浮気した配偶者の行動を監視する行為の違法性や注意点とは
配偶者の浮気に気づいたとき、配偶者に不倫の事実を問い詰めても、簡単には認めないケースも多いでしょう。そのため、浮気の証拠を集めようと、配偶者の行動を監視することを考える方もいるのではないでしょうか。
ただし、やみくもに証拠集めをするのは危険です。場合によっては違法となることもあるのです。
そこで今回は、浮気した夫や妻の行動監視をしようと考えている方が知っておくべき違法行為などについて弁護士が解説します。
1、夫や妻の行動を監視する方法と違法性について
最近では、SNSやアプリなどを活用して配偶者の行動を監視する方も少なくありません。しかし、以下のような過度な行動監視は、違法性を問われる可能性があります。
特に車やスマートフォンの活用には注意が必要です。配偶者の不倫を突き止めたとしても、逆に訴えられたり、刑事罰に問われたりしてしまっては、本末転倒です。
では、どのような行為が違法なのか、どのような罰則があるのかなど、ひとつずつ確認していきましょう。
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(1)TwitterやSNSのアカウントを監視する
配偶者がTwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを使っている場合、浮気を示す内容を投稿しているかもしれません。
フォロワーや友だちリストに浮気相手がいる可能性もあり、アカウントを監視することで配偶者の行動が把握できるため、浮気の証拠が得られる可能性があります。
配偶者のSNSアカウントを知っており、内容が公開されている場合は、自分の携帯などから投稿を監視しても、法律上問題はありません。
しかし、配偶者のIDやパスワードを調べて勝手にアカウントにログインすると、「不正アクセス禁止法違反」に問われる可能性があります。
不正アクセス禁止法では、不正にアクセスする目的で他人のIDやパスワードを取得した場合(不正取得罪)には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、IDやパスワードを利用して不正にSNSにログインするなどした場合(不正アクセス罪)には、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
たとえ配偶者であっても違法は違法です。SNSを使った行動監視には注意が必要です。 -
(2)GPSを車に設置する
配偶者が日常的に車を利用している場合、車に乗って不倫相手に会いに行っているかもしれません。そのため車にこっそりGPSを取り付けて配偶者の行動を調べたり、追跡したり監視したりして浮気の証拠を探すという手段を考える方がいるかもしれません。
しかし、GPSを使った行動監視は違法か判断が難しい部分があり、もし違法でないと判断されたとしても、プライバシーを侵害したとして、配偶者が損害賠償請求をしてくる可能性もあります。 -
(3)カーナビ(GPS)の走行履歴を確認する
配偶者が乗った車のカーナビ(GPS)の走行履歴によって、行動を調べる方もいるかもしれません。ただし走行履歴はあくまで行った場所がわかるだけで、誰と何をしていたか、その行動内容まではわかりません。
そのため、不倫の証拠としてはやや弱いため、あくまでさまざまな証拠のうちのひとつとして活用されるべきものといえます。「ひとりでドライブをしていただけ」「車を駐車してタバコを吸っていただけ」などと配偶者が反論してきた場合には、別の証拠が必要となるでしょう。 -
(4)相手のスマートフォンに監視アプリや遠隔操作アプリをダウンロードする
近年、他人のスマートフォンのメッセージやGPS情報などを閲覧・取得し、行動をチェックすることができるスマートフォン監視アプリやソフトが数多く生み出されています。
そのようなソフトやアプリを配偶者のスマートフォンにインストールすると、スマートフォン上のやり取りをパソコンから遠隔監視できるようになります。
このようなソフトやアプリを使えば、配偶者のスマートフォンのLINEのやり取りの閲覧・保存はもちろん、通話履歴やGPSにより位置情報のチェック、画像や動画の取得もできることがあります。
こういったソフトやアプリは行動監視の方法として便利なように見えるかもしれませんが、配偶者のスマートフォンに勝手に入れて使用すると、「不正指令電磁的記録取得・供用罪」に問われる可能性があります。実際に、交際相手のスマートフォンに「Androidアナライザー」という遠隔操作ソフトを無断でインストールして電話帳や通話履歴を閲覧していたとして、愛知県の会社員が逮捕されたという報道もありました。
有罪となると3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。 -
(5)相手のスマートフォンを勝手に操作して不倫相手とのやり取りを探す
多くの方は日常的な連絡手段や写真撮影にスマートフォンを利用しています。浮気している配偶者のスマートフォンにも、浮気相手とのLINEのやり取りや一緒に撮影した写真など、浮気の証拠が残されている可能性があります。
しかし、勝手に配偶者のスマートフォンのロックを解除し、ネットワークを介してLINEやGmailなどを監視することは「不正アクセス禁止法違反」に問われる可能性があります。
もしロックがかかっていなかったとしても、LINEのやり取りを自分の携帯に転送するなどデータ通信を行うと同様です。
また、通話履歴の確認や、すでにダウンロードされているメールを見るなど、データ通信を行わなかった場合は不正アクセスにはあたりませんが、配偶者からプライバシーが侵害されたとして、損害賠償請求をされることがあります。
2、違法とならないように配偶者の浮気の証拠を集める方法とは?
配偶者の浮気を証明するためには、証拠集めは欠かせません。しかし、違法な手段を使って行動監視し、浮気の証拠を集めると自分が罪に問われるほか、「違法に集めた証拠だ」として裁判で扱ってもらえない可能性もあります。
それでは、違法とならないように浮気の証拠を集めるにはどうしたらよいのでしょうか?
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(1)自分自身あるいは友人などの協力を得て、証拠を集める
浮気の証拠を集める方法のひとつに、自分で証拠を集めたり、友人に協力してもらうという方法があります。しかし、いろいろ証拠を集めたとしても、裁判で使えない証拠では意味がありません。たとえば配偶者が浮気相手と一緒に公園を歩いている写真を撮影したとしても、それが浮気であるとは言えないでしょう。
配偶者の浮気を示す有効な証拠としては、肉体関係があったことを示すものが重要です。たとえば、以下のようなものが考えられます。
- 配偶者と浮気相手がホテルに入る写真や動画(数時間滞在、複数回分)
- 配偶者が浮気相手の家に出入りする写真や動画(数時間滞在、複数回分)
- 配偶者と浮気相手が肉体関係にあったことを示すスマートフォンなどの写真
- 話し合いなど、配偶者が浮気を認めたときの会話の録音データや反省文
「愛してる」「次はいつ会える?」といった配偶者と浮気相手のLINEなどのやり取りは、それだけでは肉体関係があったとは言い切れません。
こういった浮気相手とのやり取りの記録やツーショット写真、浮気相手と泊まったホテルの領収書などは、単独では浮気の証拠とはなりにくいですが、複数集めておけば証拠となり得る場合があります。できるだけ多くの証拠を集めておきましょう。 -
(2)探偵会社を利用する
探偵会社は、張り込みや尾行などの手段を使って配偶者の行動を監視し、浮気相手との密会現場の写真撮影などを行い、その調査結果を報告してくれます。
ただし探偵会社への依頼には費用が発生します。人員や日数にもよりますが浮気調査の場合、数万円~数十万円以上の調査料金がかかることがあります。また、なかには事前に説明していた以上の費用を請求するなど、悪質な業者もいます。
「こんなにお金がかかるとは思わなかった」と後悔しないように、適正な料金でしっかりと調査をしてくれる、優良な探偵会社を探すことが大切です。 -
(3)弁護士に相談する
配偶者の浮気がほぼ確実で離婚をしたいと考えている場合には、弁護士への相談がおすすめです。また、証拠がない場合でも、法律事務所の中には探偵会社と提携しているところも多く、優良な探偵会社を紹介してもらうことができます。
証拠が集まり、離婚話を進めていく場合にも、話し合いや調停、裁判におけるさまざまなアドバイスを得ることができますし、サポートもできます。
離婚するときには、慰謝料や子どもの養育費、財産分与などきちんと取り決めをしておかなければならないことがたくさんありますが、そうしたアドバイスや手続きも行ってもらえます。
ひとりで離婚話を進めていくのは不安も大きいものですが、弁護士と一緒であれば精神的にも安定して、手続きを進めていくことができるでしょう。
お悩みの方はご相談ください
なる場合がございます。
3、まとめ
配偶者の浮気に気づいたとき、なんとかして証拠を集めようと焦り、いろいろなことに手を出してしまうかもしれません。しかし、証拠集めについてはインターネット上にもいろいろな方法が掲載されていますが、違法な手法も数多くあり注意が必要です。
配偶者の浮気を疑い、有効な証拠をつかみたい場合には、まずは法律事務所に相談してみてはいかがでしょうか。
ベリーベスト法律事務所では、離婚・男女問題についての豊富な解決実績をもつ弁護士が多数所属しております。配偶者の浮気で悩みを抱えているようでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。弁護士があなたの気持ちに寄り添ってサポートいたします。
- 所在地
- 〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
- 設立
- 2010年12月16日
- 連絡先
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[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。
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