付します。

    ③ 不倫相手と交渉する
    相手に内容証明郵便が届いたら、妻の不倫相手と慰謝料の支払いに向けた交渉を開始します。
    不倫相手が不倫を認めるようであれば、慰謝料の金額や支払い方法などの詳細を決めていきます。

    ④ 合意すれば示談書を作成する
    不倫相手との間で慰謝料の金額や支払い方法などの合意ができたら示談成立です。
    口頭での合意だけだと後日トラブルになる可能性がありますので、必ず示談書(合意書)を作成するようにしましょう。

    ⑤ 交渉がまとまらない場合は訴訟を検討する
    不倫相手が不倫を認めない、金額や支払い方法で合意がまとまらないという場合は、最終的に裁判所に訴訟を提起します。
    訴訟では、証拠により事実認定が行われますので、不倫を裏付ける十分な証拠があれば、慰謝料の支払いを命じる判決が出る可能性が高いでしょう。

    妻の不倫相手に慰謝料請求する際の注意点
    ・双方に請求したからといって、2倍の金額を求めることはできない
    不貞行為の慰謝料は、不倫した妻と不倫相手の両者が連帯して支払い義務を負います。
    たとえば、慰謝料の金額が100万円だった場合、不倫した妻と不倫相手それぞれに100万円を請求することはできない(2倍の金額を求めることはできない)、ということになります。

    ・妻の不倫相手のみに慰謝料を請求すると、求償権を行使される可能性がある
    妻の不倫相手のみに慰謝料を請求することは可能です。しかし、場合によっては不倫相手から「求償権」を行使される可能性があります。たとえば、慰謝料の金額が100万円で、不倫相手に100万円を請求した場合、「私は100万円を払ったので、あなた(=妻)は50万円払ってください」と求償される可能性があるということです。
    このような可能性があるため、慰謝料について話し合う際は、求償についてもどうするのか合意書にまとめておくことをおすすめします。

4、サレ夫になったら弁護士に相談を

サレ夫になって離婚や慰謝料請求をお考えの方は、弁護士への相談がおすすめです。

  1. (1)妻や不倫相手との交渉を代行してくれる

    妻に不倫をされたサレ夫は、妻に対する離婚請求や不倫相手に対する慰謝料請求が可能です。しかし、妻に裏切られて心に傷を負った状態では、満足に交渉を行うことができない方もいらっしゃるでしょう。

    そのような場合は弁護士に依頼するのがおすすめです。弁護士に依頼すれば弁護士が代わりに妻や不倫相手との交渉を行うことができますので、精神的な負担を大幅に軽減することが可能です。

  2. (2)不倫を証明するための証拠を集めるためのアドバイスを受けられる

    サレ夫が離婚や慰謝料請求をするには、妻が不倫をしたことを裏付ける証拠が不可欠です。不倫の証拠としてどのようなものが必要になるかは、具体的な状況によって異なりますので、適切な証拠を集めるためにも、まずは弁護士に相談した方がよいでしょう。

    弁護士に相談すれば、不倫の証拠を集めるためのアドバイスが受けられますので、それに従って行動すれば、適切な不倫の証拠を確保できる可能性が高くなります。

  3. (3)適切な慰謝料請求の手続きを進められる

    不倫相手に対して慰謝料請求をするには、相手の氏名や住所を特定しなければなりません。
    弁護士に依頼することで、弁護士会照会という特別な照会方法により、相手の電話番号や車のナンバーなどから、相手の氏名や住所を特定することが可能です。

    また、弁護士であれば事案に応じた慰謝料相場も把握していますので、適切な慰謝料請求の手続きを進めることができます。

離婚・不倫慰謝料・面会交流などで
お悩みの方はご相談ください
初回相談60分無料
ご相談の内容によって一部有料と
なる場合がございます。
電話でお問い合わせ 0120-663-031 平日9:30〜21:00 / 土日祝9:30〜18:00
オンラインでは24時間受付中

5、まとめ

サレ夫とは、妻に不倫された夫を指す俗語であり、特にネット上で使われる表現です。
妻に不倫をされたら、感情的な行動はせず、専門家に相談し、その後の対処法を適切に進めることが大切です。

弁護士に相談することで、離婚や慰謝料請求についてのアドバイスを受けられたり、相手との交渉を一任できるメリットがありますので、サレ夫になってしまった方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

離婚・不倫慰謝料・面会交流などで
お悩みの方はご相談ください
初回相談60分無料
ご相談の内容によって一部有料と
なる場合がございます。
電話でお問い合わせ 0120-663-031 平日9:30〜21:00 / 土日祝9:30〜18:00
オンラインでは24時間受付中
この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

同じカテゴリのコラム(不倫)

同じカテゴリのコラム一覧はこちら 弁護士コラム 離婚・男女問題SOS一覧はこちら
PAGE TOP