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弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

奪われた子どもを取り戻したい!子の引渡し請求について弁護士が解説

2018年08月16日
  • 離婚
  • 子ども
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奪われた子どもを取り戻したい!子の引渡し請求について弁護士が解説

離婚の話し合いを進めている中で子どもの親権について争いが発生すると、時折、配偶者が子どもを連れ去ってしまうことがあります。
別居している配偶者に子どもを連れ去られると、子どもがどこに行ったのかわからなくなってしまったり、その後一切面会させてもらえなくなったりすることも多く、そのような状況でお困りの方は少なくありません。このような場合、速やかに弁護士に依頼して「子の引渡し請求」という手続きを行うことをおすすめします。

今回は、子の引渡し請求の方法や手順、手続きを弁護士に依頼するメリットなどをご案内します。

1、夫や妻が子どもを連れ去るよくある5つの事例

婚姻中は夫婦が共同親権者となっていますが、離婚すると夫婦のどちらかを親権者や監護権者を決めなければなりません(同じ人にすることが多いですが、両親の状況に応じて、例外的に親権者と監護権者を別にすることもあります)。
離婚協議中や調停中、両親ともに子どもの親権者となることを希望すると、しばしば、熾烈な親権争いに発展します。その場合、冒頭で申し上げたように、子どもと別居している配偶者が子どもを連れ去ってしまったり、同居している配偶者が一方的に子どもを連れて家を出て行ってしまったりすることがあります。
まずは、子どもが連れ去られるときにどのようなパターンがあるのか、ご説明します。

  1. (1)別居している相手が子どもを連れ去る

    夫婦が別居して離婚協議を進めていると、別居している配偶者が子どもを連れ去ってしまうことがあります。
    子どもの学校帰りに待ち伏せをされて連れ去られることもありますし、自宅近くの公園で遊んでいるときに連れて行かれることもあります。いきなり車で乗り付けられて子どもを連れ去られるという乱暴なケースや、相手の両親(子どもの祖父母)や親族に誘わせる形で連れて行かれてしまうケースなどもあります。

  2. (2)同居している相手が子どもを連れて家を出る

    また、同居している段階でも、子どもが連れ去られる可能性は十分にあります。離婚協議で親権争いが起こると、相手は親権をとりたいので、話し合いをせずに一方的に子どもを連れて家を出てしまうのです。

  3. (3)浮気した配偶者が子どもを連れて逃げる

    浮気している配偶者が離婚を予期して、「子どもと別れたくない」と子どもを連れ出すケースも多いです。

  4. (4)離婚したくない配偶者が子どもを利用する

    離婚を迫られたとき、どうしても離婚したくない配偶者が、離婚を思いとどまらせるため、人質のように子どもを連れ出してしまうケースもあります。

  5. (5)面会させていたら子どもを連れ去られる

    離婚前でも、別居親と子どもとの面会をさせているケースは多いです。しかし、親権問題が発生すると、面会中に別居親が子どもを連れ去ってしまう可能性があります。

    以上のように、弁護士としての経験上、離婚を進めるときに親権問題で対立すると、子どもを連れ去られるリスクが高くなる傾向にあります。配偶者と別居しているときにはもちろん、同居しているケースにおいても子どもを連れ去られないよう、充分注意する必要があります。

2、裁判所の手続きを踏まずに子どもを連れ戻してはいけない理由

子どもを連れ去られてしまった方から、「自力で子どもを取り戻すことはできないのか?」というご質問を受けることは多々あります。
確かに子どもの連れ去りは違法行為です。相手が違法な方法で子どもを連れ去ったのであれば、自分で取り戻してもよさそうなものです。
しかし、弁護士として、そのような手段を勧めることはできません。法律の手続きに従わずに自力で権利を回復することを「自力救済」と言いますが、法律上、自力救済は禁止されているからです。皆が自己判断で自力救済をするようになると、間違った判断をする人も増えて収集がつかなくなり、社会が混乱状態となります。また、親同士が子どもを取り合うと、子どもの環境がコロコロ変わって、多大な負担をかけてしまうことにもなります。
そこで、相手が子供を違法な方法で連れ去ったときには、弁護士に相談するなどして、裁判所で適法な手続きを踏んで対応する必要があります。

3、子の引渡し手続き・方法

子供が連れ去られたときには、裁判所等における手続きをとる必要があります。
考えられる方法としては、以下のようなものがあります。

  • 子の引渡し調停
  • 子の引渡し審判
  • 子の引渡し審判前の保全処分(仮の引渡し)
  • 監護者指定審判
  • 強制執行
  • 人身保護請求
  • 刑事手続き


それぞれ、概要と有効性についてご案内します。

  1. (1)子の引渡し調停

    子の引渡し調停は、家庭裁判所で行う話し合いの手続きです。
    家庭裁判所の調停委員に間に入ってもらい、子供の居住場所や引渡しについて話し合いでの解決を目指します。
    あくまで話し合いの方法なので、相手が子供を返さないと主張する場合には、取り戻すことができません。実効性に欠ける方法であり、弁護士としてはあまりおすすめできません。

  2. (2)子の引渡し審判

    子の引渡し審判とは、子どもが連れ去られたときに、裁判官に判断を仰いで子供を元の親の所に戻すべきかどうか、決定してもらうための手続きです。
    子の引渡し請求で申立人の言い分が認められると、裁判官が相手に対して子供の引渡し命令を出してくれます。
    この手続きは、子どもを連れ去られたときに有効な手段として活用されていて、弁護士が介入する子どもの連れ去り事案において、非常に多く利用されています。
    審判では、裁判官が一方的に結論を下すのではなく、家庭裁判所の調査官が丁寧に調査を行い、子どもの福祉に配慮しながら手続きが進められます。

  3. (3)子の引渡しの審判前の保全処分(仮の引渡し)

    弁護士が子の引渡し審判を申し立てるときには、セットで「子の引渡しの審判前の保全処分」を申し立てるケースが多いです。
    審判前の保全処分とは、子どもの仮の引渡しを求める手続きです。
    子の引渡し審判を申し立てたとき、審判官が最終判断を行い、子どもの引渡し命令が出るまでに、数か月以上かかってしまうことが通常です。
    その間、子どもが相手と共に過ごす状態が続くと、子どもが適切な監護を受けられない可能性があります。また「子どもと相手が平穏に暮らしている」という現状が作られてしまうと、後に引渡しが認められなくなる可能性も生じてきます。
    そこで、審判が出る前の段階において、子どもの引渡しを仮に認めてもらう必要があります。そのために、子の引渡しの審判前の保全処分を利用します。

  4. (4)監護者指定審判

    弁護士が子の引渡し審判を申し立てるときには、監護者指定審判も同時に申し立てることが多いです。監護者指定審判とは、離婚が成立するまでの間、子どもを夫婦のどちらが監護すべきかについて、裁判所に決定してもらうための手続きです。
    監護者に指定された場合、指定されなかった配偶者が子どもを連れ去るのは明確に違法となりますし、監護者として指定され監護を適切に行うことができれば、引き続いて親権者に指定してもらえる可能性も高いといえるでしょう。

  5. (5)強制執行(引渡しの断行)

    子の引渡し審判や審判前の保全処分を申し立てて引渡しが認められても、相手が命令に従わずに引渡しをしないケースが多いです。
    その場合には、強制執行により、子どもを取り戻す必要があります。
    この場合に利用できる強制執行の方法には「間接強制」「直接強制」の2種類があります。
    間接強制は、相手に金銭的な支払をさせる方法により、間接的に子どもの引渡しを求める方法です。これに対し直接強制は、執行官と共に子供のいる場所に行き、直接子どもを連れ戻す手続きです。
    法律上、どちらの方法によって執行するのか定められていないことから、実務上、裁判所が裁量によって適切な方法を選択しています。

  6. (6)人身保護請求

    子どもを連れ戻す方法には、人身保護請求も考えられます。人身保護請求とは、「法律上正当な手続きによらないで」身体の自由を拘束されてしまった人を保護するための手続きで、「人身保護法」という法律によって認められる手続きです。
    子どもが連れ去られた場合にも、「正当な手続きによらないで」子どもが拘束されているとしての人身保護請求によって取り戻せる可能性があります。
    人身保護請求が認められるには、以下の要件を満たす必要があります。

    • 子どもが拘束されている
    • 拘束が違法であり、違法性が顕著
    • 他に適切な方法がない


    他に適切な方法がないことが必要とされるため、弁護士が関わる事件でも、まずは子の引渡し請求を行ってもなお取り戻しを実現できない場合に、初めて人身保護請求を利用する例が多いです。

  7. (7)刑事手続き

    たとえ夫婦間であっても、子の連れ去りが刑事事件になるケースもあります。子どもの連れ去りが未成年者略取誘拐罪を構成する可能性があるからです。
    もっとも、子の連れ去りも家庭内の問題ですので、捜査機関が積極的に取り扱わないこともあり、刑事手続によって、離婚前の子どもの連れ去り問題を解決できる例は、弁護士の取扱い事案の中でも少ないです。

4、子の引渡し請求が認められるためには?

子どもが連れ去られたときにもっとも効果的な手続きは「子の引渡し審判」です。
請求が認められるためには、どのような要素が考慮されるのでしょうか。

  1. (1)連れ去りに違法性がある

    まずは、連れ去ったときの状況が重要になります。
    子どもが嫌がっているのに無理矢理連れ去った場合、暴力的な方法で子どもを連れ去った場合、子どもを無理矢理車に乗せて連れ去った場合、配偶者をだまして子どもを連れだした場合などには違法性が高いと評価されて、子の引渡しが認められる可能性が高くなります。
    反対に、夫婦が事前に話し合いをしており、親権を譲ってもらえないのでやむを得ずに子供を連れて別居した場合などには違法性が低いと判断されます。

  2. (2)子どもの現状

    子どもが連れ去られた後の「現状」も考慮されます。
    たとえば、子どもが相手の家できちんと養育監護を受けており、学校にも通って平穏に暮らしていると、取り戻しが認められにくくなります。また、連れ去り後、長時間が経過した場合にも、取り戻しが認められにくいです。
    反対に、相手による養育環境に問題があり、子どもが適切に面倒を見てもらえていない場合には早急な引渡しが認められやすくなります。

  3. (3)これまでの養育環境

    夫婦が同居していた頃の子どもの養育環境も問題となります。
    子どもを連れ出した親が、別居前に主として子どもを養育していた場合には、引渡しは認められにくくなります。たとえば乳児の面倒を見ていた母親が連れ出した場合、引渡し請求が認められる可能性は低くなるでしょう。
    反対に今まで養育に関わっていなかった父親が突然連れ出したケースなどでは、母親への引渡しが認められやすいです。

  4. (4)引渡し後の養育環境

    子どもの引渡しを認めた後、請求者が子どものためにどのような養育環境を用意できるかも重要です。
    請求者において子を養育していく環境が整っておらず、連れ去った親の方が環境を整備していると判断されれば、引渡しが認められる可能性は低くなるでしょう。

    子の引渡しが認められるかどうかは、このような4つの観点を中心に、引渡しが「子の福祉」に適うかという視点から判断されます。「連れ去りに違法性さえあれば認められる」というものではありません。少しでも引渡しを実現する可能性を高めたい場合には、一度、弁護士にご相談ください。

5、子どもを連れ戻す手順について

子どもが連れ去られたときに取り戻すためには、具体的にどのような手続きを利用すればよいのか、ご案内します。

  1. (1)基本的な対処方法

    弁護士が子どもの引渡しを求める際、「子の引渡し審判」、「審判前の保全処分」及び「監護者指定審判」を組み合わせる方法がもっともオーソドックスです。
    子の引渡し請求と審判前の保全処分によって子どもを取り戻し、自分を監護権者に指定してもらうことによって今後同じような連れ去り被害を防ぐことにつなげます。
    万が一、引渡しが認められなかった場合には、審判に対して「即時抗告」という方法で異議申立をすることも可能です。

  2. (2)強制執行

    子の引渡し審判や審判前の保全処分、監護者指定審判を申し立てて、裁判所において子どもの引渡し命令が出ても、相手がその結論に従わないケースがあります。
    その際には、強制執行によって子どもを取り戻さなければなりません。
    直接強制を行う場合には、地方裁判所に申立をして、執行官と一緒に子どもがいる場所へ行き、その場で子どもを連れ帰ります。強制執行するときには、申立てから子どもを連れ帰るまで弁護士がサポートを行います。

  3. (3)人身保護請求

    強制執行をしても子どもを取り戻せないケースもあります。
    その場合には、人身保護請求によって子どもの引渡しを実現するしかありません。
    人身保護請求については、次の項目で詳しくご説明します。

6、人身保護請求について

子の引渡し請求や審判前の保全処分、監護者指定審判によっては子どもを取り戻せない場合、人身保護請求をして、裁判所から相手に対し「人身保護命令」を出してもらう必要があります。
人身保護請求は、相手が違法な方法で人を拘束しているときに、拘束されている人を取り戻す手続きです。
人身保護命令が下されるのは、相手が違法に子どもを連れ去り、他の手段では子どもを取り戻せる見込みがないケースです。
子の引渡し審判で引渡し命令が出ているにもかかわらず、相手が未成年者(子ども)を返さない状態は違法ですし、強制執行をしても失敗に終わったのであれば他にとりうる手段がないと考えられるので、人身保護請求が認められます。
人身保護請求を申し立てると、地方裁判所で手続きが行われて、最終的に相手に子どもを裁判所まで連れてこさせて裁判所で引渡しを受けることができます。

また、拘束者(相手方)が子どもを虐待しており、子どもに急迫の危険が及ぶ可能性があるような著しい違法性、緊急性がある事案では、子どもを守るために他にとりうる手段がないので、子の引渡し審判の過程を経ずに、いきなり人身保護請求をすることも検討すべきです。

7、子の引渡し請求を弁護士に依頼するメリット

子どもを相手に連れ去られたとき、弁護士に対応を依頼すると以下のようなメリットがあります。

  1. (1)スムーズに手続きを進められる

    弁護士に子どもの引渡し請求手続を依頼すると、各場面において、スムーズに進めることができます。
    子の引渡し審判や仮処分、監護謝指定審判を申し立てる際には、申立書を作成し、証拠を揃えなければなりませんし、申立後は家庭裁判所の調査官とのやり取りなどが必要です。
    弁護士に対応を依頼していれば、弁護士が必要な書類作成や提出、裁判所とのやり取りなどを行うので、手続きがスムーズに進みます。子どもの引渡しを求めるためには早期に対応することが重要ですので、弁護士に相談してスピーディに進めることは非常に重要です。

  2. (2)有利に解決できる

    弁護士に依頼すると、依頼者にとって有利な結果を得られる可能性が高くなります。子の引渡し審判における調査官対応や証拠の提出方法など、各場面で弁護士が適切に対応するからです。

  3. (3)手間がかからない

    弁護士が対応すると、子の引渡し審判や監護者指定審判、強制執行の申立や準備、実行、人身保護などの裁判手続きを、ほとんどすべて弁護士が行います。これらの手続きを一般の方が行うとなると、大変な労力がかかります。弁護士に依頼すれば、依頼者はほとんど何もせずに済み、非常に手間が省けます。

  4. (4)引き続き離婚問題を任せられる

    子どもの引渡しを受けられたとしても、相手との離婚問題を解決しなければなりません。離婚調停や離婚訴訟が必要になるケースもあるでしょう。
    弁護士に相談していれば、離婚問題についても引き続いて依頼することができます。
    さらに、離婚後に相手から親権者変更調停を申し立てられたときや、こちらから申し立てる際にも対応を相談することができます。

    以上のように、子どもを連れ去られたときには、速やかに家庭裁判所に子の引渡し審判を申し立てて子どもの引渡しを求めましょう。
    子どもの連れ去り被害に遭ってお困りの方や、連れ去られるのではないかと不安を感じられているならば、お早めに弁護士までご相談ください。

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