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離婚調停が不成立になったら弁護士へ! 裁判費用と次にすべきこと

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更新日:2026年01月21日  公開日:2020年08月13日
離婚調停が不成立になったら弁護士へ! 裁判費用と次にすべきこと

離婚調停を申し立てたものの「不成立」となってしまい、「もう離婚できないのでは?」と不安に思われていませんか。

調停が不成立になったからといって、離婚をあきらめる必要はありません。離婚調停不成立後も、状況に応じた適切な手段を選択することで、離婚を叶えることができる可能性があります。

本コラムでは、離婚調停が不成立になる理由と注意点、不成立後に取り得る4つの選択肢など、離婚調停後に離婚を目指す方法をベリーベスト法律事務所 離婚専門チームの弁護士が解説します。

目次を

1、離婚調停の不成立とは? 判断基準、原因と注意点

調停不成立は、あくまでも「調停での話し合いがまとまらなかった」という意味であり、離婚が不可能になったということではありません。本章では、調停不成立の判断基準や典型的な原因、不成立を避けるための工夫について説明します。

  1. (1)調停離婚の流れと「不成立」の意味

    離婚調停は、夫婦間の話し合い(離婚協議)だけでは結論を出せないときに利用できる家庭裁判所での話し合い手続きです。裁判官と調停委員が間に入り、中立の立場から当事者双方の意見を整理して合意を目指します。なお、当事者同士が顔を合わせるわけではなく、片方ずつ呼び出されて話をきかれるかたちで話し合いが進んでいきます。

    結果、双方が離婚の意思を持ち、条件も合意できれば「調停成立」となり、離婚が成立します。この場合は調停離婚となり、離婚成立を内容とする調停調書が作成されます。

    一方で、合意できないまま期日を重ね、その状態のままで合意に至らなければ調停手続きが終了して「不成立」となります。つまり、離婚調停の不成立とは、「調停では解決できなかった」という状態であり、離婚ができなくなったわけではなく、ここから次に進むことができます。

    なお、具体的な選択肢については、2章で解説します。

  2. (2)離婚調停が不成立になりうるケース

    まずは、調停が不成立になる典型的なケースを知っておきましょう。

    不成立になりやすい主な原因としては、「離婚意思そのものの食い違い」と「条件調整の行き詰まり」という2点があります。
    具体的には以下のとおりです。

    ① 離婚そのものに合意できない
    一方が「離婚したい」と望んでも、相手が「絶対に離婚しない」と拒否していれば合意は不可能です。特に、長年連れ添った夫婦では、「世間体」や「生活不安」を理由に離婚を拒む方も多くいます。

    ② 条件面での対立が大きい
    親権、養育費、財産分与、慰謝料など、離婚の条件で折り合いがつかずに話し合いが進まない場合です。たとえば、「親権をどちらが持つか」は対立が深刻になることが多く、離婚すること自体には合意していても、離婚調停が不成立となる大きな原因です。

    ③ 相手が調停に出席しない・話し合いに応じない
    相手が出頭しない場合や、参加はしているものの協議に対して消極的な態度を取り続けた場合には、実質的に協議が成り立ちません。合意ができずに離婚調停が不成立となります。

    ④ 調停委員の解決案を双方が受け入れない
    場合によっては、調停委員会が妥協点を提示することがありますが、双方が納得できなければ合意には至らず、そのまま不成立となります。
  3. (3)不成立を回避するためにできること

    離婚調停が不成立になったとしても、離婚に向けて次のステップに進むことは可能です。しかし、早期解決を希望するのであれば、できる限り調停の成立を目指す方がよいといえることは間違いありません。

    離婚調停を実現するためには、以下のような事前の準備や姿勢が重要です。

    ① 譲れる点と譲れない点を整理しておく
    すべての条件を一歩も譲らず強硬に主張すれば、合意は難しくなります。たとえば「親権は譲れないが財産分与では柔軟に応じる」といった線引きを意識することが大切です。

    ② 証拠や資料をしっかりそろえる
    収入証明や財産状況、子どもの生活環境を示す資料を準備することで、調停委員会も進めやすくなりますので、スムーズな話合いにつながります。

    ③ 冷静に事実を伝える姿勢を持つ
    怒りや不満を感情的にぶつけても相手は受け入れません。冷静に根拠を示すことで調停委員の信頼を得られやすくなり、スムーズな話し合いにつながります。また、相手方との無用な対立も避けることができます。

    ④ 弁護士に依頼する
    弁護士が同席することで法的根拠を踏まえた主張が可能となり、調停で詳細な条件調整を行うことができます。また、本人の心理的負担を大きく減らす効果もあります。
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2、不成立になってもあきらめない! 離婚を進める選択肢4つ

離婚調停が不成立になった後でも、いくつかの方法で離婚手続きを進めることができます。離婚をあきらめる必要はありません。本章では、代表的な4つの選択肢を取り上げ、それぞれの特徴やメリット・デメリットを説明します。

  1. (1)離婚審判|不成立後の選択肢

    離婚審判とは、調停が不成立に終わった後、家庭裁判所が職権で一定の判断を下す制度です。当事者の意見にわずかな食い違いがあり調停が成立しない場合や、条件面の合意ができているものの調停期日への出席が難しいような場合などで利用される手続きです。

    メリットは、離婚裁判に比べて時間や費用の負担を軽減できるという点です。

    デメリットは、離婚そのものについて対立している場合には裁判所が利用してくれないことです。あくまで条件面の補完的な役割にとどまります。そのため、全面的に争いが残っている場合は審判では解決できず、裁判に進むことになります。

  2. (2)離婚裁判|不成立後の選択肢

    離婚裁判は、調停不成立後のもっとも代表的な選択肢となります。調停とは異なり、当事者の合意ではなく、裁判所が離婚の可否を判断するという点が特徴です。

    離婚裁判のメリットは、相手がどれだけ離婚を拒んでいても、法律で定められた離婚原因(不貞行為、悪意の遺棄、長期間の別居など)が認められれば、裁判で離婚を勝ち取れる点です。また、そのような事由がなくても、裁判中に和解が成立すれば離婚できることがあります。

    デメリットは時間と費用がかかることです。通常、1年~1年半前後の審理が必要となり、弁護士費用などの経済的負担も発生します。

  3. (3)再度話し合う|不成立後の選択肢

    調停が不成立となっても、夫婦間で自主的に話し合いを続けるという選択肢があります。冷却期間をおいてから再び向き合うことで、感情が落ち着き、条件を受け入れやすくなる場合もあるでしょう。

    メリットは、家庭裁判所を介さずに済むため時間も費用も抑えられることです。離婚条件を柔軟に調整しやすい点もメリットといえるかもしれません。

    ただし、相手が強硬に拒否している場合や力関係の差が大きい場合には話し合いが進まず、かえって精神的負担が増える可能性がある点がデメリットです。そのため、再度話し合うという方法で離婚できるケースは、相手が一定程度歩み寄る姿勢を見せている場合に限られます。

  4. (4)再び離婚調停を申し立てる|不成立後の選択肢

    一度不成立になったとしても、再び離婚調停を申し立てることも可能です。

    メリットは、裁判に比べて費用が安く済み、柔軟な解決が期待できることです。特に、子どもが関わる場合、調停の場で冷静に条件を整えることは双方にとって有益といえます。

    一方でデメリットは、同じ理由で再び調停を申し立てても、また不成立になる可能性が高いことです。そのため、再調停は、前回の不成立から時間が経過した場合や新しい事情がある場合に選ぶことができる方法だといえます。

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3、離婚裁判とは? 申し立てから訴訟の流れ、期間、費用

離婚調停が不成立となった場合、多くの方が選ぶのが「離婚裁判」です。

離婚裁判は、裁判所が法律に基づき最終的な結論を出す手続きであり、相手がどれだけ離婚を拒んでいても、法定の離婚原因が認められれば離婚を勝ち取ることが可能です。以下では、離婚裁判の提起から判決に至る流れやかかる期間、費用について説明します。

  1. (1)離婚裁判の申し立て方法と流れ

    離婚裁判は、家庭裁判所に訴状を提出することからスタートします。訴状には離婚を求める理由(離婚原因)や請求内容(親権、養育費、財産分与、慰謝料など)を明記し、必要な証拠書類を添付します。

    訴状が受理されると、裁判所は期日を決めて、相手方に呼出状を送付します。

    その後の流れは、以下のとおりです。

    • ① 口頭弁論期日:原告(離婚を求める側)が主張を述べ、被告が反論します。
    • ② 弁論準備手続き:争点や証拠を整理し、必要に応じて書面を提出します。
    • ③ 証人尋問・本人尋問:必要があれば証人や当事者が出廷し、事実関係を確認します。
    • ④ 判決:裁判官が提出された証拠や主張を踏まえて判断を下します。


    このように、調停のような話し合いではなく、証拠と法律に基づき裁判所が結論を導く点が最大の特徴です。ただし、③の前後で話し合いによる解決(和解)の可能性が模索されることが多く、裁判手続きの中でも話し合いがされることが一般的です。

  2. (2)裁判離婚が成立するまでの期間

    裁判所が公表している「人事訴訟事件の概況」によると、令和6年の離婚裁判の平均審理期間は、15.5か月となっています。つまり、1年を超えるケースが一般的と考えておくべきです。

    ただし、事案によっては平均的な期間よりも長くなったり、短くなったりすることもありまします。

    離婚裁判でかかる期間について、それぞれの特徴は以下のとおりです。

    ① 離婚裁判が長期化する事件の特徴
    • 争点が多岐にわたるケース(離婚原因だけでなく、親権・養育費・慰謝料・財産分与など複数の条件で対立している)
    • 相手が離婚を拒否していて、激しく争っているケース

    ② 離婚裁判が早期解決できる可能性のある事件の特徴
    • 離婚原因が明白で証拠からも明らかなケース
    • 離婚すること自体には争いがないケース
    • 争点が限定されているケース
    • 当事者双方の歩み寄りが可能なケース(訴訟の途中で和解による解決の可能性がある)
  3. (3)離婚裁判を行う際にかかる費用

    離婚裁判では、訴訟費用や弁護士費用などの費用が発生します。

    ① 裁判所への費用|訴訟費用
    訴状を提出する際には、収入印紙(1万3000円〜)と郵便切手代(数千円程度)が必要です。これ自体はそれほど高額ではありません。

    ② 弁護士費用
    着手金として30〜50万円程度、報酬金として離婚が認められた場合や金銭的利益を得た場合に30〜70万円程度が相場と言えます。ただし、依頼する弁護士や、事案の複雑さ、争点の数などにより、費用は異なります。場合によってはさらに高額になることもあります。


    具体的な費用については、弁護士に相談する際に確認するとよいでしょう。

4、離婚裁判で有利な判決を得るための準備と注意点

離婚裁判で有利な判決を得るためには、事前に戦略を立て、準備を整えることが欠かせません。以下では、裁判を有利に進めるための具体的な準備と注意点を紹介します。

  1. (1)訴訟で主張を認められるには証拠は必須!

    離婚裁判では、自分の主張を裏付ける証拠の有無が重要になります。
    たとえば、不貞行為を理由に離婚や慰謝料を請求する場合、ホテルに出入りする写真や、不倫相手とのメールやSNSのやり取りなど客観的な証拠が必要です。

    また、暴力や暴言を受けた場合には、診断書や録音などが重要です。

    証拠が十分にそろっていれば、裁判所に説得力をもって伝えることができ、有利な判断を引き出しやすくなります。

  2. (2)養育費、財産分与、慰謝料などの離婚条件は現実的に

    離婚裁判では、離婚原因だけでなく「離婚後の生活条件」も大きな争点です。親権や養育費、財産分与、慰謝料などを求める際には、現実的で妥当な金額や条件を主張することが重要です。

    たとえば、養育費であれば、家庭裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」を基準に算出するケースが一般的です。財産分与も特別な事情がなければ夫婦共有財産を原則2分の1ずつ分けるという考え方が基本となります。

    原則とは異なる内容を主張する場合には、その根拠を説明し、資料を提出するなどの活動が必要です。

  3. (3)裁判で戦うなら弁護士に相談すべき理由3つ

    離婚裁判を有利に進めたいなら、以下のような理由から弁護士に依頼することをおすすめします。

    ① 法的根拠に基づいた主張ができる
    離婚裁判では、法的根拠に基づいた主張が重視されます。
    弁護士は、証拠を踏まえて主張を法的に構成し、裁判官に響くようにこちら側の主張を伝えることができます。

    ② 証拠収集や手続きがスムーズになる
    裁判では証拠がすべてです。しかし、どのような証拠が有効なのか、どう整理して提出すべきかは、裁判になれていない一般の方には判断が難しいでしょう。
    弁護士であれば、証拠収集の段階からサポートできます。万が一、裁判になった場合でも有利に戦えるよう適切な準備を行うことが可能です。

    ③ 心理的負担を軽減できる
    離婚裁判は1年以上かかることも珍しくなく、相手との対立が続く中で精神的な負担は大きなものになります。
    弁護士は代理人としてあなたの代わりに交渉や主張を担うことができます。あなた自身は日常生活や子育てに集中でき、裁判に追い詰められにくくなるはずです。長期戦を乗り越えるうえで、精神面のサポートも大きな利点となるでしょう。
  4. (4)離婚調停が不成立になっても食い下がり離婚を達成した事例

    ベリーベスト法律事務所の弁護士が実際に対応した解決事例について、ご紹介します。

    Aさん(30代・女性・会社員)は、夫や義父母からの虐待的な扱いに耐えかねて別居しましたが、夫は協議でも調停でも離婚に応じず、調停は不成立に終わりました。

    その後裁判へ進むと、夫は感情的に反発し、書面を出さない・裁判に遅刻するなどの対応を繰り返したのです。しかし、担当弁護士は、夫の感情を受け止めつつ柔軟に対応を進め、裁判が長期化しないよう入念な準備と対応を続けました。

    その結果、約1年で和解が成立し、親権・財産分与・養育費・慰謝料といった条件についても適切に取り決めたうえで離婚することができました。


    本事例のように、調停で不成立となっても、粘り強い対応と弁護士の戦略次第で早期解決できる可能性があります。また、その他の解決事例も多数掲載しておりますので、あわせてご覧ください。

    ベリーベスト法律事務所では、離婚・男女問題専門チームの弁護士が、あなたが新たな一歩を踏み出せるようサポートします。まずはあきらめず、当事務所までご相談ください。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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