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離婚したいときの相談は誰にするべき? ケース別で見る適切な相談先

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更新日:2024年01月30日  公開日:2018年06月18日
離婚したいときの相談は誰にするべき? ケース別で見る適切な相談先

「離婚したいけど、本当にそれでよいのか分からない」「自分だけで離婚を決められない」「誰かに離婚のことを相談したい」

祝福されて結婚したものの、日々の生活を送っているうちに、「誰かに助けてほしい」という気持ちに苛まれてしまっている方もいるでしょう。

しかし、夫婦のことは誰にでも相談できるような内容ではありません。親しい人ほど相談しづらいこともあるのが、離婚問題に関する相談です。

「離婚したい」と一口に言っても、状況はひとりひとり異なります。なんとなく離婚したい人・夫婦関係を修復したい人・離婚を決意している人とでは、適切な相談先が違うというのは、ご理解いただけるでしょう。

離婚カウンセラーや弁護士だけでなく、状況によっては公的機関もあなたの力になってくれるのです。

本コラムでは、ベリーベスト法律事務所の弁護士が、ケース別に適切な離婚問題の相談先をご紹介します。どこに、誰に相談すべきか迷ったときは、ぜひ参考にしてください。

1、離婚は親に相談するべき?

離婚に関する悩みを誰に相談するのか。そんな悩みを抱えたとき、人生や結婚生活の先輩である、「親」が最初に思い当たる方は多いのではないでしょうか。あなた自身の親だけでなく、配偶者の親や、親戚や兄弟などに相談しようと思う方もいるかもしれません。

しかし、ネット上や離婚指南書では、親や身内に相談するのは「最後」だと記しているものが少なくありません。身内に相談するのは、意外と知られていないデメリットがあるのです。

  1. (1)身内に相談するメリット

    それぞれの関係性にもよりますが、身内に相談する最大のメリットは「話しやすい」という点でしょう。予約などの手間もなく、会いやすいですし、相談する時間をあなたの都合に合わせて作ってくれやすい上、お金もかからないという点もメリットです。もっとも気軽に相談できる相手です。

    その上、あなたと親しいだけに、あなたの性格等に基づいたアドバイスをしてくれる可能性が高いと感じるかもしれません。しかし、その相談しやすさは、デメリットと表裏一体のものなのです。

  2. (2)身内に離婚相談するデメリット

    最大のデメリットは、あなたの身内が弁護士であるといった特殊なケースでない限り、「法律には詳しくない」という点です。

    また、いくら普段の関係性が良好でも、配偶者の親や身内は、多くの場合、自分の身内をかばおうとするものです。配偶者に問題があるケースでも、あなたに非があるように責められることも珍しくないでしょう。誰にでも心当たりはあるでしょうが、自分が大切にしている身内のことは悪く言いたくないものです。

    一方で、あなたの身内であれば迷わずあなたの味方になり、あなたの耳に心地よいアドバイスをくれる可能性が高いでしょう。

    つまり、誰に相談しようか迷った結果、どちらの親や身内に相談したとしても、一方に偏ったアドバイスとなってしまいがちです。「第三者目線の冷静で適格なアドバイス」を得られる可能性は低いと言わざるを得ません。

  3. (3)こんなケースでは泥沼化することも……

    親や身内に相談をした結果、あなたがまだ離婚を決めかねている段階であっても、周囲の力によって離婚する・しないの決定的な話に進んで行ってしまうケースも多くみられます。人の口には戸が立てられないためです。

    また、お互いが大切な身内を守るため、両家の争いに発展しやすいという危険もはらんでいます。こうなると、夫婦で問題を解決して関係を修復しようとしても、周囲によって離婚せざるを得ない状況に追い込まれてしまう可能性すらあります。

    さらに、あなたと配偶者の結婚によって、親や身内が何らかの利益を得ている場合や、世間体や外聞を気にするタイプである場合も注意が必要です。DV・モラハラや反省のない浮気など、離婚したほうがよいとみられるケースであっても身内が離婚を阻止しようとするケースが見られます。

    離婚問題を誰に相談しようか迷った結果、親や身内に相談してしまうと、早期に解決できる問題もこじれてしまう可能性が高まってしまいます。親や身内に報告するのは、離婚の意志が固まり、ある程度目途が立ってからのほうがよいと言われているのはこのためです。

2、なんとなく離婚するべきかどうか迷っているときは誰に相談するべき?

では、離婚の意志が固まっていない、まだ迷っている……というときは、誰に相談すればよいのでしょうか?

あなたの気持ちに寄り添い過ぎず、状況に即した冷静なアドバイスができるのは、やはり離婚問題に詳しい専門家です。守秘義務がありますし、状況によって手助けもしてくれるため、あなたにとって大きな力となるでしょう。

  1. (1)離婚カウンセラー

    最近、悩みを聞いて気持ちの整理のお手伝いをする「カウンセラー」を利用する方が増えています。
    離婚カウンセラーもその一種で、他の相談先にはない特徴として、離婚に悩む夫婦の関係改善に携わった経験が豊富にあるという点が挙げられます。「離婚カウンセラー」ではなく、「夫婦関係修復カウンセラー」と名乗っているケースもあります。

    ただし、離婚カウンセラーは、夫婦関係の問題をスパッと解決してくれるわけでも、積極的に離婚させようとするわけでもありません。夫婦関係の問題解決に向けた行動や、離婚するか否かの判断は、最終的にあなた自身が決定して行動すべきことだからです。

    誰に相談すべきか迷ったときに、離婚カウンセラーを利用するメリットは以下の3つです。

    • あなたが抱えている悩みを親身になって聞いてくれる
    • あなたと配偶者のいずれの関係者でもない、第三者からの冷静かつ的確な意見を聞ける
    • 問題点と改善点の気づきを促し、夫婦関係の修復や、あなた自身の気持ちの整理を目指したサポートをしてくれる

    反対にデメリットは、以下の2つです。

    • 法律の専門家ではないため、法律関係の相談や手続きの代行などは依頼できない
    • 多少の費用がかかる

    法律事務所など、その他の専門家と連携している離婚カウンセラーも多く、信頼できる弁護士や探偵などを紹介してくれるケースもあります。

    ●誰に相談すべきか迷ったときに、離婚カウンセラーを利用したほうがよいケース

    • 離婚したほうがいいのか迷っている
    • できれば夫婦の関係を修復したい
    • 自分の考えや判断が正しいのかわからない
    • 離婚したい気持ちのほうが大きいが、具体的にどう動いたらいいのかわからない
  2. (2)家庭裁判所の家事相談室

    各自治体にある家庭裁判所には、離婚に関する相談ができる「家事相談室」が設けられています。ここでは、離婚するまでに必要となりそうな手続きの種類やその手順、手続きに必要な書類の書き方など、具体的なことを無料で教えてくれます

    誰に相談すべきか迷ったときに、家庭裁判所の家事相談室に相談するメリットは以下の3つです。

    • 無料で利用できる
    • 手続きの方法や実際にかかる費用を詳しく教えてもらえる
    • 調停や裁判になる可能性が高いが弁護士費用の工面が難しい場合、どうしたらよいか教えてくれる

    反対に、家庭裁判所の家事相談室に相談するデメリットは以下の2つです。

    • まだ離婚するか迷っていても、気持ちの整理は手伝ってもらえない
    • 離婚に関する手続きや種類の説明のみで、具体例に即した法的な相談はできない


    ●誰に相談すべきか迷ったとき、家事相談室を利用したほうがよいケース

    • 離婚をある程度決意している
    • 離婚するまでの手続きの詳細を知りたい
    • 離婚するまでに必要な書類の書き方を知りたい
    • 離婚するために必要となる費用に不安がある
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3、相手から浮気やDVなどの被害を受けているときは誰に相談するべき?

配偶者から何らかの被害を受けている場合は、なおさら、誰に相談すべきか迷うでしょう。浮気や不倫をされているケースや、肉体的・精神的な暴力を受けているときは、どんなにしっかりした人でも、思考力が落ちてしまうものです。
このような場合は、できるだけ早急に行動することをおすすめします。ここでは、ケース別に誰に相談すべきかをお教えします。

  1. (1)浮気・不倫の場合、誰に相談するべき?

    「浮気をしていることはわかっているけれど、証拠がない」というケースは少なくありません。その場合、離婚するにしても慰謝料をもらうことは難しくなります。自分自身が動いて証拠を集められればよいのですが、その方法がわからない、小さな子どもを抱えていて動けないということもあるでしょう。そのようなときは、探偵事務所や調査会社を利用するとよいでしょう。

    探偵事務所や調査会社は、聞き込みや各種調査を通じて裁判でも利用可能な不貞行為の証拠を集める専門家です。証拠集めを誰に頼るか迷ったときは、力となってくれるでしょう。

    ただし、かかる費用は数十万円から百万円を超えることもあり、決して安いものではありません。また、探偵業を行うにあたって国家資格などは必要ないため、調査力に差があり、なかには悪質業者もいるため注意が必要です。信頼できる弁護士や離婚カウンセラーなどの紹介を受けて利用する方もいるようです。離婚することを決めていて、慰謝料をもらうための証拠が必要不可欠となったときに利用するとよいでしょう

  2. (2)DV・モラハラの場合、誰に相談するべき?

    殴る蹴るなどの暴力を受けてあざなどの傷が残っていたら、まずはその部分を撮影しておきましょう。できれば、写真の撮影日がわかるようにしておくことをおすすめします。
    その上で、可能な限り病院へ行って診断書を出してもらいましょう。画像・写真や診断書は、動かぬ証拠となるため必ずあなたの力になります

    人格否定や侮辱などの言葉の暴力を日常的に行うモラルハラスメントや、生活費を渡してくれないなどの経済的DVによって被害を受けている場合、離婚を決意したほうがよい場合も多いでしょう。

    誰に相談すべきか迷ったら、速やかに以下の相談機関に助けを求めてください。相談を聞いてくれるだけでなく、カウンセリング、緊急時の保護、保護後の生活支援などについての情報提供なども行っています。

    ●配偶者暴力相談支援センター
    配偶者から受ける暴力を防止するとともに、被害者の保護を図ることを目的に、お住まいの自治体にある婦人相談所や女性センター、福祉事務所などに開設している相談機関です。
    女性だけでなく、夫が妻からDVやモラハラを受けているというケースでも相談可能です。お住まいの地域の役所へ問い合わせてみましょう。

    ●福祉事務所
    社会福祉法第14条に基づき設置されている事務所です。経済面や精神面などの問題に関する相談を受けるだけでなく、公的な福祉が必要なケースでは支援を行います。
    DVなどによって離婚を考えているが、離婚後の生活はどうすればよいか、避難場所がない・住む場所がないなどで悩んでいる場合は、ひとりで抱え込まず、相談してみましょう。

    ●警察
    暴力などにより命の危険を感じる、配偶者が「死んでやる」と叫んで暴れるなどの状況になったら、迷わず110番に通報するか、最寄りの交番に助けを求めてください。
    配偶者の行為が犯罪に該当する場合には、速やかに逮捕するなど強制力を行使して対応をしてもらえる点が他の相談先にはない最大のメリットです。
    緊急ではない場合は、9110番で相談することもできます。状況に応じて、助言や指導、相談機関の紹介、加害者への警告や説得などの対応をしてくれます。また、警察に連絡したという記録は立派な証拠にもなります。

    ●弁護士
    DV被害の証拠があれば、弁護士に相談するのもひとつの手です。加害者である配偶者が被害者へ近づくことができないようにする、DV防止法に則った「保護命令」の手続に関する相談もできます。
    また、弁護士に対応を依頼することで、顔を合わせずに離婚までの交渉を進めることができます。これは、他の相談先にはない大きなメリットです。

4、離婚に関して弁護士に相談するべきケースとは?

すでに離婚を決意している状態であれば、ぜひ弁護士に相談してみてください。財産分与や慰謝料請求、子どもがいる場合は養育費や面会交流など、決めておいたほうがよいことがたくさんあるのが離婚です。

離婚をする際、誰にも相談せず、そしてなにも決めずに離婚してしまうと、後々の後悔につながりかねません。特に、金銭的な問題は将来に大きく影響するとともに、法律的な問題がからむため、泥沼化しやすい傾向があります。しかし、やみくもに高額な金銭等を請求してもよい成果を得られることはないでしょう。
まずは、あなたの状況ではどんな交渉ができるのか、どんな準備をしておいたほうがよいのかというアドバイスを受けておくことで、行動の指針とすることができるでしょう。

  1. (1)相手の浮気・不倫を理由に慰謝料請求したい

    裁判でも利用できる証拠の集め方から、慰謝料請求の交渉、書類作成まで、弁護士であれば対応可能です。そのほかにも、交渉すべきことがあればまとめて対応してもらうこともできます。

  2. (2)相手からDV・モラハラを受けており、離婚を決意している

    「3、相手から浮気やDVなどの被害を受けているときは誰に相談するべき?」「(2)DV・モラハラの場合、誰に相談するべき?」でもご紹介しましたが、弁護士はあなたの代理人として配偶者と交渉することができます。あなたは安全なところに避難したまま、相手と顔を合わせることなく離婚することが可能となります。慰謝料についても、相手に会うことなく請求することができます。

  3. (3)親権や養育費、財産分与で揉めている

    弁護士は、法律の専門家です。これは、他の相談先にはない大きな強みです。
    離婚に関する手続きや条件の確認はもちろん、具体的な金額交渉や、将来にわたって払い続けてもらうための契約書類の作成についても依頼することができます。

  4. (4)離婚したい意思を伝えても全然取り合ってもらえない

    意外と多いのが、「離婚したい」と伝えても本気だと思ってもらえず、一時のワガママだと捉えられて離婚に向けた話し合いもできないケースです。この場合、誰に相談してもムダだとあきらめてしまう人もいるようです。

    しかし、弁護士に依頼すれば、弁護士が相手方に連絡をしますので、あなたが本気で離婚したいと考えていることを相手に明確に伝えることができます。離婚に向けた話し合いをスタートさせることができるのです。
    多くのケースで、弁護士に依頼することによって停滞していた話し合いがスムーズに進み、離婚できる可能性も高まるでしょう。

  5. (5)離婚を弁護士に相談するデメリット

    弁護士に相談するデメリットは、費用がかかる点です。弁護士に依頼する際にかかる費用は、案件ごとに異なります。
    初回相談は無料とする弁護士事務所もありますし、法テラスや各自治体などでも無料法律相談を受けつけているところもあります。法テラスでは、弁護士費用の建て替え制度も実施しているので、経済的な不安がある場合は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

    なお、行政書士も法律の専門家ではありますが、弁護士と行政書士ではできることが大きく異なります。行政書士は、公正証書などの書類作成はできますが、話し合いの代理や交渉はできないのです。

    しかし、弁護士ならば、あなたの代理人として直接交渉できますし、法的な知識を活かしたアドバイスから結論が出たあとの書類作成まですべて行うことができます。これらは、他の相談先にはない大きなメリットです。より早く、スッキリと新しい生活を始めることができる可能性がより高まります。

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5、まとめ

離婚に関する相談を誰にするとよいのか、どこに相談することができるのかは、置かれている状況によって異なります。

いざとなると、「誰に離婚のことを相談したらよいのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。なかには、相談できる機関があることを知らなかった方もいるかもしれません。

離婚について迷ったり悩んだりしたときは、ひとりで抱え込まないでください。誰に相談すべきか迷ったときは、ご紹介したような専門家や機関に頼ってみることをおすすめします。

将来を見据えて離婚を決意したのであれば、離婚問題の対応経験豊富なベリーベスト法律事務所までご相談ください。あなたはひとりではありません。

ベリーベスト法律事務所の弁護士が力になりますので、一緒に解決していきましょう。なお、事務所へのご来所が難しい際には、オンライン相談も受け付けております。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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