身に覚えのない婚約破棄の慰謝料請求について

Question

Q_person

約1年交際した女性に別れを告げた際、婚約破棄で慰謝料を請求すると言われました。
交際中に「結婚しよう」といった結婚の約束はもちろんですが、お互いの両親に会ったこともなく、婚約破棄になるような行為は一切しておりません。
内容証明郵便で慰謝料請求書が届きましたが、支払わなければいけないのでしょうか?

Answer

A_person

婚約というのは、法的には婚姻予約といって、将来、婚姻(つまり、結婚)することを目的とした契約のことをいいます。婚約を不当に破棄した者は慰謝料を支払う義務を負うとするのが判例の基本的な立場です。しかし、そもそも婚約が成立しているかどうかが問題になる場合も少なくありません。

ご質問のように、交際中に「結婚しよう」といった結婚の約束をしておらず、お互いの両親に会ったこともないような場合には、一般的には婚約が成立したとは言えません。
そのため、この場合には、婚約の不当破棄を原因として慰謝料を支払う義務はありませんので、慰謝料請求書に対して支払いをする必要はありません。

なお、男女が婚姻の約束をしたうえで、長期間にわたって男女の関係を継続した場合、たとえその関係を両親兄弟に打ち明けず、結納の取り交わしもなく、同棲しなかったとしても、婚約は成立し、不当破棄者に慰謝料の支払義務があるとする判例があります。つまり、婚姻の約束をしたかどうかが重要になります。

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