新婚だけど「離婚したい!」離婚前に夫婦で考えておくべきこと
一生を添い遂げようと思って結婚したものの、実際には夢みた結婚生活とはほど遠く、理想と現実のギャップに愕然としてしまうことがあります。新婚だけど「離婚したい…」と考えてしまう方も、少なくありません。
しかし、新婚の場合、離婚したいからといってすぐに離婚するのではなく、まずは改善する方法も検討してみてもよいでしょう。それでもダメなら、最終的に離婚を検討しましょう。
今回は、新婚で離婚したいと考えたとき、一度踏みとどまって考えておきたいことについて、解説します。
1、新婚だけど離婚したいと考えてしまう20個の理由
新婚夫婦が離婚すると「スピード離婚」と言われることが多いです。まずは、新婚の夫婦が「離婚したい」と考えるのはどのような理由によるものか、みていきましょう。
- ①価値観や性格の違い
- ②お金の問題(相手の借金癖、生活費のやりくり、貯金しないなど)
- ③結婚したら、相手の態度が変わった
- ④結婚したら、モラハラ・DVが始まった
- ⑤結婚したら、相手が浮気した
- ⑥相手の実家との付き合いがきつい(相手の親との同居や干渉など)
- ⑦生活習慣パターンが合わない
- ⑧結婚したのに、相手が仕事などで忙しく、かまってくれないので孤独感が強い
- ⑨夫婦生活がなくなり、セックスレスになった
- ⑩もっと遊びたい、自由な生活に戻りたい
- ⑪妻がまともに家事をしない
- ⑫夫が無責任、二人の将来について、真面目に考えていない
- ⑬夫婦仲が冷めた
- ⑭喧嘩ばかりしてしまう
- ⑮結婚生活で、相手のだらしなさに幻滅した
- ⑯相手が神経質で疲れる
- ⑰交際期間中は見落としていた欠点が目についた
- ⑱相手を信用できなくなった(嘘をつかれた、隠し事が発覚した)
- ⑲環境が激変して強いストレスを感じた
- ⑳愛情を感じられない
以上のように、新婚夫婦でも「離婚したい」と思ってしまう原因はたくさんあります。
あてはまる不満や不安がある方は、要注意です。
2、新婚夫婦がスピード離婚するメリットとデメリット
新婚の夫婦が配偶者と「離婚したい」と考えたとき、スピード離婚するとどのような影響があるのでしょうか?メリットとデメリットを確認しましょう。
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(1)新婚夫婦が離婚するメリット
時間が無駄にならない
新婚のときに離婚をすると、人生における貴重な時間を無駄にせずに済みます。
「離婚したい」と思いながらも踏ん切りがつかず、長年、不満を抱きながら結婚生活を続けてきて、子どもも生まれて育て上げてようやく熟年離婚する方もおられますが、そのような場合「もっと早く別れていたら、別の人生もあったはず」と思い、悩んだり後悔したりすることがあります。
新婚で早々に離婚してしまえば、そのような後悔をすることはなく、一度しかない貴重な人生の時間を有意義に使えます。
被害が大きくならない
新婚でも、問題性の高い結婚生活を続けていると、さまざまな悪影響が生じます。
たとえば、新婚早々、夫からDVやモラハラの被害を受け続けるケースもありますし、配偶者の借金問題に悩まされることもあります。
相手が家事育児をしないので、自分がすべてを抱え込んで辛い生活を続けなければならないケースもありますし、相手の実家との付き合いが濃厚すぎて、日々が憂鬱ということもあるでしょう。
結婚生活が長くなれば、こうしたさまざまな影響がどんどん膨らんでいきます。新婚当初、問題に気づいて「離婚したい」と思った時点で離婚してしまえば、問題をその時点で断ち切ることができて、被害が大きくなりません。
再婚することができる
離婚をすると、新たな相手を探して結婚(再婚)することができます。
再婚は、年齢が若い方が相手を見つけやすいともいわれていますし、他方で、子どもがいると新たな相手が結婚(再婚)に踏み切れないということもあると言われています。
新婚でスピード離婚すると、まだまだ年齢も若く、子供がいないケースも多いので、再婚に有利といわれている条件が整います。また、前回の失敗から気づきを得ているので、次には失敗しないように、再婚相手を見極めることができますし、結婚前や結婚後に適切な行動をとることができます。
子供ができる前の方が離婚後の生活への影響が小さい
新婚夫婦には、しばらくして子どもができることが多いです。
しかし、子どもができてから離婚すると、その後の生活に対して大きな影響が及びますし、離婚自体が大変な作業になります。親権争いが発生することもありますし、養育費の問題や面会交流の問題も起こります。子どもの心も大きく傷つる可能性もあります。たとえ親権者とならなくても、親子であることは変わりませんので、後々の相続の際には問題になることがあります。再婚にも支障が生じる得るでしょう。
離婚をするならば、子どもが生まれる前の方が良いともいえます。
新婚夫婦が行うスピード離婚なら、まだ子どもができていないことも多いので、どうせ離婚をするのであれば、早めに離婚した方が、メリットがあるともいえます。
DVやモラハラのケース
新婚でも、相手からDVやモラハラを受けている、もしくは受けそうな場合など、一刻も早く離婚した方が良いケースがあります。このような問題がある場合、時間が経つと、認知のゆがみが生じ、被害者が加害者から離れにくくなってしまうこともありますし、子どもが生まれて逃げるに逃げられなくなることがあるためです。
新婚で、「相手のDVがこわい」、「これはモラハラではないか?」と疑問を感じて離婚したいならば、周囲に相談の上、問題があったら早急に離婚を進める方が良いでしょう。離婚したほうがいいのか迷われているならば、一度弁護士までご相談ください。 -
(2)新婚夫婦が離婚するデメリット
次に、離婚したい新婚夫婦がスピード離婚するデメリットを見てみましょう。
周囲が理解してくれない
少なくとも日本において、一般的には、いったん結婚をしたら一生添い遂げることをよしとする風潮があります。新婚の若者が、すぐに「離婚したい」と言い出したり、実際にスピード離婚をすると、「我慢が足りない」「人生をわかっていない」「甘い」と評価されることもあります。スピード離婚は周囲の理解を得ることが難しい場合も多いです。
実家の親族からも「あの子は結婚に失敗した。すぐ離婚した。」と言われる場合もありますし、友人からも「なんで離婚したの?仲よさそうだったのに」などとを言われたり、逆に気を使われすぎて嫌な気持ちになったりすることもあるでしょう。
周囲の目線に耐えられなさそうであれば、新婚状態でスピード離婚する前に、一度立ち止まって考え直してみることをおすすめします。
次に同じことが起こる可能性
新婚夫婦が「離婚したい」からといってすぐに離婚する場合、二人の我慢や自覚が足りないケースがあります。また、改善の余地があるのに、それをせずに離婚してしまったら、何の気づきも学びもありません。
そのような方の場合、いったんは離婚して気持ちが楽になったとしても、次に結婚(再婚)したら、また同じことが起こる可能性があります。
結婚したならば、夫婦で共同生活を築き上げる努力が必要です。新婚で、生活スタイルが合わないことも性格や価値観がずれていることも、お互いが違う人間である以上、当然に出てきます。夫婦関係を一緒に築き上げていこうという前向きな気持ちをもたず、相手のせいにして離婚をしても、何も得られない可能性が高いです。
3、新婚夫婦が離婚したいと思ったとき、やっておくべき5つのこと
以下では、新婚夫婦が「離婚したい」と思ってたときに、離婚前にやっておくべきことを5つ、ご紹介します。
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(1)不満を話し合う
新婚で「離婚したい」と感じたなら、まずは、お互いに抱えている不満を打ち明け、話し合いましょう。新婚の場合、お互いに遠慮して相手に不満を言えないため、抱え込んでしまって「離婚したい」という気持ちに追い詰められる例があるためです。
不満を言い合って腹を割って話せば、かえって楽になって離婚したいと思わなくなることがあります。 -
(2)夫婦の将来像についてお互いの意見を言い合う
新婚夫婦が「離婚したい」と思うとき、相手が何を考えているのかわからなかったり、相手が自分たち家族の将来をしっかり考えていないと感じていたりすることがあります。
そのようなときには、「この人に言っても仕方がない」と決めつけるのではなく、一度、しっかりとお互いのもっている夫婦や家族の将来像について、話し合ってみましょう。
話し合いをきっかけに相手も真剣に将来のことを考え始めることもあります。
反対に、話し合いによってあまりに大きな価値観の違いがあることが明らかになれば、離婚に向けて進むしかないことがはっきりします。 -
(3)相手を尊重する
新婚夫婦が「離婚したい」と思うとき、相手を尊重せず、自分の考えなどを押しつけてしまっているケースがあります。しかし、それでは、結婚生活はうまくいきません。
一度、自分の今までの言動や考え方を振り返り、相手を尊重する態度に変えてみましょう。
たとえば、相手の生活パターンや食事の好みが合わないと感じている場合などには、自分の方からも歩み寄る努力をすると良いでしょう。
そうすれば、自然に衝突する機会が減り、離婚したいと思わなくなるものです。 -
(4)相手の問題点は何か考えて、自分を見つめ直す
新婚夫婦が「離婚したい」と思ったとき、相手の問題点がどのようなことか考えてみることも有効です。
たとえば、DVやモラハラなどの深刻な問題ならば、実際に離婚した方が良いでしょう。
お金の問題でも、ギャンブルにお金をつぎ込んでサラ金からどんどん借金しているような相手なら、離婚した方が良いかも知れません。しかし、給料が低いとか、多少金遣いが荒いというだけであれば、離婚するほどではないとも考えられます。
性格の問題についても、理解する努力を十分にしたけれどもどうしても理解することができないような性格であれば、結婚生活が苦しくなりますが、多少の性格の不一致であれば、どのような夫婦にもあることです。
「離婚したい」という気持ちがどれほどのものなのか、どのようなことに原因があるのか、見つめ直すことは非常に重要なことです。
4、新婚夫婦がどうしても「離婚したい」場合の手順と方法
以上のように、さまざまなことを検討しても、どうしても「離婚したい」ケースがあります。その場合、どうやって離婚にもっていけば良いのでしょうか?手順と方法をご紹介します。
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(1)相手が同意している場合
離婚をする手順と方法は、相手が離婚に同意している場合と同意していない場合とで異なります。
まずは、相手が離婚に同意している場合の進め方をご説明します。
相手が離婚に同意しているならば、協議離婚の方法で離婚できます。協議離婚の場合、離婚届の用紙に必要事項を記入して、夫婦双方が署名押印をして市町村役場に提出することで離婚が成立します。
ただし、婚姻期間の短い新婚夫婦の場合でも、同居生活中に積み立てた共有財産があれば、その共有財産の分配に関する取り決めをする必要性が生じます。また、子どもがいる場合、親権者を決めなければならず、さらに養育費の取り決めも必要になります。加えて、相手の浮気やDVで離婚する場合であれば慰謝料の請求を検討すべきでしょう。
協議離婚の場合であっても、後のトラブルを避けるため、こういったさまざまな離婚条件について、きちんと取り決めをしておく必要があります。離婚条件の交渉などについて不安が残るのであれば、弁護士に相談しましょう。 -
(2)相手が同意していない場合
相手が離婚に同意しない場合、こちらが離婚したいからといって、一方的に離婚することはできません。
まずは、家庭裁判所で「離婚調停」を申し立てて、調停委員を介して離婚の話し合いをすすめる必要があります。新婚の場合、調停委員から「離婚を思いとどまってはどうか?」とこちらが説得されることもあります。特に生まれたての子どもがいる場合などには、強く説得される可能性が高まります。そんな中で、離婚を主張し続けることには強固な意思が必要です。
また、離婚調停でも調整できない場合には、離婚訴訟が必要となります。
離婚訴訟では、次にご紹介する「法定離婚事由」がないと離婚が認められません。
新婚夫婦の不満でよくある、単なる性格の不一致や相手の実家との不和などでは離婚できないので、注意が必要です。
法定離婚事由がある場合には、家庭裁判所が判決により、離婚を認めてくれます。
5、裁判で認められる離婚事由とは?
離婚訴訟を起こしたときに離婚が認められる「法定離婚事由」には、どのようなものがあるのでしょうか?
法定離婚事由とは、下記の①から⑤のことをいい、民法770条1項に列挙されています。
- ① 配偶者の不貞行為があった場合
- ② 配偶者による悪意の遺棄があった場合
- ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでない場合
- ④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
- ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由がある場合
新婚夫婦が離婚したいと考えたときに適用されうる現実的な離婚事由としては、配偶者の不貞行為や悪意の遺棄、その他婚姻を継続し難い重大な事由が挙げられます。不貞行為とはいわゆる浮気のことです。悪意の遺棄とは、相手が婚姻生活中に同居や協力などをしてくれないことをいいます。また、その他婚姻を継続し難い重大な事由は、一般的に、婚姻関係が破たんして共同生活の回復の見込みがないことをいうとされています。
たとえば、以下のようなケースならば、離婚できる可能性が高いでしょう。
- 相手が浮気した場合
- 相手が同居を拒否する場合
- 相手が生活費を入れてくれない場合
- 相手から酷いDVやモラハラを受けている場合
相手が浮気した場合には、浮気した配偶者のみならず、当該浮気相手に対しても慰謝料を請求することができます。
6、新婚で離婚したい時の相談先は?
最後に、新婚なのに「離婚したい」と思ってしまったとき、利用できる相談先をご紹介します。
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(1)離婚カウンセラー
離婚したいと思ったとき、あなたは離婚カウンセラーに相談することができます。夫婦が一緒に利用するカウンセリングもありますし、単独で利用できるものもあります。
必ずしも離婚を勧めるものではなく、復縁のサポートを受けられることもあるので、状況に応じて利用しましょう。 -
(2)家庭裁判所の家事相談室
離婚したいので調停を申し立てたいとき、家庭裁判所に行くと、書記官などが家事手続について相談に乗ってくれます。相談できる内容は、「調停の申し立て方法」など手続的なことに限られ、法定離婚事由の有無などの法律相談をすることはできません。
手続的なことを知りたい場合には、利用してみましょう。 -
(3)弁護士
離婚したいと思ったら、最終的には、法律の専門家である「弁護士」に相談することが有効です。
新婚夫婦の場合、周囲に相談をしても離婚を思いとどまるように言われることがほとんどで、深刻な問題がある場合であっても見過ごされることがあります。弁護士であれば、それを見抜いて的確なアドバイスをしてくれます。
また、弁護士から法律の専門家としての意見を聞くことにより、離婚への気持ちが固まったり、反対に「もう少しがんばってみよう」と思い直したりすることもあります。
離婚すると決めた場合、相手と離婚交渉や離婚調停、離婚訴訟の代理人を依頼することもできるので、非常に心強いです。また、法定離婚事由の有無などの法的なアドバイスを受けることもできます。
弁護士に離婚を相談するのであれば、できるだけ離婚問題や男女問題の実績豊富な弁護士を選びましょう。
以上のように、新婚夫婦が離婚したいと思ったとき、検討すべき問題がたくさんあります。対応に迷われた場合などには、一度、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。
- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
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[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
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