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ATM扱いしてくる妻と離婚したい! 離婚前の準備と注意点

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更新日:2024年08月09日  公開日:2023年04月18日
ATM扱いしてくる妻と離婚したい! 離婚前の準備と注意点

「昔は仲が良かったものの、結婚生活が続くにつれてどんどん素っ気なくなり、今では妻からATM扱いに……」

夫婦関係の移り変わりに悩んでいる男性は少なくありません。そのなかには、「ATM扱いをしてくる妻と離婚したい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

旦那をATM扱いする妻とスムーズに離婚するには、事前の準備が必要不可欠です。弁護士のアドバイスを受けながら、有利な条件で離婚するための準備を整えましょう。

この記事では、自分をATM扱いする妻と離婚したい場合に知っておくべきことや注意点について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、ATM扱いしてくる妻とは離婚できるのか?

「家にはできるだけ帰って来ないで」「家族の問題や子育てには口を出さないで」「稼いできたお金は全部家に入れて」……このように、夫である自分を金稼ぎの道具としか思わず、ひたすら自分勝手に生活している妻に嫌気がさしている方もいらっしゃるかもしれません。

夫である自分のことをATM扱いしてくるという理由で離婚できるかどうかは、離婚手続きの種類によっても左右されます。まずは離婚手続きの種類と、離婚が認められる理由について確認しておきましょう。

  1. (1)離婚する方法は3種類|協議離婚・離婚調停・離婚裁判

    離婚方法には、「協議離婚」「離婚調停」「離婚裁判」の3種類があります。

    ① 協議離婚

    配偶者と直接話し合い、合意に基づいて離婚する方法です。

    ② 離婚調停

    裁判所にて非公開で行われる調停を通じて、有識者から選任される調停委員の仲介により話し合い、合意(調停)に基づいて離婚する方法です。

    ③ 離婚裁判

    裁判所の公開法廷で行われる訴訟を通じて、法定離婚事由の存在を立証し、判決によって強制的に離婚を成立させる手続きです。

  2. (2)協議離婚・離婚調停は理由を問わない

    協議離婚と離婚調停は、いずれも夫婦が話し合いによる合意のもとで離婚する手続きです。

    婚姻関係を終了すると夫婦が真剣に話し合って合意した以上、その合意内容は尊重されるべきことです。そのため、協議離婚と離婚調停については、離婚の理由は問われることなく、夫婦が合意さえすれば、離婚を成立させることができます

    「ATM扱いをする妻に愛想が尽きた」というのが本音であっても、その本音は脇に置いておき、離婚した方がお互いのメリットになると説得を試みるのも選択肢のひとつでしょう。うまくいけば、スムーズに離婚できる可能性があります。

  3. (3)離婚裁判は法定離婚事由が必要

    協議離婚や離婚調停がまとまらず、妻に離婚を拒否されるケースもあり得ます。そうなった場合、離婚を成立させるには離婚裁判しか方法がありません。

    離婚訴訟において、離婚を認める判決を得るためには、以下のいずれかの法定離婚事由を立証する必要があります(民法第770条第1項)。

    • 不貞行為
    • 悪意の遺棄
    • 3年以上の生死不明
    • 強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと
    • その他婚姻を継続し難い重大な事由


    妻が夫をATM扱いしているという事実は、その内容によっては、法定離婚事由のうち「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたると言える可能性があります。

    たとえば、妻が夫の収入が低いことを殊更に責め立てるなど夫に対して侮蔑的な言葉を浴びせ続けているような場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」が認められる可能性があります。

    上記のような悪質な行為がある場合には上記の法定離婚事由があると認められ、離婚も認められる可能性があります。しかしながら、もちろん内容にはよりますが、妻が夫をATM扱いしているということだけによって上記の法定離婚事由が認められる可能性は低いと言わざるを得ません。

    単に「ATM扱いされているから……」と抽象的に理由を述べるだけでは不十分で、妻が婚姻関係を破綻に追い込むような悪質な行為をしていることを、裁判所に対して説得的に主張することが必要です。

2、妻はなぜ自分をATM扱いするのか?

妻が夫をATM扱いする理由には、以下のようにさまざまなパターンが考えられます。

<ATM扱いをする理由の一例>
  • 家事や育児に非協力的な夫への関心を失ってしまった
  • 夫が過去に不倫をしたことを根に持っている
  • 価値観の違いが顕在化して愛情が冷めてしまった
  • 自分自身で生計を立てられる能力や自信はないが、良い生活はしたい
  • 子どもが自立するまでは一緒に暮らし、自立したら離婚しようと思っている
  • 離婚するような決定的な理由がないから一緒にいるだけ
  • 世間体を考慮して、離婚は避けたいと考えている


ATM扱いされるような理由に心当たりがあれば、一度しっかり妻と向き合ってみることをおすすめいたします。

それでも夫婦関係の修復が難しい場合には、弁護士のアドバイスを受けながら、離婚に向けた準備を進めましょう。

3、離婚に向けて考えておくべきことや注意点

自分をATM扱いする妻との離婚を目指す際には、以下の各点について事前によく検討しておきましょう。いずれも法的な論点にかかわるため、弁護士へのご相談をおすすめいたします。

  1. (1)法定離婚事由の有無を検討する

    法定離婚事由を立証できる見込みがあるか否かによって、離婚手続きをどのように進めるべきかが変わります

    法定離婚事由があるなら、訴訟も辞さない姿勢で強気の交渉ができるでしょう。
    一方、法定離婚事由がないと思われる場合には、どうにかして妻を離婚に同意させることを第一目標として、離婚条件については譲歩を検討すべきです。

    前述のとおり、「ATM扱いされている」というだけでは法定離婚事由として不十分なため、妻によるその他の悪質行為を立証できるかどうかがポイントになります。

    <悪質行為の一例>
    • 他の異性と不倫していた
    • 夫に侮蔑的な言葉を頻繁に浴びせていた
    • 夫や子どもに対して暴力を振るっていた
    • 正当な理由なく勝手に別居を始めて帰ってこない


    離婚手続きを進めるにあたっては、上記に挙げた事情などの立証に成功し、離婚裁判が認められる見込みがどの程度あるかを事前に検討しましょう。

  2. (2)婚姻期間中に取得した財産を把握する

    離婚条件のなかでも、金額が大きく、重要度が高いものが財産分与です。

    財産分与の対象となるのは、原則として、夫婦が婚姻期間中に取得した財産です。どちらか片方の名義であっても、財産分与の対象となります。ただし、相続や親族からの贈与によって得たものは、婚姻期間中に得た財産であっても、「特有財産」として、財産分与の対象にはなりません。

    財産分与に関しては、配偶者の所有する財産を把握することが困難なケースもあります。配偶者の財産を正しく把握できなければ、本来よりも多くの財産分与を強いられたり、配偶者から受け取る財産分与の額が減ったりすることになってしまいますので、離婚を切り出す前に財産を確認、調査しておくことをお勧めします。

    配偶者の財産をどのように探したら良いかわからないなども、弁護士にご相談されるとよいでしょう。

  3. (3)慰謝料請求の可否を検討する

    離婚に関して妻側に明確な責任がある場合には、慰謝料の請求も検討しましょう。
    慰謝料を請求できる場合としては、以下のようなケースが挙げられます。

    <慰謝料請求の一例>
    • 妻が不貞行為をした
    • 妻が侮蔑的な言動を繰り返した
    • 妻が暴力を振るった


    慰謝料額は具体的な事情によって異なりますが、おおむね50万円から300万円の範囲に収まることが多いです。

    いずれの理由に基づく場合でも、慰謝料請求を行う際には、不法行為の事実を立証し得る証拠の準備が必要不可欠です。弁護士のアドバイスを受けながら、有力な証拠をできる限り豊富に集めましょう。

  4. (4)子どもに関する離婚条件を検討する

    夫婦の間に子どもがいる場合は、子どもに関する以下の離婚条件についても、希望する内容を考えておきましょう。

    ① 親権

    離婚後の子どもの親権は、父母のどちらか一方のみが保有します。離婚訴訟では女性側に親権が認められるケースが多いですが、男性か女性かという類型によって判断されるものではなく、同居中にどちらが子育てをしてきたかによって判断されます。男性でも、子どもと一緒に過ごした時間が長く、子どもの世話をしてきたという実績がある場合には、親権を得られる可能性があります。

    ② 養育費

    子どもと同居しない親が、同居する親に対して、子どもの生活費や学費などを内容とした金銭(養育費)を支払います。一般的には父母双方の収入により、裁判所が公表している算定表に基づいて決定されますが、塾や習い事、私学に行っているかどうかなどによりその金額を調整することも多いです。

    ③ 面会交流の方法

    子どもと同居しない親が子どもと面会交流する頻度や方法などを取り決めます。



    なお、養育費や財産分与、慰謝料など金銭の支払いがある場合には、協議離婚の場合にも公正証書を作成し、その中に強制執行認諾文言を入れることが多くあります。強制執行認諾文言とは、決められたお金を支払わなかった場合には、直ちに強制執行を行ってよいとする文言のことです。
    この場合には、特に、養育費などを支払う側になる場合は、未払いを起こさないように十分注意が必要です。
    強制執行認諾文言が記載された離婚公正証書を作成した場合、養育費などの未払いが生じた段階で、新たな訴訟を経ずに、直ちに強制執行を申し立てることが可能です(民事執行法第22条第5号)。

    そのため、離婚公正証書によって取り決めた養育費等は、期限どおりにきちんと支払いましょう。その前提で、離婚の際には、慎重に取決めを行いましょう。

4、有利な条件で離婚するには事前準備が必要不可欠

十分な事前準備を整えずに、いきなり離婚の話を切り出すことは避けるべきです。妻から思わぬ反論を受けて動揺し、離婚手続きの主導権を握られてしまうおそれがあります。

妻から身体的・精神的な攻撃を受けているなどの危険な状況を除けば、着実に証拠資料を集めるなど準備を進めて、態勢を整えた状態で離婚を切り出しましょう。

早期に離婚を成立させるには、お互い冷静に話し合うことがベストですが、夫婦の関係によっては難しいケースもあるでしょう。

当事者間での話し合いによる離婚が難しそうであれば、弁護士へご相談ください。離婚に関する協議・調停・訴訟を全面的に代行し、早期・円滑な離婚の成立をサポートいたします

弁護士への依頼により、妻と直接離婚の話し合いをする必要がなくなるため、精神的なストレスが大きく軽減されるでしょう。また、離婚条件の決め方についても弁護士がアドバイスいたしますので、妻側の言い分に惑わされることもなくなります。
離婚を希望している方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

自分をATM扱いするような妻に愛想を尽かしたとしても、まずは落ち着いて離婚に向けた準備を整えることが大切です。弁護士のアドバイスを受けながら周到に準備を進めることが、有利な条件での離婚成立につながります。

ベリーベスト法律事務所は、離婚に関するご相談を随時受け付けております。
ATM扱いする妻との離婚を考えている方は、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。有利な離婚が実現できるように、ベストを尽くします。

この記事の監修
ベリーベスト法律事務所 Verybest Law Offices
所在地
〒106-0032 港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階 (東京オフィス)
設立
2010年12月16日
連絡先
[代表電話]03-6234-1585
[ご相談窓口]0120-663-031
※代表電話からは法律相談の受付は行っておりません。ご相談窓口よりお問い合わせください。
URL
https://www.vbest.jp
  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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