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離婚後の生活費が心配……。シングルマザーになる前に抑えておきたい公的支援制度

2018年10月16日
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離婚後の生活費が心配……。シングルマザーになる前に抑えておきたい公的支援制度

「夫との生活に耐えられない、離婚したい! 」…と思っても、妻にとってはその後の生活費が心配で、離婚に踏み切れない場合もあると思います。特に子どもがいる場合は、どういった公的支援があるのか知っておくことも大切です。本コラムでは、離婚を考えている妻が知っておきたい離婚後の生活費の捻出方法や公的援助について、弁護士が解説していきます。

離婚するとなると、その後の生活費をどう捻出するかは大問題です。離婚にあたり、相手に請求できる金銭や、市町村などから支給される金員や各種助成については、十分調べておく必要があります。

1、夫の不倫が原因で離婚する場合は慰謝料の請求を

離婚の原因はさまざまですが、性格の不一致などが原因でどちらが悪いとも言えない場合には慰謝料は発生しません。他方、相手の不倫や暴力などが原因である場合は、それによって精神的苦痛を受けたことを理由として、慰謝料を請求できます。

  1. (1)慰謝料の相場

    不貞を理由とする慰謝料の金額は、ケースバイケースです。不貞の期間や、不貞相手との関係、子どもの有無や年齢など、さまざまな事情によって金額が決定されます。不貞以外の理由による慰謝料は、不貞の場合に比べて低額のことが多く、200〜300万円に達することはめったにありません。
    なお、事案によって何となくの慰謝料の相場はありますが、あくまで裁判所の過去の判例による相場です。したがって、訴訟ではなく話合いで決める場合には、交渉次第で相場以上の慰謝料を得られることもあります。とはいえ、慰謝料で離婚後の生活費をすべてまかなうことは困難です。

  2. (2)慰謝料の請求方法

  3. (2)-1 話合いで決める

    慰謝料の請求方法には、特に決められた方式はありません。当事者同士で話し合って金額や支払方法を決めることもできます。離婚する場合は、親権や財産分与、養育費などについて決める必要がありますが、併せて慰謝料についても話合いをします。

  4. (2)-2 調停で決める

    離婚にあたり、夫婦で冷静に話し合うのはなかなか難しいものです。話合いができない場合、金額で折合いがつかない場合などは、裁判所の調停手続の利用を考えましょう。調停では、当事者同士が顔を合わせることなく、調停委員に対して交代で意見を述べて、合意できないか話合いを続けます。1ヶ月に1度程度のペースで進められ、話合いが重ねられても合意に至らない場合には、調停を終わることになります(これを「不調」といいます)。調停では裁判所に慰謝料の金額についての決定権限がなく、当事者間で合意ができなければ調停を終えて裁判に進むことになります。

  5. (2)-3 離婚訴訟をする

    調停でも決着がつかない場合は、訴訟に進むことになります。なお、離婚の場合は、調停をせずにいきなり裁判をすることは認められていません。第三者である裁判所が判断をする前に、話合いによりできるだけ合意で解決するべき、という建前がとられているためです。したがって、当事者間で意見のズレが大きく、調停をしても合意の見込みがないような場合でも、一度は調停を申し立てることが法律上義務付けられています。
    訴訟では、改めて主張や証拠を出し合うことになり、最終的には裁判官が判決という形で決着をつけます。ここでは、いわゆる相場に沿った慰謝料金額が認定されることになります。なお、相手方がこちらの主張を認めない場合には、こちらの主張を裏付ける証拠がないといけません。不貞や暴力を理由として慰謝料を請求する場合は、写真やメール、ラインなどの証拠をできるだけ残しておくべきです。
    調停も訴訟も、平日の日中に裁判所で行われます。仕事を休みにくい方は弁護士を代理人に立てて進めることもできますが、調停については話合いの場なので、なるべく自分も出頭しましょう。

2、離婚時に夫に請求できる財産分与について

  1. (1)財産分与とは

    財産分与とは、夫婦が結婚してからともに築いた共有財産を、それぞれの貢献度に応じて分けることを言います。結婚してから夫婦それぞれが稼いだお金や、それをためた預貯金や、購入した不動産、車などが共有財産です。
    なお、婚姻中に築いたものであれば、夫婦のどちらが稼いだお金であっても、基本的には夫婦共有です。名義が夫または妻のものになっていても、法的には共有財産として分与の対象になります。

    ただし、結婚前からそれぞれが持っていた預金や結婚とは関係なく入ってきた財産、たとえば、親からの遺産などは、結婚してから一緒に築いた財産ではないので、財産分与の対象にはなりません。
    分与の割合はほぼ半分ずつとされており、夫が正社員で、妻がパート勤務というように、夫婦間に収入の差がある場合でも分与割合はおおむね5割とされています。

  2. (2)扶養的財産分与とは

    妻が長年専業主婦であったり、パートで収入が乏しかったりするような場合に、離婚した後もしばらくの間、夫に対して扶養を求める請求をすることがあります。これを扶養的財産分与の請求といいます。
    結婚によって退職し、夫や家族のために尽くしてきたのに、突然の離婚で生活費が入らなくなれば、妻は途方に暮れるしかありません。そうした場合に、妻の生活を守るために主張されるのが扶養的財産分与の請求権です。
    しかしながら、扶養の請求は、あくまで夫婦や親子といった法律上の関係があることが前提です。したがって、よほどの事情がない限り、離婚後の扶養的財産分与は認められていません。

  3. (3)年金分割も忘れずに

    夫がサラリーマンや公務員で厚生年金加入者の場合は、離婚時の年金分割制度の対象となる可能性があります。婚姻中に厚生年金保険料を納めた期間に応じて、将来の年金支給時に上乗せでもらうことができます。離婚してから2年以内に請求しなければなりませんので、注意が必要です。

3、子どもがいる場合は、養育費を取り決めておくこと

子どもがいる場合は、まず親権をどちらが取得するかを決める必要があります。子どもを引き取ることになった場合は、相手に対して子どもの養育費を請求できます。自分のためではなく子どものためのお金ですが、自分達の生活のための重要な財源となります。

  1. (1)養育費の相場と算定方法

    養育費には計算方法があり、父母双方の収入と子どもの年齢や人数によって相場が決まっています。そのうえで、個別の事情、たとえば、住宅ローンの支払いや子どもが私立学校に行っている場合など特別な生活費がかかっているような場合はそれらも考慮されます。
    原則として、養育費を支払う側の収入が高いほど、また、子どもの人数と年齢が大きくなるほど、養育費は上がります。

  2. (2)養育費の請求方法

  3. (2)-1 話合いで請求する

    養育費についても、慰謝料と同様に夫婦間で話し合って決めることができます。ただし、養育費はこれから将来の支払いを事前に取り決めるものですから、今後、支払いが止まってしまうリスクがつきまといます。
    そこで、離婚にあたっての取決め事項は、公正証書にして残しておくべきです。公正証書の条項に、将来、支払いを止めた場合は強制執行を受けることを認める文言(強制執行認諾文言)を入れておけば、支払いがされなくなったときにはその効力により差押えなどの執行をすることができます。

  4. (2)-2 調停・審判・裁判

    話し合いで金額を決められない場合は調停での合意を目指します。
    なお、離婚した後に養育費を請求するような場合、つまり、養育費の金額だけが争点で、調停で金額が決まらないときには、裁判ではなく、審判という方法で裁判所が金額を決定します。
    養育費は子どもの生活の基礎であり、直ちに必要なものです。これを裁判で決めるとなると、裁判のために長い時間がかかっている間、養育費が支払われないままなのでその間の子どもの生活が不安定になってしまいます。こうした事態を避けるため、審判という簡易な手続きで裁判所が速やかに判断する仕組みがとられているのです。
    養育費だけでなく、離婚自体についても争いがあるような場合は、調停で決まらなければ離婚裁判へ移行します。

4、離婚するときに知っておきたい、さまざまな公的支援制度

離婚が成立すると、それまでとはガラッと生活が変わる可能性があります。
生活費が減るだけなく、子どもがいる場合は、働くのも大変ですし、働きながら一人で子どもを育てる負担も大きいものです。その大変さを少しでもやわらげるため、さまざまな公的支援サービスが用意されています。
条件を満たしていても自分で申請しなければ得られないサービスもありますし、下記に掲げる以外にも自治体によって独自のサービスを用意している場合もありますので、お住まいの市町村窓口で相談してみましょう。

  1. (1)経済支援

  2. (1)-1 児童扶養手当

    18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子ども(子どもに一定の障害がある場合は20歳未満)がいるひとり親(母子・父子いずれも含む)家庭で、所得などの一定条件を満たせば支給されます。
    手当は、原則として、毎年4月、8月、12月に、前月までの4ヶ月分がまとめて支給されます(2019年11月分からは、奇数月に年6回、前月までの2ヶ月分をまとめて受け取る形に変更になります)。なお、離婚後、実家に戻る場合は、同居する親の収入も合算されて所得制限が計算される可能性がありますので、注意が必要です。
    平成30年4月以降の支給金額は、以下の表のとおりです。ただし、児童扶養手当は数年に1度程度の割合で制度改正されていますし、その金額は物価の変動などに応じて毎年改定されることになっています。申請時に必ず窓口で条件や金額を確認しましょう。

    手当月額(平成30年4月から)

    全部支給 一部支給
    児童1人の場合 42,500円 42,490円〜10,030円
    児童2人目の加算額 10,040円 10,030円〜5,020円
    児童3人目以降の加算額 6,020円 6,010円〜3,010円
  3. (1)-2 児童育成手当

    児童育成手当とは、現在、東京都において運用されている独自の制度で、東京都の各市区町村の条例によって実施されています。ひとり親家庭で収入などの一定の条件を満たす場合に支給される育成手当と、一定の障害を持つ児童に支給される障害手当とがあります。東京都以外にお住まいの方は、お住まいの市町村に類似の制度がないか確認してみましょう。

  4. (1)-3 ひとり親家庭対象の福祉資金貸付制度

    ひとり親家庭の経済的自立を支援するため、高校や大学などの入学資金や授業料、就職するために必要な資格取得に必要な資金などを、低金利か無利子で貸付けするものです。また、市町村によっては、奨学金制度などを用意している場合もあります。福祉の相談窓口で確認してください。

  5. (1)-4 自立支援給付金制度

    ひとり親家庭の親の就職やキャリアアップのために、あらかじめ指定されている教育訓練講座を受講した場合、受講に要した経費の一定金額を支給する事業です。また、ひとり親家庭の親や子どもの学び直しを支援するため、高卒認定資格取得を支援する事業もあります。

  6. (1)-5 ひとり親家庭の医療費助成

    ひとり親家庭に限ったことではありませんが、医療費の負担も重くなりがちです。ひとり親家庭の親と児童について、医療費の一部を助成する制度を設けている自治体もあります。

  7. (2)子育て支援

  8. (2)-1 就学援助制度

    子どもが小学校または中学校に通学している家庭で、一定の収入以下の保護者を対象として、学用品費用などを援助する制度です。

  9. (2)-2 ひとり親家庭ホームヘルプサービス

    ひとり親世帯の親等が就労や就職活動で日常生活に困るときのホームヘルパーの利用を支援してくれる制度です。例えば、保護者が就労するため必要な場合に、子どもの世話や送迎などを行ってくれます。

  10. (2)-3 子育て短期支援事業

    保護者が病気やその他の理由で、子どもを養育することが一時的に困難となったとき、児童福祉施設で一定期間、子どもを養育・保護してくれる制度です。
    例えば、保護者の病気の他にも、冠婚葬祭、出張、学校行事の参加などで利用することができ、また、夜間の養育・保護をしてくれる自治体もあります。

5、まとめ

離婚を選択する場合は、その後の生活費や子育ての負担についてしっかり考え、離婚の際に相手にいくら請求できるか、また、離婚後の支援にはどんなものがあるのか、調べておきましょう。また、具体的な請求額や利用できる制度について、離婚問題に経験豊富な弁護士に相談することも有益です。ベリーベスト法律事務所では、ご相談者の事情に寄り添ってお話をうかがっています。お気軽にご相談ください。

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