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弁護士コラム 離婚・男女問題SOS

離婚の手続き「どうすればいい?」を解決するケース別一覧

2017年04月19日
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離婚の手続き「どうすればいい?」を解決するケース別一覧

離婚することを決意した。
離婚が決まった。
そんな時、必要となるのが法的な様々な手続きです。

結婚もそうですが、離婚する場合も役所などで手続きをしなければならないことは変わりません。なぜなら、結婚も離婚も、届出を成立の要件とする法的な契約行為であるからです。

しかし、その手続きの数や種類は、それぞれ異なります。
結婚するときは、婚姻届の提出と、どちらかが引っ越しをする場合はそれに伴う手続きだけで完了します。人によっては、印鑑登録や健康保険などの変更も伴いますが、多くのケースで一度役所へ足を運べば完結する手続きがほとんどです。

形式的なところでは、婚姻届を出すというワンアクションで、婚姻が成立し、そこから以下の効果が生じます。
婚姻により、夫婦は同じ名字になります(民法750条(以下、特に明示しない限り、条文は民法の条文とします。))。そして、夫婦には同居・協力扶助義務が生じ(752条)、互いに貞操義務も負います。また、未成年者が婚姻をした場合には婚姻により成年に達したものとみなされます(753条)。
財産上は、夫婦財産契約を締結しない場合には、夫婦は、婚姻費用を分担し(760条)、夫婦の一方が日常の家事に関する債務の連帯責任を負い(761条)、及び、夫婦間における財産は、婚姻前から有する財産および婚姻中自己の名で得た特有財産以外については、夫婦の共有となる(762条)との効果が生じます。
また、互いの両親等と親族関係が発生する(725条)とともに、夫婦の一方が亡くなった場合には、配偶者として相続人となります(890条)。

しかし、離婚した場合は、離婚届の提出による効果は、婚姻届の場合と比較すると限定的です。
婚姻自体は、両者が離婚の意思を有した状態で離婚届の提出(届出)をすれば、終了します。しかし、婚姻に伴い変更された名字、婚姻生活中に得た車や不動産などの財産、子どものことなど、そのほかにも付随する問題があるため、事態は複雑です。これらの問題をすべて解消するための手続きは、一日で終了することはできません。

そこで今回は、離婚した後に必要となる手続きを、一般的なケースごとにご紹介します。

1、離婚を決めた! そのとき必要な手続きは?

離婚をしたいけれど、そのためにはどんな方法・手続きがあるのだろう?
そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。最終的には離婚届の提出が必要となるのは、ご推察の通りです。しかし、冒頭でも述べたとおり、婚姻届を提出するだけで様々な効果が生じる婚姻と、婚姻中の生活で積み重ねてきた様々なことが問題となり、離婚届の提出だけですべてを解決できない離婚とでは、方法・手続きが異なり、複雑です。

多くの離婚経験者が「結婚そのものは勢いでできるけれど、離婚はできない」と口をそろえるのは、離婚までにもめてしまいがちなことと、手続きの複雑さによるものでしょう。
そこでまずは、離婚届を出すまでに、どのような方法・手続きがあるのかを見てみましょう。

  1. (1)話し合いで進められる場合

    話し合いなどを経て、裁判所の力を借りずに離婚へ至ったケースは、協議離婚と呼ばれています。厚生労働省の調査によると、2014年には、離婚全体のうち87.4%が協議離婚です。いかに多くの夫婦が協議離婚を選択しているかがわかるでしょう。
    互いに顔を合わせて話し合いを行い、金銭面・親権などなど、様々な面においても互いに納得して離婚ができれば、なにも言うことはありません。離婚に至るまで裁判所が関与することなく、離婚届を提出し、各状況に応じて、離婚後に必要な手続きを行うことになります。

  2. (2)話し合いができそうにない場合

    離婚には、協議離婚のほかに、離婚までの過程ごとに下記の離婚方法があります。

    • 協議離婚が難しい場合、家庭裁判所の調停を利用する調停離婚。
    • 調停で決着がつかない場合、裁判所が判断を下す審判離婚。
    • 調停や審判による離婚が難しい場合は裁判で決着をつける、裁判離婚。
    相手が話し合いの場に出てこない、話し合いをしても話が平行線となってしまい結論が出ない、相手の顔を見て話をするのが辛い……。 そのようなケースでまず活用されるのが、調停離婚です。

    離婚調停は正式には「夫婦関係調整調停(離婚)」と呼ばれ、男女2名の調停委員が双方の言い分を交互に聞き、適切な落としどころについてアドバイスをしてくれる場所です。
    交互に話ができるので、相手の顔を見ることなく自分の主張ができることが大きなメリットです。調停は、あくまで話し合いの場なので、離婚するかしないか、子どもの親権や養育費をどうするか、財産分与をどうするか等を自分たちで決めることになります。

    なかには、話し合いをしたくないので、調停をせずに、すぐに裁判で決めてほしい!
    と思われる方もいるかもしれません。
    しかし、離婚裁判を裁判所に起こすには、必ずその前に調停を行わなければなりません(家事事件手続法244条、257条1項)。

    調停を起こすために必要な手続き(調停の申立て)は、相手方の住所地の家庭裁判所か、当事者の合意により決められた家庭裁判所に対してする必要があります(家事事件手続法245条1項)。

    東京家庭裁判所に離婚調停を申し立てる場合、以下に挙げる書類を提出することが必要です。

    <基本的な書類>
    • 「夫婦関係調整調停申立書」3通(裁判所用、申立人用及び相手方用)
    • 「事情説明書」(離婚調停を申し立てた理由等を記載する書類)1通
    • 「進行に関する照会回答書」(調停で顔を会わせたくない理由等を記載する書類)1通
    • 「連絡先等の届出書」1通
    • 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明)(3カ月以内に発行されたもの)1通
    • 子についての事情説明書1通 *未成年の子がいる場合

    <内容に応じて必要となる書類>
    • 連絡先などを相手に知らせてほしくない場合は「非開示の希望に関する申出書」1通
    • 子どもがいる場合は「子についての事情説明書」1通
    • 年金分割を求める場合は「年金分割のための情報通知書」1通
    裁判所によって必要となる書類が異なるケースがありますので、実際に申し立てるときには、念のため、管轄の裁判所に問い合わせてみたほうが良いでしょう。わからない場合は、弁護士や行政書士など専門家に依頼するのもひとつの手です。

2、話し合いで離婚決定! 協議離婚時に必要となる手続きは?

多くの方が選択する協議離婚。
離婚届を提出するだけで離婚そのものは成立し、離婚後にそれぞれの状況に応じた手続きを行うことになります。ある意味、最も負担が少ない離婚方法かもしれません。

しかし一方で、あとから「離婚時にちゃんと決めておけばよかった……」と後悔し、場合によっては大変不利な生活状況に陥ってしまったにもかかわらず、泣き寝入りするしかなくなるケースも少なくありません。

後悔を少しでも減らすために、離婚届を出すだけでなく、ほかにやるべき手続きはあるのでしょうか?

  1. (1)何はともあれ離婚届を提出

    協議離婚の場合、主な手続きはやはり離婚届を役場に提出しに行くことが最大の手続きとなります。それぞれの戸籍と離婚届をあらかじめ用意して、市区町村の役所で提出してください。

    そのほかに、付随する手続きについては、個々の状態によって異なります。
    住所や戸籍変更、さらには財産分与などの手続きについては、このページの「4. 住所や戸籍変更、財産分与で発生する手続きあれこれ」を確認しましょう。
    子どもがいて親権を取った場合は、「5. 子どもがいる場合必要となる手続き」を確認してください。

  2. (2)離婚自体でもめた場合は、必要に応じて婚姻届不受理申出を!

    離婚ともなると、多くのケースでもめ事が起きます。これまで一緒に築いた財産や子どもの問題だけでなく、戸籍にバツがつくと言って嫌がるケースもあるでしょう。また、あなた自身は離婚したいのに、相手はいまひとつ納得していないこともあるようです。

    ごくまれにですが、一方が離婚に消極的で渋々離婚届の提出に応じたという場合に、元配偶者が勝手に婚姻届を提出してしまうことがあります。元配偶者がストーカー化する危険があるときなどは、離婚届の提出と同時に、本籍地の市区町村の戸籍課へ婚姻届不受理申出をしておきましょう。

    あらかじめ、婚姻届不受理申出をしておけば、婚姻届が受理されることはありません。実際に申出をする際には、本籍地の市区町村の戸籍課等にお問い合わせいただくとよいでしょう。

  3. (3)可能なかぎり離婚協議書をつくろう

    離婚協議書とは、離婚した時に取り決めた約束事を書面化したものです。
    離婚の際には、財産分与や親権、養育費、面会交流、慰謝料など取り決めておくべきことが多々あります。しかし、多くの場合は、なんの約束もせずに離婚してしまうか、口約束で終わるか、もしくは簡易なメモ書き程度で終わらせてしまうケースがほとんどのようです。

    そのため、実際に離婚をしてしまってから、生活面などで困ったとしても、どうすることもできないというケースが多々あります。よくニュースでも「養育費を払ってくれない」と話題になりますが、多くの場合、公的な書面として残していないために、後々のトラブルを引き起こしてしまっているのです。

    離婚後、養育費の不払いなどのトラブルが起きたとき、離婚協議書を作成しておくことで、合意内容を巡った水掛け論を避けることができます。さらに離婚協議書を「公正証書」として作成しておけば、養育費や慰謝料などの支払いが怠ったときには、即座に強制執行の手続きを取ることが可能となります。

    <離婚協議書の作り方>

    1.夫婦間で離婚する際に話し合った内容を書面に残します。
    ●離婚協議書に記載する主な内容
    離婚を合意した旨の記載(離婚に合意したこと、離婚届提出日など)
    財産分与(財産分与の対象となるもの、金額、受け渡しや支払いの方法など)
    親権者(監護権者)の指定
    養育費(子どもに対する養育費の金額、期限、支払い方法など)
    面会交流(子どもとの面会交流の有無やその内容など)
    慰謝料(支払金額、期日、支払い方法など)
    年金分割(年金分割の手続きをすること)

    2.作った協議書をそれぞれで保管しておく

    3.公正証書にするかどうかを決める
    離婚協議書を公正証書にするメリットは、大きなところで2つあります。
    1つは、証拠としての信用性が高くなること、もう1つは、公正証書の中に強制執行認諾約款を記載しておけば、裁判を経ることなく強制執行をすることが可能になる(執行力を有する)ことです。
    まず1つ目、証拠としての信用性については、通常の契約書のままであると、裁判になった場合に文書の成立と内容(合意した事実やその内容)について疑いが生じることがあります。これを公正証書にしておくと、成立や内容が真実に基づくものと推定されます。
    次に挙げた、裁判を経ることなく強制執行をすることが可能になる(執行力を有する)というメリットが、公正証書にしておく最大のメリットです。
    公正証書は、その中に強制執行認諾約款というものを記載することで、判決と同じ執行力というものを有することになります。すなわち、離婚協議書を作成したとしても、それを通常の契約書のままにしておくと、相手が約束を守らず養育費等を支払わないという場合に、裁判を起こし、そこで勝訴判決を得なければ、相手の給料債権を差し押さえるなどの強制執行をすることはできません、ところが、これを公正証書にしておくと、裁判を起こし、勝訴判決を得るというステップを踏むことなく、直ちに強制執行を申し立てることが可能になりますので、早期にしかも費用を抑えて問題を解決することができます。

    一方で注意しておきたいのは、、離婚協議書を公正証書にするためには、費用がかかるという点です。公証人手数料令9条により、「法律行為の目的の価額の区分に応じ」て費用が決まりますので、内容によっては多額の金額がかかることもあり得ます。この点は、事前に公証役場に確認しておくとよいでしょう。

    <公正証書の作成方法>
    1. 公正証書にできる、離婚協議書を作成する
    2. 配偶者と揃って公証役場へ出頭する
    3. 公証役場に提出し、公証人にその内容に誤りがないかチェックしながら作成してもらう

    離婚協議書がなくても、そしてそれを公正証書にしなくても、もちろん離婚はできます。
    しかし、後々のトラブルから身を守るため、できる限り作成しておいた方がよいでしょう。その際、どうしたらよいのかわからない、書類の作成が難しい、自分に不利な内容を残したくないとお考えならば、行政書士や弁護士などの専門家の手を借りることをお勧めします。

3、調停・裁判離婚が決定! 為すべき手続きは?

離婚調停を申し立て場合は、まずは数回にわたる調停が行われます。月に一度、数時間程度の話し合いとなるため、協議離婚よりは時間がかかるものと考えておいた方がよいでしょう。

調停において、離婚についての合意ができると、調停が成立します。合意しなければ不調となり、審判、もしくは裁判へ進みます。審判離婚や裁判離婚に至るケースはごく少数です。離婚に至った夫婦のおよそ1割のみが調停を申し立てる中、平成27年度の司法統計年報によるとと、調停から裁判へ至った比率はたったの3.84%のみです。
そこでここでは、調停離婚をした場合における、必要な手続きについて記載します。

  1. (1)調停調書を受け取ろう

    調停が成立したら、裁判所に申請して、調停調書正本、下で説明する届出のための調停調書謄本を受け取りましょう。調停調書の作成には約1週間かかります。
    この調停証書には、裁判の確定判決と同じ効力があります。万が一、約束を反故にされた場合には、強制執行を申し立てることができます。

  2. (2)速やかに戸籍の手続きを!

    調停離婚が成立した場合、調停離婚成立日から10日以内に調停調書の謄本と離婚届を役所の戸籍課に提出します。そのため、調停調書は郵送も可能ですが、現実的にはご自身で裁判所へ取りに行き、その足で離婚届を提出する方がよいでしょう。なお、本籍地以外で届け出る場合には、戸籍謄本1通を持参する必要がありますので、注意してください。

    そのほかに、付随する手続きについては、個別の事情によって異なります。
    住所や戸籍変更、さらには財産分与などの手続きについては、このページの「4. 住所や戸籍変更、財産分与で発生する手続きあれこれ」を確認しましょう。
    子どもがいて親権を取った場合は、「5. 子どもがいる場合必要となる手続き」を確認してください。

4、住所や戸籍変更、財産分与で発生する手続きあれこれ

離婚届を提出したのち、そのまま役所でできる手続きをすべて行っておけば、役所に行く回数を減らすことができます。何度も足を運ばずに済みます。引っ越しが伴う場合には、転居届などの手続きも忘れずに。

結婚するときに相手の名字に変更していた方は、離婚時に、結婚前の旧姓に戻すか、婚姻時の名字を使い続けるかを選択できます。
婚姻中の名字を離婚後も使用する場合(婚氏続称)は、「離婚の際に称していた氏を称する届出」を提出します(767条2項、戸籍法77条の2)。この手続きは3カ月以内に行う必要があります。この場合、戸籍については、新たに本籍地を決めて自身が筆頭者の新たな戸籍をつくることになります。
旧姓に戻る場合は、書面の提出は不要ですが、親の戸籍に戻るか、自身が筆頭者の新たな戸籍をつくるかを指定しなければなりません。
これらの手続きも市区町村の役所でできるので、同時進行で進めましょう。
なお、新たな戸籍は、届出してすぐにはできません。その後のスケジュールをたてるためにも、役所に完成の目途を確認しておくことが必要です。

<市区町村の役所でできる手続き一覧>

●戸籍課(住民課)

  • 「離婚の際に称していた氏を称する届出」の提出
  • ⇒離婚後も旧姓に戻さず、結婚していたときと同じ名字を使い続ける場合のみ。
  • 住民票の移動(転居、転入)、 新しい住民票を取得
  • ⇒引っ越しするときは必須
  • 世帯主変更届(住民票の世帯分離)
  • ⇒離婚後も、元夫と元妻が同じ住所に住み続ける場合に必要
  • 印鑑登録
  • ⇒「氏」または「氏と名」で印鑑登録している場合は、再度印鑑登録の手続きが必要
  • その他公的身分証 (住基カードやマイナンバー カード等)の書き換え

●健康保険課
  • 国民健康保険の加入手続き
    会社員の夫(又は妻)の健康保険に被扶養者として加入していた場合には、離婚後、夫(又は妻)の健康保険組合から被扶養者資格喪失証明書を受け取ります。
    この上で、離婚の後に就職した場合には、就職先の健康保険組合に加入することになります。
    就職しない、自営業者になる、又は社会保険を備えていない会社に就職したという場合には、役所の健康保険課等に行き、被扶養者資格喪失証明書を提出した上で国民健康保険の加入手続きを取る必要があります。
  • 年金の種別変更手続き 離婚前、第3号被保険者(会社員や公務員など国民年金の第2号被保険者に扶養される配偶者(20歳以上60歳未満))で、離婚後に無職又は自営業である場合には、第1号被保険者として国民年金の種別変更の手続きが必要になります。離婚と同時に社会保険を備えた会社に就職するのであれば、就職先が第2号被保険者に変更する手続きをしてくれます。

<その他の手続き>
  • 運転免許証の書き換え手続き
  • パスポートの変更手続き
    ⇒新たな戸籍の謄本を提出する必要があります。子どものパスポートも変更するときは、一度に手続きすれば戸籍全部証明書が1通で済みます。
  • 郵便物の転送手続き
  • 電気・ガス・水道などの手続き
    ⇒引っ越しを行った場合は必要となります。
  • 預金通帳、クレジットカードの氏名や住所変更
    ⇒金融機関によって必要書類が異なります。事前に確認しておきましょう。
  • 自動車の名義変更手続き
    ⇒元配偶者名義の自動車を名義変更して譲り受けたとき、必要となる手続きです。普通自動車の場合は、自動車の車庫の場所を管轄している運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で手続きを行います。手続きの際には、元配偶者が記入した委任状・譲渡証明書、印鑑証明などが必要です。必要書類はあらかじめ国土交通省のサイトからダウンロードして印刷しておき、離婚が成立するときに記載してもらっておきましょう。
    ⇒委任状と譲渡証明書の書類はこちら
  • 年金分割
    ⇒「年金分割」とは、婚姻中、夫婦の一方のみが働き、厚生年金等の被用者年金の被保険者等となっている夫婦が離婚した場合、婚姻中働いていなかった妻(又は夫)の標準報酬等の分割を受け取ることができる制度です。この手続きを行っておくと、婚姻期間中に天引きされた標準報酬額等が分割され、将来、これに応じて算定される老齢厚生年金等の支給を受けられることになります。ただし、厚生年金と共済年金部分のみが対象となります。
    調停調書に年金分割が記載されているとしても、それだけでは年金分割はなされません。実際に年金分割を受けるためには、調停調書謄本と年金手帳、戸籍謄本、印鑑等(事前に年金事務所に問い合わせるとよいでしょう)を持参して、年金事務所に行って手続きをすることが必要です。離婚から2年放置すると、請求できなくなりますので、速やかに手続きをとることが必要です。

5、子どもがいる場合必要となる手続き

前述の通り、もしあなたが、婚姻期間中に戸籍の筆頭者でなければ、離婚後、戸籍が変わります。この場合、子どもの親権者となったときには、子どもの戸籍についても手続きが必要となります。

子どもが15歳以上の場合は子ども本人が、子どもが15歳未満の場合は親権者が法定代理人として行わなければならない手続きです。

  1. (1)自分の名字を旧姓に戻し、子どもも同じ名字に変える手続き

    「子の氏変更許可の申立て」を、子どもの住所地を管轄する家庭裁判所で行い、家庭裁判所の許可を受ける必要があります(791条、家事手続法226条1号)。複数の子どもが申し立てる場合は、そのうちの1人の子どもの住所地を管轄する家庭裁判所にまとめて申し立てることができます。
    離婚調停とは異なり、東京家庭裁判所の場合は、本人(親権者)が来て申立てをすれば、申立てから1時間ないし2時間ほどで許可されているようです。

    必要書類は以下のとおりです。

    • 子の氏変更許可の申立書
    • 子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)
    • 父と母の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)(離婚の記載のあるもの)
    • 収入印紙800円分(子1人につき)
    • 連絡用の郵便切手(裁判所によって異なるので金額は要確認)

  2. (2)自分の名字を旧姓に戻し、子どもを自分の戸籍に入れる手続き

    離婚後、あなたが婚姻前の戸籍に戻るか、新戸籍の編成をしても、子どもの戸籍は自動的には変わりません。そして、子どもを自分の戸籍に入れるためには、まずあなたと子どもの氏を同じものにする必要があります。ですので、まずは、上記1)の手続きをとる必要があります。
    そして、変更許可決定を受け取ったら、それを子どもかあなたの本籍地の役所に提出すると、あなたの戸籍に子どもが移ります。

    必要書類は以下のものが想定されますが、事前に役所に確認されることをお勧めします。

    • 子の氏変更許可審判書謄本
    • 入籍届
    • 子の戸籍謄本(全部事項証明書)及びこれから戸籍を同一にする親の戸籍謄本(全部事項証明書)

  3. (3)自分の名字を旧姓に戻さず、子どもを自分の戸籍に入れる手続き

    離婚後、あなた自身が名字を旧姓に戻さないことを選択し、新たな戸籍を編成したとしても、子どもの戸籍は自動的に移動しません。やはり、子どもの戸籍を自分の戸籍へ移動させたい場合は、別途、市区町村の戸籍課で入籍届を提出する必要があります。

    必要書類は以下のものが想定されますが、事前に役所に確認されることをお勧めします。

    • 入籍届
    • 子の戸籍謄本(全部事項証明書)及びこれから戸籍を同一にする親の戸籍謄本(全部事項証明書)

  4. (4)住民票や児童扶養手当などの手続き

    子どもの戸籍関係の手続きが終わったら、住民票や子どもの転校等の手続きもぬかりなく終わらせておきましょう。

    ひとり親家庭になった場合、さまざまな手当や軽減措置を受けられることがあります。受けられる内容はお住まいの市区町村や所得などによって異なりますから、役所に行って相談するとよいでしょう。多くの役所では親切に教えてくれると思いますが、念のため、確認をしながら進めてください。

    ●市区町村の児童課などで行える手続き

    • 子ども手当(児童手当)の手続き
    • 児童扶養手当の手続き
    • 児童育成手当の手続き(東京都の場合)
    • 一人親家庭の医療費助成の手続き
    • 一人親家庭の住宅手当の手続き

    児童扶養手当を受けられた場合には、さらにこれらの手続きも行いましょう。
    • JR通勤定期券の割引手続き
    • 水道・下水道料金の免除手続き

    その他、受けられる可能性がある減免、割引制度
    • 所得税、住民税の減免制度
    • 国民年金・国民健康保険の免除
    • 粗大ごみ等処理手数料の減免制度
    • 非課税貯蓄制度(マル優)
    • 保険料の免除と減額

    自治体ごとに制度が違うものもありますので、役所で相談してみるのをお勧めします。

まとめ

婚姻という契約を終了させる「離婚」。結婚生活が長ければ長いほど、日常に関わる手続きが増えるため、手間がかかるものです。しかし、これらの手続きを行っておかなければ、日常に不都合が出てしまいます。
今回の記事を参考に、あらかじめ準備ができるものは準備しておきましょう。入念な準備を行えば、スムーズに手続きを進めることができます。離婚協議書など、手続きが難しいものは、法律の専門家の手を借りるのも一つの手です。
安心して新たな人生のスタートを切るための一助となれば幸いです。

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