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別居したいけど、生活費が心配…。婚姻費用の請求方法や注意点について

2019年04月26日
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別居したいけど、生活費が心配…。婚姻費用の請求方法や注意点について

夫が不倫したら、「別居したい」と考える方も多くいらっしゃいますが、別居後の生活費が心配です。
ましてや子どもがいる場合、子どもに不自由をさせられないので死活問題です。 別居中には夫に対し「婚姻費用」として生活費を請求できるので、方法を知っておきましょう。 本コラムでは、別居時の生活費(婚姻費用)の請求方法や相場や注意点について、弁護士が解説していきます。

1、離婚前の別居は法的に問題ないの?

夫婦には、「同居義務」があります。そもそも離婚前に別居することは、同居義務に反して違法なのでは? と考える方もおられます。

  1. (1)同居義務は絶対ではない

    確かに民法は、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と定めています(民法752条)。
    この内容からすると、離婚していないのに別居することは法律違反のようにも思えます。
    しかし、民法はあらゆるケースにおいて同居を強制しているわけではありません。
    同居義務が課されるのは、夫婦が円満で別居すべき理由がない場合です。婚姻関係が冷え切っている場合や離婚を前提とする場合などでは無理やり同居する必要はありません。

  2. (2)同居義務に違反するケース

    同居義務に違反するのは、以下のような場合です。

    • 結婚したのに、特に理由もなく、一度も同居しない
    • 理由もなく一方的に家を出て行った
    • 実家に帰ったまま、理由もなく夫婦の自宅に戻ってこない
  3. (3)同居義務に違反しないケース

    同居義務に違反しないのは、以下のような場合です。

    • 離婚を前提に別居する
    • 婚姻関係が冷え切っているので距離を置くために別居する
    • DV被害を受けているので別居する
    • 単身赴任
    • 話し合いによってお互い合意の上で別居する


    夫の不倫が原因で婚姻関係が冷え切っているのであれば、別居しても法律違反にはなりません。

2、別居中の生活費を請求できる?

夫婦の別居中に、相手に対して生活費を請求することはできるのでしょうか?

この場合「婚姻費用」として、別居中の配偶者に生活費を請求できる可能性があります。

民法は、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と定めており(民法752条)、「夫婦は、その資産、収入、その他一切の事情を考慮して、婚姻から生じる費用を分担する。」と定めています(民法760条)。
これは、夫婦の「生活保持義務」を定めたものです。
生活保持義務とは、相手に対し、自分と同等の生活を保持させる義務です。余裕のあるときに援助すれば良いというものではなく、自分の生活水準を下げてでも援助しなければなりません。

この生活保持義務に基づいて、基礎収入の少ない者は、多い者に対し「婚姻費用」を請求できます。
別居中であっても、生活保持義務としての婚姻費用の分担義務は生じます。

3、婚姻費用の請求方法や手続きの流れ

別居するとき、相手に婚姻費用を請求するにはどのような手順で進めたら良いのか、説明していきます。

  1. (1)話し合い

    婚姻費用をスムーズに支払ってもらうには、なるべく別居前に話し合っておくことをおすすめします。
    別居前に「別居後は毎月○○円ずつ銀行振り込みで支払う」などと決めておけば、別居後も生活費をもらえない空白期間が発生しないからです。
    婚姻費用の金額と支払い方法を取り決めたら、必ずその内容を「合意書」などの書面にしておきましょう。
    相手が支払いをしなくなるリスクに備えるのであれば「公正証書」にしておくと効果的です。公正証書にしておけば、相手が支払わなくなったときにすぐに相手の給料などを差し押さえることができるからです。

  2. (2)婚姻費用の分担請求調停

    話し合いでは相手が婚姻費用の支払いに同意しない場合、家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」の申し立てを行う必要があります。
    婚姻費用分担調停は、家庭裁判所の「調停委員」を介して、相手と婚姻費用の支払いについて話し合う手続きです。離婚調停では慰謝料や財産分与などの離婚条件を話し合いますが、婚姻費用分担調停では生活費の支払額や支払い方法について話し合いを進めます。
    調停なら、調停委員が間に入るので、お互いに顔を合わせないまま話し合いができますし、調停委員から相場の金額を提示して、相手を説得してもらうことなども可能です。

    調停の話し合いでは解決できない場合、手続きが「審判」に移行します。最終的に、審判官が妥当と考える婚姻費用の金額を決めて相手に支払い命令を下してくれます。

    婚姻費用分担調停を利用したい場合には、相手の住所地を管轄する家庭裁判所で「調停申立書」と戸籍謄本、収入印紙と郵便切手を提出します。なお、審判の申立ては、夫又は妻の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行うことができるので、相手方が遠くに住んでいる場合でも、自分の住所地で審判の申立てをすることができます。

    申し立てが受け付けられると、しばらくして家庭裁判所から当事者双方に呼び出しがあり、調停が始まります。

    調停が成立したら調停調書が作成され、審判によって婚姻費用が決まったら審判書が送られてきます。
    これらの書類には強制的な効力(執行力)があるので、相手方が支払いをしないときには給料や預貯金などの財産を差し押さえることが可能です。

4、婚姻費用分担で請求できる範囲や相場、期間について

夫に対して生活費として婚姻費用分担請求をするとき、どのくらいの金額を支払ってもらえるのでしょうか?分担額の相場をみてみましょう。

  1. (1)請求できる範囲

    婚姻費用として請求できる範囲には、何が含まれるのでしょうか?
    法律には「婚姻から生じる費用」とされています。

    ここには家族の日常生活で必要になる費用全般が含まれると考えましょう。
    たとえば以下のようなものです。

    • 食費
    • 衣類の費用
    • 住居費
    • 水道光熱費
    • 通信費
    • 交通費
    • 子どもの学費
    • 学用品費


    ただし、上記のようなものを個別に計算して清算するのではなく「月額」を定めて毎月決まった金額が支払われることが通常です。

  2. (2)婚姻費用の相場

    婚姻費用は、多くの場合、家庭裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」によって決められています。婚姻費用算定表では、夫と妻それぞれの収入をもとに、標準的な婚姻費用の金額が定められています。
    支払い義務者側の収入が高ければ婚姻費用の金額は上がりますし、支払われる側の収入が高ければ婚姻費用の金額は下がります。
    養育費・婚姻費用算定表(PDF:186KB)

  3. (3)いつからいつまで支払ってもらえるか

    婚姻費用は、いつからいつまでの分を支払ってもらえるのでしょうか?
    婚姻費用の支払い義務は、夫婦の一方が不要を必要とする状態になったときに発生するという考え方もありますが、一般的に、権利者が請求したときに発生するということが多いです。
    つまり、婚姻費用分担調停によって生活費を請求する場合には、調停を申し立てた月からの起算になります。そのため、別居後生活費が支払われていないなら、なるべく早めに婚姻費用分担調停を申し立てた方が、多くの生活費を払ってもらえます。

    婚姻費用は「夫婦の生活費」なので、支払いは離婚時で終了となります。夫婦のみで子どもがいない場合には、離婚すると一切の生活費を支払ってもらえません。
    子どもがいる場合には、離婚後に養育費を支払ってもらうことが可能です。
    ただし、養育費には妻の生活費が含まれないので、婚姻費用の金額より少なくなります。

5、婚姻費用が支払われない場合の対応方法

別居後、婚姻費用分担調停で合意したり審判が下されたりしても、相手が支払ってくれないことがあります。その場合、以下のような手順で対応しましょう。

  1. (1)裁判所の履行勧告、履行命令

    家庭裁判所の調停や審判で決まった内容には、強制力があります。相手が支払わないときは、裁判所から相手に対し、支払いをするように勧告してもらうことができます。この手続きを「履行勧告」と言います。
    履行勧告してほしい場合には、調停や審判をした家庭裁判所に口頭又は電話でその旨を伝えれば、費用もかからずにできます。
    それでも相手が支払いをしない場合には、家庭裁判所から支払いを命ずる審判をしてもらうことができます。この手続きを「履行命令」と言います。
    履行命令の申立ては書面で行う必要があり、手数料が500円必要です。
    履行命令に従わない場合、相手には10万円以下の過料が科される可能性があります。

  2. (2)強制執行

    履行勧告や履行命令をしても相手が支払いに応じない場合には、裁判所に申し立てをして、強制執行ができます。強制執行とは、支払い義務者が定められた支払いをしないときに、判決書や調停調書、審判書などを使って相手の財産や債権などを差し押さえることです。
    夫が生活費を支払わないのであれば、夫名義の預貯金や生命保険、会社の給料やボーナスの一部などを差し押さえて婚姻費用を回収できます。
    強制執行をするときには、地方裁判所で「差押え命令」の申し立てをしなければなりません。
    一人で手続きをするのは難しいと感じる方が多いので、差押えを検討されるなら、一度弁護士に相談することをおすすめします。

6、子どもがいるなら「児童扶養手当」を利用できることがある

相手が婚姻費用を支払わない場合、子どもがいる方であれば「児童扶養手当」を受給できる場合があります。
児童扶養手当は、主に「ひとり親家庭」の援助のための制度ですが、一定のケースでは、離婚前でも受給できるからです。
離婚前に児童扶養手当を受給できるのは、以下のケースです。

●父または母が法令によって1年以上拘禁されている児童
父や母が刑事事件を起こして、1年以上刑務所にいる場合には児童扶養手当を受け取れます。

●父または母がDV防止法にもとづく保護命令を受けた児童
父が母に暴力を振るっており、母が保護命令を申し立てて認められた場合などには児童扶養手当を受給できます。

●父または母が1年以上遺棄している児童
父親が家出をして生活費の支払いを受けられていない場合です。ただし、子どもの安否を気づかった連絡がないこと、税制上の扶養親族になっていないこと、警察や親族によって捜索中であることを証明すること、離婚意思があることなど、いろいろな要件が定められています。
単に生活費が支払われていないというだけでは児童扶養手当を受け取れない可能性もありますが、要件を満たすなら受給した方が得なので、一度、市町村役場に相談に行ってみると良いでしょう。

7、まとめ

夫が不倫して別居したのに生活費すら払ってもらえないのでは、妻の不利益が大きすぎます。まずは別居前に話し合いを行い、別居後スムーズに生活費を払ってもらうようにしましょう。
もし、別居後も支払いがない状態が続くなら、早期に婚姻費用分担調停を申し立てて、生活費の支払いを受けられない空白期間が発生しないようにしましょう。
困ったときにはベリーベスト法律事務所の弁護士までご相談ください。

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