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協議離婚で決めたことは公正証書にすべき?

2017年02月01日
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協議離婚で決めたことは公正証書にすべき?

3組に1組に離婚すると言われている昨今ですが、その離婚の9割が話し合いによる離婚、すなわち協議離婚です。
協議離婚の場合、当事者が離婚条件についてある程度自由に決められますが、一度決めた条件を一方配偶者が守ってくれないこともあり得ます。そんな時には、話し合いで決めた離婚条件を公正証書にすると効果的です。

本稿では、作成した離婚協議書を公正証書にする場合のメリットや手続きの流れなどについてお話していきます

1、離婚時に公正証書にする書面とは?

  1. (1)そもそも公正証書とは?

    「公正証書」という言葉を一度は聞いたことがある方はいらっしゃると思いますが、公正証書とは、公証役場にいる公証人(裁判官や検察官などを退職された方が多いです。)が作成した公文書のことを言います。

  2. (2)離婚協議書は公正証書にすべき!

    協議離婚する際には、通常、離婚条件について話し合った内容を離婚協議書という形でまとめますが、作成した協議離婚書を公正証書としておくことで、様々なメリットがあります。もちろん、デメリットもあります。
    次項以降で、協議離婚書を公正証書にするメリットとデメリットについて説明します。

2、離婚協議書は公正証書を作成する場合のメリット・デメリット

  1. (1)メリット

    ①強制力がある
    強制力があるという点が、公正証書を作成する一番のメリットですが、そもそも強制力があるとはどういうことでしょうか。
    もし、離婚協議書は作成したものの公正証書にしないまま離婚し、その後相手が離婚条件を守らなかった場合、別途裁判や審判などをして勝訴判決(審判)をもらわないと相手にその履行を強制(例えば相手の給与を差し押さえするなど)できません。

    しかし、公正証書を作成し、後に説明する強制執行認諾文言を付しておけば、相手が離婚条件を守ってくれない場合にわざわざ裁判や審判などに時間とお金をかけずに、作成した公正証書をもとに相手の財産を差押えて強制的に相手から合意した金銭の支払いをけることができるのです。
    これが、「強制力がある」という意味です。

    ②合意した内容を文書化しておける
    強制執行が問題とならないものであっても、合意の内容を文書化しておくことにより、後々のトラブル(言った言わない)が防げますし、公証人は法律の専門家ですので、いろいろアドバイスを受けることもできますので、適正な内容の合意となることが期待できます。

  2. (2)デメリット

    ①費用がかかる
    しかし、離婚協議書を公正証書にするにはお金がかかります。
    具体的には、以下の通りです。

    100万円まで…5,000円
    200万円まで…7,000円
    500万円まで…11,000円
    1000万円まで…17,000円
    3000万円まで…23,000円
    5000万円まで…29,000円
    1億円まで…43,000円
    3億円まで…5,000万円ごとに13,000円加算
    10億円まで…5,000万円ごとに11,000円加算
    10億円超…5,000万円ごとに8,000円加算

    ※この金額はどこの公証役場でも同じです。

    そして、いくら費用がかかるかは相手に請求する金額を基準にします。例えば、慰謝料や財産分与など1,000万円を相手に請求する場合には17,000円、4,000万円を請求する場合には29,000円かかるということになります。

    ②時間がかかる
    また、離婚協議書を公正証書にするのにはそれなりの時間がかかります。
    公証役場の混雑状況などにもよりますが、早くて数日から1週間くらいはかかると思っておきましょう。

3、離婚協議書を公正証書にする手続きは自分でできる?

離婚協議書を公正証書にしようとした場合、必ず原則として夫婦そろって公証役場に行って公証人に離婚協議書を公正証書にしてもらう必要があります。ですので、相手と顔を会わせたくない、一緒に行きたくないなどの事情がある場合、弁護士等に依頼して代わりに公証役場へ行ってもらうことも可能です。

4、離婚協議書を公正証書にする流れ

ここでは、離婚協議書を作成して実際に公正証書にするまでの流れについて説明します。

  1. (1)夫婦間で離婚条件について話し合う

    まずは、夫婦で以下の離婚条件等について話し合って決めます。

    • 親権者の指定(子供がいる場合)
    • 養育費の支払いの有無及び金額(子供がいる場合)
    • 面会交流(子供がいる場合)
    • 慰謝料の支払いがあるのかどうか及び支払う場合の金額
    • 財産分与の支払いの有無及び金額
    • 年金分割(年金分割の対象になる場合
    • その他の条件

  2. (2)離婚条件が決まったら離婚協議書を作成する

    上記の離婚条件が決まったら、実際に決まった通りに離婚協議書を作ります。その際には、上記離婚条件以外にも、離婚することに合意した旨及び作成する離婚協議書を公正証書にするか否かについても記載します。
    詳しくは、以下で説明します。

    ①夫婦が離婚することに合意した旨の記載
    まずは、夫婦が離婚することに合意した旨を記載します。

    ②親権者の指定
    夫婦のいずれが親権者になるのかについて記載します。

    ③養育費
    養育費について、具体的には、以下のような事項を記載します。

    そもそも養育費を支払うか否か

    • いくら支払うのか(子が複数の場合各々定める)
    • 支払い期間(子が複数の場合、各々定める)
    • 支払い方法
    ④面会交流
    面会交流について、具体的には、以下のような事項を記載します。
    • 面会交流の頻度
    • 面会交流の内容(時間、場所、引き渡し方法等。)
    • 面会交流日時の決め方(第1土曜日等と決まっていない場合)
    • 面会交流にかかる費用の取り決め
    ⑤財産分与
    財産分与について、具体的には、以下のような事項を記載します。
    • そもそも財産分与をするか否か
    • 財産分与の対象となる財産(誰が何を取得するのか)
    • 支払いの方法(一括か分割か)や時期
    • 不動産の場合は、登記に関する事項も記載しておく
    ⑥慰謝料
    慰謝料について、具体的には、以下のような事項を記載します。
    • そもそも慰謝料を支払うのか否か
    • いくら支払うのか
    • いつ支払うのか
    • 支払い方法(一括か分割か)
    など

    ⑦年金分割
    年金分割についてもその旨記載します。
    なお、年金分割には、合意分割と3号分割がありますが、合意分割の場合にのみ記載します。

    ⑧公正証書にするか否か
    公正証書にするか否かについて記載します。
    この場合、強制執行認諾文言付のものであることを明記しておくとよいでしょう。

    ⑨清算条項
    離婚協議書で合意した以上のことはお互い請求しないという清算条項を入れておくと安心です。

  3. (3)離婚協議書を公正証書に作成する流れ

    実際に離婚協議書を作成して公正証書にする場合には、以下の流れになります。

    1.離婚条件について夫婦で話し合いの上離婚協議書を作成
    2.公証役場での事前協議及び必要書類の確認※夫婦の一方が出向けば足ります。この段階で公正証書を作成する日程を決めます。まずは公証役場に電話してみましょう。
    3.公証役場を訪問※夫婦の双方が出向く必要があります。ただし、代理人を立てた場合には代理人でも可能です。
    4.公正証書の完成

5、離婚協議書の記載例(雛形)

参考までに、離婚協議書のテンプレート(雛形)を用意しました。ぜひ、ご活用下さい。
離婚協議書○○○○(以下、「甲」という。)と●●●●(以下、「乙」という。)は、本日次の通り離婚協議に合意したので、本書を二通作成の上、各自一通ずつ保管するものとする。第1条(離婚合意)甲と乙とは、協議離婚することおよび甲乙は離婚届用紙に所要事項を記載し署名押印のうえその届出を甲に託し、甲が直ちにその届出を行うことを合意した。第2条(親権者の定め)甲乙間の未成年の子「長男○○」(平成○年○月○日生、以下「丙」という。)の親権者を乙と定める。第3条(離婚合意)1 甲は乙に対し、丙の養育費として平成○年○月より丙が20歳に達する日の属する月まで、1ヶ月○円を毎月末日限り、丙名義の○○銀行○○支店普通預金口座○○○○○○○に振り込む方法により支払うものとする。その際の振込手数料は甲の負担とする。2 丙の病気等による入院費用等の特別な費用については、甲乙が協議の上、別途甲が乙に対し、その必要費用を支払うものとする。第4条(慰謝料及びと支払方法)甲は、乙に対し、慰謝料として金○○円の支払義務があることを認め、これを○○銀行○○支店普通預金口座○○○○○○○に振り込む方法により支払うものとする。その際の振込手数料は甲の負担とする。第5条(強制執行認諾文書付公正証書の作成)甲と乙は、本書作成後に本書に記載の事項による強制執行認諾文書付公正証書を作成することに合意する。第6条(清算条項)甲、乙及び丙は、本件離婚に関し、今後、名目の如何を問わず、互いに何らの財産上の請求をしない。この公正証書に定めるほか、何らの債権債務のないことを相互に確認する。平成○年○月○日甲 ○○ ○○ 印乙 ○○ ○○ 印
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ワード形式ファイル

6、離婚協議書を公正証書にする場合に弁護士に依頼するメリットとデメリット

  1. (1)メリット

    まずは、夫婦で以下の離婚条件等について話し合って決めます。

    ①離婚協議書の作成の手間が省ける
    先程、離婚協議書の雛形についてご紹介しましたが、これを一から作成するのは大変な作業だと思います。
    この点、弁護士にご依頼頂ければ、離婚条件に漏れのない離婚協議書を作成することができます。

    ②公証役場に行く手間が省ける
    離婚協議書を作成するには最低でも1回平日の日中に公証役場に行く必要があります。
    しかし、お仕事などの関係から日中に時間がとれない方もいらっしゃると思います。
    もし、弁護士に依頼して頂ければ、弁護士があなたの代わりに公証役場に行って手続きを進めますので、ご自身で公証役場に行く手間が省けます。

  2. (2)デメリット

    これに対して、弁護士に依頼するデメリットとしては、弁護士費用がかかることがあります。
    協議離婚書の作成を依頼する場合の費用は、おおよそ10万円ほどです(但し、あくまで当事者間で離婚条件の合意が出来ている場合の費用ですので、そもそもまだ条件について交渉中という場合は別途交渉のための費用がかかります。)。

    そして、離婚協議書を公正証書にしてもらうためには、日当として5万円程度かかります。

まとめ

今回は、離婚協議書を公正証書にする場合に知っておいてほしい事柄について説明していましたが、本稿が離婚協議書を公正証書にしようか悩まれている方のご参考になれば幸いです。

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