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弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

年金分割制度とは? 離婚する際の手続き方法、分割請求の期限を解説

2021年02月18日
  • 財産分与
  • 年金分割
年金分割制度とは? 離婚する際の手続き方法、分割請求の期限を解説

昨今では、40代から50代で離婚を考え始める女性も増えています。
高齢になってからの離婚で気になる点のひとつが、「年金の分割」という問題でしょう。

「離婚すると年金分割という制度が使える」ということを聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、具体的にはどんな手続きでどのように請求するのか、そして、実際にはどれほどの金額の年金がもらえるのかについては、ご存じでない方が多数のようです。

離婚時の年金分割でもらえる金額には、納めてきた保険料の総額や婚姻期間など、複数の要素が影響します。特に40代から50代で離婚を考える方にとって、将来もらえる年金額は、離婚の判断をするうえで重要なポイントになるでしょう。
今回は、離婚時の年金分割について、弁護士が詳しく説明いたします。

1、年金分割とはどのような制度?

年金分割制度とは、離婚時や離婚後に、夫婦どちらかの厚生年金を、配偶者の年金に充当する制度です。
離婚をする際には、夫婦で築いてきた財産を公平に分配する必要があります。そして、年金も「夫婦の財産」として取り扱って、分与の対象とすることが認められているのです。

年金分割の具体的な方法とは、「離婚後に厚生年金保険料の納付記録を分割する」ことになります。厚生年金保険料の納付記録とは、年金保険料の算定の基礎となる標準報酬(標準報酬月額と標準賞与額)のことを指します。
つまり、年金分割とは、保険料の算定基礎となる標準報酬を分割するということであって、将来受給する年金額をそのまま分割するわけではないのです。したがって、計算式は単純な割り算では済まない、複雑なものとなります。
さらに、年金分割制度には、離婚分割(合意分割)と3号分割という、二つの方法があるのです。
以下では、それぞれの制度について解説いたします。

①離婚分割(合意分割)
離婚分割は、夫婦間の話し合いによる合意か裁判手続きによって、保険料納付記録の割合を決める制度となります。
分割の割合は最大で2分の1であり、それ以上の割合で合意することはできません。また、分割の割合が決まった後には、年金事務所にその内容を届け出て、分割の請求を行います。これにより、標準報酬額の多い方の当事者の保険料納付記録を、少なかった方の配偶者に分割することができるのです。

②3号分割
国民年金の第2号被保険者である会社員や公務員の配偶者であり、年収130万円未満で配偶者の扶養に入っている者は、第3号被保険者と呼ばれます。3号分割とは、第3号被保険者から年金事務所に対する請求により、相手の保険料納付記録の半分が、第3号被保険者であった当事者に分割される制度となります。

離婚分割と異なり、3号分割では当事者間の合意や裁判手続きが必要とされません。ただし、この方法は平成20年4月1日以降の婚姻期間中である場合にのみ適用されます。この時期よりも前の婚姻期間については、3号分割制度は利用できず、年金分割を行うためには離婚分割制度を利用する必要があるのです。

参考:年金分割制度の基礎知識

2、年金分割制度は利用されている?実際の受給金額は?

実際に年金分割制度がどれほど利用されているのか、確認してみましょう。
平成28年の離婚件数は219,351件、離婚に伴う年金分割の件数は26,682件でした。つまり、この年に離婚したすべての夫婦のうち、約12.16%が年金分割制度を利用したことになります。
そして、離婚分割において、年金分割によって受給額が減った側は、月額で分割前には140,123円だったものが、分割後には109,620円に、つまり、受け取り額が30,503円減っています。他方、年金分割によって受け取り額が増えた側は、分割前48,546円、 分割後80,513円、つまり、受け取り額が31,967円(いずれも月額、平成28年分)の増加となっているのです。
参考:「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(PDF:276KB)

また、分割される年金の金額は婚姻期間に基づいて計算されるので、婚姻期間が長いほど、つまり離婚が遅くなるほどに、年金分割によって将来受け取れる年金額が増えるのです。

3、年金分割の手続き方法や、必要な書類とは?

  1. (1)情報通知書

    年金分割をする際には、先に、情報通知書の請求をしておくことをおすすめします。
    情報通知書とは、第1号改定者(標準報酬月額の多い方) 、第2号改定者(標準報酬月額の少ない方)の情報や、年金分割の対象期間や年金分割可能な割合などの情報が記載されている書面になります。
    情報通知書を請求するうえでは、年金事務所にて、以下の資料を提出しなければなりません。

    • 年金分割のための情報提供請求書
    • 請求者本人の国民年金手帳、または基礎年金番号通知書
    • 婚姻期間等を明らかにすることができる戸籍の謄本もしくは抄本


    通知書の請求後、受け取れるまでには約2~3週間ほどかかるため、早めに準備しておいた方が安心です。
    通知書を得ることで、年金分割を行ったら将来年金額がどう変化するのか、ある程度の情報を事前に把握することができます。
    情報通知書の請求は離婚前から配偶者の同意なしに単独で行うことができるので、すこしでも離婚を検討されている方には、判断の材料として請求することをおすすめします。

  2. (2)3号分割の手続き

    3号分割では、分割をしてほしい側が、離婚後に必要書類を揃えたうえで、年金事務所で年金分割の標準報酬改定請求の手続きをします。
    3号分割は、相手の合意や裁判手続きを経る必要がなく、離婚後に自分一人で行える手続きであることが特徴となっています。

    3号分割に必要な書類は次の通りです。

    • 標準報酬改定請求書
    • 年金手帳または基礎年金番号通知書
    • 婚姻期間を明らかにできる資料(戸籍謄本、それぞれの戸籍抄本、戸籍の全部事項証明書またはそれぞれの戸籍の個人事項証明書のうち、いずれかの書類)
    • 請求する日から1か月以内に作成された、自分と元配偶者の生存を証明できる資料(戸籍謄本、それぞれの戸籍抄本、戸籍の全部事項証明書、夫婦それぞれの戸籍の個人事項証明書または住民票のいずれか)
    • 運転免許証、マイナンバーカードなど年金分割を請求する方の本人確認ができる書類
  3. (3)合意分割

    合意分割では、3号分割とは異なり、年金分割の請求を夫婦で行うことや、分割する場合の按分割合(分割される年金を得られる側の持ち分の割合)を取り決める必要があります。つまり、手続きの前に、夫婦で話し合う必要があるのです。
    この話し合いで合意ができるか否かによって、その後の流れが変わります。

    ●夫婦間で合意ができた場合
    以下の二通りの方法があります。

    • 当事者本人か代理人が年金事務所で年金分割の改定手続きを行う
    • 事前に公正証書または公証人の認証を受けた私署証書で合意書面を作成して、夫婦のどちらか一方が年金事務所で改定手続きを行う。


    ●夫婦間で合意ができない場合
    夫婦間で合意ができない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てを行った後に、調停で年金の分割割合の協議を行います。
    離婚調停では、離婚をするか否かということと合わせて、年金分割についても話し合いをすることができます。調停で双方の意見が合意に至らない場合には、年金分割のみの紛争であれば審判を行い、離婚裁判を提起する場合には年金分割についての手続きを追加で行うことで、按分割合を決定することができるのです。

    いずれかの方法で分割割合が決まったら、年金分割の請求手続きを行うことができます。具体的に必要な書類は、下記の通りです。

    • 3号分割に必要な書類(本コラム3-2:「3号分割の手続き」を参照してください)
    • 年金分割合意にかかる公正証書、調停調書、または審判調書


    これらの書類を年金事務所に提出して、請求が認められると、当事者それぞれに標準報酬改定通知書が届いて、手続きが完了となるのです。

4、年金分割を請求できる期限や、請求の注意点は?

年金分割を請求できる期限や、請求する際の注意点について解説します。

  1. (1)年金分割の請求期限は2年以内

    まず、請求の期限については、離婚等をした日の翌日から起算して2年以内という時効があります。そのため、請求期限となる時期を計算したうえで、余裕をもって申請を行うように努めましょう。
    なお、特に裁判や調停などで合意割合が決定された場合には、「裁判所で決定されたから、年金分割は自動的に行われるはずだ」と誤解される方もいます。しかし、年金分割はあくまで本人の請求によってなされるものですので、当事者の請求なく年金分割が自動的に進行することはありません。
    裁判や調停などが終わった後には、できるだけ早い段階で年金事務所に行き、手続きをすすめましょう。

  2. (2)分割できる年金と分割できない年金がある

    年金には様々な種類がありますが、年金分割の対象となるのは、公的年金のうち、厚生年金と旧共済年金のみになります。
    つまり、婚姻期間中において、配偶者が厚生年金または旧共済年金に入っていなかった場合には、年金分割はできないのです。
    具体的には、国民年金、国民年金基金、厚生年金基金の上乗せ給付部分、確定給付企業年金、確定拠出年金(企業型)、確定拠出年金(個人型)などが「年金分割の対象とならない年金」になります。

    たとえば配偶者がずっと自営業であった場合には、通常は厚生年金と旧共済年金に加入していないので、年金分割を行うことはできません。ただし、自営業であっても、株式会社などで常勤役員として報酬を得ていた場合には厚生年金に加入しているはずなので、厚生年金が分割の対象となる可能性があります。

  3. (3)年金分割は拒否される可能性がある

    相手方に「厚生年金の保険料を納めてこなかった」などの特別の事情がある場合には、年金分割制度の趣旨に沿わないため、年金分割を拒否されたり、按分割合を2分の1よりも小さい割合にされたりしてしまう可能性があります。
    また、年金分割の請求期限が過ぎている場合にも、請求を拒否される可能性があります。

    もし年金分割を拒否された場合や、年金分割の手続きに不安がある場合には、弁護士に対策を相談ください。

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5、まとめ

本コラムでは、離婚した場合の年金分割の具体的な方法や注意点について、解説しました。
離婚分割では夫婦間での合意が必要となりますが、相手と納得がいく話し合いをすることが難しい場合もあります。しかし、特に熟年離婚である場合、将来の年金は重要な生活の資金となるものです。老後の安定的な生活のためにも、年金分割制度についての正しい法律知識をもって、配偶者と適切に交渉を行う必要があるでしょう。

近年では高齢化がすすんだこともあり、年金を受給する期間は以前よりも長くなっています。年金分割したことで増える金額は、月額にすればわずかな違いであっても、受給期間が延びることで、総受給額にすると大きな差になることが十分にあり得るのです。
ご自身の長い将来のためにも、早い段階から弁護士に相談し、離婚に関するアドバイスを受けることをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所では、離婚時の年金分割、特に40代から50代の女性の離婚における年金分割についての取り扱い経験が豊富な弁護士が多数在籍しています。
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この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 東京都 港区六本木1-8-7 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
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※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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