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3歳児でも面会交流すべき? 適切な時間・回数頻度・開始時期は?

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更新日:2021年10月04日  公開日:2021年10月04日
3歳児でも面会交流すべき? 適切な時間・回数頻度・開始時期は?

3歳程度の子どもと別居親の面会交流を実施する際は、子どもの体調はもちろん親権者の立ち合いの負担など考慮しなければならない事項がたくさんあります。
また、幼い子どもと相手の面会交流に拒否感を持つ親権者や監護者の方も少なくないでしょう。

本コラムでは3歳前後の子どもの場合の、面会交流を実施する頻度や条件、決め方、拒否できるケースなどについて解説します。

1、3歳までの面会交流が難しい理由

法律上、離婚しても別居している親と子どもとの面会交流は、積極的に実施すべきと考えられています。しかし子どもが3歳以下の場合、面会交流は困難になりがちです。

主な理由は以下の3つになります。

  1. (1)3歳前後は体調が変化しやすい

    ひとつには、乳幼児の体調の変動が問題になります。前日は元気でも突発的に熱を出したりおなかを壊したりする子どもも少なくありません。そのためスケジュール調整が難しくなることもあります。
    また長時間の面会は、子どもの身体に負担がかかるため避けたいと考える親権者が多いでしょう。

  2. (2)母子分離が難しい可能性が高い

    3歳くらいの子どもは母親への愛着が強く、母親と離れると大きな不安を抱きます。このように、小さな子どもと母親が分離することを母子分離といい、子どもが母子分離によって抱く不安を母子分離不安といいます。
    母子分離不安は幼い子どもに備わっているものなので、母親と引き離されると子どもが泣いたいり精神的に不安定になって、面会が難しくなるケースも珍しくありません。

  3. (3)立ち会いが親権者の負担となる

    前述の母子分離不安などの理由により、3歳児が父親と面会するときには、親権者である母親の立ち会いがほぼ不可欠となるでしょう。また、急な体調の変化に合わせて何度もスケジュールを組み直したりと、立ち会いのために時間を割くのは親権者にとって負担となります。

    以上のように『3歳時の面会交流は難しい』ため、3歳児の面会交流においては、両親ともその点を考慮しつつ対応する必要があります。

2、3歳でも面会交流をしなければならないか?

親権者となった母親の立場としては、「そもそも3歳の子どもが父親と面会する必要があるのか?」と疑問を抱くケースも多いでしょう。実際に面会交流をしない場合、どのようなメリットやデメリットが考えられるのでしょうか。

  1. (1)面会交流の養育費への影響

    まず懸念されるのは養育費への影響です。面会交流をさせなかったら養育費を払ってもらえないのでしょうか?
    法律上、面会交流権と養育費請求権はまったく別個の権利であり、連動しません。面会交流を実施しなくても養育費は払わねばなりませんし、養育費をもらっていなくても面会交流は可能な限り実施すべきです。
    したがって、面会交流をさせなくても養育費の請求は可能です。

  2. (2)面会交流で親子をつなぐメリット

    面会交流にはメリットもあります。離れて暮らす親と接し続けることで、子どもは「相手親からも愛されている」実感を抱き、自己肯定感が育つ可能性が高まります。親子関係をつないで子どもの安定的な発達を促進できることが期待できます。

    また、離れて暮らす親も、幼い子どもと面会をすることで愛情や愛着が育ちやすくなる可能性があります。
    子どもが成長する中で、突然の入院や学費が必要になった際など、いざというときに相手からの経済的支援も受けやすくなるかもしれません。

3、面会交流は拒否できる? 子どもが嫌がる場合は?

離婚した相手と3歳の子どもを面会させようとすると、子ども自身が泣いて嫌がる場合も少なくありません。そんなとき、法的に拒否することはできるのでしょうか?

  1. (1)面会交流は原則として拒否できない

    親子の面会交流は、原則として拒否できません。面会交流権は法律上認められる権利だからです(民法766条1項)。
    正当な理由なく拒否し続けていると、相手から家庭裁判所で面会交流調停を申し立てられたり、面会交流審判によって面会交流の方法や時間を強制的に指定されたりする可能性もあります。

    さらに拒絶し続けていると慰謝料請求される可能性もあります。相手が嫌い、子どもが相手になつくのが許せないなどの理由でむげに拒絶すべきではありません。

  2. (2)3歳児の面会交流を例外的に拒否できるケース

    面会交流は子どものために行うものです。そのため、面会交流の実施が子どもに害悪を与えるなら実施すべきではありません

    たとえば以下のような場合、面会交流を拒否できます。


    ● 子どもへの虐待の事実がある
    同居中相手が子どもに暴力を振るったりネグレクトしたりして虐待していた場合、面会交流を拒否できます。

    ● 相手が子どもを連れ去る可能性が極めて高い
    以前に相手が子どもを連れ去った経緯があるなど、子どもが誘拐される可能性が高い場合には面会交流を拒絶する理由となります。

    ● 面会に立ち会う監護親へ暴力をふるう恐れがある
    3歳児の面会交流には親権者の立ち会いが不可欠です。相手へのDVがあったなど、親権者が暴力を振るわれる可能性があれば、拒否理由になります。
  3. (3)子どもが嫌がる場合の対処方法

    相手と面会させようとすると、子ども自身が泣いて嫌がる場合もあります。そんなときには子どもの意向に従って面会を拒否すべきなのでしょうか?

    3歳前後の乳幼児の場合、本人の意思に判断を委ねることはできません。小さい子どもはまだ自我が芽生えておらず客観的な判断力もないと考えられるからです。
    とはいえいきなり父親と面会させると子どもが泣いて混乱が生じ、子どもを大きく傷つけてしまう可能性も懸念されるでしょう。そこで第三者的な支援者の援助を得て、試行的面会交流を実施する方法があります。

    試行的面会交流とは、家庭裁判所にある家族面接室などの施設において、家庭裁判所の調査官が見守る中で子どもと相手親を実験的に会わせる手続きです。試行的面会交流で子どもの意思を把握し、問題がなければ、独立した面会交流へ進めていきますし、何らかの問題があると判断されれば、しばらく面会は控える方向になります。

  4. (4)相手の祖父母に面会交流権はある?

    相手の祖父母が面会交流を希望するケースもありますが、祖父母には面会交流権がありません
    とはいえ面会交流の際、父親が祖父母を連れてきて会わせる可能性もあります。祖父母との面会を拒否したいなら、事前に“祖父母には会わせない約束”をしておく必要があります。

    相手との交渉が不安、約束を守ってくれるか不安など、面会交流の条件についてお悩みの場合は、まずは弁護士へ相談してみましょう。

  5. (5)オンライン面会交流への対処方法

    新型コロナウイルスなどの感染症対策として、パソコンやスマホを使ったオンラインでの交流も可能です。
    オンラインでの交流はどのような方法をとるか(ビデオ電話、電話、メールのみなど)を決める必要があり、また日時や時間の調整も必要となります。自分のスマホを使って相手と交流したくないなど、さまざまな心配や不安がある場合は、必要に応じて弁護士へ相談しましょう。

4、3歳までの面会交流で決めておくべき条件

3歳までの子どもが父親と面会交流するとき、どういった条件を取り決めておけばよいのでしょうか。
決めておくべき5つのことを紹介します。


● 頻度
面会の頻度に決まりはありません。一般には1か月~3か月に1回程度です。お互いの労働時間や居住場所、子どもとの関係性などにも配慮して負担のない範囲で設定するとよいでしょう。

● 面会時間
3歳くらいまでの子どもの場合、あまり長時間に及ぶと面会が負担になります。こちらも子どもの体調などを鑑みて、30分~1時間以下にするのが現実的でしょう。

● 場所
場所は子どもが安心してのびのび過ごせる場所にしましょう。交流場所については外食(レストランなど)や公園などが多いでしょう。

● 開始時間と終了時間
開始時間についても、子どもの体調に合わせるのが基本です。乳幼児であれば午後にお昼寝をすることも多いので、午前中の時間帯がよいでしょう。両親の都合も踏まえて時間設定してください。

● 子どもの受け渡し方法や連絡方法について
子どもをどうやって受け渡すのか、両親の連絡方法を合わせて取り決めましょう。たとえば家に迎えに来て送り届けてもらう、電車の駅で待ち合わせるなどが考えられます。連絡はLINEやメール、または電話でとりあうケースが多数ですが、相手に連絡先を知られたくない等、事情がある場合は弁護士に相談してみましょう。

5、面会交流を弁護士に相談すべき理由

3歳児の面会交流方法で悩んだときには、弁護士に相談しましょう

  1. (1)面会交流時間などのアドバイス・代理交渉を依頼できる

    自分たちで話し合って面会交流方法を決めようとしても、互いの主張がぶつかり、なかなか決まらないケースが少なくありません。
    弁護士に相談すれば適切な面会頻度、交流時間、方法についてアドバイスを受けられます。また、面会交流の条件についての交渉も一任すれば、精神的なストレスからも解放されるでしょう。

  2. (2)面会交流調停や審判で適切な主張・交渉ができる

    話し合いで面会交流が決まらない場合、面会交流調停または審判の申し立てをすることができます。面会交流調停では、子どもの生活や精神的な負担をかけることのないように配慮して面会ができるよう、裁判所の調停室で調停員を介して相手方と話し合いが進められます。

    もし調停が不成立になった場合、審判になって裁判所に面会交流方法を指定されます。審判は原則として審判廷で行われ、双方の言い分は書面に書き起こされ、結論は裁判官より言い渡されます。
    調停と審判どちらも、有利に進めるためには弁護士によるサポートが重要となります。離婚トラブルの解決実績が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

  3. (3)面会交流時間など条件変更を相談できる

    いったん面会交流時間などの条件を取り決めても、子どもが泣いて嫌がったり怖がったりして再協議が必要になる事案も少なくありません。しかし監護親自身が相手に変更を持ちかけても、応じてもらえないケースもあります。
    こうした交渉も弁護士に依頼することで、法的な見解から適切な主張をし、相手を説得して現実的な条件を決められることが期待できるでしょう。

6、まとめ

3歳までの子どもの面会交流では、母子分離不安や頻繁な体調変化があるため、特に配慮が必要です。また、離婚の際に親権争いでもめた場合などでは子どもに対する相手の執着も強くトラブルにつながってしまうケースも珍しくありません。

ベリーベスト法律事務所では、親権者のお気持ちに配慮しつつ、お子さまの利益や福祉を最優先にして面会交流のお手伝いをいたします。面会交流時間や方法などで相手と折り合いがつかずお悩みの方の際は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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