妻と離婚する方法と離婚する時に気をつけておきたいこと
「妻と離婚したい」と考えることがあっても、子どものことやお金の問題が気になって、なかなか離婚に踏み切れないという方が多くいます。
また、「具体的にどのように離婚を進めていけば良いのか分からない」「後悔するような離婚は避けたい」など、悩まれている方もいるでしょう。
離婚を考えたとき、事前に準備をせずに話を進めてしまうと、予期せぬトラブルや後悔を招く可能性があります。そのため、まずは離婚に関する情報収集から始めていきましょう。
本コラムでは、「妻との離婚をどうするか」と考えたときに確認しておきたいことや、妻と離婚する方法、手順、相談先などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
1、妻と離婚したいと考える10個の理由
夫が妻と離婚する方法を検討する前提として、妻と離婚したい理由を考えてみましょう。
- ① 結婚してから性格がきつくなった
- ② 金遣いが荒い
- ③ セックスレス
- ④ 家事ができない
- ⑤ 子育ての考え方が違う
- ⑥ 子どもにしか関心を持っていない
- ⑦ 浮気している
- ⑧ 外見に気を使わない
- ⑨ 自己中心的
- ⑩ モラハラ・DV
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(1)結婚してから性格がきつくなった
結婚前は優しくて甘え上手、女性らしいところがあって好ましいと思っていたけれど、結婚すると性格が急変してしまう女性がいます。その場合、夫は妻と離婚したいと考えてしまいます。
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(2)金遣いが荒い
結婚して同居してみると、妻の金遣いが荒いことに気づいて愕然とする夫もいます。
また、夫が気づかない間に妻が夫のお金を使い込んだり、クレジットカードなどで借金したりして、トラブルに発展するケースもあります。 -
(3)セックスレス
特に、子どもができると一切セックスに応じなくなる妻がいます。応じたとしても非常に消極的なので、夫が不満に感じてしまうケースも多いです。
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(4)家事ができない
妻がまったく家事をしないので家の中が雑然としていたり、料理を作ってくれなかったりして夫がストレスを溜めてしまうケースがあります。
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(5)子育ての考え方が違う
子育てについての意見の相違も問題になりやすいです。「こんな妻に任せていては、ろくな子どもに育たない」と考えて、夫は妻と離婚したいと考え始めます。
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(6)子どもにしか関心を持っていない
子どもを産むと、夫に対する関心を失って子ども一辺倒になってしまう妻がいます。ある程度仕方のないことでもありますが、度を超えている場合や夫の方が受け入れがたいと感じると、離婚騒動に発展してしまうケースがあります。
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(7)妻が浮気している
妻が浮気していると、多くの男性は結婚生活に耐えられなくなって離婚を希望します。
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(8)外見に気を使わない
結婚後、妻が外見にまったく気を使わなくなり、女性として見ることができなくなると「離婚したい」と考え始める夫がいます 。
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(9)妻が自己中心的
妻が常に自己中心的で、夫が仕事から疲れて帰ってきても相手にしない場合や、むしろ用を言いつけるケースなどがあります。そのようなとき、夫は「離婚した方が良いのではないか?」と考え始めるものです。
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(10)モラハラ・DV
最近では、妻による夫に対するモラハラやDV被害も問題になっています。常日頃から妻から暴言を吐かれたり暴力を振るわれていたりすると、夫の方も耐えがたくなって離婚を考え始めます。
2、離婚をする前に確認しておきたい7つのこと
妻と離婚する方法として、事前に以下の7つのことは検討しておくべきです。
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(1)慰謝料について
妻と離婚する方法として、慰謝料が発生するかしないのか、また発生するとしたらどちらがいくら払うことになるのか、考えておくべきです。
妻の不倫が原因で離婚するならば、妻に対して慰謝料請求できます。金額の相場は30~300万円程度と言われています。
これに対し、妻と性格が合わない・家事をきちんとしてくれない・子どもについての意見が合わないなどの場合には、慰謝料は発生しない可能性が高いです。
自分が不倫している場合は、妻との間で慰謝料なしでの離婚の合意が成立しない限り、こちらが妻に慰謝料を支払わないと離婚できないでしょう。 -
(2)財産分与について
次に妻と離婚する方法として重要なのは、財産分与です。妻と離婚するときには、夫婦共有財産の2分の1を原則として妻に分与しなければなりません。 マイホームや車、預貯金や生命保険などの夫婦で築き上げた財産について、原則として2分の1にすることになります。なお、特有財産がこれに含まれないことには注意が必要です。
ただ、マイホームに住宅ローンが残っている場合などには、単純に2分の1ずつにすることは難しいです。また、離婚後どちらが家に住むのかなどの問題もあります。
さらに、妻が離婚に応じてくれない場合には、妻と離婚する方法として、妻に対して2分の1より多めに財産分与した方が良いケースもあります。たとえば妻が専業主婦で子どもたちを引き取る場合には、妻に対して離婚の解決金、一時金として一定の財産を追加して分与するケースも珍しくありません。
妻と離婚する方法として、事前に「どのようなかたちで財産分与をしたいのか」「どこまでなら妻に財産分与しても受け入れられるのか」考えておきましょう。
「離婚時の財産分与は弁護士にご相談ください」のページでは、財産分与の対象になるもの・ならないもの、注意点などについて解説しています。ぜひご参考ください。
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(3)親権について
妻と離婚する方法として、未成年の子どもがいる夫婦であれば、親権について考えておく必要があります。
子どもが小さい場合、母親が優先されるケースが多いため、離婚すると子どもと一緒に暮らせなくなる可能性があります。どうしても自分が親権をとりたいのであれば、離婚話を進めるときに慎重な対応が必要となります。また、離婚後子どもとの生活をどのように送っていくかについても考える必要があります。 -
(4)養育費について
子どもの親権者にならないのであれば、離婚後元妻に対して養育費の支払いを続けなければなりません。そのため妻と離婚するに際し、養育費の支払額をいくらにするのか、子どもが何歳になるまでいつまで支払うのかなどを検討しておく必要があります。 養育費は、実務上は夫婦の収入状況に定める算定表を用いる場合が多いので、調べておくと良いでしょう。
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(5)面会交流について
自分が子どもの親権者にならない場合、離婚後も子どもと面会する権利(面会交流権)が認められています。ただ、面会交流を実現するためには、元妻との間で面会交流の方法を取り決めておかねばなりません。妻と離婚する際には、自分はどういった方法での面会交流を希望するのか考えておきましょう。
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(6)年金分割について
会社員や公務員などの方の場合、年金分割も重要な要素です。年金分割を求められたら基本的に0.5の按分割合で分割されてしまうケースが多いので、婚姻中に払い込んだ年金保険料に相当する額について老齢年金が減額されてしまうことについては覚悟しておく必要があります。
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(7)離婚前の別居について
離婚前、話し合いを継続している間は元妻と別居することが多いです。そうなると、夫が妻に対して生活費(婚姻費用)を支払い、送金をしなければなりません(夫が大黒柱であったケースなど)。 そこで、別居をする際には、婚姻費用の負担についても計算に入れておく必要があります。
3、妻と離婚する方法・手順について
次に、具体的に妻と離婚する方法・手順を見てみましょう。
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(1)妻と離婚する方法1|協議離婚
妻と離婚する方法として、まずは話し合いによって協議離婚を目指すのが一般的です。
まずは、妻に対して「離婚したい」と告げて、希望する離婚条件を告げましょう。妻が納得すれば、夫婦の合意によって協議離婚が成立します。協議離婚で妻と離婚する方法は、市町村役場で離婚届をもらってきて作成し、役場に届け出ることです。
ただし、協議離婚のケースでも、離婚条件を「離婚合意書」に定めておきましょう。離婚合意書を作成しておかないと、後になって妻から「そんな約束はしていない」などと言われてしまうかもしれないからです。
また、離婚合意書を作成するとき、妻から「公正証書にしてほしい」と言われるケースが多いです。公正証書とは、公務員の公証人が作成する公文書です。離婚公正証書を作成すると、養育費や財産分与、慰謝料などのお金を妻に支払わなかったとき、妻から給料や預貯金などを差し押さえられてしまう可能性があります。他方で、公正証書は公証人の面前で作成するものですので、双方が合意したことを確実に残すことができますので、離婚合意書を作成することはこちらにも一定のメリットがあります。
公正証書を断ると妻が離婚に応じないので作成せざるを得ないケースが多いので、作成せざるを得ないものです。ただ、作成するならば、離婚後の養育費や財産分与などの支払いを滞納しないように、特に注意が必要です。 -
(2)妻と離婚する方法2|離婚調停
妻と直接話し合いをしても離婚に応じてもらえない場合、離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てる方法がありますです。
離婚調停とは、家庭裁判所における「調停」を利用した離婚方法です。離婚調停をすると、家庭裁判所の調停委員が妻との間に入って、夫婦の話し合いを仲介します。このことにより、妻と直接話をする必要はなくなります。調停で離婚条件について妻と合意できれば、調停が成立して離婚できます。調停で離婚すると、家庭裁判所で調停調書が作成されて、自宅宛に送付されてきます。その調書を市町村役場に持っていくと妻のサインがなくても、離婚届を提出できます。
もっともただ、離婚届の提出は通常「妻」が行うことが多いと言えます。妻は離婚に際して役所で名字を選んだり本籍地を指定したりしなければならないからです。
夫側が離婚調停を申し立てたときにも妻が離婚届を提出するので、夫が不安を感じるケースもあります。調停にもとづく離婚届は調停成立後10日以内にしなければならないので、妻がきちんと離婚届を提出しているかどうか不安な場合には、役所に確認してみると良いでしょう。
もしも妻が届出をしていなければ、妻に督促することになりますし、それでも届出をしなければ夫の方から届け出ることも考えなければなりません。 -
(3)妻と離婚する方法3|離婚裁判
調停をしても夫婦が離婚条件に合意できない場合には、離婚裁判によって離婚を実現するしかありません。ただ、離婚裁判で妻と離婚する方法では「法律上の離婚原因」が必要です。
法律上の離婚原因とは、民法が定める5種類の事由で、具体的には以下の通りです。
① 不貞
不貞とは、いわゆる不倫や浮気のことです。ただし、法律上の「不貞」という場合にはプラトニックなつきあいではなく「肉体関係」があることが必要です。妻の「不貞」を理由に離婚するためには、妻と不倫相手の男性が性関係をもっていることを証明する必要があります。
② 悪意の遺棄
悪意の遺棄とは、相手を傷つけてやろうという意図をもってあえて相手を見捨てることです。たとえば妻が一方的に家を出て行って戻らない場合、実家に帰ったまま自宅に戻らない場合、結婚したにもかかわらず妻が同居を拒絶し続ける場合、妻が暴れて夫を家から追い出した場合、閉め出した場合などには妻に悪意の遺棄が成立する可能性があります。
③ 3年以上の生死不明
配偶者が3年以上の間、生死不明な状態が続いているケースでも、離婚原因となります。
相手が行方不明だけれども生きているのは確実、というケースでは離婚できません。
④ 回復しがたい強度の精神病
妻が「回復しがたい強度の精神病」になっている場合にも、裁判によって離婚できる可能性があります。回復しがたい精神病とは、たとえば統合失調症や躁うつ病、偏執病や若年性の認知症などの酷いケースです。単なる妻のヒステリーや買い物依存症などでは離婚原因になりません。
また、回復しがたい精神病で離婚するためには、それまでに妻の回復のために誠心誠意看護してきたという事実が必要です。さらに、離婚後妻が生活していくことができる見込みがあることも必要です。
たとえば実家に戻って親が面倒を見てくれる場合や、生活保護、障害者年金をもらって何とか生活していくことができる状態であれば離婚を認めてもらえる可能性があります。
⑤ その他婚姻関係を継続し難い重大な事由
上記の① ~④ に該当しない場合でも、それに準じる程度に重大な事情があった場合には妻と離婚できる可能性があります。
たとえば妻から酷いモラハラ被害を受けている場合、妻との別居期間が長期になっており、すでに夫婦関係の実体がなくなっている場合などには離婚が認められる余地があります。
これに対し、単なる性格の不一致や妻が家事をしないというだけで離婚することは難しいでしょう。以上のように、妻と離婚する方法は、協議離婚、離婚調停、離婚訴訟があります。 できれば協議離婚の段階で離婚することが望ましいです。調停・訴訟になると時間も労力も費用もかかるからです。協議離婚であれば、市町村役場に離婚届を提出するだけで良いので会社や仕事を休む必要もありません。
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4、妻との離婚を考えたときの相談先は?
「妻と離婚したい」と考えたとき、自分ひとりではどう対応して良いかわからない方がおられます。このようなとき、スムーズに妻と離婚する方法として、専門家に相談することをおすすめします。 そこで、どこに相談すれば良いのかも確認しておきましょう。
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(1)離婚するか迷っている|離婚カウンセラー
妻と離婚するかどうか迷っている段階であれば、離婚カウンセラーに相談することをおすすめします。 離婚カウンセラーは、臨床心理士などの資格を持っており、離婚や夫婦問題に悩む方々の相談を受け付けています。
ひとりで相談することもできますし、妻と一緒に夫婦で相談できるカウンセラーもいます。
離婚カウンセラーにはいろいろなタイプの人がいますし、合う合わないという相性もあります。まずは相談を受けてみて、合わないと思ったら良い人が見つかるまで別のカウンセラーに相談してみても良いでしょう。 -
(2)相手の不倫の証拠を集めたい|探偵事務所
妻と離婚する方法として、妻が不倫している疑いがあるならば、不倫の証拠を集めるべきです。証拠がない場合、妻に慰謝料請求をしても妻は不倫を認めない可能性が高いからです。不倫を証明できないと、法定の妻離婚事由が認められないので、妻が離婚を了承しない限り、離婚すら認められません。
不倫の証拠を集めるときには、妻と不倫相手の「肉体関係」を証明する証拠が必要です。
ただ、自分だけの力では十分な証拠を入手することが難しいでしょう。そこで、探偵事務所に調査を依頼することをおすすめします。
探偵事務所が妻や浮気相手の男性を尾行して、浮気の現場を押さえることができたら浮気の調査報告書を作成してもらえて確実な不倫の証拠にできます。
相手の男性が不明なケースでも探偵事務所に依頼したら氏名や住所、勤務先の会社などを明らかにできることも多いので、妻が不倫しているケースで妻と離婚する方法として、探偵事務所に相談してみても良いでしょう。 -
(3)離婚を決意した、妻との離婚が難航している|弁護士
もしも離婚を決意していて、証拠も十分に揃っているのに妻が離婚を渋っているのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。
妻と離婚する方法として、協議離婚ができないなら離婚調停や離婚訴訟を起こすしかありません。調停はまだ自分ひとりでも行うことができますが、訴訟は弁護士の力を借りないと非常に不利になってしまいます。
また、協議離婚を進めるときにも弁護士に交渉を依頼すると、有利に進められることがあります。合意した後の協議離婚合意書や公正証書作成などの手続きもスムーズに進みます。離婚後に養育費や面会交流権などについてのトラブルが発生した場合にも、引き続いて弁護士に対応を依頼できるので心強いものです。
以上より、スムーズに妻と離婚する方法として、離婚問題に精通している弁護士を探して法律相談を受けることが大切です。
お悩みの方はご相談ください
なる場合がございます。
5、まとめ
本コラムでは、「妻と離婚したい」と思ったときに確認しておくべきことや離婚する方法について解説しました。まずは、離婚するときの希望条件を決めて、「妻に離婚したい」と告げてから協議離婚を進めていきましょう。
自分ひとりでは適切に進められる自信がない場合には、弁護士などの力を借りることが重要です。
夫が妻と離婚するときには、財産分与や養育費など多額の金銭支払いが必要になる場合もあるため、後悔しないように慎重に進めましょう。
ベリーベスト法律事務所では、離婚問題に関して豊富な知見のある弁護士が多数在籍しており、適切な条件で離婚を実現するためのサポートをしています。離婚すると決断した際には、ぜひ一度ご相談ください。
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