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離婚が大変な理由は? 離婚で必要な手続きやトラブル例を弁護士が解説

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更新日:2024年11月06日  公開日:2024年11月06日
離婚が大変な理由は? 離婚で必要な手続きやトラブル例を弁護士が解説

離婚をするには、多大な労力と時間を要します。決めなければならない事項も多く、きちんと定めておかなければ離婚後にトラブルになる可能性もあるため、大変だと感じる方も多いでしょう。

離婚手続きは、決して簡単なものではありませんが、離婚に必要な手続きやトラブルになりやすいケースなどを理解しておけば、離婚の負担やリスクを多少は軽減できるといえるでしょう。

今回は、離婚が大変な理由や離婚で必要となる手続き、よくあるトラブルの例について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

目次を

1、離婚が大変な理由は?

「離婚は大変だ」と言われることがあります。それには、以下のような理由があるからです。

  1. (1)離婚が成立するまで時間がかかる

    離婚をするためには、相手との話し合いにより離婚の合意を得るか、裁判所で離婚を認める判決を獲得する必要がありますが、それ以外にも親権、養育費、慰謝料、財産分与、年金分割などの離婚条件の話し合いも行わなければなりません。

    離婚を考える状況だと夫婦関係も冷え切っていますので、お互いに顔を合わせて話し合いをするだけでも大きな精神的ストレスを感じられる方も多いでしょう。相手が離婚に応じてくれなかったり、離婚条件に争いが生じたりすると、簡単には離婚できず、離婚成立まで長い時間がかかってしまいます。

    離婚条件の全てにすぐに同意が得られることは少なく、離婚までには相当な時間がかかることが多いです

  2. (2)離婚調停や離婚裁判になると対応が大変

    相手との話合いがうまくいかず協議離婚ができない場合には、家庭裁判所に離婚調停の申し立てが必要になります。また、離婚調停でも解決しない場合には、離婚裁判を起こさなければなりません。

    このような法的手続きは、知識や経験がなければ対応が難しいため、自分だけで対応するのが大変だと感じる方も多いでしょう。調停や裁判になれば離婚成立までの時間も相当長くかかりますので、それも大変に感じる要因のひとつといえます。

  3. (3)環境変化による精神的ストレスが大きい

    離婚により相手との関係を解消できるのは、メリットといえます。

    しかし、離婚をすると引っ越し、転校、転職、名字の変更などこれまでの生活環境が大きく変化しますので、精神的なストレスが生じます。それに加えて、経済的な不安を抱えながら生活をしなければならないこともあり、離婚して大変になったと感じる方もいるでしょう。

2、離婚で決めなければならないこと

離婚をする際には、離婚するかどうかだけではなく、状況に応じて以下の事項も決めなければなりません。

  1. (1)子どもがいれば親権や養育費、面会交流

    夫婦に子どもがいる場合、どちらか一方を親権者に指定しなければなりません
    また、離婚をしても子どもの親であることには変わりありませんので、子どもの生活に必要になる養育費の取り決めも必要になります。

    さらに、非監護親(同居していない親)と子どもとの面会交流についても決める必要があります。

  2. (2)慰謝料

    離婚に至る経緯に関して相手に有責な事由(DV、不貞行為など)がある場合、相手に対して離婚慰謝料を請求することができます。相手が有責事由を認めているのであれば、金額の話合いが中心となるため、話合いで合意できる可能性が高くなりますが、相手が事実関係を認めていない場合には、話合いで合意できる可能性は低くなり、その場合には、離婚裁判において、証拠により相手の有責性を立証していくことになります。

    そのため、慰謝料を請求する際には、あらかじめ十分な証拠を集めておくことが大切です。

  3. (3)財産分与

    財産分与とは、離婚時に夫婦の共有財産を分けて清算する制度です。婚姻期間中に夫婦が自身の名義で築いた財産は夫婦の「共有財産」であり、財産分与の対象になります。

    • 預貯金
    • 保険
    • 不動産
    • 株式などの有価証券
    • 退職金(将来支払われるものも含む)


    婚姻期間が長い夫婦であれば、共有財産の金額も高額になりますので、しっかりと話し合って適正な財産分与を行う必要があります。

    「離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください」のページでは、財産分与の対象になるもの・ならないもの、注意点などについて解説していますぜひご参考ください

    適切な分配・損をしないために離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください
  4. (4)年金分割

    年金分割とは、婚姻期間中の保険料納付額に応じた厚生年金の納付記録を分割し、将来、年金が支払われる際の計算の起訴に含めることができるという制度です。
    専業主婦(主夫)、または相手よりも収入が低い方は、年金分割をすることで将来受け取れる年金を増やすことができます。そのため、年金分割は、離婚後の経済的な不安を解消できる重要な制度といえるでしょう。
    年金分割は、離婚後であっても手続きをすることができますが、離婚をした日の翌日から2年を経過すると請求できなくなりますので注意が必要です。離婚の際に併せて合意しておくようにしましょう。

3、離婚後に大変な手続きやトラブルとは

離婚するのも大変ですが、離婚後の手続きやトラブルが生じた場合も大変に感じることがあります。

  1. (1)離婚後に必要になる大変な手続き

    離婚後に必要になる手続きには、主に以下のようなものがあります。

    • 姓の変更手続き
    • 公的身分証明書関係の手続き(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等)
    • 住民票の異動
    • 銀行口座、クレジットカード、不動産などの名義変更
    • 国民年金や国民健康保険の手続き


    離婚後の手続きによっては期限が設けられているものもありますので、手続きに漏れがないようにするためにも必要な手続きを整理して、ひとつずつ確実に対応していくようにしましょう

  2. (2)離婚後に発生する大変なトラブル

    離婚後に以下のようなトラブルが生じると、離婚した相手との話し合いなどの対応が必要になることがあります。

    ① 養育費が減額される・支払われない
    離婚時に養育費の取り決めをしたとしても、相手から一方的に減額をされてしまったり、支払いを止められてしまったりすることがあります。
    このようなトラブルが生じた場合には、まずは相手との話し合いにより解決を試みることが多いですが、それでも支払いがなされない場合には、法的手段による対応が必要です。
    離婚時の養育費の合意を書面としていない場合や、書面とした場合も当事者間の書面だけである場合には、不払いとなった時点で、家庭裁判所に養育請求調停を申立てて、改めて養育費について話し合いを行う必要があります。この調停で合意できない場合には、調停不成立となり、自動的に審判の手続きに移行します。審判になると裁判官が一切の事情を考慮して適切な養育費の金額を定めてくれます。

    離婚時の養育費の合意が、執行認諾文言付きの公正証書となっている場合や、調停で合意して調停調書が作成されている場合、審判や訴訟によって決定されて審判書や判決書がある場合には、それらの書面に基づいて、相手の財産や給与等を差し押さえることができます。

    このような手続きは、対応が難しく大変だと感じられることと思いますまた、不払いとなり、生活に不安を感じる中で手続きを行っていくことは、精神的に大きな負担となることでしょう自分で対応ができないと感じるときは、早めに弁護士に相談するようにしましょう

    ② 子どもとの面会交流ができない
    離婚をしても面会交流により子どもとの定期的な交流を続けることができます。しかし、面会交流に否定的な監護親によって一方的に面会交流が中断されてしまうケースも少なくありません。

    このようなトラブルが生じた場合には、まずは話し合いで解決を図ることになります。しかし、話し合いで解決できないときは、家庭裁判所に面会交流調停を行います。

    調停で合意に至らないときは、調停不成立となり、自動的に審判の手続きに移行し、裁判官が適切な面会交流の方法を定めてくれます。

    面会交流の調停や審判では、試行的面会交流や家庭裁判所調査官による意向調査などが行われることもあり、知識や経験がなければ大変だと感じる場面も多くなります。面会交流を実現するには、専門家である弁護士のサポートが必要になりますので、まずは弁護士に相談するのがおすすめです

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4、離婚について弁護士に相談するメリット

以下のようなメリットがありますので、離婚が大変だと感じる方は、弁護士に相談するようにしましょう。

  1. (1)スムーズに離婚を進めるためのアドバイスがもらえる

    離婚に関してはさまざまな法的問題が生じますので、スムーズに離婚手続きを進めるには、法的知識と経験が不可欠になります。

    弁護士に相談をすれば、具体的な状況を踏まえて、離婚の進め方や注意すべきポイントなどのアドバイスがもらえますので、それに従って手続きを進めればスムーズに離婚できる可能性が高くなるでしょう

  2. (2)相手との交渉を代わりに行ってもらえる

    離婚をするために相手と話し合いをするのが大変だと感じる方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として相手との交渉を行ってくれますので、ご自身の負担を大幅に軽減することができます

    交渉が決裂し、調停や裁判になった場合でも弁護士が引き続き対応してくれますので、最後まで安心して任せることができます。

  3. (3)適切な条件で離婚をすることができる

    離婚する際には、状況に応じてさまざまな離婚条件の取り決めが必要になります。養育費や慰謝料については、相場を理解しておかなければ不利な条件で合意してしまうリスクがありますし、財産分与については、相手の財産を調査して明らかにしてからでなければ適正な財産分与はできません。

    このように法的知識や経験がない方では、適切な条件で離婚するのは困難だといえますので、弁護士のサポートを受けながら進めていく必要があります。弁護士であれば、不利な条件を押し付けられるリスクを回避しながら、最大限有利な条件での離婚を目指して手続きを進めていくことができます

5、弁護士からのメッセージ

離婚する際には、離婚の成立までに時間がかかり、必要な手続きが多いなど大変だと感じることも少なくありません。早く離婚したいからといって、不利な条件で離婚に応じてしまうと、離婚後の生活が大変になる可能性もありますので、慎重に進めていくことが大切です。

離婚にあたっては、専門家である弁護士のアドバイスやサポートが必要になりますので、離婚をお考えの方は、まずはベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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