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元配偶者が再婚したら養育費はどうなる?有利に交渉する虎の巻

2017年02月20日
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元配偶者が再婚したら養育費はどうなる?有利に交渉する虎の巻

「元配偶者が子連れ再婚をした!」
そんな情報を知ったとき、あなたはホッとしたでしょうか、それとも驚いたでしょうか。
同時に、「ずっと払ってきた養育費はこれからどうなるんだろう?」と思った方は、欠かさず養育費を払われてきた方だと思います。
確かに離婚時は、ひとり親家庭となる元配偶者に養育費を払うことに合意したことでしょう。併せて面会についても約束を交わしているかもしれません。

しかし、再婚したとなると、経済面を含め生活環境が変わったということです。だからこそ、同じ金額の養育費を払い続けることに納得できないのではないでしょうか。これまで、一生懸命働いて得た収入の一部を養育費に当てていたのですから、そう思ったとしても理不尽なことではありません。

そこで今回は、元配偶者が再婚したとき、養育費の減額や支払い停止が可能なのか、また子どもの面会などを含めた交渉をどのように進めていけば、自身に有利な結果へ導くことができるのかをお伝えします。

そもそも養育費は何のため? 基本をおさらいしておこう

養育費とは、その言葉のとおり、まだ社会的に自立できないとされる子ども「未成熟子」を監督保護・教育するために必要な費用を指します。まずは具体的に、なぜ養育費を離婚してからも支払わなければならないのかを考えてみましょう。

  1. 親には子を扶養する法的義務が課せられている

    親と未成熟子の扶養に関しては、民法第877条1項において、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」と明言されています。 さらにどの程度扶養しなければならない義務を負うのかという点も民法で定められていて、親と未成熟子の場合は「生活保持義務」「絶対的扶養義務」に分類されています。これは、「扶養義務者と同程度で、かつ文化的な最低限度の生活水準を維持する程度には、絶対的に扶養しなければならない」ということを意味しています。

    たとえ離婚などを機に手元で育てられなくなったとしても、自身が自己破産をしていたとしても、血のつながった我が子であることには変わりはありません。よって、この「生活保持義務」は、どのようなケースにおいても付随する義務であり、親であれば養育費を支払う必要があるといえます。

    つまり、養育費とは「我が子の健全な育成のために必要なお金」であり、「我が子に渡しているお金」なのです。大前提として、子どもを育成する親、つまりは元配偶者のために支払っている費用ではないということを忘れてはなりません。

    身も蓋もない話となりますが、ひとり親家庭と両親がそろった家庭では、子どもにかけられる養育費用が大きく異なります。特に大きな差が出るのは、教育投資額です。教育投資額とは、子ども一人あたりにかけている教育費用を指します。この教育投資額によって、学習能力や運動能力だけでなく、生涯賃金にまで大きな差異が出ることは、すでにさまざまな調査で明らかになっている事実です。

    教育投資額が子どもの生涯に関係するだけではありません。特に保護者が貧困状態に陥ってしまった場合は、教育どころか、生死を左右しかねない状況に陥ってしまうケースも少なくないのです。

  2. 子どもへの愛情表現にもなる養育費

    お金で愛は測れないと思う方もいるでしょう。しかし、継続的に養育費を子に対して支払い続けるという行為そのものによって、愛情を示すことができる、という事実をご存知でしょうか。

    精神的にも経済的にも未成熟な子どもにとって、両親の離婚は、多かれ少なかれ、精神的影響を及ぼすものです。「親は無くとも子は育つ」などという言葉もありますが、現代において子どもを健全に育成するためには、深い愛情とそれなりの金銭が不可欠であることは紛れもない事実です。

    両親が離婚してしまった子どもは、「見捨てられ感」を抱いてしまうことは少なくありません。決して子どもへの愛情を失ったわけではないのに、子ども自身が片親に見捨てられた、愛されていないと感じてしまうことです。これにより、子どもの心がささくれ、ふさぎ込んでしまうことも少なくありません。諸事情で面会がままならないケースなどでは特に、起こりやすいと考えられています。
    しかし、継続して養育費を振込むことで、確実に履歴が残ります。それはやがて、「ひとときも君を忘れたことはない」という証明になります。そのまぎれもない事実こそが、ささくれてしまった子の心をいやすこともあるのです。

    離婚時、元夫婦である二人が養育費の金額について争うことが多いものです。しかし、養育費そのものは、単なる金銭的な課題を解決するものではないということを。念頭に置く必要があるのではないでしょうか。

養育費の減額が可能となる条件とは?

前項でも述べたとおり、養育費は子どもに対して支払っているお金です。その性質上、「我が子の親権者である元配偶者の再婚」という事実だけでは、養育費の減額や打ち切りの理由にできません。裁判所において、養育費の減額が可能と判断されるには、養育費を決めた後に事情の変更があり、その事情の変更の程度が金額の減額が必要な程度に至っているかが問題となります。

「元配偶者が再婚した。」と言っても複数パターンありますので、パターンに分けてご説明します。
【前提】母(元妻)が子どもの親権者となり、父(元夫)が養育費を支払っている

  1. 母が再婚した場合

    ①再婚相手が子どもと養子縁組をした場合
    子どもと養子縁組をした再婚相手は、その子どもの養父=親権者となりますので、母とともに第一次的な扶養義務者となります。よって、養父の収入に応じ、実父(元夫)の負担がゼロ(つまり養育費を支払わなくてよい)になるケース、減額にとどまるケースがあり、養父がやむを得ない事情で働けないなど事情によっては減額が認められないこともあります。

    ②再婚相手が子どもと養子縁組をしていない場合
    再婚相手が子どもと養子縁組をしていない以上、扶養義務はありません。したがって元夫は養育費の減額を請求することはできません。

  2. 父が再婚した場合

    ①再婚相手が子どもなしで専業主婦の場合
    再婚により、元夫には再婚相手の扶養義務が生じます。しかし、再婚相手が現実には専業主婦で無収入であっても、働けない事情がない場合は「仮に働いたらこのくらいは稼げるだろう」という金額(これを潜在的稼働能力といいます。)を考慮して、養育費減額の有無を決めることになります。

    ②再婚相手の子どもと養子縁組した場合、再婚相手との間に子どもが出来た場合
    元夫が扶養義務を負う対象が増えるということですので、養育費が減額となる場合は多いでしょう。

    ③再婚相手の子どもと養子縁組していない場合
    再婚相手が子どもと養子縁組をしていない以上、扶養義務はありません。しかし、子が小さくて再婚相手が稼働できないと判断されると、再婚相手に対する扶養義務はありますので、養育費が減額となることもあります。

    しかし、認められるか認められないかは別として、どのような場合においても減額を求める権利はあります。もし「再婚したのだから、養育費を減額、もしくは支払いを止めてもいいのではないだろうか」と考えるのであれば、減額を求めること自体は可能です。ただし、その後は互いに話し合い、もしくは調停や裁判によって実際にどうするかを決めてゆくことになります。

再婚などをきっかけとする一般的な養育費減額の相場を知っておこう

一般的な養育費の算定表は、裁判所のサイトで公開されています。
養育費・婚姻費用算定表

こちらの算定表を基にした養育費計算ツールも公開されています。

この算定表は、子どもの人数と年齢、養育費を支払う側の年収、支払いを受ける側の年収を基準にして求められるようになっています。あくまで目安ではありますが、裁判所でも使われているものですので、一定の参考にはなります。

たとえば0~14歳の子どもが一人で、支払う側が給与所得者で年収が500万円、受け取る側も給与所得者で年収が175万円の場合、一般的な養育費の目安は6~8万円となります。
その後、元配偶者の再婚により、元配偶者の年収が675万円となったとしたら、どうなるでしょうか。一般的な養育費の目安は4~6万円に変わります。

ただし、これはあくまで一例です。
実際の家族は子どもの人数や年齢、扶養家族の数など、互いの生活環境などが複雑であることが多いものです。もし、算定表を見ても目安がわからない場合は、金額を決めてしまう前に、無料相談などを活用して弁護士などに相談してみるとよいかもしれません。

まずは話し合いを! 話し合いで減額ができなかった場合は?

養育費の減額もしくは中止するにあたっては、まず子の親権者である元配偶者と話し合う必要があります。話し合いをしても合意に至れない場合、裁判所で和解又は減額の審判が出されるまでは従前の取り決めどおりに支払うのが原則です。特に、調停や公正証書などで取り決めを書面に残している場合は、一方的に減額や支払い中止を行うと、給与の差し押さえなどをされる可能性があります。

  1. やっぱり基本は話し合い!

    まずは離婚したときと同様、しっかり話し合いを行い、元配偶者を納得してもらいましょう。話し合いで結論が出た場合は、公正証書などの書面で取り決め内容を文書で残しておくことをお勧めします。

  2. まとまらなければ養育費減額調停へ!

    話し合いをしても、元配偶者が減額や中止を拒むようであれば、養育費減額調停の申し立てをしましょう。
    申し立てに必要なものは以下の通りです。

    • 養育費調停申立書
    • 事情説明書
    • 調停に関する進行照会書
    • 未成年者の戸籍謄本
    • 申立人の収入関係の資料(源泉徴収票,給料明細,確定申告書等の写し)
    • 収入印紙 子ども一人につき1200円
    • 郵便切手代(800円前後)
    養育費調停申立書は、裁判所のホームページからダウンロードできます。 資料をすべてそろえたら、基本的に元配偶者が現在住んでいる地域の家庭裁判所へ、申し立てを行いましょう。ただし、離婚時に申し立てを行う家庭裁判所の場所を決めていた場合は該当の家庭裁判所となります。

    調停では、調停委員を介した話し合いが行われます。そこで双方が歩み寄り、よりよい結論を出すように調停委員が仲介してくれます。結論が出れば公的な書面にその内容が残りますので、安心です。

    調停を通じても双方が納得できなければ、裁判へ進むこととなります。 調停に臨む前には、減額・中止となる理由を証明できる資料を用意しておくとよいでしょう。たとえば収入が減った場合は給与証明ですし、扶養家族が増えた場合はそれを証明できる資料が必要です。これらの資料を基に調停委員が仲介をするだけでなく、裁判が行われる際も参考資料とされ重視されます。

まとめ

今回は、我が子の親権を持つ元配偶者が再婚した場合の養育費についてお送りしました。もし、一人での解決が難しい、どうしたらよいのかわからなくなってしまった、という状態に陥ったときは、ぜひ離婚や養育費などの問題に強い弁護士に相談してください。必ず力になれるはずです。

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