協議離婚とは

離婚を成立させる方法には、協議離婚・離婚調停・離婚裁判の3種類があります。
そのうち、協議離婚は円満かつスムーズに離婚できる可能性がありますが、話し合いがまとまらずに泥沼化してしまうことも多いといえる離婚方法です。

本ページでは、協議離婚の進め方や注意点、メリットとデメリットについて解説します。

目次 [非表示]

協議離婚とは? 後悔しないための進め方と注意点

協議離婚とは、離婚に向けた話し合いを進め、双方合意したうえで離婚届を役場に提出し、離婚をする方法です。

協議離婚の手続きは、大まかに以下のような流れで進行します。各段階における注意点とともに、手続きの全体像を確認しておきましょう。

  1. 離婚に向けた事前準備
  2. 離婚条件の話し合い
  3. 離婚公正証書の締結
  4. 離婚届の提出
  5. 財産分与・慰謝料等の支払い

①離婚に向けた事前準備

配偶者に対して離婚を切り出す前に、まずは離婚に向けた事前準備を整えましょう。

【準備すべきことの一例】
  • 離婚後の収入や住居のことなど、生計に関する目途を立てる
  • 希望する離婚条件の内容、水準を検討する
  • 財産分与や養育費の請求に備えて、相手の収入や財産を把握する
  • 法定離婚事由があるか否か(相手に拒否されても離婚できるか否か)を検討する
  • 相手に離婚の責任がある場合(不貞行為やDVなど)、その証拠を集める
  • 離婚話の切り出し方やタイミングを考える など

十分に考えないまま離婚話を始めてしまうと、相手から予期せぬ反論を受けて主導権を握られてしまう可能性があるため、事前の準備・検討は大切です。

②離婚条件の話し合い

準備が整った段階で相手に離婚を切り出し、協議を開始します。その際は、離婚をする、しないという点だけではなく、離婚条件についても話し合います。

【離婚条件】
  • 財産分与…婚姻中に夫婦で取得・形成した財産の分け方を決めます。
  • 慰謝料…夫婦のどちらか一方に不貞行為やDVなど、離婚に至った責任がある場合、慰謝料の金額を決めます。
  • 婚姻費用…離婚前から別居している場合、別居期間中は婚姻費用(生活費など)を請求できます。これの未払いがある場合には離婚の際に精算することもあります。
  • 親権…未成年の子どもがいる場合、離婚後の親権者を定めます。
  • 養育費…子どもの生活費や学費に充てるため、養育費の金額や支払方法を決めます。
  • 面会交流…子どもと同居しない親(非監護親)が、子どもとどのように会って交流するかのルールを決めます。

これらの離婚条件は、夫婦の状況に合わせて漏れなく決めておくべき事柄です。曖昧な部分を残してしまうと、後にトラブルを招くリスクが高まるため、ご注意ください。

離婚条件の話し合いがまとまらない場合やトラブルになりそうな場合は、すぐに弁護士に相談することをおすすめいたします。

③離婚公正証書の締結

すべての離婚条件について合意に至ったら、公証役場で離婚公正証書を作成しましょう。

夫婦が自分たちで離婚合意書を作成するケースもありますが、公正証書にすることで公証人のチェックが入るだけでなく、原本が公証役場で保管されるため、離婚後のトラブル予防につながることがメリットです。

財産分与・慰謝料・養育費など、相手から金銭の支払いを受ける場合には、離婚公正証書に強制執行認諾文言を記載しましょう。そうすることで、相手が債務を支払わなかったときに、金銭回収のための強制執行の申立てが可能となります(民事執行法第22条第5号)。

④離婚届の提出

離婚公正証書の締結後、役所に離婚届を提出することで離婚が成立します。離婚届は、夫婦の本籍地・住所地・所在地の市役所・区役所・町村役場など、いずれかに該当する場所で提出可能です。

いったん離婚が成立してしまえば、そこから2年以内に財産分与や年金分割などの手続きを行わなければなりません。さらに、婚姻費用が発生しなくなるなどの制約が生じるため、すぐに提出してしまって良いのか、最後にしっかりと考えたうえで判断するようにしましょう。

⑤財産分与・慰謝料等の精算

離婚公正証書において財産分与・慰謝料等の支払いを合意した場合は、その支払いを行います。

もし相手が、離婚時に決めた金銭(債務)を支払わない場合は、強制執行認諾文言付きの離婚公正証書に基づいて、強制執行を申し立てましょう。強制執行の申し立てを行う際には、弁護士にご相談ください。

協議離婚にデメリットはある? 良い点と悪い点の比較

協議離婚には、メリットがある一方、デメリットもあります。状況に応じて手続きを使い分け、適正な条件による離婚成立を目指しましょう。

協議離婚のメリット

協議離婚の大きなメリットは、早期かつ費用をおさえて離婚が成立する点です。

離婚について話し合いのもと、双方が条件などに合意さえできれば、直ちに離婚届を提出して離婚することができます。

財産分与等の金額によりますが、一般的には、離婚公正証書の作成費用もそれほど高いものではありません。弁護士に相談・依頼する際に掛かる費用などについても、離婚調停や離婚裁判より安く済むことが多いです。

協議離婚のデメリット

夫婦が主張する離婚条件がかけ離れている場合や、どちらか一方が離婚そのものを拒否している場合には、協議離婚の成立は難しいといえます。まとまらない話し合いが続き、事態が硬直化・深刻化してしまったり、精神的に疲弊してしまったりすることもあるでしょう。

また、離婚についての法的知識が不十分だと、相手から提示された不合理な離婚条件を受け入れてしまうおそれがあります。このような事態を避けるためにも、弁護士に離婚協議の代理を依頼するというのも選択肢のひとつです。

協議離婚を弁護士に相談する4つのメリット

最良の形で離婚したい場合には、弁護士に相談することをおすすめいたします。弁護士に相談することで、さまざまなメリットがあります。

①適正な離婚条件がわかる

法律・実務・過去の裁判例などを踏まえ、各離婚条件について、どのような水準が合理的であるかの助言を受けることができます。

②離婚手続きの見通しについてアドバイスを受けられる

離婚成立までにどの程度の時間を要するのか、調停や訴訟に発展する可能性はあるのかなど、実務経験に即したアドバイスを受けられます。

③離婚後のトラブルを予防できる

離婚条件を漏れなく取り決め、きちんと離婚公正証書を作成することで、離婚後のトラブルを予防することが可能です。

④相手と直接話し合う必要がなくなる

弁護士が離婚条件の話し合いを全面的に代行するため、相手と直接話し合う必要がなくなり、精神的なストレスが軽減されます。離婚公正証書についても、弁護士が代理人となって作成することが可能です。

ベリーベスト法律事務所は、離婚専門チームを中心に離婚問題に関する経験豊富な弁護士が多数在籍しているので、徹底したサポートをすることが可能です。また、ご相談、ご依頼いただく際の費用については明朗会計を心がけておりますので、ご安心ください。

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