離婚カウンセラーとは|メリットや注意点、弁護士に相談すべき場面
離婚や夫婦の悩みをひとりで抱え続けるのは、大きな精神的負担になります。
そのようなときに「離婚カウンセラー」に相談することは、気持ちを整理し、これからの方向性を見つけるための有効な方法です。離婚カウンセラーは、心理的なケアや夫婦関係の改善支援を専門とし、離婚を決断する前の段階で心の負担を軽くしてくれる存在といえます。
しかし、離婚カウンセラーができるのは心理的サポートや夫婦関係の改善の支援までであり、離婚の具体的な手続きを進め、親権や財産分与など具体的な離婚条件を整えていく段階からは弁護士にご相談いただくべきタイミングといえます。
本コラムでは、離婚カウンセラーに相談できる内容やメリット、注意点、信頼できるカウンセラーの選び方、弁護士に相談すべきタイミングなどについて、ベリーベスト法律事務所 離婚専門チームの弁護士が解説します。
目次を
1、離婚カウンセラーとは? どんな相談ができる?
離婚カウンセラーは、離婚を決断する前の段階で気持ちを整理し、今後の方向性を考えるために寄り添ってくれる心理的支援の専門家です。
以下では、離婚カウンセラーの役割や利用方法、相談できる内容などについて解説します。
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(1)離婚カウンセラーの役割と資格
「離婚カウンセラー」は、離婚など夫婦関係に関する悩みや問題について、主に心理面のサポートを行う専門職です。
離婚カウンセラーという名称は、国家資格ではなく、複数の民間団体が認定する資格で活動しています。心理学を学んだ人や夫婦関係のカウンセラー、行政書士、公認心理師など、背景はさまざまです。
特徴は、離婚に直面した人の不安や混乱に寄り添い、感情や状況を整理する手助けを行うことです。法律の専門家ではないため、法的判断をしたり、実際に交渉をすることはできません。 -
(2)カウンセリングは夫婦で一緒に受ける必要はない
離婚カウンセリングは、夫婦で一緒に受けることも、一緒に行って別々に受けることも、ひとりで相談することも可能です。夫婦一緒に受ける必要はなく、状況に応じて柔軟に利用できます。
以下のような目的に合わせ、負担の少ない形で利用できる点も特徴です。- まずは自分の気持ちだけ整理したい
- 夫婦間の認識が食い違っているので個別に相談したい
- 途中から配偶者にも参加してほしい
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(3)離婚カウンセラーに相談できる悩みの例
離婚カウンセラーに相談できるのは、主に以下のような離婚に関する心理・感情についての悩みです。
離婚カウンセラーに相談できることの一例 ・離婚すべきか迷っている
気持ちが揺れて決断できないときに、思考整理をサポートします。
・夫婦関係を修復・改善したい
コミュニケーションの課題を言語化し、関係改善の糸口を一緒に探します。
・離婚後の生活が不安
将来の漠然とした不安を整理し、何が心配なのかを可視化する手助けをします。
・話し合いがうまく進まない
感情が高ぶってしまう場合に、冷静に向き合うための心構えを整えます。
上記のとおり、心理的なサポートが中心となるため、離婚カウンセラーは、離婚を決意する前の段階で気持ちを整える存在といえます。
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(4)離婚カウンセラーができないサポートの例
離婚カウンセラーが行える支援範囲は、あくまで心理的な側面や感情面の悩みに関するサポートです。離婚カウンセラーは、以下のような法的支援を行うことはできませんので、その段階になれば弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
離婚カウンセラーができないサポート(法的支援:弁護士資格のある者のみ) - 財産分与・慰謝料・養育費の法的助言
- 親権の見通しなど法律判断
- 相手との離婚条件交渉
- 離婚協議書などの文書作成
- 調停や裁判での対応
上記のような法律事務を弁護士資格のない者が報酬を得る目的で行うことを「非弁行為」といい、弁護士法第72条で禁じられています。
そのため、法的な問題について相談したい、離婚条件の交渉や裁判所での手続きを代理してほしいという場合には、弁護士にご相談される必要があります。
2、離婚カウンセラーに相談するメリット
離婚カウンセラーに相談することは、特に「離婚すべきか」「夫婦関係を続けるべきか」と迷っている段階において、大きな助けとなります。離婚カウンセラーを利用することには、以下のようなメリットがあります。
離婚問題をひとりで抱えていると、「誰にも話せない」「自分だけで何とかしなければ」という孤立感が大きくなり、精神的なストレスを抱え込みやすくなります。
離婚カウンセラーに話を聞いてもらうことで、「ひとりで抱えているわけではない」と感じられる点は大きなメリットです。
② 気持ちの整理ができ、離婚の方向性が見える
離婚すべきか、関係修復を目指すべきか迷っている場合、感情が揺れ動いて冷静な判断ができない状態になることがあります。
離婚カウンセラーは、相談者の感情を丁寧に引き出し、「本当はどうしたいのか」整理する手助けをします。
自分の気持ちや優先したい価値観が明確になることで、離婚・婚姻関係の継続のどちらを選ぶにしても、納得感のある判断につながりやすくなります。
③ 第三者としての中立的な立場から助言を得られる
家族や友人に相談すると、どうしてもアドバイスが主観的になりがちで、相談者の立場に偏った意見になることもあります。
離婚カウンセラーは、相談者に寄り添いながらも、中立的な立場から状況を整理し、冷静な視点を提供してくれます。第三者の視点が入ることで、感情的にならずに問題を見つめられるようになる点も大きな利点です。
3、信頼できる離婚カウンセラーを選ぶポイント
離婚カウンセラーは、心理的な支援を行う専門家ですが、とても個人的な内容を相談することになりますので、安心して相談するために、信頼できるカウンセラーを慎重に選ぶことが重要です。
以下では、失敗しない離婚カウンセラー選びのために確認すべきポイントと注意すべき悪質カウンセラーの特徴について説明します。
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(1)資格・経験・実績を確認する
離婚カウンセラーは、国家資格ではないため、名乗ろうと思えば誰でも名乗れてしまうという側面があります。
そのため、まずは以下の点を確認しましょう。- 心理学やカウンセリングの専門資格の有無(公認心理師、臨床心理士など)
- 離婚・夫婦関係の支援経験
- 面談件数・年数などの実績
- 離婚カウンセラーとしての専門性を示す情報があるか
特に、離婚問題を多数扱っているカウンセラーであれば、気持ちの整理が必要な段階で、より適切なサポートが期待できます。
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(2)料金・守秘義務・オンライン対応・口コミなどをチェックする
以下のような視点も信頼できる離婚カウンセラー選びにあたっての重要なポイントとなります。
① 料金体系が明確か
回数制・時間制・パック料金など、分かりやすい料金表示がされているか確認が必要です。カウンセラーが高額なプランをしつこくすすめる場合は注意しましょう。
② 守秘義務の取り扱い
プライベートな悩みを扱うため、守秘義務が明確に定められているかは極めて重要です。
③ オンライン相談の可否
最近はオンラインカウンセリングを実施してくれる方もいます。忙しい方や外出しにくい方は特に、利用しやすい仕組みがあるかどうか確認すると安心です。
④ 口コミや評判は信頼できるか
不自然にポジティブな口コミばかりの場合は注意が必要です。実際に利用した人のリアルな評価を参考にしましょう。 -
(3)弁護士連携のあるカウンセラーや、弁護士資格を持つカウンセラーを選ぶ
離婚問題は、心理面の整理だけでは解決できず、途中から法的な判断が必要になるケースが多くあります。そのため、弁護士と連携している離婚カウンセラーや、弁護士資格を持つカウンセラーを選ぶと安心です。
特に、「離婚を検討し始めた段階で相談したい」「気持ちは整理したいが後々は離婚に向けて動くかもしれない」という方に適しています。 -
(4)悪質なカウンセラーの特徴と見分け方
残念ながら、離婚カウンセラーの中には悪質な業者も存在します。以下に当てはまる場合は注意が必要です。
悪質なカウンセラーの特徴 - 法律的な助言や離婚条件の提示を断言する
- 「絶対に慰謝料を取れる」「親権は必ず取れる」など根拠のない保証をする
- 高額なパック契約を強引にすすめる
- 「カウンセリングを受け続けないと離婚は失敗する」など不安をあおる
- 守秘義務に関する説明が曖昧
- 口コミが不自然に好評ばかり、またはステマが疑われる
このような特徴があるカウンセラーは、法的に踏み込んだアドバイスをしてトラブルを招くおそれがあります。
4、弁護士に相談するべきタイミングやメリット
離婚カウンセラーは、気持ちの整理や夫婦関係の改善をサポートする心理支援の専門家ですが、離婚問題が具体化すると「法的な判断」が避けられません。離婚の検討が心理面から法的手続きへ進むタイミングでは、弁護士に相談いただくべきといえます。
以下では、弁護士に相談すべきタイミングと弁護士に依頼するメリットについて説明します。
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(1)弁護士に相談するべきタイミング
以下のような状況に当てはまる方は、離婚カウンセラーだけではなく弁護士にも相談した方がよいでしょう。
① 離婚するか迷っているのではなく、確実に離婚したい
「離婚するか迷っている」「関係を修復するか悩んでいる」という段階では離婚カウンセラーが有効ですが、離婚する決意が固まった段階では、離婚条件の検討も必要になりますので、弁護士に相談されるのが適切です。
弁護士に依頼すると、離婚の条件交渉や協議書の作成、相手との連絡、裁判所での手続きなどのサポートを受けることができます。
② 不倫の証拠が法的に有効か判断してほしい
配偶者の不倫が疑われる場合、「どんな証拠が有効なのか」「慰謝料請求できるのか」などの判断は、法律の専門知識が不可欠です。
たとえば、メッセージのやり取りや写真が証拠として有効かどうかは、ケースによって異なり、弁護士でなければ適切な判断ができません。
弁護士に相談することで、どの証拠が有効か、どのような方法で証拠を集めるべきか、慰謝料請求の可否や相場などを正しく理解できます。
③ 離婚にあたって法的に判断が必要となる場面が出てきた
離婚にあたっては、以下のような法的な取り決めが必要になります。離婚にあたって必要となる法的な取り決め - 財産分与(預貯金・不動産・保険などの分け方)
- 養育費の金額と支払い方法
- 親権・監護権
- 面会交流
- 慰謝料
※個々の事情により、必要となる取り決め内容は異なります。
これらは、離婚後の生活に直結する非常に重要な問題であり、その後の生活に長く影響を与えますので慎重な検討と決断が必要です。離婚カウンセラーは法的助言をすることはできませんので、具体的な条件面についてご相談されたいと思われた場合は、弁護士にご相談いただく必要があります。
また、当事者間で合意ができた場合の離婚協議書の作成、合意ができなかった場合の交渉や、調停・訴訟等の裁判所での手続きについても弁護士であれば対応が可能です。
④ DVやハラスメントなどの被害が生じている場合
DV(身体的暴力)やモラハラ(精神的暴力)は、深刻な問題です。
あなたの身に危険が迫っている場合には、保護命令の申し立てや子どもの安全確保、警察や支援機関との連携など、緊急性を伴う法的措置が必要になるケースがあります。
このような状況は、心理支援だけでは対応できず、早期に弁護士へ相談する必要があります。 -
(2)弁護士相談の3つのメリット
弁護士に相談することで得られるメリットは、以下のとおりです。
① 代理交渉を任せられる
相手との話し合いが難しい場合や、感情的な対立がある場合、弁護士が代理人として書面や電話などで交渉を行います。相手と直接やり取りする必要がなくなりますので、精神的負担は小さくなります。
② 法的文書を作成できる
離婚条件について合意ができたら、その合意が後から覆されるなどトラブルが起きないように「離婚協議書」を作成することをおすすめします。支払金額が大きい場合や養育費など長期にわたる支払いがある場合には離婚協議書を「公正証書」とすることもあります。弁護士は、これらの書面の作成を行います。
③ 調停・裁判にも対応できる
離婚の話し合いがまとまらない場合、調停や裁判に移行することがあります。弁護士は、すべての段階で代理人として対応できるため、調停や裁判に移行したとしても、裁判所での手続きを引き続き任せることができます。
お悩みの方はご相談ください
5、弁護士からのメッセージ
離婚カウンセラーに相談することは、離婚に迷っている段階で気持ちを整理し、冷静に現状を見つめ直すための有効な手段です。心理的な負担が軽くなることで、自分が本当に望む選択肢が見えやすくなります。
しかし、財産分与や親権、養育費、慰謝料といった法的な問題が生じた場合、離婚カウンセラーだけでは対処できません。離婚の条件交渉や調停・裁判などの手続きには、法律の専門家である弁護士への相談が不可欠です。
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