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国際離婚するなら知っておくべき、国ごとの慰謝料の考え方や注意点

2020年07月02日
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国際離婚するなら知っておくべき、国ごとの慰謝料の考え方や注意点

平成29年度の人口動態統計によれば、日本人同士の夫婦の婚姻は58万5409件だったのに対し、離婚は20万603件となりました。一方、国際結婚は2万1457件だったのに対し、離婚は1万1659件となっています。割合で見ると、日本人同士での離婚は34%に対し、国際離婚は54%と、国際離婚の割合が2倍近くになっていることがわかります。

国際離婚の場合、文化や生活習慣の違いによって離婚に至るケースも少なくありませんが、国際離婚する際には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

1、国際離婚はどの国の法律が適用されるのか?

外国の方と結婚して幸せな生活を送っていても、文化や生活習慣の違いから、結婚生活が破綻してしまうこともあるかもしれません。しかし、外国人と離婚する場合は日本人同士の離婚とは違って「どの国の法律に従って手続きをすればよいのか」という問題が生じます。国際離婚するときには、どの国の法律が適用されるのでしょうか。

  1. (1)国際結婚をして日本に住んでいる場合

    夫婦の一方が外国人、もう一方が日本人の場合を考えてみましょう。外国人配偶者が日本国籍を取得していれば、問題なく日本法が適用されます。しかし、外国人配偶者が日本国籍を取得していなくても、夫婦で日本に暮らしている実態があれば(常居所があれば)、日本法が適用されます。したがって、日本の民法をもとに協議離婚・調停離婚・裁判離婚などの方法で離婚を成立させて問題はありません。

  2. (2)国際結婚をして相手の国に住んでいる場合

    国際結婚して外国人配偶者の本国に住んでいる場合は、その国の法律に従います。国によって離婚には一定の別居期間が必要であったり、慰謝料を請求したいと考えても「離婚慰謝料」の概念自体がない国もあります。そのため、離婚に関して、その国の法律ではどのようなルールになっているかを事前によく確認することが大切です。

    ただし、本国で離婚が成立しても、日本国内では離婚が成立していないことも少なくありません。日本でも離婚を成立させたいときは、本国で発行された離婚証明書や離婚裁判の判決文を和訳とともに日本大使館や領事館に持参し、離婚手続きを行います。もしくは、帰国してから市区町村役場で手続きを行うようにしましょう。

  3. (3)外国人の夫婦が日本に住んでいる場合

    外国人同士の夫婦が日本に住んでいる場合は、原則として日本の法律に従い離婚手続きをします。ただし、日本で離婚手続きが終わった後、夫婦それぞれの本国でも手続きを行わなければ本国では離婚したことにならないので注意が必要です。

2、国によって慰謝料の考え方は異なる

日本人の夫婦が離婚するときに、どちらか一方が慰謝料を求めるケースは少なくありません。しかし、海外では慰謝料に対する考え方は国によりさまざまです。ここでは、5つの国を取り上げて、離婚時の慰謝料の支払いがどうなっているのかをみていきましょう。

  1. (1)韓国の場合

    韓国では、裁判官による意思確認を経ての協議離婚が認められていますが、協議離婚の場合は、離婚にともなう慰謝料(損害賠償)の請求は認められていません。一方、裁判離婚した場合は、離婚にあたって精神的苦痛を受けたほう、もしくは何らかの損害を被ったほうが慰謝料や損害賠償を請求することができます。

    不貞行為をした配偶者には高額な慰謝料を求めるべきという考え方もあるそうですが、今のところ不貞行為があったとしても慰謝料額が高額になることはあまりないようです。

  2. (2)中国の場合

    2001年まで中国でも離婚するときに慰謝料を支払う習慣はありませんでした。しかし、2001年の婚姻法の改正で配偶者に対する損害賠償請求権が認められて以来、相手方の浮気を原因として離婚裁判を起こす場合は、慰謝料を請求するケースも少なくありません。

    ただ、中国の婚姻法と呼ばれる法律には「浮気」「不貞行為」などの概念はありません。もし、配偶者の浮気を理由に慰謝料や損害賠償を請求するときは、配偶者が浮気相手と同居していることが要件となります。

  3. (3)アメリカの場合

    アメリカでは、離婚時に慰謝料の支払い義務が生じるかどうかは、州により異なります。たとえばフロリダ州では、独身生活に戻るためのサポート的な慰謝料、スキルや資格を得るための慰謝料、一定期間経済的支援をするための慰謝料、永続的に経済的支援をするための慰謝料と4つの種類があります。

    一方、ニューヨーク州では「慰謝料」の概念はありません。その代わり、婚姻期間の長さや経済力、子どもの存在、夫婦それぞれの収入や財産状況に応じて、裁判所が夫婦の一方が配偶者に金銭的なサポートをすべきかどうかを決定します。

  4. (4)フランスの場合

    フランスにも「慰謝料」の概念はありませんが、収入の多いほうが少ないほうに対して収入を補填して生活レベルを維持すべく「離婚補償手当」を支払う必要があります。この離婚保障手当は、婚姻年数や収入、財産などから決定されます。

    浮気・不倫やDV行為があったときは通常の損害賠償請求事件として取り扱われるので、不貞行為やDVが原因で慰謝料を求めて家庭裁判所に裁判を起こすことはありません。ただし、相手方が暴力をふるう場合は、相手方を家から追放するための裁判はできるようになっています。

  5. (5)ドイツの場合

    ドイツには、「失われた愛の慰謝料は存在せず」という格言があるそうです。その格言が示す通り、「夫婦のどちらかに離婚の原因があって、離婚原因を作ったほうが責任をとって慰謝料を支払わなければならない」という考え方はありません。

    ただし、DVを受けていたなどの場合は刑法上の賠償責任を相手方に問うことで慰謝料を請求できます。また、たとえば妻の浮気が発覚した場合、有責配偶者である妻のほうが収入は少なくても、生活費や養育費を請求する権利はないとされるようです。

3、国際離婚の手順や手続き

国際離婚をする場合、どのような手順や手続きを踏めばよいのでしょうか。
日本で離婚する場合と外国人配偶者の本国で離婚する場合に分けて解説します。

  1. (1)日本で離婚する場合

    日本で離婚する場合は、日本の民法に従い手続きを行います。すなわち、協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれかの方法で離婚手続きを行うことになります。

    まず、当事者同士で話し合って離婚を成立させる協議離婚を目指しますが、協議が調わないときは裁判所に離婚調停を申し立てて、調停での離婚成立を目指します。調停が成立すれば調停調書が交付されて終了となりますが、相手方が出廷しない、調停委員を交えても話し合いが平行線のまま進まないなどの場合は調停不成立となります。その後は訴訟を起こして裁判官に離婚を認めてもらう裁判離婚を目指します。

    ただし、国によっては日本で離婚が成立しても外国人配偶者の本国では離婚が成立していないこともあります。そのときは、本国で別途手続きが必要です。

  2. (2)外国人配偶者の本国で離婚する場合

    外国人配偶者の本国で離婚する場合は、その国の離婚に対する考え方により、手続き方法が異なります。

    <協議離婚を認めていない国>
    海外では協議離婚を認めている国はあまりありません。そのため、たいていの場合は離婚するときに裁判を起こすことになります。手続きは、できれば現地の弁護士に依頼したほうがよいでしょう。裁判が終了し、判決を得られたら日本語訳をつけて判決文を日本大使館や総領事館を通じて日本の役場に送付すれば、日本でも離婚が成立します。

    <協議離婚を認める国>
    中国や韓国、台湾など、わずかですが協議離婚が認められている国があります。たとえば、韓国では家庭法院(家庭裁判所)で裁判官の確認を受け、役場に行って戸籍公務員に離婚届を提出すれば協議離婚が成立します。

    <離婚自体を認めていない国>
    フィリピンやバチカン市国は、宗教上の理由から離婚自体を一切認めていません。そういう場合は、外国人配偶者の本国では離婚の手続きができないため、日本で通常の離婚手続きを行うことになります。日本で離婚手続きが完了すれば離婚が成立することになり、その効果は相手国にも及びます。特に相手国には報告や通知をする義務はありません。

  3. (3)日本・外国人配偶者の本国以外で離婚する場合

    たとえば、日本人と中国人の夫婦がアメリカで離婚するケースもあるでしょう。そういった、日本でも外国人配偶者の本国でもない第三国で離婚する場合、生活拠点がその第三国にあれば、その国(アメリカの場合は州)の法律に従って離婚の手続きをすることになります。具体的な手順などは先述のとおりです。

    参考:国際離婚についての基礎知識

4、国際離婚をする際に注意すべきこと

国際離婚をするときには、日本人同士で離婚するときと異なる注意点があります。どのような点に注意すべきなのでしょうか。

  1. (1)慰謝料請求するときはできるだけ一括請求する

    慰謝料や財産分与など金銭を相手方に求めるときは、できる限り一括請求するようにしましょう。相手方の収入や資産状況によっては、分割払いを求めてくることがあるかもしれません。しかし、「慰謝料を支払う」旨の離婚協議書の公正証書や調停調書があったとしても、離婚後に相手方が本国に戻ってしまったら、日本の法律に基づいて強制執行ができなくなるおそれがあります。今後の生活に困らないようにするためにも、なるべく離婚時に一括請求することをおすすめいたします。

  2. (2)慰謝料はどちらの国の物価を基準にするかが難しい

    離婚が成立した時点でどちらの国に住んでいたかにより、慰謝料額の算定をどちらの国の物価をベースに考えるべきかが難しくなります。日本に住んでいるときに婚姻生活が破綻したときは、外国人配偶者の本国の物価や所得の水準を考慮しなくても良いとの考え方があります。一方、外国人配偶者が本国に帰ってから慰謝料を請求した場合は、その本国の物価や所得の水準をベースに算定することもありえるでしょう。

  3. (3)国際離婚すると外国人配偶者のビザが更新できなくなる

    国際結婚をすると、外国人配偶者は「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に暮らします。最初に在留資格を得るときは6か月で更新となりますが、婚姻期間が長くなるにつれて在留できる期間も長くなります。

    ところが、離婚すると外国人配偶者は「日本人の配偶者等」の資格ではビザを更新できません。離婚後も日本にとどまる場合は、「日本人の配偶者等」以外の在留資格に変更しなければならず、どの在留資格にもあてはまらない場合は帰国しなければならなくなるので注意が必要です。

  4. (4)子どもと日本に帰国しても子どもだけ連れ戻される場合がある

    たとえば、夫が外国人で妻が日本人の夫婦の場合、夫の本国で離婚して妻が子どもと一緒に日本に帰国しても、子どもだけ夫の本国に連れ戻される可能性があります。これは、ハーグ条約で定められたルールだからです。

    ハーグ条約の締結国では、16歳未満の子どもが国境を超えて連れ去られた場合に、原則としてもともと住んでいた国に返還を求めることができることになっています。そのため、日本人の妻が子どもを連れて帰国すれば、夫が子どもの返還を求めることができるのです。

    ハーグ条約には、「子の連れ去りから1年以上経過し、子が新たな環境に適用している」場合には返還を認めないなど例外規定もあります。しかし、日本の裁判所は外国人の元配偶者から子どもの返還を求められれば、返還を命じる可能性もあるため、問題になっています。

    参考:ハーグ条約とは

5、まとめ

外国人との国際離婚は、考え方や価値観の違いから手続きがなかなか前に進まない可能性もあります。ベリーベスト法律事務所では、アメリカ弁護士や中国弁護士といった外国法に対応できる弁護士も在籍していますので、国際離婚でお困りの際は当事務所までお気軽にご相談ください。

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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