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妊娠中絶で慰謝料請求できる? 相場や請求方法を弁護士が解説

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更新日:2026年09月17日  公開日:2026年09月17日
妊娠中絶で慰謝料請求できる? 相場や請求方法を弁護士が解説

予期せぬ妊娠や中絶に直面し、心身ともに大きな負担を感じている中で、相手が責任を取らない・費用を払わない・音信不通になったなどの状況に、不安や怒りを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

中絶手術を受けることになった原因として、既婚者であることを隠されていた、結婚前提と言われていたのに妊娠を機に別れを切り出されたなどの事情があれば、「中絶の慰謝料」を請求できる可能性があります。

本コラムでは、中絶に伴う慰謝料請求が認められるケース、請求できる金額の考え方、必要な証拠や手続きなどについて、ベリーベスト法律事務所 離婚専門チームの弁護士が解説します。

目次を

1、中絶で慰謝料請求できる?

中絶に関する慰謝料請求が認められるかどうかについて、基本的な考え方を説明していきます。

  1. (1)中絶しただけでは慰謝料は発生しない

    中絶したという事実だけでは、原則として慰謝料は発生しません。

    妊娠や中絶は当事者双方の関係や事情の中で起こり得るものであり、単に中絶に至ったという結果だけで直ちに相手に法的責任が生じるわけではないためです。

  2. (2)相手に違法・不誠実な行為があれば請求できる可能性がある

    妊娠や中絶に至る過程で、相手の違法・不誠実な行為がある場合には、中絶慰謝料の請求が認められる可能性があります。具体的には、以下のようなケースです。

    • 性交渉に同意がなかった(不同意性交など)
    • 相手に「避妊している」とうそをつかれていた
    • 既婚者であることを隠されていた(独身偽装)
    • 結婚前提だったのに、妊娠を機に婚約破棄された
    • 脅迫・強要・暴言などで人工妊娠中絶を強いられた


    一方で、合意のある交際関係で妊娠し、双方の話し合いで中絶を決めた場合などは、原則として慰謝料請求は認められにくい傾向にあります。

    弁護士コメント
    遠藤 知穂
    ベリーベスト法律事務所 弁護士 遠藤 知穂
    中絶で慰謝料請求ができるかどうかは「中絶した事実」ではなく、妊娠・中絶に至る過程における相手の行為内容が重要な判断要素です。冷静に判断するのが難しい場面ですから、ひとりで答えを出そうとするのはおすすめしません。

2、中絶の慰謝料請求で受け取れる金額はどのくらい?

中絶による慰謝料は一律に決まっているものではなく、個別の事情によって大きく異なります。以下では、慰謝料の考え方や請求できる費用、時効について説明します。

  1. (1)中絶による慰謝料額は個別事情で決まる|金額に影響する主な要素

    中絶による慰謝料額の相場は50万~150万程度と言われることもありますが、明確な基準はなく、事案ごとの事情を踏まえて判断されます。考慮される主な事情は、以下のとおりです。

    • 既婚者であることを隠すなど、重大な虚偽があったか
    • 婚約関係や結婚前提の関係がどの程度具体的であったか
    • 強要や脅迫、暴言など、行為の悪質性の程度
    • 精神的苦痛の大きさや通院状況
    • 妊娠週数や生活・仕事への影響


    たとえば、独身偽装をして交際・妊娠させた場合や、結婚に向けた具体的な準備が進んでいたにもかかわらず妊娠を機に関係を解消された場合などは、相手の責任が重いと評価され、慰謝料額も高くなる可能性があります。

  2. (2)中絶による慰謝料以外に請求できる費用

    中絶に関する請求では、慰謝料に加えて、中絶に伴って実際に生じた費用も請求できる可能性があります。たとえば、慰謝料以外に請求できる可能性がある損害は、以下のとおりです。

    • 人工妊娠中絶手術費用
    • 通院費
    • 交通費
    • 休業損害(仕事を休んだ場合)


    ただし、妊娠について双方に一定の合意があった場合は、これらの費用の全額を相手に請求できるとは限りません。多くのケースでは、事情に応じて分担割合が判断されます。

  3. (3)慰謝料請求の時効は3年

    慰謝料請求権には時効があり、原則として、損害および加害者を知ったときから3年で消滅します。

    時間の経過とともに証拠の確保が難しくなり、請求自体が困難になるおそれもあるため、請求を検討している場合は、早めに証拠や事実関係を整理しておくことが重要です。

3、中絶で慰謝料請求するために必要な証拠と手続きの進め方

ここからは、中絶で慰謝料請求するために必要な証拠と手続きの進め方について解説します。

  1. (1)中絶の慰謝料請求で必要となる主な証拠

    慰謝料請求では、証拠の有無が結果に大きく影響します。

    中絶の慰謝料請求では、「妊娠・中絶の事実」と「相手の違法または不誠実な行為」の両方を証明しなければなりません。主な証拠としては、以下のようなものが挙げられます。

    • 妊娠や中絶の事実を示す医療記録(診断書・母体保護手術の記録など)
    • 交際や婚約関係を示すLINEやメール、写真
    • 独身と偽っていた、結婚を約束していたやり取り
    • 人工妊娠中絶手術費用の領収書
  2. (2)中絶を理由に慰謝料請求するときの進め方

    相手に中絶の慰謝料請求をするときは、一般的に次のような流れで進みます。

    ① 慰謝料額や請求内容の整理

    まず、妊娠・中絶の経緯や相手の不誠実行為、精神的苦痛の程度などを整理し、請求内容を明確にします。また、証拠資料をもとに、慰謝料額や手術費用などの請求項目を検討も進めていきましょう。
    この段階で事実関係と証拠を整理しておくことが、その後の交渉を有利に進めるうえで重要です。

    ② 内容証明郵便などで請求

    請求内容が固まったら、内容証明郵便などの書面で正式に慰謝料請求を行います。内容証明郵便を利用して請求することで、請求の事実や時期を証拠として残すことが可能です。
    また、法的請求であることを明確に示すことで、相手が交渉に応じる可能性も高まります。

    ③ 交渉・示談

    内容証明郵便の送付後は、当事者間または代理人を通じて示談交渉を行います。合意できた場合は、支払金額や期限などを定めた示談書を作成して解決となります。
    将来の紛争防止のためにも、示談内容は書面で残すことが重要です。

    ④ 示談不成立の場合は調停・訴訟

    交渉で合意できない場合は、調停や訴訟を検討します。
    専門家ではない方が自分ひとりで対応するのも難しいことですので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
  3. (3)相手に連絡する場合の注意点

    相手に直接連絡する場合は、以下の点に注意が必要です。

    • 感情的な言動や脅迫的な表現を避ける
    • SNSなどで情報を公開・拡散しない
    • 事前に証拠を確保してから連絡する


    感情的なやり取りや情報の公開は、名誉毀損など別のトラブルに発展するおそれがあります。また、証拠を確保する前に連絡すると、相手にデータを削除されるリスクもありますので注意が必要です。

4、中絶の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

中絶に関する慰謝料請求は精神的な負担が大きく、当事者同士での交渉が難しいことも少なくありません。また、相手が責任を認めない、連絡が取れないといった場合には、対応自体が大きなストレスになることもあります。

ひとりで全てを乗り越えようとする必要はありません。つらい時期だからこそ弁護士に相談することで、法的な観点から適切な対応を検討することができます。

  1. (1)相手と直接やり取りせずに済む(精神的負担の軽減)

    弁護士が代理人となることで、相手との連絡や交渉を任せることが可能です。

    特に、中絶に関する問題では、相手とのやり取り自体が心理的苦痛を伴う場合も多く、連絡のたびに当時のつらい出来事を思い出してしまうこともあるでしょう。

    そのようなときこそ、弁護士が窓口になることで当事者が直接連絡を取る必要がなくなり、精神的な負担や不安の軽減につながります。

  2. (2)適正額の慰謝料を交渉できる

    慰謝料額は個別事情によって決まるため、法的知識がないまま交渉すると不利な条件で合意してしまうおそれがあります。

    弁護士に相談・依頼をすれば、個別具体的な事情を踏まえた適正額の算定や相手方との交渉方針について、アドバイスを受けることが可能です。また、根拠を示したうえで交渉を進めることで、合意による早期解決も期待できます。

  3. (3)有効な証拠の収集についてアドバイスを受けられる

    慰謝料請求では証拠が重要ですが、独身偽装や婚約関係、不倫関係の立証には、どのようなやり取りや資料が必要か判断するのは容易ではありません。

    弁護士であれば、証拠として有効になり得る資料の種類や保存方法、追加で収集すべき情報など、具体的なアドバイスをすることが可能です。あらかじめ弁護士に相談してから行動することで、請求の実現可能性を高められるでしょう。

  4. (4)必要書類の作成や提出などのサポートを受けられる

    内容証明郵便や示談書、訴訟書類などに不十分な記載や不利な条項があると、後の紛争の原因になることもあります。

    弁護士に依頼すれば、内容証明郵便の作成から交渉、示談書作成、訴訟手続きまで一貫したサポートを受けられます。また、法的に有効で紛争予防にも配慮した書面を整えることができますので、手続き面の不安や負担を大きく軽減することが可能です。

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5、まとめ

中絶の慰謝料請求は、全てのケースで認められるわけではありません。
たとえば、既婚者であることを隠されていた独身偽装や、結婚前提だったのに妊娠を機に破棄された場合などには、慰謝料請求が認められる可能性があります。

しかし、慰謝料請求には原則3年の時効があるため、早めに証拠や事実関係を整理しておくことが重要です。

中絶による慰謝料請求は、精神的負担の大きい手続きといえます。対応に不安がある場合は、
離婚・男女問題の実績が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。当事務所にご依頼くださったお客さまからは、以下のようなお声をお寄せいただいております。



不安や葛藤をひとりで背負う必要はありません。弁護士のサポートを受けながら、解決に向けて着実に進めていきましょう。


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本コラムの監修者
離婚や遺産相続を中心に、家族関係の問題に注力する弁護士。
離婚等の夫婦関係に関連する事件について、親権や監護権に関する紛争、不貞慰謝料請求、婚姻費用紛争など多数の経験・実績を有する。CanCamでの不倫にまつわる法律相談をはじめとしたメディア監修も行う。
子どもがいる母親としての経験も生かしながら、地に足の着いた具体的な主張を行い、「自分らしく生きるお手伝いをしたい」という想いで気持ちに寄り添ったサポートをしている。

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