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離婚したくない! 今すぐするべき&絶対してはいけない5箇条

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更新日:2024年03月12日  公開日:2017年03月29日
離婚したくない! 今すぐするべき&絶対してはいけない5箇条

配偶者から「離婚してほしい」と告げられたとき、「唐突に、なぜ?」と予想だにしていなかった方もいれば、「やっぱりそうきたか」と勘付いていた方もいるでしょう。

「配偶者が離婚したいと言っているけれど、離婚したくない」という場合、友人や家族、さらには離婚を申し出た配偶者から、その理由を問われることがあります。
どのような理由であろうと、あなたにとって唯一無二の家庭であることに変わりはなく、「離婚したくない」と思うことはまったく当然の希望であり、誰に責められることでもありません。

そもそも、結婚は婚姻という契約であり、一方的に破棄することは不可能です。しかし、離婚を切り出された以上、これからのことを考えていく必要があります。

本コラムでは、「離婚したい」と告げられてから離婚を回避して再び幸せな家庭を取り戻すために、絶対にしてはいけないこと・今すぐするべきことについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、拒否しても最終的に離婚になってしまうケースとは

拒否しても最終的に離婚になってしまうケースとは

配偶者から離婚を切り出されたそのとき、あなたにその理由の心当たりはありますか?
心当たりによっては、どんなにあなたが努力しようと、配偶者の決意が固く、裁判に至れば、離婚を回避できない可能性があります。

民法770条1項で定められている、法定離婚事由は以下の通りです。

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 三年間の生死不明
  4. 強度の精神病で回復の見込みがない
  5. その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき


つまり、浮気、DV、失踪、強度の精神病などがあなたにある場合、裁判にまで至れば離婚を避けられない可能性が高いです。まずは自分自身に非がなかったかを振り返ってみましょう。
また、あなたにも配偶者にも上記1~4のような理由がなくても、長期間の別居を経過した上での離婚裁判提起ということであれば、既に婚姻関係は破綻していると判断されて(上記5にあたる)、結局離婚が認められてしまうことも多々あります。

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2、離婚したくない! 今すぐするべき5箇条

離婚したくない!  今すぐするべき5箇条

「絶対に離婚したくない!」と考えていても、配偶者から強く離婚を迫られるかもしれません。また、周囲から離婚をすすめられることもあるでしょう。
でも、離婚をするもしないも、決めるのはあなたです。また同時に、“壊れかけてしまった家庭を再構築できるかどうか”もあなたの行動にかかっているともいえます。

そこでまずは、離婚を回避するためにすべきことを5つまとめました。この5つは、可能であれば、本格的な話し合いなどを行う前に実行してください。

  1. まずは冷静になろう
  2. 離婚届不受理申出を出そう
  3. 配偶者が離婚したくなった原因を探ろう
  4. なぜ離婚したくないかを考えよう
  5. 人は変えられないことを肝に銘じよう
  1. (1)まずは冷静になろう

    突然、離婚を迫られて、動揺してしまうのは当然のことです。しかし、離婚を迫る配偶者もまた、冷静な状態ではないでしょう。そしてなにより、感情的になってぶつかってしまうと、適切な対応ができないことが多いものです。夫婦関係を回復するどころか、ますます破たんへ導いてしまうこともあります。

    ですから、まずはなによりも、冷静に状況を見渡して、どんな状況に陥っても対応できるように、情報収集に努めましょう。本格的な話し合いをするのは、それからでも遅くありません。

  2. (2)離婚届の不受理申出書を出そう

    配偶者が離婚を焦っているケースでは、勝手に離婚届けを出してしまうこともありえます。絶対に離婚したくないのであれば、まずは「離婚届の不受理申出書」を役所に提出しておきましょう。

    「離婚届不受理申出」は、お住まいの市区町村の役所で行えます。あらかじめ申し出をしておくことで、相手方が勝手に離婚届けを出したとしても、受理されないようにすることができます。これにより、「知らない間に離婚させられていた!」という不測の事態を防ぐことができます。物理的に離婚届けが受理されなければ、離婚できないというわけです。

  3. (3)配偶者が離婚したくなった原因を探ろう

    おそらく誰でも、配偶者から「離婚したい」と言われたら「なぜ?」と問うでしょう。配偶者がすでに浮気をしていることを知っていたなど、その理由がすぐにわかるケースも少なくありませんが、理由がまったくわからないケースもあります。

    浮気などの理由がわかっているときは、まずはその証拠をしっかり集めておきましょう。基本的に、離婚原因を作った配偶者側からの離婚は、裁判では認められません。万が一、調停や裁判で争うことになったとき、あなたが集めた証拠が離婚を回避する手段となります。

    あらかじめ離婚したいと言われる原因がまったくわからないときは、まずはなぜ離婚したがっているのか、本当の理由を探る必要があります。ただし、配偶者に直接その理由を聞いてみても、納得できないかもしれません。もしかしたら、あなたの欠点や嫌だったところを言い募られ、悪役のように罵られるだけとなる可能性もあります。もっと別の理由を口にすることもあるでしょう。

    しかし、ここは冷静に受け止めましょう。もし配偶者が浮気などをしている最中で、それを隠しているとしたら、本当の理由を口にすることは絶対にないはずです。だからこそ、念のため、浮気はしていないかを調べてみることをおすすめします。調べてみてもそのような事実はなく、純粋に性格の不一致や、あなたの落ち度を理由としているのであれば、自分自身を冷静に顧みることが必要です。

    いずれにせよ、離婚したい原因がわからなければ、夫婦関係を元の状態に再構築することはできません。その過程でカッとしたり、悲しくなったりすることもあるでしょう。しかし取り乱さないよう、冷静に受け止めてくださいね。

  4. (4)なぜ離婚したくないかを考えよう

    結婚した当初は、生涯続くと考えていた関係でも、人は年月とともに少しずつ変わるものです。状況や環境も変わります。離婚をしたいと申し出された今、まさにその状態に直面しているわけですが、それでもなぜ離婚をしたくないのかを、改めて考えてみましょう。
    「配偶者を愛しているから」という理由であれば、相手に感謝を伝え、立場を立て、配偶者の気持ちを考え、居場所を作る努力をしてみてください。

    反対に、自分の気持ち以外の部分ともいえる理由しか浮かばない方もいるかもしれません。子どものため、生活(経済的理由)のため、周囲の目があるため、戸籍に×をつけたくないため……などの理由です。

    この場合は、改めて本当に今の配偶者が、将来の自分にとってかけがえのない人なのかどうかを考えてみる必要があるかもしれません。

  5. (5)人は変えられないことを肝に銘じよう

    年月とともに人も環境も変わっていくものですが、無理やり誰かの心や考え方を変えることはできません。離婚したいと考えている配偶者に、強硬的な手段で反発しても効果がないどころか、さらに心が離れて行ってしまうのはこのためです。

    浮気などの外因要素がないケースでは特に、生活のスタイルや物事の価値観、金銭感覚、言動などへの違いに耐え切れなくなった末、配偶者は離婚を決意しています。
    すでに配偶者は、「このままではあなたと添い遂げることはできない」と判断しているのです。 そこで強硬手段に出ても裏目になることは火を見るより明らかです。「またか」「やっぱり」と思い、さらに離婚への決意をゆるぎないものとするだけです。

    人を変えたいのであれば、まずは自分が変わる必要があります。自分自身の行動を振り返り、改善する努力ができなければ、関係回復や夫婦関係の再構築は難しいと言ってよいでしょう。

参考:弁護士に依頼するタイミング|突然相手方から離婚を求められた

3、離婚したくない! 絶対にしてはいけない5箇条

離婚したくない!絶対にしてはいけない5箇条

配偶者から離婚したいと言われたとき、多くの方が動揺します。
その結果、思わぬ方向へ物事が進んでしまうケースは少なくありません。悲しくなるのも、追いかけたくなるのも、相手を悪者のように感じてしまうことも当然の感情です。

しかし、離婚したくないと考えておられるのであれば、以下のことだけは絶対にしてはなりません。事態が悪化し、離婚へのカウントダウンがより加速してしまう原因となります。


  1. 取り乱して相手にすがる
  2. 別居する
  3. 一人で悩む
  4. 相手の弱点を突き、説得しようとする
  5. 妻だから、夫だから、親だからという立場を主張する
  1. (1)取り乱して相手にすがる

    ついしてしまうことのひとつですが、感情のない相手にされても重荷になってしまうだけの行動のひとつです。残念ですが、現時点で配偶者はあなたへの愛情は薄れてしまっている状態なので、やみくもにすがりついたとしても状況が改善することはありません。

    まずは冷静に相手の言い分を聞き、解決策を探る努力をしましょう。冷静になることが難しければ、話し合いを中断・延期するのものひとつの手です。話し合いで結論が出ない限り、相手が調停などを起こさなければ離婚はできません。

  2. (2)別居する

    互いの気持ちに冷却期間をおくために別居する、という選択を行うケースは少なくありません。しかし、場合によっては逆効果になることもあります。

    しかも、かつては有責配偶者からの離婚はほぼ認められませんでしたが、最近では別居期間が長くなると離婚が認められるケースが出ています。別居期間を引き延ばして離婚せざる得ない状況に追い込む、という手段が使えるようになったのです。

    できる限り別居はせずに、じっくり話し合える環境づくりを心がけましょう。

  3. (3)一人で悩む

    離婚を切り出されたことを誰にも言えず、一人で悩んでしまっていませんか?

    ただでさえ、思いがけない大きな衝撃に襲われている今、一人で悩み、解決しようとしてもいいアイディアは浮かびにくいものです。もっといえば、夫婦関係という一対一の環境下で離婚という選択肢が生まれてしまったわけですから、一人で何とかしようとしても、うまくいくはずがないでしょう。

    中立的に冷静な判断ができる方が身近にいれば、ぜひ第三者からの冷静な意見を仰ぐことをおすすめします。

    しかし、頼る相手の選択を誤ると、さらに離婚へ近づいてしまうことにもなりかねません。特に自身や配偶者の親などの身内は、利害関係や感情的なものに左右される傾向があります。できれば、法律の専門家である弁護士や、心理面における専門家であるカウンセラーに相談してみることをおすすめします。

    ただし、自身に法定離婚事由、つまり裁判になれば離婚が認められてしまう理由があるかどうかがわからない場合は、いち早く法の専門家である弁護士に相談したほうがよいでしょう。

  4. (4)相手の弱みを突いて、説得しようとする

    離婚に向けた話し合いは、多くの場合、罵りあいになりがちです。そうでなくとも離婚を決意しているときに、配偶者の弱みとなることを指摘し、自分ならばカバーできる、我慢できる、それをしてきた、といったような話をしたら、どうなるでしょうか。たとえそれがあなたにとって事実だとしても、火に油を注ぐ結果となることは想像しなくてもわかるでしょう。

    また、言うまでもないことですが、暴力に訴えることは言語道断です。最近では夫から妻への暴力だけでなく、妻から夫への暴力もDVとして取り扱われます。たとえ離婚事由にあなたに非がなく、カッとしてやったことだとしても、あなたが有責配偶者になってしまうこともありえます。絶対に手を挙げないでくださいね。

  5. (5)妻だから、夫だから、親だからという立場を主張する

    配偶者は本来、生涯のパートナーです。酷なようですが、離婚を申し出るということは、あなたのことを人生のパートナーとして見ることができなくなったという宣言です。その状態で妻であることや、夫であることを主張したところで、あまり意味はありません。

    たとえば子どものことを持ち出し、「親なのだから」と主張した場合はどうでしょうか。配偶者に子どもへの愛情があれば、離婚をかろうじて回避できるかもしれません。

    妻・夫・親。家族の中でもさまざまな立場があります。今のあなたの立場は、配偶者があなたを生涯のパートナーであると認めていたからこそ得られていた立場です。まずは、離婚を切り出された時点で、あなたのその立場は失われつつあることを自覚しましょう。

    残念ながら、なくなるかもしれない立場を盾に、生活のやり直しを主張したところで、相手の心には響きません。あなた自身がどう思うのか、配偶者とどうなりたいのかを考え、行動し、話し合いをするべきです。

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4、裁判所に仲介を求める夫婦関係調整調停とは

裁判所に仲介を求める夫婦関係調整調停とは

一般的に、夫婦の片方が離婚を切り出した場合、まずは話し合うという流れになります。
繰り返しになりますが、まずはじっくり時間をかけて、感情的にならないように話し合いをしてください。互いに嫌だったこと、我慢していたことが出てくることでしょう。
その場合は、それを改善できる努力をする期間を設けてもらいましょう。可能であれば、二人に中立的な立場で仲介ができる第三者に立ち会ってもらえるとベストです。

冷静な話し合いや、直接会って話し合うことが難しいときは、夫婦関係調整調停を利用することができます。夫婦関係調整調停とは、裁判所の調停制度を利用して、夫婦関係をどうしたら維持できるのかを話し合うことができる制度です。

裁判所で手続きを行うと、月に1度の頻度で話し合いができる機会を設けてくれます。男女2名の調停委員が立ち会い、交互にあなたと配偶者の言い分を聞き、話し合いの落としどころを提案してくれます。

場合によっては、配偶者が離婚調停を起こすケースもありますが、調停の流れはほぼ同じです。いずれにしても、「離婚したくない」というあなた自身の考えや希望を、しっかりと調停委員に伝えてください。対応に自信がない場合は、弁護士に頼ることもできます。

ただし、できれば調停まで至らず、話し合いで解決できるように努力してみてください。なぜなら、調停まで至るケースは、多くの場合、夫婦関係の回復が難しい状態にまでこじれてしまっているためです。

裁判所が公表する令和4年度の司法統計によると、離婚調停を申し立てた夫婦の32.1%が調停離婚成立となっています。

5、まとめ

まとめ

配偶者から離婚を切り出される予感があったとしても、なかったとしても、実際に「離婚したい」と告げられてショックを受けない人はいません。しかし、そこで取り乱し過ぎてしまうと、なおさら配偶者の心が遠ざかってしまうことになります。

まずは深呼吸をして、落ち着いて話を聞く努力をしてください。それから、夫婦の間を冷静に取り持ってくれる第三者に頼り、改善点を探りながら、離婚しないで済む方法はないか、じっくり話し合いをしましょう。

相手が考え直すきっかけを作るためにも、本コラムを参考にしながらまずは冷静にじっくり話し合い、互いの理解を深め、よりよい家庭を取り戻していただければと思います。

もし離婚する方向で話が進んだとしたら、その後は財産分与や養育費の問題など、さまざまな取り決めが必要です。その際は、後悔なく適切な条件で離婚をするためにも、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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