離婚は早い方がいい? その理由やトラブルになるポイント
配偶者と不仲になったものの、離婚して夫婦関係を打ち切ってよいのかどうか悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
たしかに軽率に決断すべきではありませんが、離婚を長引かせることにはデメリットもある上、揉めてしまうと離婚成立までに時間がかかる可能性が高いです。そのため、おひとりで抱え込むことなく、早い段階で弁護士に相談することをおすすめいたします。
今回は、離婚を長引かせるデメリットや早く離婚すべきケース、その他離婚手続きに関する注意点などを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、離婚は早い方がいい? 長引くデメリットと早く離婚すべきケース
離婚の決断は熟慮を要するものですが、離婚までの期間が長引くことにはデメリットも存在します。特に、結婚生活が原因で深刻な弊害が生じている場合には、早急に離婚を目指すべきでしょう。
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(1)離婚までの期間が長引くことのデメリット
離婚までの期間が長引いてしまうと、経済的な観点からデメリットが生じる可能性があります。
離婚成立までに問題となることが多いのが「婚姻費用」です。
婚姻費用とは、婚姻関係から生じる費用(生活費など)を意味します(民法第760条)。夫婦が別居状態にある場合、収入の多い側から少ない側に対して婚姻費用を支払います。
離婚までの別居期間が長引くと、収入の多い側にとっては、婚姻費用の支払いがかさんでしまいます。一方、収入の少ない側は婚姻費用の受取額が増えますが、不払いが発生すると一挙に生活が困窮してしまうリスクがあります。
また、夫婦の共有財産を相手が管理している場合、共有財産を使い込まれてしまうリスクがあります。使い込みのリスクを避けるためには、できるだけ早く離婚を成立させて、財産分与を行うべきであると言えます。
そのほか、離婚が成立しなければ次の結婚を目指すことができないなど、不本意な形で婚姻関係に縛られてしまう面が多い点も大きなデメリットです。 -
(2)早く離婚すべきケースの例
特に以下に挙げるようなケースでは、ご自身の将来のためにも、早急に離婚を目指すことが賢明でしょう。
- 配偶者と一緒にいる時の精神的な負担が大きい場合
- 配偶者からDVやモラハラを受けている場合
- 配偶者が不貞行為を繰り返している場合
- 配偶者の言動によって子どもが精神的ダメージを受けている場合
2、離婚には時間がかかるケースが多い
離婚そのものは、離婚届を提出すれば成立します。
しかし、離婚後のトラブルを防止するためには、さまざまな離婚条件を取り決めなければなりません。離婚条件について揉めてしまい、離婚成立までに時間がかかってしまうケースもよくあります。
離婚するかどうかを悩んでいるうちにも時間が経過するので、できる限り早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
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(1)離婚時に取り決めるべき離婚条件
離婚時に取り決めるべき主な離婚条件は、以下のとおりです。
- 財産分与
- 慰謝料
- 親権
- 養育費
- 面会交流の方法
- 年金分割
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(2)合意できない場合は手続きが長期化する
上記のように、複数の離婚条件について並行して話し合わなければならず、すべてを円滑に決められるケースは決して多くありません。
離婚条件について話し合いで合意できない場合には、離婚調停を申し立てることになります。それでも合意が成立しない場合は、離婚訴訟で争うことになります。
離婚調停や離婚訴訟に発展した場合、離婚成立までに1年以上の期間がかかることが多いです。できる限り早期に離婚を成立させるためにも、早い段階で弁護士へご相談ください。
3、離婚についてトラブルになりがちなポイント
離婚について発生しやすいトラブルは、「離婚原因の有無」「お金のこと」「子どもに関すること」の3つに大別されます。
特にお金と子どもに関する離婚条件については、早期に離婚を成立させる観点から、対立するポイントについて適切な妥協点を見出すことが重要です。
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(1)離婚原因の有無
そもそも離婚するか否かについて意見が対立している場合は、離婚原因(法定離婚事由)の有無が争点となります。
民法で認められている法定離婚事由は、以下の5つです(民法第770条第1項)。- ① 不貞行為
- ② 悪意の遺棄
- ③ 3年以上の生死不明
- ④ 強度の精神障害にかかり、回復の見込みがないこと
- ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由
訴訟を通じて離婚を求める場合は、上記いずれかの法定離婚事由を証拠に基づいて立証する必要があります。
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(2)お金のこと
離婚時に争点となりやすいお金に関する論点は、以下のとおりです。
① 財産分与
夫婦が婚姻中に取得した財産(共有財産)は、財産分与の対象となります。共有財産の範囲や財産の評価などを巡って、夫婦間で争いになることが多いです。
② 慰謝料
不貞行為・DV・モラハラなど、離婚の原因を作った側は、相手方に対して慰謝料を支払う義務を負います。慰謝料支払いの要否や金額を巡って、夫婦間で争いになることがあります。 -
(3)子どもに関すること
離婚時に争点となりやすい子どもに関する論点は、以下のとおりです。
① 親権
子どもがいる夫婦が離婚する際には、子どもの親権者をどちらか一方に定めなければなりません。親権をどちらが持つかについて、夫婦間で争いになることがあります。
② 養育費
離婚後に子どもと同居しない側は、同居する側に対して養育費を支払う義務を負います。毎月の養育費の金額や特別費用の精算などを巡って、夫婦間で争いになることがあります。
③ 面会交流の方法
離婚後に子どもと同居しない側が、子どもとどのように面会交流を行うかについても取り決めておく必要があります。面会交流の頻度やルールなどに関して、夫婦間で争いになることがあります。
4、離婚の進め方について弁護士に相談するメリット
配偶者との離婚を目指す場合には、その手続き・対応について弁護士に相談することをおすすめいたします。
離婚について弁護士に相談することの主なメリットは、以下のとおりです。
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(1)見通し・対応についてアドバイスを受けられる
弁護士は、離婚の可否・適正な離婚条件・手続きの流れなどについて、依頼者の状況に合わせてアドバイスします。
明確な見通しをもって手続きを進めることにより、適正な条件で早期に離婚を成立させられる可能性が高まります。ご本人としても、離婚までの見通しが明確化されることにより、精神的な安心につながるでしょう。 -
(2)実際の手続きを代行してもらえる
弁護士は、離婚協議・離婚調停・離婚裁判などの手続きを全面的に代行します。
関係の悪化した配偶者と顔を合わせる必要がなくなるほか、煩雑な法的手続きの対応も弁護士に一任できるので、ご本人のご負担は大幅に軽減されるでしょう。 -
(3)適切な妥協点を見出し、早期解決につながる
離婚を早期に成立させるためには、配偶者の主張内容も踏まえつつ、適切な妥協点を見出すことが重要です。
ただし、単に譲歩すればよいというわけではなく、裁判例などを踏まえた適正な離婚条件を念頭において妥協ラインを定める必要があります。弁護士は、依頼者のご状況に応じて法的な検討を行い、目指すべき離婚条件の内容・水準についてアドバイスします。
合理的な水準の妥協点を念頭に離婚手続きを進めることで、早期に離婚が成立する可能性が高まるでしょう。 -
(4)離婚後の生活についてもアドバイスを受けられる
離婚後の生活について不安がある方には、離婚時の段階でできる限りの対策を講じるとともに、離婚後に利用可能な制度などについてもアドバイスすることが可能です。
たとえば、(元)配偶者から子どもとの面会交流を無秩序に求められることが心配であれば、離婚時に面会交流のルールを決めておくのがよいでしょう。他の離婚条件と合わせて、弁護士が適切に交渉等を行い、離婚後の生活に支障が出ないようなルールを取り決めるようにサポートいたします。
金銭面での不安がある場合には、公的支援を利用することが考えられます。以下の記事などを参照して、利用可能な公的支援があるかどうかをご確認ください。
5、まとめ
結婚生活が破綻状態にある場合や、配偶者と一緒にいることで大きなストレスがかかっている場合には、できる限り早期の離婚を目指すことをおすすめします。
ただし、さまざまな離婚条件を並行して話し合う中で、配偶者と揉めてしまい離婚手続きが長期化するケースも珍しくありません。円滑に離婚を成立させるためには、弁護士へのご相談がおすすめです。
ベリーベスト法律事務所は、離婚に関するご相談を随時受け付けております。適正な条件による早期の離婚成立を目指して、弁護士が親身になってサポートします。配偶者とのスピード離婚を目指したい方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所へご相談ください。
- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
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[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
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