不倫のきっかけとは? 配偶者が不倫する心理や兆候、慰謝料の請求方法
不倫のきっかけは、職場や同窓会での出会いなど、ささいな出来事で始まることが少なくありません。しかし、不倫をする背景には、夫婦の心のすれ違いや環境の変化、心理的な要因などが複雑に絡み合っています。
配偶者の不倫が発覚した場合、離婚も選択肢のひとつですが、それ以外にも別居や再構築なども考えられます。ご自身の状況に応じて、最適な方法を選択することが大事です。
今回は、よくある不倫のきっかけや、不倫している人に見られる兆候、離婚を考えた際に知っておくべき離婚の基礎知識などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
目次を
1、よくある不倫のきっかけ8つ
不倫に至るきかっけにはさまざまなものがあります。以下では、不倫のよくあるきっかけと不倫をする人の心理について説明します。
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(1)不倫に至るきっかけとしてよくあるケース
不倫は、突然起こるものではなく、多くの場合「きっかけ」が存在します。以下では、夫・妻どちらにも起こり得る代表的なきっかけを紹介します。
① 職場での出会い
よくある不倫のきっかけのひとつが「職場での出会い」です。
日常的に顔を合わせることで親密になりやすく、残業や出張などで長い時間を共にするうちに、いつの間にか関係が深まってしまうケースがあります。
② 同窓会での再会
学生時代の同級生との再会がきっかけで、不倫関係に発展することもあります。
昔の思い出話から話が盛り上がり、同窓会後に食事に行くなどでより親密になると、不倫に陥るケースが考えられます。
③ 子どもの幼稚園や保育園・習い事での交流
子どもの保育園、幼稚園、学校行事、習い事の送り迎えなどで知り合った保護者同士が親しくなり、不倫に発展するケースもあります。
共通の話題があり、家庭内の悩みを共有しやすい環境が、お互いの距離を縮めるきっかけとなります。
④ アプリやSNSでの出会い
最近では、マッチングアプリやSNSなど、オンラインでの出会いがきっかけになることも少なくありません。匿名性が高く、軽い気持ちで連絡を取り始めたことがきっかけで関係が深まってしまうこともあります。
⑤ オンラインゲームでのつながり
オンラインゲームを通じて知り合った相手と親しくなり、不倫関係に発展するケースもあります。長時間のチャットや協力プレイを通じて仲が深まり、リアルの出会いには発展することで、不倫に至ることも少なくありません。
⑥ 飲み会
会社や友人同士の飲み会で酔った勢いで関係を持ってしまい、そのまま不倫に至るケースもあります。特に、悩みを抱えているときや家庭に不満がある場合、心のスキを突かれやすくなります。
⑦ 配偶者の単身赴任
単身赴任などで配偶者と離れて生活していると、寂しさや孤独から他の異性に惹かれてしまうことがあります。離れている時間が長くなるほど、気持ちのすれ違いも生まれやすくなります。
⑧ 元交際相手からの連絡
昔の恋人や片思いの相手から突然連絡があり、再会したことをきっかけに不倫に発展するケースもあります。
このように、不倫のきっかけは日常の至るところに存在し、夫婦どちらにも起こりうるものだといえるでしょう。
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(2)不倫する人の心理
不倫のきっかけがあったとしても、すべての人が不倫をするわけではありません。不倫をする人には、きっかけとともに以下のような心理があると考えられます。
① 性欲を解消したい
夫婦関係が長くなると、性生活が疎遠になることも珍しくありません。そのような状況で性欲を解消する手段として、不倫に走ってしまう人もいます。
② 承認欲求を満たしたい
家庭で認められていない、感謝されていないと感じる人は、他人から「認められたい」「好かれたい」という欲求が強くなることがあります。その承認欲求を満たす手段として不倫に陥ることもあります。
③ 現実逃避をしたい
仕事や家庭にストレスを抱えている人は、現実逃避の手段として不倫に走ることがあります。
④ 日常に退屈していて刺激が欲しい
安定した結婚生活の中で「刺激がない」と感じ、スリルを求めて不倫に手を出す人もいます。
⑤ 家庭内に居場所がない
配偶者との関係が冷え切っていたり、家庭で孤立を感じていたりすると、癒やしを求めて他人との関係にのめり込んでしまうケースもあります。
2、不倫している人に見られる兆候
配偶者に次のような兆候がみられたとしても、不倫をしていると決めつけることはできませんが、注意深く観察することが重要です。
不倫している人に見られる兆候についてそれぞれ説明します。
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(1)スマホを常に手元に置く、ロックが厳重
以前は無造作に置いていたスマートフォンを、常に携帯するようになったり、急にロックをかけるようになったりした場合、何かを隠している可能性があります。
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(2)急に服装や香水に気を使いだした
見た目に無頓着だった人が、突然ファッションや香水、髪型に気を遣い始めた場合、他の異性を意識している可能性があります。
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(3)残業・外出・飲み会が増えた
「仕事が忙しい」「友人と飲みに行く」と言って外出が増えた場合、実はその時間を不倫相手と過ごしているケースがあります。
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(4)会話が減り、目を見なくなった
罪悪感や後ろめたさから、会話が減り、目を合わせなくなる人も少なくありません。以前より、家庭内でのコミュニケーションが少なくなったと感じる場合は注意が必要です。
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(5)セックスを避けるようになった
性的関係を避けるようになった場合、不倫相手との関係で満たされている可能性があります。
3、不倫が発覚したときに考えるべき選択肢3つ
不倫が発覚した場合に考えるべき選択肢としては、以下の3つが挙げられます。
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(1)不倫をした配偶者を許す
不倫をした配偶者が真摯に反省しており、配偶者に対する愛情が残っている場合には、配偶者を許して夫婦関係を修復するという選択肢が考えられます。
少しでも夫婦関係を継続したいと考えた際、相手が不倫を繰り返さないためにも、ルールや誓約書を定める人もいます。
夫婦関係の再構築に向けて、夫婦でしっかり話し合いをするとよいでしょう。 -
(2)不倫をした配偶者と別居をする
不倫をした配偶者と離婚するか、婚姻関係を続けるのかすぐには判断ができないという場合は、別居をするという選択肢が考えられます。
配偶者と離れて、冷静に今後の夫婦関係を見つめなおすことで、より良い結論に導ける可能性があります。
なお、別居中は相手に対して婚姻費用という生活費を請求できますので、別居中の生活費の不安を解消するためにも、忘れずに婚姻費用の請求を行いましょう。 -
(3)不倫をした配偶者と離婚する
配偶者の不倫により信頼関係が崩れてしまい、やり直すことが難しいという場合は、離婚をするという選択肢が考えられます。
「不倫をするなんて許せない」という怒りや悲しみから感情的になって離婚を切り出してしまう方もいます。しかし、離婚は重大な決断ですので、感情的な判断ではなく冷静になって本当に離婚してもよいのかを考えることが大切です。
特に、夫婦に子どもがいる場合、離婚は子どもにも影響を与えることになるため、最善の選択であるかを慎重に検討するようにしましょう。
4、慰謝料請求や離婚を考えたときに知っておくべきことや必要な準備
離婚には、さまざまな準備が必要となります。以下では、不倫をした配偶者に対する慰謝料請求や、離婚を考えたときに知っておくべき知識と必要な準備を紹介します。
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(1)慰謝料を請求できる条件
配偶者が不倫をしていた場合、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求することができます。
ただし、慰謝料請求をするには、不倫をされた側が、不倫の事実を立証しなければなりません。
そのためにはまず、配偶者と不倫相手との間に肉体関係があったことを裏付ける証拠を集める必要があります。必要な証拠については、次項で解説します。
また、不倫相手と配偶者の双方に慰謝料を請求することはできますが、同一原因での「二重取り」はできません。たとえば、請求できる慰謝料が100万円だった場合、どちらかに100万円を請求する、もしくは双方に50万円ずつ(合計で100万円)を請求することはできますが、双方から100万円ずつ得ることはできないということです。 -
(2)慰謝料請求のための証拠の集め方
不倫の慰謝料を請求するには証拠が必要になりますので、まずは以下のような証拠を集めるようにしましょう。
不倫の慰謝料請求に必要な証拠(例)
- 配偶者と不倫相手が性交渉をしている状況を撮影した動画や写真
- ホテルに出入りする動画や写真
- 配偶者と不倫相手とのLINEやメール、SNSでのやり取り
- ホテルを利用した際の領収書
- 探偵による調査報告書
不倫の証拠は、どれかひとつだけ集めればよいというわけではなく、複数の証拠を集めることが重要です。
単体では不倫の立証が難しい証拠であっても、複数組み合わせることで不倫を立証できる可能性があります。 -
(3)離婚を有利に進めるために必要な準備
配偶者との離婚が成立すれば、別々に暮らすことになりますので、それに備えて離婚後の住まいを確保しておくようにしましょう。また、離婚をすると配偶者から生活費の援助が受けられなくなりますので、新しい仕事を見つけるなどして収入を確保することも重要です。
これらの準備が整った段階で離婚の話し合いを進めていくことになりますが、離婚の合意が成立したとしても、口約束だけで終わりにしてはいけません。あとで慰謝料や養育費、財産分与の支払いでトラブルが生じるおそれがありますので、必ず離婚協議書を作成するようにしてください。
可能であれば、「公正証書」として離婚協議書を作成することをおすすめします。作成の手間は発生しますが、「公正証書」であれば、法的強制力が高いため、離婚後に相手が養育費の支払いを守らない場合などに、給料を差し押さえることが可能です。
以下のページでは、より詳しく慰謝料請求に関するポイントや注意点を解説しています。あわせてご一読ください。
5、まとめ
配偶者の不倫に気づいても、まずは冷静に状況を見極めることが大切です。
配偶者の不倫をきっかけに、慰謝料請求や離婚を考えている場合は、不倫を立証するための証拠が重要になります。焦って離婚を切り出してしまうと証拠を処分されてしまうリスクがあるため、離婚を決断したときは早めに弁護士に相談するようにしてください。
なるべく後悔のない離婚をするには弁護士のサポートが不可欠ですので、まずはベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。
お悩みの方はご相談ください
- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
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[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
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