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結婚したばかりで離婚したい! 新婚が知っておくべき大事なこと

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更新日:2025年05月12日  公開日:2018年07月18日
結婚したばかりで離婚したい! 新婚が知っておくべき大事なこと

一生を添い遂げようと思って結婚したものの、思い描いていた結婚生活とほど遠く、理想と現実のギャップに愕然としてしまう新婚の方もいます。そのため、結婚したばかりでも「離婚したい」と考える方は、少なくありません。

しかし、新婚の場合、離婚したいからといってすぐに離婚を切り出すのではなく、まずは夫婦仲を改善する方法も検討してみましょう。それでもダメだったとき、最終的に離婚へとたどり着けば、「ああしていれば…」と後悔しなくて済むようになります。

本コラムでは、結婚したばかりの新婚の方が「離婚したい」と考えたとき、一度踏みとどまって考えておきたい大事なポイントについて、ベリーベスト法律事務所 離婚専門チームの弁護士が解説します。

目次を

1、結婚したばかりの新婚夫婦が「離婚したい」と考えてしまう20個の理由

新婚夫婦が離婚すると、「スピード離婚」と言われることが多くあります。
まずは、結婚したばかりで「離婚したい」と考えてしまう理由について、みていきましょう。

  1. ①価値観や性格の違い
  2. ②お金の問題(相手の借金癖、生活費のやりくり、貯金しないなど)
  3. ③結婚したら、配偶者の態度が変わった
  4. ④結婚したら、モラハラ・DVが始まった
  5. ⑤配偶者の浮気が発覚した
  6. ⑥義理の家族との付き合いがきつい(義理の親との同居や干渉など)
  7. ⑦生活習慣パターンが合わない
  8. ⑧結婚したのに、配偶者が仕事などで忙しく、かまってくれないので孤独感が強い
  9. ⑨夫婦生活がなくなり、セックスレスになった
  10. ⑩もっと遊びたい、自由な生活に戻りたい
  11. ⑪配偶者がまともに家事・育児をしない
  12. ⑫配偶者が無責任、二人の将来について、真面目に考えていない
  13. ⑬夫婦仲が冷めた
  14. ⑭喧嘩ばかりしてしまう
  15. ⑮結婚生活で、相手のだらしなさに幻滅した
  16. ⑯配偶者が神経質で疲れる
  17. ⑰交際期間中は見落としていた欠点が目についた
  18. ⑱配偶者を信用できなくなった(嘘をつかれた、隠し事が発覚した)
  19. ⑲環境が激変して強いストレスを感じた
  20. ⑳配偶者からの愛情を感じられない

以上のように、新婚夫婦でも「離婚したい」と思ってしまう原因はたくさんあります。
あてはまる不満や不安がある方は、要注意です。

2、新婚夫婦がスピード離婚するメリットとデメリット

新婚夫婦が「離婚したい」と考えたとき、スピード離婚するとどのような影響があるのかを知りたいと考える方は少なくありません。2章では、結婚したばかりですぐに離婚するメリットとデメリットについて、解説します。

  1. (1)新婚夫婦が離婚する5つのメリット

    【時間が無駄にならない】
    新婚のときに離婚をすると、人生における貴重な時間を無駄にせずに済みます。
    「離婚したい」と思いながらも踏ん切りがつかず、長年、不満を抱きながら結婚生活を続けてきて、子どもも生まれて育て上げてようやく熟年離婚する方もおられますが、そのような場合「もっと早く別れていたら、別の人生もあったはず」と、悩んだり後悔したりすることも少なくありません。
    新婚で早々に離婚してしまえば、そのような後悔をすることはなく、一度しかない貴重な人生の時間を有意義に使うことが可能です。

    【被害が大きくならない】
    新婚でも、問題性の高い結婚生活を続けていると、心身にさまざまな悪影響が生じる可能性があります。
    たとえば、新婚早々、配偶者からDVやモラハラの被害を受け続けるケースもありますし、配偶者の借金問題に悩まされることもあります。相手が家事・育児をしないので、自分がすべてを抱え込んでつらい生活を続けなければならないケースもありますし、義理の実家との付き合いが濃厚すぎて、日々が憂鬱ということもあるでしょう。
    結婚生活が長くなれば、こうしたさまざまな影響がどんどん膨らんでいきます。新婚当初、問題に気づいて「離婚したい」と思った時点で離婚してしまえば、問題をその時点で断ち切ることができて、被害が大きくなりません。

    【再婚することができる】
    離婚をすると、新たな相手を探して結婚(再婚)することができます。
    結婚は、年齢が若い方が相手を見つけやすいともいわれていますし、他方で、子どもがいると結婚(再婚)に踏み切れないということもある、と言われています。
    スピード離婚すると、まだまだ年齢も若く、子どもがいないケースも多いので、再婚に有利といわれている条件が整います。また、新婚時の失敗から気づきを得ているので、次の再婚相手を見極めることができますし、結婚前や結婚後に適切な行動をとることが可能です。

    【子どもができる前の方が離婚後の生活への影響が小さい】
    結婚後、しばらくして子どもができる夫婦も多くいます。
    しかし、子どもができてから離婚すると、その後の生活に対して大きな影響が及びますし、離婚自体が大変になります。親権争いが発生することもありますし、養育費の問題や面会交流の問題も起こります。子どもの心も大きく傷つける可能性もゼロではありません。後々の遺産相続においては、親権の有無でトラブルになることがあります。再婚にも、支障が生じ得るでしょう。
    このようなことを考慮すると、最終的に離婚をするのであれば、早めに離婚した方がメリットがあるともいえます。

    【DVやモラハラのケース】
    結婚したばかりでも、配偶者からDVやモラハラを受けている、もしくは受けそうな場合など、「離婚すべき」といえる新婚夫婦もいるでしょう。このような問題がある場合、時間が経つと、認知のゆがみが生じて被害者が加害者から離れにくくなってしまうケースがあるだけでなく、子どもが生まれると、逃げるに逃げられなくなることもあります。
    「DVがこわい」「これはモラハラではないか」と疑問を感じて離婚したい方は、周囲に相談の上、問題があったら早急に離婚を進めるほうが良いでしょう。「離婚を考えるよりもまず相手から離れることを優先したい」という場合は、一度弁護士までご相談ください。

  2. (2)新婚夫婦が離婚する2つのデメリット

    次に、新婚夫婦がスピード離婚するデメリットを見てみましょう。

    【周囲が理解してくれない】
    少なくとも日本において、一般的には、いったん結婚をしたら一生添い遂げることをよしとする風潮があります。結婚したばかりで「離婚したい」と言い出したり、実際にスピード離婚をすると、「我慢が足りない」「人生をわかっていない」「甘い」と評価されることもあるでしょう。スピード離婚は、周囲の理解を得ることが難しい場合もあります。
    実家の親族からも「あの子は結婚に失敗した」と言われる場合もありますし、友人からも「なんで離婚したの?仲よさそうだったのに」などとを言われたり、逆に気を遣われすぎて嫌な気持ちになったりすることもあるでしょう。
    周囲の目線に耐えられなさそうであれば、新婚で離婚する前に、一度立ち止まって考え直してみることをおすすめします。

    【次に同じことが起こる可能性】
    新婚夫婦がすぐに離婚する場合、二人の我慢や自覚が足りないケースがあります。また、改善の余地があるのに、それをせずに離婚してしまったら、何の気づきも学びもありません。
    そのような方の場合、いったんは離婚して気持ちが楽になったとしても、次に再婚したら、また同じことが起こる可能性があります。
    結婚したならば、夫婦で共同生活を築き上げる努力が必要です。新婚だからこそ、生活スタイルが合わないことも性格や価値観がずれていることも、お互いが違う人間である以上、当然に出てきます。夫婦関係を一緒に築き上げていこうという前向きな気持ちをもたず、相手のせいにして離婚することは避けるとよいでしょう。

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3、新婚夫婦が「離婚したい」と思ったとき、やっておくべき5つのこと

3章では、新婚夫婦が「離婚したい」と思ったとき、離婚前にやっておくべきことを5つご紹介します。

  1. (1)不満を話し合う

    結婚したばかりなのに離婚を考え始めてしまったら、まずは、お互いに抱えている不満を打ち明け、話し合いましょう。新婚の場合、お互いに遠慮して相手に不満を言えないため、抱え込んでしまって「離婚したい」という気持ちに追い詰められる例があるためです。
    不満を言い合って腹を割って話せば、かえって楽になって離婚したいと思わなくなることがあります。

  2. (2)夫婦の将来像についてお互いの意見を言い合う

    新婚夫婦が「離婚したい」と思うとき、相手が何を考えているのかわからなかったり、相手が自分たち家族の将来をしっかり考えていないと感じていたりすることがあります。

    そのようなときには、「この人に言っても仕方がない」と決めつけるのではなく、一度、しっかりと夫婦や家族の将来像について、お互いに話し合ってみましょう。

    話し合いをきっかけに、相手も真剣に将来のことを考え始めるケースもあれば、反対に、話し合いによってあまりに大きな価値観の違いがあることが明らかとなるケースもあります。そうして、このまま二人で結婚生活をやっていけるのか、離婚に向けて進むしかないのか、ハッキリするでしょう。

  3. (3)相手を尊重する

    新婚夫婦が「離婚したい」と思うとき、相手を尊重せず、自分の考えなどを押しつけてしまっているケースがあります。しかし、それでは、結婚生活はうまくいきません。一度、自分の今までの言動や考え方を振り返り、相手のことを尊重してみましょう。

    たとえば、相手の生活パターンや食事の好みが合わないと感じている場合などには、自分からも歩み寄ってみると良いでしょう。そうすれば、自然に衝突する機会が減ったり、相手のことをさらに知ることができたりするため、離婚したいと思わなくなるものです。

  4. (4)相手の問題点は何か考えて、自分を見つめ直す

    結婚したばかりで「離婚したい」と思ったとき、相手の問題点がどのようなことか考えてみることも有効です。

    たとえば、新婚であっても、DVやモラハラなどの深刻な問題ならば、実際に離婚したほうが良いでしょう。 お金の問題でも、ギャンブルにお金をつぎ込んでサラ金からどんどん借金しているような相手なら、離婚したほうが良いかも知れません。
    しかし、給料が低いとか、多少金遣いが荒いというだけであれば、離婚するほどではないとも考えられます。性格の問題についても、理解する努力を十分にしたけれども、どうしても理解することができないような性格であれば、結婚生活が苦しくなりますが、多少の性格の不一致であれば、どのような夫婦にもあることです。

    「離婚したい」という気持ちがどれほどのものなのか、どのようなことに原因があるのか、見つめ直すことは非常に重要なことです。

4、結婚したばかりでも離婚したい場合の手順と方法

さまざまなことを検討しても、どうしても「離婚したい」と思う方は少なくありません。その場合、どうやって離婚にもっていけば良いのか、手順と方法をご紹介します。

  1. (1)相手が同意している場合

    離婚をする手順と方法は、相手が離婚に同意している場合と同意していない場合とで異なります。

    相手が同意しているならば、協議離婚(夫婦間の話し合いによる離婚)が可能です。協議離婚の場合、離婚届の用紙に必要事項を記入して、夫婦双方が署名押印をして市町村役場に提出することで離婚が成立します。

    ただし、婚姻期間の短い新婚夫婦の場合でも、同居生活中に積み立てた共有財産があれば、その共有財産の分配(財産分与)に関する取り決めをしなければなりません。また、子どもがいる場合、親権者を決めなければならず、さらに養育費の取り決めも必要になります。加えて、相手の浮気やDVで離婚する場合は、慰謝料の請求を検討すべきでしょう。

    協議離婚の場合であっても、後のトラブルを避けるため、財産分与や慰謝料などのさまざまな離婚条件について、きちんと取り決めをしておくことが必要です。離婚条件の交渉などについて不安が残る方は、弁護士に相談しましょう。

  2. (2)相手が同意していない場合

    相手が離婚に同意しない場合、こちらが離婚したいからといって、一方的に離婚することはできません。

    まずは、家庭裁判所で「離婚調停」を申し立てて、調停委員を介して離婚の話し合いをすすめることが必要です。新婚の場合、調停委員から「離婚を思いとどまってはどうか」と説得されることもあります。特に生まれたての子どもがいる場合などには、強く説得される可能性が高まります。そのような中で離婚を主張し続けることには、強固な意思が必要です。

    また、離婚調停でも調整できない場合には、離婚訴訟(離婚裁判)となります。
    離婚訴訟では、次にご紹介する「法定離婚事由」がないと離婚が認められません。新婚夫婦の不満でよくある、単なる性格の不一致や相手の実家との不和などでは離婚できないので、注意が必要です。法定離婚事由がある場合には、家庭裁判所が判決により、離婚を認めてくれます。

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5、裁判で認められる「法定離婚事由」とは?

離婚訴訟を起こしたときに、離婚が認められる「法定離婚事由」にはどのようなものがあるのかを知っておくことは重要です。

法定離婚事由とは、下記の①から⑤のことをいい、民法770条1項に列挙されています。

  1. ① 配偶者の不貞行為があった場合
  2. ② 配偶者による悪意の遺棄があった場合
  3. ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでない場合
  4. ④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
  5. ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由がある場合

新婚夫婦が「離婚したい」と考えたとき、適用されうる現実的な離婚事由としては、配偶者の不貞行為や悪意の遺棄、その他婚姻を継続し難い重大な事由が挙げられます。

不貞行為とは、いわゆる浮気のことです。悪意の遺棄とは、相手が婚姻生活中に同居や協力などをしてくれないことをいいます。また、その他婚姻を継続し難い重大な事由は、一般的に、婚姻関係が破たんしており、共同生活の回復の見込みがないこととされています。

たとえば、以下のようなケースならば、離婚できる可能性が高いでしょう。

  • 相手が浮気した場合
  • 相手が同居を拒否する場合
  • 相手が生活費を入れてくれない場合
  • 相手からDVやモラハラを受けている場合

相手が浮気した場合には、浮気した配偶者のみならず、浮気相手に対しても慰謝料を請求することができる可能性があります。

              浮気・不倫の慰謝料請求をしたい方へ

6、結婚したばかりの新婚で離婚したいときの3つの相談先

最後に、新婚なのに「離婚したい」と思ってしまったとき、利用できる相談先をご紹介します。

  1. (1)離婚カウンセラー

    結婚したばかりで「離婚したい」と思ったとき、友人や家族などの身近な存在ではなく、離婚カウンセラーに相談することも選択肢のひとつです。夫婦が一緒に利用するカウンセリングもありますし、単独で利用できるものもあります。
    必ずしも離婚を推奨するものではなく、復縁のサポートを受けられることもあるので、状況に応じて利用しましょう。

  2. (2)家庭裁判所の家事相談室

    離婚をするために調停を申し立てたいとき、家庭裁判所に行くと、書記官などが家事手続きについて相談に乗ってくれます。相談できる内容は、「調停の申し立て方法」などの手続き的なことに限られるため、法定離婚事由の有無などの法律相談をすることはできません。
    どのように離婚を進めるのか、手続き的なことを知りたい場合には、利用してみましょう。

  3. (3)弁護士

    新婚夫婦の場合、周囲に相談をしても「結婚したばかりでしょう?」と思いとどまるように言われることがほとんどで、深刻な問題があるケースでも見過ごされることがあります。そのため、離婚を決断するとき、最終的には、法律の専門家である「弁護士」に相談することが有効です。

    一方、弁護士相談においては、新婚かどうかは関係なしに、離婚に関する的確なアドバイスを受けることが可能です。弁護士から法的観点での意見を聞くことにより、離婚への気持ちが固まったり、反対に「もう少しがんばってみよう」と思い直したりすることもあるでしょう。

    離婚を決意した場合は、相手との離婚交渉や離婚調停、離婚訴訟の代理人を依頼することもできるので、非常に心強い存在です。弁護士に相談する際は、離婚問題に関する知見・経験豊富な弁護士を選びましょう。

    以上のように、結婚したばかりの新婚夫婦が「離婚したい」と思ったときは、検討すべき問題がたくさんあります。対応に迷われた場合などには、一度、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。離婚専門チームの弁護士が親身になってお話を伺いながら、離婚に向けてサポートいたします。

    なお、弁護士との相談方法としては、お近くにある事務所にお越しいただく対面式、もしくは電話やZoomを活用したオンライン式からお選びいただくことが可能です。お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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