どう伝えるのがいい? いつ伝える? 離婚話の切り出し方と注意点
配偶者と離婚したいと思っても、どのように離婚を切り出すのかは難しい問題です。
特に、離婚が配偶者にとっては寝耳に水の話である場合は、話し合いが難航する可能性もあるため、切り出し方を工夫する必要があります。
今回は、配偶者に対して離婚を切り出す前の準備や、実際に離婚を切り出す際の注意点などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、離婚を切り出す前に知っておくべき・考えておくべきこと
配偶者に対して離婚を切り出すと、元の関係に戻ることは難しくなるでしょう。
そのため、実際に離婚を切り出す前に、今後の生活や離婚手続きを見据えて考えておくことが大切です。
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(1)離婚したあとに困ることはないか考えておく
準備もなく離婚を切り出し、衝動的に離婚してしまうと、その後の生活で困りごとが発生するかもしれません。
たとえば、収入が少ないため生活が成り立たない、養育費を支払ってもらえない、1人で育児をするのが大変で心身ともに疲弊してしまうなどの事態が想定されます。
そのため、離婚を切り出す前に、安定した収入を得られる仕事を探したり、一時的に実家へ身を寄せて協力をお願いしたりするなど、ご自身の置かれた状況に合わせた対応を取ることが必要です。 -
(2)離婚に至るまでの手続きを知っておく
離婚の方法には、3つの種類があります。
① 協議離婚
夫婦が直接話し合い、離婚やその条件について合意します。
② 調停離婚
家庭裁判所にて、調停委員による仲介の下で夫婦が話し合い、離婚やその条件について合意します。
③ 裁判離婚
裁判所で夫婦双方が主張・立証を戦わせた結果、法定離婚事由があると認められた場合にだけ離婚が認められます。
裁判にまで発展すると、お金も時間もかかります。速やかに離婚を成立させるには、協議離婚または調停離婚を目指すべきでしょう。
しかし、配偶者がどうしても離婚に応じてくれない場合には、裁判離婚も視野に対応する必要があるため、状況に応じた適切な離婚手続きを選択することが重要です。 -
(3)離婚の準備を整えておく
今後の離婚に備えて、ご自身に有利な証拠を確保するなど、離婚準備を整えておくことも大切です。
たとえば、財産分与や婚姻費用、養育費など、金銭関連の離婚条件を交渉する際には、相手の資産・収入に関する資料があれば役立ちます。
獲得したい離婚条件の内容に応じて、どのような証拠が必要になるのかを弁護士とともに検討し、離婚を切り出す前に、証拠になるものをできるだけ集めておきましょう。
2、ケース別|離婚の切り出し方と注意点
実際に離婚話を切り出す際には、配偶者の性格や反応などを考慮して、臨機応変に対応する必要があります。
ケースごとに、離婚の切り出し方や注意点を解説します。
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(1)浮気・不倫のケース
配偶者の浮気や不倫が原因で離婚を決意したケースでは、その証拠を示しながら離婚を切り出すことができれば、その後の離婚手続きを有利に進められる可能性が高いです。
配偶者が不倫相手と一緒にいる場面の写真や動画、不貞行為をうかがわせるメッセージのやり取りなど、まずは証拠の確保に努めてください。
浮気や不倫の証拠を十分に確保できたら、証拠を示し言い逃れができないようにしつつ、離婚を切り出しましょう。感情的にならず、努めて冷静に話すことが大切です。 -
(2)モラハラ・DVのケース
配偶者からモラハラやDVを受けている場合は、まずはご自身の身を守ることが最優先となります。可能な限り速やかに別居するなど、これ以上被害に遭わないよう、ご自身の安全を確保してください。
また、離婚を切り出すことで暴力などがひどくなる可能性もあるため、1対1で話し合いをすることはおすすめできません。離婚を切り出す際は、別居先を確保したうえで手紙やメッセージを送付する、弁護士を通じて意思を伝えるなどの対応をとるとよいでしょう。 -
(3)性格の不一致のケース
性格の不一致が理由で離婚を検討している場合、不倫やDVなどの離婚原因が存在するケースとは異なり、比較的話し合いがしやすい状況と考えられます。
冷静な状態で、しっかりと考えた結果、本当に離婚すべきであると判断した場合には、落ち着いた態度で離婚を切り出しましょう。
感情的に離婚を切り出してしまうと、お互いにヒートアップし、話し合いがこじれてしまう可能性があるので要注意です。
また、性格の不一致だけが離婚理由の場合、法定離婚事由(民法第770条第1項各号)が存在しないため、その時点ですぐに離婚を成立させるには、協議または調停によって離婚を成立させることになります。
話し合いがまとまらなければ、ある程度長期の別居期間が必要になりますので、離婚問題が長期化する恐れもあります。相手の意見にも耳を傾けつつ、冷静に話し合い、離婚の合意を目指すことが重要です。
3、離婚について合意したら話し合うべきこと
お互いが離婚に合意した場合、細かい離婚条件を話し合う必要があります。
しっかりと離婚条件を決めていないと、離婚後に揉めることにもなりかねないため、漏れなく取り決めることが大切です。
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(1)財産分与・年金分割
婚姻期間中に夫婦いずれかが取得した財産は、名義の如何にかかわらず、原則として夫婦の共有財産とみなされます(民法第762条第2項)。
そして、夫婦の共有財産は、離婚時の財産分与の対象です(民法第768条)。
たとえば、一方が専業主婦(主夫)であり収入を得ていなかったような場合も、財産分与を受けることができます。対象となる財産に漏れがないか調査・把握し、適正な財産分与を受けられるようにしましょう。
また、厚生年金・共済年金の保険料の納付記録を公平に分割する「年金分割」も認められています。年金分割の割合についても、離婚時に話し合って取り決めましょう。 -
(2)慰謝料
不貞行為やモラハラ、DVなど、夫婦のいずれかが離婚原因を作った場合には、慰謝料についても取り決めができます。
離婚慰謝料の金額相場は、ケースや事案によりさまざまです。例えば、不貞行為(不倫)によって離婚したという場合には100万円~300万円程度です。
実際の離婚慰謝料の金額は、離婚原因を作ったことの悪質性や、被害者が実際に受けた精神的・身体的ダメージの程度などに応じて決まります。 -
(3)婚姻費用
離婚前に別居する場合、収入の多い方は少ない方に対して、別居が終了するまでの間、婚姻費用を支払います(民法第760条)。
婚姻費用を毎月いくら請求・支払いするのかは、最高裁判所が公開している「婚姻費用算定表」が目安となります。ただし、算定表はあくまでも基準のため、実際には夫婦間で話し合い、お互いが納得できる分担額を決めることできます。当事者間で合意できない場合には家庭裁判所で話し合い、最終的には判断してもらえます。
ベリーベスト法律事務所では、婚姻費用の目安を簡単に算出できる『婚姻費用計算ツール』をご用意しています。無料で利用できますので、ぜひご活用ください。
婚姻費用の金額が決まったら、必ず合意書などを作成しておきましょう。
また、合意書を公正証書にしておくことで、婚姻費用の支払いがストップした際に、強制執行を行うことができます。そのため、婚姻費用を決める際には、執行認諾文言が記載された公正証書を作成することをおすすめします。 -
(4)親権・養育費・面会交流
子どもがいる場合は、親権や養育費、面会交流の方法についても合意しておきましょう。
特に、夫婦のどちらも親権を主張している場合、離婚協議が長期化する可能性が高いため、弁護士のサポートを得ると良いでしょう。
4、離婚問題を弁護士に相談するメリット
離婚問題が発生した場合、弁護士のサポートを受けることで、スムーズな問題解決につながる可能性が高まります。
話し合いを円滑に進めて行けるよう、離婚を検討した段階から弁護士へ相談することをおすすめします。
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(1)配偶者と直接やり取りする必要がなくなる
弁護士に離婚手続きを一任することで、配偶者と直接やり取りをする必要がなくなります。配偶者と顔を合わせずに済むことで、ストレスを大きく軽減することにつながるでしょう。
夫婦間では建設的な話し合いが難しい場合や、精神的に余裕がなく交渉に自信がない場合でも、弁護士が代理人となれば、冷静かつ適切にやり取りを進めてもらえるので安心です。 -
(2)希望の離婚条件を得られるよう交渉できる
ご自身の重視する離婚条件についてより良い形で話をまとめるためには、法的な観点を踏まえたバランスのよい交渉が大切です。
弁護士は、依頼者の方が希望する条件などを踏まえたうえで、主張する部分は主張し、譲歩する部分は譲歩するといったメリハリの利いた交渉を行います。結果として、ご希望の離婚条件が実現する可能性が高まるでしょう。 -
(3)法的手続きにもスムーズに対応可能
離婚協議がこじれてしまい、離婚調停や離婚訴訟に発展した場合でも、弁護士を代理人としていれば安心です。
各手続きに必要な書類作成などの対応は、弁護士が代行します。
調停委員や裁判官に対し、法的な観点に基づき説得・主張を行い、依頼者の方にとって有利な結果を導けるように尽力します。
5、まとめ
離婚をすることを決めた場合、離婚を切り出す前に、できる限り今後の生活や離婚請求に関する見通しを立てておきましょう。そして、実際に離婚を切り出す段階では、配偶者の性格・反応や離婚の経緯などを考慮して、臨機応変に対応することが必要です。
ただ、離婚を切り出すのは、決して簡単なことではありません。夫婦の関係性によっては、話をすることすら難しいケースもあるでしょう。
離婚を決めたものの、精神的なストレスを感じて切り出せずにいる方は、弁護士に依頼されることをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所では、早期かつ好条件での離婚成立を目指して尽力いたします。
条件交渉・離婚協議書の作成・調停・訴訟など、離婚に関するあらゆる手続きについてご対応可能です。
離婚をご検討中の方は、ぜひ一度、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。
- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
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[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
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