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医者の夫と離婚。養育費の相場はいくら? 慰謝料や財産分与も解説

2020年04月23日
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医者の夫と離婚。養育費の相場はいくら? 慰謝料や財産分与も解説

配偶者が医者のような高額所得者の場合、養育費の算定はもちろん、財産分与や慰謝料について、医者としての特性を踏まえながら慎重に協議する必要があります。

離婚後も子どもたちと安定した生活を送るために、適正な養育費を請求したり、夫婦の共有財産を取得することは、妻にとって欠かすことができない権利だからです。

本コラムでは、配偶者が医者の場合において必要な養育費の算定方法と、財産分与の基礎知識などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、養育費の基礎知識

  1. (1)養育費とは?

    養育費とは、離婚後も、子どもが大人として自立できるようになるまで、監護権のない親が負担する養育に必要なお金のことです。監護権とは民法第820条に定められた「子の監護及び教育をする権利」であり、親権をもつ親の権利であり義務です。

    養育費の支払い方法については法的に決められているルールはありませんが、監護権をもつ親に対して、毎月〇万円というように離婚前に取り決めを行い、支払いを続けるケースが多いでしょう。

  2. (2)養育費はいつまで支払われるか

    養育費を子どもが何歳になるまで支払わなければならないのか、明確に規定した法律上の条文はありません。また、養育費は離婚する夫婦が合意さえすれば払わなくてもよいとされています。ですから、もし離婚後の生計に関して不安な要素があれば、何歳まで養育費が必要であるかについて、離婚時に明確にしておく必要があります。

    ひとつの目安として、法的に成人する20歳まで、もしくは就職するまでという考えがあります。また、裁判所は、監護権をもつ親が養育する子どもの年齢や人数に応じた養育費の算定表を公表しています。しかし、これはあくまで一応の目安に過ぎません。子どもが私立学校に通っていたり、海外留学をしているためお金がかかるなどという理由により、裁判所が公表する養育費算定表よりも多い金額を取り決めることもあり得ます。

2、養育費の算定シミュレーション

  1. (1)適正な養育費の決め方

    養育費は、家庭裁判所が公表している養育費算定表を基本として算定することになります。
    もっとも、養育費算定表はひとつの目安に過ぎません。離婚当事者の合意内容によっては、養育費算定表の金額より多くなることも少なくなることも考えられます。

  2. (2)3つの養育費シミュレーション

    養育費算定表は、子どもの年齢、人数、夫婦それぞれの収入などを基準に算出されます。
    妻が親権者として、月の養育費はいくらと算出されるか、具体例を3つ見てみましょう。

    ●妻:専業主婦、子ども3歳、8歳
    夫:年収1200万円(勤務医)
    養育費……22~24万円

    ●妻:年収150万円(パート)、子ども16歳
    夫:年収1600万円(勤務医)
    養育費……20~22万円

    ●妻:専業主婦、子ども2歳、6歳、15歳
    夫:年収1500万円(開業医)
    養育費……40~42万円


    裁判所による養育費の算出は、当法律事務所の養育費計算ツールで簡単に確認することができます。算出の限度は、養育費を支払う側の年収が2000万円以内(自営業は1567万円以内)となっています

    参考:養育費計算ツール

3、医者の離婚が金銭面でトラブルになりやすい理由

  1. (1)医者の年収によって養育費の決定が難しくなる?

    夫が勤務医である場合は年収2000万円以上、開業医(自営業)である場合は年収1567万円以上の場合、裁判所の養育費の算定表に定めがありません。したがって、夫(養育費の支払者)が該当の年収額を超える場合、計算式をもとにしても算出額が得られないことがあります。
    このような場合は、子どもの現在の育成状況及び配偶者の稼得状況の実態面から、適切な養育費を算定する必要があります。

  2. (2)養育費算定表の金額以上を請求するには

    配偶者に養育費算定表の金額以上を請求するためには、子どもが私立学校に行っているなど通常の養育費では収まらないことを立証する必要があります。また、適正な額であると相手方に納得してもらうには、明確な説明も必要です。

    しかし、そもそも適正額がいくらなのか算出するのが難しい……、と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、まず一度離婚問題の経験豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)養育費を公正証書に残すメリット

    協議離婚にせよ調停離婚にせよ、養育費や財産分与など離婚条件について合意した内容は公正証書に残すことをおすすめします。公正証書に記載された離婚条件は、離婚後の義務と権利を明確化します。配偶者からの養育費送金が滞ったとしても、公正証書に定めた離婚条件に基づき配偶者の資産を差し押さえることが可能になるのです。

    参考:離婚に伴い決定したことを公正証書にするメリットとデメリット

4、医者が離婚するときの財産分与について

  1. (1)財産分与とは

    財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で形成・維持してきた財産については共有財産として、「相手方に対して財産の分与を請求することができる」という、民法第768条1項の規定です。

    ただし、財産分与は、離婚の際に必ずしなければならないと法律で規定されているわけではありません。したがって、財産分与の割合についても離婚時における夫婦間の話し合い、それがまとまらなければ調停・審判・裁判というプロセスで決めることになります。

    ただし、財産分与の割合は慣行や過去の判例などから、離婚成立時点または別居時点における共有財産額の「2分の1ずつ」がひとつの基準とされています。ただし、「2分の1ずつ」という割合は法的にはっきりと決められているわけではありません。

    勤務医の場合は「2分の1ずつ」が協議のスタートラインになるケースが多いと考えられますが、開業医の場合は医者としての個人の力量が財産形成に大きく影響していると考えられるため、必ずしも2分の1ずつとはならない可能性もあります。

    参考:財産分与の基礎知識

  2. (2)財産分与は3種類ある

    なお、財産分与には、以下の3種類があります。

    ●清算的財産分与
    婚姻期間中を通じて夫婦で形成・維持してきた財産は共有財産として、その名義に関係なく夫婦それぞれの貢献度に応じて離婚時に分配するという考え方です。したがって、離婚の原因を作った有責配偶者であっても財産分与を求めることができます。

    ●扶養的財産分与
    離婚をすることで、一方の収入がなくなり生活が困窮してしまう場合や、高齢や病気であるため働くことができない場合があります。そのような場合に、相手方の生活能力などの事情を考慮し、生活費の支払いという扶養的な目的で行われる分与です。

    ●慰謝料財産分与
    不倫や家庭内暴力など、夫婦の一方に離婚原因があった場合に、慰謝料の支払い方法のひとつとしてとして行われる財産分与です。

    婚姻期間中、夫婦が実質的に共同で形成・維持してきた財産といえるものであれば、その名義によらず基本的にすべて共有財産と推定されます。これに夫婦の稼得能力は基本的に考慮されません。

    したがって、夫婦のいずれかの名義になっている預貯金などの金融資産、不動産、自動車、生命保険の解約返戻金、ゴルフ会員権など、婚姻期間中に形成・維持してきた財産は、共有財産として財産分与の対象になるのです。

    一方で、婚姻前から夫婦が個人名義で所有していた財産、及び婚姻期間中に相続で取得した財産については、「特有財産」として扱われます。特有財産は、原則として財産分与の対象とはなりません(民法第762条1項)。

  3. (3)医者との財産分与で気を付けたい点

    配偶者が勤務医の場合は、一般的な会社員と同様の算定の手法で財産分与を決めることになります。

    しかし配偶者が開業医の場合は、複雑になりがちです。なぜなら、個人資産と医療法人資産が不明瞭なケースがあるからです。開業医としての財産は、報酬の設定や出資などの方法により、個人の資産を医療法人の資産に移し替えることが可能です。このため、医療法人の資産であっても実質的に個人の資産とみなされ、財産分与の対象となる可能性も否定できません。
    したがって、開業医の夫婦が離婚時の財産分与を決める段階においては、この点がもっとももめやすくなる傾向があるでしょう。

5、医者との離婚で慰謝料はもらえるか?

  1. (1)慰謝料とは?

    民法第710条の条文により、離婚における慰謝料という言葉そのもの定義を確認することができます。
    「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、不法行為による損害賠償の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない」

    この条文に書かれている「財産以外の損害」とは、精神的に受けた損害のことです。そして賠償行為とは、慰謝料の支払いと解釈することが一般的です。つまり、慰謝料という単語の意味は、相手方の不法行為による精神的苦痛に対する損害賠償金なのです。

  2. (2)慰謝料がもらえるケース、もらえないケース

    離婚における慰謝料は、民法第770条第1項に規定する法定離婚事由に鑑み、以下のような場合に請求が可能と考えられます。

    • 配偶者に不貞な行為があったとき
    • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
    • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
    • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
    • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき


    一方で、以下の場合は慰謝料を請求することが難しくなると考えられます。

    • 夫婦の双方に離婚の責任がある場合
    • 以前から夫婦仲が悪い場合
    • 婚姻期間が短い
    • 不貞行為の程度や頻度が低い
    • 証拠がない
    • 請求された側に資力がない


    また、民法第724条では、「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅する」と規定しています。つまり、離婚が成立してから3年間経過すると、慰謝料を請求したとしても時効となってしまうのです。
    ただし、慰謝料請求の時効前に内容証明郵便で慰謝料の支払いを請求し、6か月以内に訴訟を提起した場合は、時効を中断することができます。

6、まとめ

配偶者が医者のような高額所得者である場合、離婚において十分な養育費を勝ち得るためには、まず適切な養育費や財産分与を見極め、協議や交渉の上で公正証書に残すことが大変重要です。これらのことを、間違いなく個人で行うのはハードルが高いため、信頼できる弁護士に依頼することがおすすです。

男女関係の問題解決に豊富な実績と経験のある弁護士であれば、法的なアドバイスはもちろんのこと、あなたの代理人として配偶者との交渉や調停・裁判のやり取りを行うなど、あなたをサポートするためにベストを尽くします。ぜひお早めに、ベリーベスト法律事務所の弁護士にご相談ください。

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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