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離婚時、専業主婦でも親権者になるためのポイントと注意点を解説

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更新日:2026年08月12日  公開日:2026年08月12日
離婚時、専業主婦でも親権者になるためのポイントと注意点を解説

離婚を考えている女性のなかには、「専業主婦だから親権が取れないのではないか」と不安を感じている方もいるでしょう。結論、専業主婦であっても親権を獲得できる可能性は十分にあるため、まずはご安心ください。

親権は、仕事の有無や収入の多い・少ないで決まるものではなく、これまで誰が子どもの世話をしてきたのか、離婚後に安定した生活を送れるか、子どもの気持ちはどうかなど、さまざまな事情をもとに判断されます。

本コラムでは、専業主婦が親権を取るために知っておきたい基礎知識や離婚前に準備しておくべきこと、親権が取れなかったときの影響などについて、ベリーベスト法律事務所 離婚専門チームの弁護士が解説します。

目次を

1、親権とは? 監護権と何が違う?

親権とは、未成年の子どもを育て、教育し、財産を管理するための包括的な権利・義務のことです。親権を有することで、下記のような事項を決める権限を持つことになります。

  • 子どもの住む場所
  • 子どもが通う学校や進学先
  • 子どもの医療に関する判断


なお、親権については、父母のどちらか一方が持つ「単独親権」か、離婚後も父母が共同で親権を持つ「共同親権」かを決めなければなりません。これにより、今後はどちらを親権者にするかだけでなく、単独親権と共同親権のどちらが子どもにとって適切かという点からも検討することが必要になります。

監護権とは、子どもと一緒に生活し、日常的な世話を行う権利・義務のことです。
食事や送り迎え、身の回りの世話などが代表例です。通常は、親権者と監護権者は同じ人になりますが、事情によっては別々に決めるケースもあります。

親権や監護権についてもっと詳しく知りたいという方は、「親権・監護権とは? 権利内容の違いと親権決定における判断基準」のページを参考にしてください。

親権や監護権について夫婦で話し合いがまとまらない場合には、調停や審判で決めることになります。

弁護士からのメッセージ
遠藤 知穂
ベリーベスト法律事務所 弁護士 遠藤 知穂
専業主婦で収入がないことによって、親権や監護権が認められないのではないかと不安を抱える方もいらっしゃいますが、決してそのようなことはありませんので、ご安心ください。
特に、夫と親権争いになっている場合や、DV・モラハラなどにより冷静な話し合いが難しい場合には、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
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2、専業主婦でも母親が有利なのは本当? 親権を決める判断基準とは

親権争いがあり、家庭裁判所が親権者を判断するときは、これまで日常的に子どもの世話をしてきた親は誰か、子どもとの関係が安定しているか、生活環境を整えられるかといった事情を重視する傾向です。そのため、専業主婦として主に育児を担ってきた母親は、親権判断において有利な事情があると評価される可能性があります。

2章では、家庭裁判所において親権者を決定する際に重視される考え方や、単独親権・共同親権の判断基準について解説します。

  1. (1)親権における「母性優先の原則」とは?

    親権に関しては、かつて「母性優先の原則」という考え方が重視されていました。

    母性優先の原則とは、特に乳幼児期の子どもについて、母親による養育や日常的な関わりが、子どもの心身の成長に重要であることから、母親を優先的に親権者とする考え方です。
    これにより、0〜5歳頃の幼い子どもの親権争いでは、母親が有利になる傾向があるといわれていました。

    この原則は「母親だから必ず親権を取れる」という意味ではありませんでしたが、以前はこの原則によって、「母を親権者とする」との判断が出されることが非常に多かったと言えます。

    しかしながら、現在の家庭裁判所では、母性優先の原則のような性別的な考え方よりも、実際に誰が中心となって子どもを育ててきたのかが重視されます。そのため、専業主婦として日常的に育児を担ってきた場合には、親権判断で有利になる可能性があります。

  2. (2)親権者として認められるかどうかの判断基準

    単独親権・共同親権のどちらの形でも、父母の話し合いによって合意できる場合には、その内容に沿って親権者を定めることになります。

    一方で、親権をどうするのかについて争いがある場合は、家庭裁判所に判断をゆだねることになる点にご注意ください。
    前述のとおり、家庭裁判所では養育実績をひとつの重要な要素としつつ、「子どもの利益」という観点からさまざまな事情を総合的に考慮し、親権者を決定します。

    親権者として認められやすいケース

    家庭裁判所の判断において、子どもが乳幼児期で、普段からあなたが子どもの世話をしているなら、専業主婦であっても親権者になれる可能性が高いと言えます。また、以下のような事情があれば、親権獲得にあたって有利に働きます。
    • 日常的に育児を担当している
    • 子どもと安定した生活を送っている
    • 離婚後の住居や生活環境が整っている
    • 子どもが「一緒に暮らしたい」と希望している
    • 子どもに対する暴力やモラハラなどの虐待がない


    もちろん、離婚後に子どもを安定して育てていくためには、住まいや生活費の見通しを立てることが大切です。
    ただし、今現在働いていないということは、親権判断において重要な事情ではないため、今後の経済力が不安だという理由で子どもとの生活を諦める必要はありません。

    親権者として認められにくいケース

    一方で、以下のような事情があると、親権獲得にあたって不利になる可能性があります。
    • 子どもの世話をほとんどしていなかった
    • 子どもの前で相手方を強く非難する、暴力をふるうなどしていた
    • 離婚後に暮らしていく家がない
    • 正当な理由なしに子どもを夫に会わせないなど、不合理な引き離しをしている
    • 子どもに対して暴力やモラハラなどの虐待をしていた


    上記のとおり、同居中から適切な世話や子どもとの関わり方ができていない場合には、「安定した監護が難しい」と判断されることがあります。
    また、離婚後の生活設計がないことも不利な事情となります。
    そのため、「母親だから大丈夫」と考えるのではなく、専業主婦の方は実家に帰ることも選択肢に入れながら、子どものために住む場所や仕事を探すなどして、将来の生活設計を明確にしていくことが大切です。

  3. (3)単独親権か共同親権か、親権の在り方における判断基準

    親権については、父母のどちらを親権者とするかだけでなく、単独親権にするのか、共同親権にするのかも検討する必要があります。

    単独親権か共同親権かを決める際にも、家庭裁判所がもっとも重視するのは子どもの利益です。「単独親権にしたい」と考えたとしても、父母の希望だけで決まるのではなく、子どもにとってどのような親権の在り方が望ましいのかという観点から判断されます。

    共同親権が認められやすいケース

    共同親権では、離婚後も父母が協力して子育てできる関係であることが重要です。たとえば、下記のようなケースでは、共同親権が検討されやすくなります。
    • 離婚後も冷静に話し合いができる
    • 子どもの行事や進学について協力できる
    • 親子交流(=面会交流)について大きな対立がない
    • DVや虐待のおそれがない
    • 共同で親権を行使しても、子どもに不利益が生じにくい


    共同親権は、父母の都合ではなく、子どもにとって父母双方が適切に関わることが望ましい場合に選択されるものと言えます。

    共同親権が認められにくいケース

    下記に当てはまる場合には、裁判所から判断される場合も共同親権とはされない可能性が高くなると言えます。
    • 連絡を取ること自体が困難である
    • 子どもの進学や教育方針で激しく対立している
    • DVやモラハラ、虐待がある
    • 親子関係に課題があり、共同親権にすることで子どもの心理的負担が大きくなるおそれがある


    現在の民法では、裁判所は、DVや虐待のおそれがある場合など共同親権とすることにより子の利益を害する場合には、単独親権としなければならないとされています(民法819条7項)

    共同親権について、さらに詳しく知りたいという方は、以下のリンクから記事をご参考ください。

3、親権獲得に向けて、専業主婦が離婚前にやっておくべきポイント

親権争いになったとき、実際に家庭裁判所が重視するのは、これまでの育児状況や、離婚後に子どもを安定して育てられるかなどです。
ここからは、専業主婦の方が離婚前にやっておくべきことを解説します。

  1. (1)子どもの世話をしてきた実績を整理する

    離婚を切り出す前に、自分が日常的に育児を担ってきたことを証明できるよう、客観的な資料をまとめておくようにしましょう。たとえば、子どもに関する内容として、下記のようなものが挙げられます。

    • 保育園や学校の送り迎え
    • 食事やお弁当の準備
    • 病院への付き添い
    • 学校行事への参加
    • 宿題や生活面のサポート


    育児日記や連絡帳、写真、学校とのやり取りなどがこれらを証明するのに役立ちます。

    普段は当たり前にしていることでも、後から見ると重要な事情になることがありますので、じっくりと時間をかけてこれまでの子育てを振り返ってみるとよいでしょう。

  2. (2)離婚後の住居を確保する

    離婚後は、どこで子どもと暮らすのかも重要です。住む場所が決まっていないと、家庭裁判所の判断において、安定した生活が難しいと見なされる可能性があります。

    専業主婦の方だとすぐに家を借りるのが難しいケースもありますので、一時的に実家に戻るというのも選択肢のひとつです。
    また、下記のようなことも子どもの生活環境を考えるうえで大切なポイントになります。

    • 子どもの学校を変えずに済むか
    • 保育園へ通えるか
    • 周囲に頼れる人がいるか


    親権獲得を有利に進めたいなら、できる限り子どもの生活環境を変化させないほうがよいでしょう。

  3. (3)経済的自立のめどを立てる

    専業主婦の場合、「収入がないことが不安」という方も多いと思います。
    もっとも、親権は収入で決まるわけではありませんが、離婚後の生活設計がまったく見えていないと、生活が不安定だと判断される可能性があります。

    そのため、パートや就職活動を始めたり、資格取得を検討したり、少しずつでも下記のような準備を進めておくようにしましょう。

    • パートや就職活動を始める
    • 資格取得を検討する


    なお、厚生労働省が公表する「全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、令和3年の母子世帯における就労収入は下記のとおりで、母子のみで平均241万円、同居者がいて平均226万円となっています。

    母子のみ(61万8669世帯) 同居者あり(33万6402世帯)
    100万円未満 19.8%(12万2637世帯) 19.6%(6万5827世帯)
    100~200万円未満 28.0%(17万3484世帯) 27.0%(9万896世帯)
    200~300万円未満 22.7%(14万220世帯) 27.0%(9万913世帯)
    300~400万円未満 13.5%(8万3752世帯) 12.8%(4万3100世帯)
    400万円以上 15.9%(9万8576世帯) 13.6%(4万5665世帯)
  4. (4)利用できる公的支援を確認する

    離婚後も安定して子育てできるように、利用可能な公的支援を事前に確認し、離婚後の生活設計をある程度整理しておくとよいでしょう。たとえば、ひとり親家庭を支える制度としては、下記のようなものが挙げられます。

    • 児童扶養手当
    • 児童手当
    • 医療費助成
    • 住宅支援
    • 就労支援


    離婚後にどのように生活を立て直していくのか、子どもをどう育てていくのかを具体的に説明できれば、親権の話し合いも有利に進めることが可能です。

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4、離婚時に親権が取れなかったら子どもとの関わりはどうなる?

親権を持たない場合、子どもとの関わり方には一定の制限が生じます。しかし、親権がないからといって、必ずしも親子関係が完全に断たれるわけではありません。どのような形で関わっていくかは、元配偶者との関係性や、離婚時の取り決めによって大きく変わります。

  1. (1)子どもと自由に会えなくなる可能性がある

    離婚後、子どもと一緒に暮らさない親は、親子交流(面会交流)の制度を利用して子どもと会うことができます。

    しかし、親子交流の実施にあたっては、親権者の同意や取り決めが必要になるため、以前のように自由に会えるとは限りません。
    たとえば下記のように、頻度や場所などについて条件付きになるケースも多いのが実情です。

    • 親子交流の頻度(月1回、隔週1回など)
    • 親子交流の日時(毎月第2土曜日の午前10時から午後5時まで、長期休暇中に1泊2日など)
    • 親子交流の場所(公園、商業施設、相手方の自宅、祖父母宅など)
    • 宿泊の有無(夏休み・冬休みには宿泊を認めるなど)
    • 学校行事や習い事への参加可否(発表会や入学式、卒業式など)


    また、元配偶者との関係が悪い場合は、親子交流を巡ってトラブルになることも少なくありません。そのような場合は、家庭裁判所の親子交流調停を利用することも検討しましょう。

    第三者を交えて話し合うことで、親子交流の頻度や方法を円滑に取り決めることが可能です。

  2. (2)進路や医療など重要事項の決定に関われない

    単独親権の場合、進学や医療、住居など、子どもの重要事項を最終的に決めるのは親権者です。親権を持たない側は、「意見を伝えること」はできても、最終判断はできません。
    たとえば、下記のような場面で、自分の考えが反映されないことがあります。

    • 学校を変える
    • 習い事を決める
    • 手術に同意する
    • 引っ越しをする


    もっとも、離婚後に事情が大きく変わり、親権を変えたい場合には、「親権者変更調停・審判」を申し立てることも可能です。

    ただし、一度決まった親権を変更するハードルは高く、簡単には認められません。そのため、離婚時には親権を慎重に考える必要があります。

  3. (3)養育費の支払い義務が生じる

    子どもと別に暮らす場合は、母親であっても、元夫よりも収入が低くても、養育費の支払い義務が生じます。


    養育費の金額は、当事者で合意できればその額で決定されます。合意できない場合、一般的には裁判所が公表している養育費算定表を参考にして決められることになりますので、当事者双方の収入や子の人数、年齢によって金額が決まります。
    ベリーベスト法律事務所でも、養育費の金額を算出できる無料シミュレーションツールを公開しておりますので、「費用の目安を知りたい」という方はご活用ください。

    なお、養育費に関する取り決めをせずに離婚した場合も、法定養育費として子ども1人あたり月2万円の支払い義務があります。ただし、専業主婦の場合は収入がない、または極めて少ないケースも多く、子ども1人あたり月2万円の負担は不可能である場合もあるでしょう。そのような場合には、支払いが難しいとして、支払い免除や減額が認められる可能性があります(民法第766条の3第2項、第3項)。

5、専業主婦だからこそ、離婚や親権の悩みを弁護士に相談すべき理由

「離婚したい」と思っても、親権や養育費、離婚後の生活のことなど、さまざまな悩みから離婚に踏み切れないという方は少なくありません。離婚に関する不安を軽減するには、まずは弁護士に相談することがおすすめです。

  1. (1)離婚や親権で不利にならないように事前準備ができる

    離婚前の行動によっては、親権獲得に不利になることもあります。
    たとえば、もともと子どもの世話を主に担ってきた方であっても、感情的になって家を飛び出し、子どもと離れて暮らす状態が長く続けば、親権の獲得が難しくなる可能性も高くなってしまいます。

    弁護士に早めに相談をすれば、別居のタイミングや進め方、子どもとの関わり方などについて、具体的なアドバイスを受けることが可能です。離婚や親権で不利にならないようにするためには事前準備が重要ですので、離婚を決断したときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

  2. (2)離婚後の生活費や別居後の婚姻費用の見通しを立てられる

    専業主婦の方が特に不安を感じやすいのが、離婚後のお金の問題です。

    「収入がない状態で子どもを育てられるのだろうか」と悩む人は多くいますが、離婚前の別居中であっても、夫に対して「婚姻費用」という生活費を請求できる可能性があります。
    また、離婚後についても、財産分与や公的支援、親権を取れた場合は養育費など、生活を支える制度を活用することが可能です。

    弁護士へ相談すれば、「どのくらいの婚姻費用や養育費が見込めそうか」「今後の生活費はどの程度必要か」といったアドバイスを受けることができますので、離婚後の生活の見通しを立てやすくなります。

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6、ベリーベスト法律事務所の解決事例とお客さまの声

親権は、「専業主婦だから不利」「母親だから有利」と単純に決まるものではありません。

実際には、これまでの育児状況や離婚後の生活環境など、さまざまな事情を踏まえて判断されます。そのため、「自分の場合はどうなるのか」を知るには、早めに弁護士に相談するのがおすすめです。

ベリーベスト法律事務所では、親権や養育費に関する多くの相談に対応しており、専業主婦の方からのご依頼としては、下記のような解決実績があります。


また、下記のようなお客さまの声も多数いただいております。


離婚や親権は、離婚前の動き方によって結果が変わることもあります。
不安を抱えたまま進める前に、離婚専門チームを編成し、知見・経験豊富な弁護士が多数在籍するベリーベスト法律事務所にまずはご相談ください。

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本コラムの監修者
離婚や遺産相続を中心に、家族関係の問題に注力する弁護士。
離婚等の夫婦関係に関連する事件について、親権や監護権に関する紛争、不貞慰謝料請求、婚姻費用紛争など多数の経験・実績を有する。CanCamでの不倫にまつわる法律相談をはじめとしたメディア監修も行う。
子どもがいる母親としての経験も生かしながら、地に足の着いた具体的な主張を行い、「自分らしく生きるお手伝いをしたい」という想いで気持ちに寄り添ったサポートをしている。

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