離婚する前に知っておきたい! 離婚後に起こる問題やよくあるトラブル
離婚には大変な労力がかかるものですが、「ようやく離婚できた!」と思っても、離婚後にさらなるトラブルが待ち構えているケースも少なくありません。
養育費未払いや子どもとの面会交流、相手からの嫌がらせ・つきまといなど、離婚後の問題に備えて対策を講じておきましょう。
本コラムでは、離婚後のトラブルを回避できるように、離婚する前から知っておきたい問題や対処方法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、離婚後によくある問題やトラブル
まずは離婚後にどのような問題が発生するケースが多いのか、みてみましょう。
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(1)慰謝料や養育費が振り込まれない問題
もっとも多い問題は、慰謝料や養育費、財産分与などの金銭支払いの遅延や不払いです。特に養育費や扶養的財産分与(離婚後一定期間における生活費の送金)など長期にわたって支払われる必要のあるものは、離婚後に数回支払われてもだんだん支払われなくなってしまうケースは少なくありません。
離婚後に退職金の財産分与を払う約束だったのに守られないケースなどもあります。 -
(2)養育費の増額に応じてくれない問題
次に、養育費の「金額」の問題です。離婚後、相手の収入が上がった場合、養育費の金額を増額できないかと考える方もいらっしゃるでしょう。一度決めた養育費を変更する場合は、基本的には当事者間で改めて話し合って決めることになります。しかし養育費の増額を請求しても相手が応じてくれないのでトラブルになるケースもあります。
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(3)子どもに会わせてくれない問題
離婚後、親権者とならなかった方の親には子どもとの「面会交流権」が認められます。しかし離婚時に面会交流の方法について取り決めをしても、離婚後に約束を守ってもらえないケースがあります。
そもそも離婚時に面会交流方法を約束していなければ、その後まったく子どもと会えなくなってしまうケースも少なくありません。 -
(4)離婚後も付きまとわれる、嫌がらせを受けている問題
離婚後、元配偶者からしつこくつきまとわれてトラブルになる例もみられます。たとえば夫婦だったときに相手から暴力を受けていた場合などには、離婚後も相手が家に押し掛けてきて自分や子どもの身に危険が及ぶケースもみられます。暴力は振るわれなくても勤務先に来るなど、さまざまな嫌がらせをされるパターンもあります。
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(5)離婚後に妊娠が発覚してしまった問題
離婚後、元妻の妊娠が発覚するケースもあります。婚姻中から夫以外の男性と交際が始まっており、その男性との子どもができてしまう問題です。
この場合において、離婚後300日以内に子どもが生まれ、元妻がその男性と再婚しないときは、法律上は「前夫の子ども」という推定が働いてしまいます。
つまり婚姻中にできた子どもの父親は、本当は元妻の交際相手の男性であったとしても、離婚後300日以内に再婚していなければ、元夫の子どもと推定されてしまうのです。
そのまま放っておくと、戸籍上、子どもの父親は前の夫になります。新しい交際相手と離婚後300日以内かつ出産前に再婚しなければ、子どもの父親は元夫のままになるため、大変大きな不都合が生じてしまうことも注意が必要です。 -
(6)離婚後に裁判や調停を起こされる問題
協議離婚の際に財産分与や慰謝料、年金分割などの取り決めをしていなかった場合、離婚後に慰謝料請求や財産分与調停、年金分割調停などを起こされる可能性があります。離婚後も3年間は慰謝料請求できますし、2年間は財産分与や年金分割を求めることができるからです。
「離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください」のページでは、財産分与の対象になるもの・ならないもの、注意点などについて解説しています。ぜひご参考ください。
2、離婚後の問題にはどう対処すべき?
離婚後に発生する可能性のある問題は多種多様です。これらの問題に対応するにはどうしたら良いのか、ケースごとに対処方法をご紹介します。
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(1)慰謝料や養育費の取り決めは公正証書に残す
まず離婚後の「金銭不払い問題」に対応する方法です。そのためには、養育費や財産分与、慰謝料、離婚解決金などの離婚条件を取り決めるときに、「離婚公正証書」を作成しておくことをおすすめします。
離婚公正証書とは、協議離婚の条件を定めた離婚協議書を公正証書化したものです。公正証書にしておくと、相手が離婚後に養育費や財産分与などを払ってくれなかったとき、すぐに相手の給料や預貯金などを差し押さえることができます。
なお、離婚時に家庭裁判所で離婚調停を行った場合には、通常こうした条件を取り決めて強制執行力のある「調停調書」を作成するので、公正証書を作成する必要はありません。 -
(2)養育費の増額は調停や審判を申し立てる
離婚後、相手の収入が上がった場合や予定外に親権者の収入が減ってしまった場合において、相手が養育費の増額に応じてくれない場合には、家庭裁判所で養育費請求調停を申し立てましょう。養育費請求調停を起こすと、調停の手続き内で相手とあなたの収入を明らかにした上で、調停委員から妥当な養育費の金額を提示してもらえます。相手が増額に納得しない場合には、「審判」によって養育費の増額を決定してもらうことも可能です。さらに相手が調停や審判で決まった内容を守らないときには、相手の給料や資産を差し押さえることもできます。
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(3)子どもと会わせてくれない場合は間接強制という手段も
離婚後、親権者となった相手が子どもと会わせてくれない問題にはどう対応したら良いのでしょうか?
●面会交流調停・審判を申し立てる
この場合、まずは家庭裁判所で面会交流調停を起こしましょう。調停をすると、調停委員が間に入って子どもとの面会を実現できるよう、両者の意見を調整してくれます。面会交流調停が決裂したら、手続きが審判になって裁判官が面会交流の方法を決定します。
●間接強制、慰謝料請求をする
問題は、調停や審判があっても相手が従わない場合です。この場合には、相手に対して「間接強制」や「慰謝料請求」をすることが可能です。
間接強制とは、相手から金銭を取り立てることによってプレッシャーを与え、自主的に面会に応じさせる方法です。
慰謝料請求は、面会させてもらえないことによって受ける精神的苦痛に対する賠償金の請求です。
なお面会交流の場合、「子どもを無理矢理連れてきて会う」という直接的な強制方法が認められていません。そのようなことをすると、子どもの心を深く傷つけてしまうからです。
そこで間接強制や慰謝料請求などの金銭請求によって相手の気が変わるのを待つのが基本となります。
●できるだけ話し合いで解決すべき
子どもと面会したいときには、子どもに対する影響も考えるべきです。子どもの気持ちを第一に考え、子どもに余計な負担をかけないためにも、できる限り相手と話し合いによって解決するのが望ましいと言えます。実際、話し合いで決定した方が、強制的な方法よりも面会を実現しやすいケースもあります。
相手との感情的な対立が起こって自分で交渉するのが困難な場合には、弁護士に相談して交渉や調停を依頼するのが良いでしょう。
●離婚時にしっかり面会交流の条件を決めておこう
離婚後に問題を起こさないために、離婚前にはっきり面会交流の取り決めをして協議離婚書に反映しておきましょう。 -
(4)離婚後の嫌がらせは警察や弁護士に相談を
離婚後、相手から暴力や嫌がらせが続く場合には、DVにもとづく保護命令を申し立てたりストーカー規制法違反で取り締まってもらったりできる可能性があります。
また弁護士から相手に内容証明郵便などで警告することにより、相手を退かせられるケースも多いです。
離婚後に嫌がらせなどを受けて精神的に追い詰められている場合は、お一人で抱え込まずに弁護士や警察までご相談ください。 -
(5)離婚後に妊娠が発覚した場合の対処方法
離婚後に夫以外の男性の子どもの妊娠が発覚したとき、そのまま出生届を提出すると元夫の戸籍に入ってしまいます。
子どもを元夫の戸籍から外すには、元夫から「嫡出否認の訴え」を起こしてもらうか、子どもの側から「親子関係不存在確認請求」を行う必要があります。
元夫から申立をしてもらえない場合には、元妻が親権者として親子関係不存在調停や訴訟を起こして父子関係がないことを確認します。
嫡出否認の訴えや親子関係不存在確認調停・訴訟が確定した場合には、それらの調停調書や判決書と確定証明書を役所に持参すると、父子関係の戸籍を抹消してもらえます。
ただこれだけでは、子どもと本当の父親の親子関係が認められません。正しい父子関係を戸籍に反映するには、真実の父親が子どもを「認知」する必要があります。認知は役所で認知届を出せばできます。 -
(6)離婚後に裁判や調停を起こされたとき
離婚後に相手から財産分与調停や慰謝料請求訴訟などを起こされたときには、早めに弁護士に相談して適切な対処方法を確認しましょう。自己判断で対応すると、後に大きな不利益を受ける可能性が高くなります。
3、離婚後の問題やトラブル解決を弁護士に依頼するメリット
離婚後に元の配偶者との間で問題が発生したときには、弁護士に法律相談をすると解決への糸口がつかめていろいろなメリットがあります。
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(1)適切な対応方法がわかる
離婚後いろいろな問題が発生したとき、ひとりではなかなか正しい解決方法がわからないものです。相手から「離婚後も婚姻費用を払ってほしい」「健康保険証は返さない」などと無理な主張をされて困るケースもあります。
弁護士に相談すれば、何が正しく何が間違っているのか適切に判断できます。相手の言い分が法律的に間違っていれば、堂々と断れますし、こちらに権利のあることについてはきちんと請求できます。 -
(2)調停や裁判の手続きを行える
離婚後にトラブルが発生した場合、相手との交渉や裁判所における調停などの手続きが必要となる可能性があります。たとえば慰謝料や財産分与請求も、相手ともめたら裁判まで発展するケースもあります。そのようなとき、弁護士に相談していたら弁護士が相談者の代わりに相手と交渉や調停・訴訟等を進められるので、手間も省けて精神的にも楽になります。もちろんなるべく相談者が損をしないように解決できるメリットも大きいと言えます。
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(3)差押えができる
離婚後、相手が養育費などの支払い約束を守らないケースがあります。そのような場合、弁護士であれば調停・審判・訴訟などを経て相手の資産や給料を差し押さえて回収することができます。強制執行は手間がかかるので、弁護士に依頼した方が確実で楽です。
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(4)問題を避けるため、できれば離婚前に弁護士に相談しておくべき
離婚後の問題発生を避ける一番の方法は、離婚前に適切な対応をとっておくことです。離婚前に親権や財産分与、住宅ローンなどのさまざまな問題について相手ときちんと話し合い、合意した結果を離婚公正証書にまとめておくと、多くのトラブルを予防することが可能です。
弁護士であれば、財産分与の対象となる資産とそうでないものを切り分けたり適切な解決金の金額を提示したりして、ケースに応じた離婚条件を設定できます。離婚前に相手と協議離婚の交渉も可能ですし、離婚公正証書の手続きも代行してもらえます。
これから離婚を検討されているならば、一度弁護士によるアドバイスを受けておきましょう。
お悩みの方はご相談ください
なる場合がございます。
4、まとめ
離婚するときには、親権や不倫問題、養育費、財産分与などを含め、夫側も妻側もさまざまな悩みを抱えるものです。
離婚後に余計なトラブルを招かないためにも、早い段階で弁護士に相談しておきましょう。
離婚前の方だけでなく、養育費未払いなど離婚後にトラブルが生じてお困りの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください。
知見・経験豊富な弁護士がお話を伺いながら、しっかりと解決に至るまで、ベストを尽くしてサポートいたします。
- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
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[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
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