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弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

婚姻費用分担請求の調停を申し立てたい! 調停の流れと注意点を解説

2020年09月10日
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婚姻費用分担請求の調停を申し立てたい! 調停の流れと注意点を解説

離婚協議中や別居中でも、収入が少ない方は配偶者へ「婚姻費用」という生活費を請求できます。ただし実際には配偶者が支払いを拒むケースも多く、その場合は家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」を申し立てなければなりません。
「どうやって調停をすれば良いのだろう?」「私の場合も調停で婚姻費用を払ってもらえるのだろうか?」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。

本コラムでは婚姻費用分担調停の申し立て方法や流れ、知っておくべき注意点について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、婚姻費用の概要と請求できるケース

婚姻費用を請求するためには、そもそも「婚姻費用」とはどのようなものなのかを知っておくことが大切です。あわせて、どういったケースで請求できるのかも確認しておきましょう。

  1. (1)婚姻費用とは

    婚姻費用とは、夫婦が互いに分担すべき生活費です。法律上、夫婦は互いに協力して経済的にも支え合うべき、相互扶助義務を負います(民法 第760条)。夫婦としての相互扶助義務は離婚時まで続くので、たとえ離婚協議中であっても相手の生活を支えなければなりません。そこで収入の高い一方が、生活費としての「婚姻費用」を支払う必要があるのです。

    夫婦間には、相手に自分と同程度の生活をさせる義務である、生活保持義務が生じます。そのため婚姻費用の支払いを拒否することは、やむを得ない事情があるケースを除き原則として許されません。
    別居後に相手が「ローンがあるから」などと理由をつけて支払いを拒んでも、婚姻費用は請求できます。

  2. (2)婚姻費用を請求できるケース

    婚姻費用を請求できるのは、相手が自分より高い収入を得ている場合です。

    よくあるのは専業主婦の妻が、会社員や公務員、自営業の夫へ請求するケースです。専業主婦だけではなく、パートや契約社員などで収入が低い場合にも、相手に婚姻費用を請求できます。また本人の分だけではなく未成熟の子どもの生活費なども加味されるので、子どもがいると金額は増額されるでしょう。
    別居している場合はもちろん、同居している状態でも相手に生活費を要求する権利があります。

    相手が婚姻費用を払ってくれない場合は、家庭裁判所で「婚姻費用分担調停」を申し立てますが、裁判所でも、同居・別居に限らず申し立てを受け付けてくれます。そのため、「生活費を払ってもらえないと困るから、別居はできない」という心配は要りません。

    参考:婚姻費用についての基礎知識

2、婚姻費用分担請求調停の申し立て方法

「婚姻費用」の支払いを求める場合、まずは話し合いによって金額を決め、自分たちで合意する方法が一般的です。
合意できない場合には家庭裁判所で、「婚姻費用分担調停」を申し立てることになります。

  1. (1)婚姻費用分担請求調停とは

    調停とは、裁判所の「調停委員会」を介してトラブルの当事者が話し合うための専門手続きです。2名の「調停委員」が間に入って調整してくれるので、原則として相手と直接顔を合わすことなく、話し合いを進めることができます。
    調停委員会が、双方の言い分や、状況などを考慮した上で、適切な婚姻費用の金額を提示し、両者が提示額に納得すれば調停は成立となり、婚姻費用の支払いを受けられるようになります。
    調停で決まったことには「強制執行力」があるので、相手が調停内容を守らなければ給料や預貯金などの差し押さえも可能です。
    婚姻費用の請求に、大変有効な手続きといえるでしょう。

  2. (2)調停の申し立てに必要な費用と準備

    では、調停の申し立てには、具体的にどのよう準備が必要になるのかを確認しましょう。
    まずは、必要書類です。
    婚姻費用分担調停を申し立てる際の必要書類は、以下のとおりです。

    ●調停申立書
    家庭裁判所のホームページからダウンロードできます。直接裁判所に出向いて、用紙をもらうことも可能です。

    参考:各地の裁判所はこちらからご確認いただけます。

    ●夫婦の戸籍謄本(戸籍の全部事項証明書)
    本籍地の市町村役場で取得します。



    ●収入の資料
    源泉徴収票や給与明細書、確定申告書、都道府県民税の証明書、生活保護の受給証明書等を用意しましょう。

    続いて、調停にかかる費用です。
    費用は収入印紙1,200円と、連絡用の郵便切手です(家庭裁判所によって異なります)。

    書類と費用を添えて管轄の家庭裁判所へ提出すれば、申し立ては完了します。

  3. (3)婚姻費用分担請求調停の流れ

    次に、具体的な調停の進行方法についてみていきましょう。

    ①申し立て
    家庭裁判所に必要書類と費用を沿えて、申し立てを行います。管轄の裁判所は、相手の居住地の家庭裁判所か、当事者が合意で定めた家庭裁判所です。

    ②第一回期日
    調停を申し立てると、家庭裁判所から各当事者へ「呼び出し状」が届きます。そこに第一回期日が開かれる日時が書いてあるので、指定された日に家庭裁判所へ出席しましょう。
    裁判所では、相手と異なる待合室で待機し、交互に呼び出されて調停委員と話をします。相手と顔を合わせずに、調停委員を介して資料や意見の交換を行います。
    1回の期日でかかる時間は、おおよそ2時間程度です。

    ③話し合いの継続
    1回では合意できない場合、何度か期日を繰り返して話し合いを継続します。

    ④調停成立
    両者が合意できれば、婚姻費用分担調停は成立となり、調停調書が作成されます。調停調書は、裁判における判決と同等の効力があるため、相手から約束通りに婚姻費用の支払いがなければ、強制執行が可能です。

    ⑤審判へ移行
    話し合いで合意できない場合、調停は不成立となり自動的に「審判」へ移行します。
    審判では「審判官」が、夫婦の事情に応じて適切な婚姻費用分担額を決定し、支払い命令を下します。
    審判に従わない場合は、調停成立の場合と同様に、給料や預貯金、保険などを差し押さえて強制的に支払わせる強制執行が可能です。

  4. (4)結論がでるまでの期間

    婚姻費用の申し立てから調停成立までは、平均して3~4か月です。審判に移行した場合はさらに時間がかかり、半年以上かかる可能性もあります。
    ただし、婚姻費用は「調停申立時からの分」が支払い対象となるため、長くかかった分金額を減らされるという心配は不要です。

3、婚姻費用分担請求調停を申し立てる際に知っておきたいこと

婚姻費用分担調停を申し立てる際は、以下の内容を必ず押さえておきましょう。

  1. (1)婚姻費用が支払われる期間

    婚姻費用は「請求時から離婚または別居解消時」までの分が支払われます。

    つまり、「請求時」から計算するので、たとえ未払い期間が長かったとしても、請求する前の分をさかのぼって支払われることはありません。また、調停になると「調停申立時」から計算されるのが通常です。別居後相手が生活費を払ってくれないようであれば、なるべく早く婚姻費用分担調停を申し立てるのが良いでしょう。
    なお、離婚が成立すれば、夫婦の相互扶助義務がなくなるので婚姻費用の支払いは終了となります。

    また、別居を前提に婚姻費用を請求した場合、同居状態に戻るといったん調停で取り決めた内容の効果が失われるのが一般的です。ただし同居したら婚姻費用を払わなくて良いということではなく、同居すれば特段の取り決めなく、自然に婚姻費用が分担される、ということを前提とした理解です。そのため、同居しても相手が生活費を支払わないのであれば、婚姻費用を請求することができます。

  2. (2)婚姻費用として請求できる範囲や金額

    婚姻費用には、以下のようなお金が含まれます。

    • 家賃
    • 食費
    • 被服費
    • 子どもの養育費
    • 交通費
    • 通信料 など


    具体的な金額は、裁判所の定める基準によって算定します。裁判所基準の場合、夫婦それぞれの収入額や扶養している子どもの人数、子どもの年齢によって金額が決まります。

    ベリーベスト法律事務所では、おおよその婚姻費用を簡単に計算できるツールをご用意しておりますので、ぜひご利用ください。

    参考:婚姻費用計算ツールはこちら。年収、子どもの有無・人数・年齢から算定します。

    なお当事者同士で話し合って婚姻費用の金額を決める場合、必ずしも裁判所の基準に従う必要はありません。

4、婚姻費用分担請求が認められないケース

実は、配偶者よりも収入が低いケースでも、婚姻費用分担請求が認められない場合があります。

  1. (1)有責配偶者の場合

    請求者が有責配偶者の場合です。有責配偶者とは、不倫をするなど婚姻関係を破たんさせる原因を作った側のことをいいます。
    たとえば、自ら不倫して家出をしておきながら、配偶者へ婚姻費用を請求するようなケースでは、権利の濫用となり請求は認められません。
    ただし未成熟の子どもがいる場合は、子どもの養育費相当分は認められる可能性があります。

  2. (2)同居を一方的に拒んだ

    夫婦には「同居義務」があります(民法752条)。正当な理由もなく、一方的に同居を拒んでおきながら、婚姻費用のみ請求するのは不合理であるため、婚姻費用分担請求が認められない可能性があります(釧路家裁審判 昭和41年7月9日)。

  3. (3)財産分与等が行われていた場合

    いったん夫婦の間で離婚の話が成立し、財産分与等が行われたにもかかわらず、離婚届を提出せずに婚姻費用の請求をするケースです。
    このようなケースでは、すでに支払われている金銭を生活費にあてるべきとされ、婚姻費用分担請求が認められない可能性があります。

  4. (4)自分にも十分な収入がある

    婚姻費用は、基本的に「収入の低い方が高い方へと請求する生活費」です。自分にも十分な収入があれば、相手に請求はできません。女性だからといって、必ず男性に請求できるものでもありませんし、相手に不倫などの問題があったからといって請求できるものでもないという点は、注意が必要です。

  5. (5)相手に支払い能力がない

    婚姻費用は、自分と同等の生活を相手にもさせなければならないという義務ですが、支払い能力がまったくない場合には発生しません。
    たとえば、配偶者に身体障害があり働けず生活保護を受給しているような場合は、別居しても婚姻費用の請求は認められません。

5、まとめ

離婚の話し合いを進めている最中であっても、生活費は必要です。特に子どもがいると、多くのお金がかかるだけでなく、それまで主婦として家庭を支えてきた場合は、すぐに就職先をみつけるのは簡単なことではありません。別居を決めた際や、離婚の話し合いによって生活費が支払われなくなってしまったようなときは、婚姻費用を請求しましょう。

婚姻費用分担請求をするときは、早い段階から弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士が介入することで、落ち着いて話し合いが進むことを期待できるほか、離婚にまつわるさまざまな問題も相談することが可能です。

離婚の問題でお悩みであれば、まずはベリーベスト法律事務所の弁護士に、ご相談ください。
離婚問題の解決実績が豊富な弁護士が、しっかりと寄り添いながら、離婚成立まで徹底的にサポートします。

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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