離婚裁判とは？

離婚裁判とは？ 知っておくべき基礎知識

離婚裁判は、夫婦間で離婚の合意が得られない場合に、裁判所に対して離婚を認めるか、認めないかの判断（判決）を求める手続きです。

（1）離婚裁判＝離婚を求めるための最後の手段

離婚裁判を提起する前に、夫婦は離婚に関する話し合いを尽くさなければなりません。
離婚に関する話し合いは、夫婦が直接協議する「離婚協議」と、家庭裁判所において調停委員の仲介により合意を目指す「離婚調停」があります。

離婚裁判は原則として、離婚調停が不成立となった場合に初めて提起することが可能です。これを「調停前置主義」といいます（家事事件手続法第257条）。

このように、離婚裁判は離婚を求めるための最後の手段として位置づけられるものです。配偶者が離婚を拒否していても、離婚裁判の判決によって、強制的に離婚を成立させることができます。

（2）離婚判決には法定離婚事由が必要

夫婦の合意に基づき離婚する協議・調停とは異なり、離婚裁判において離婚成立の判決を得るためには、法定離婚事由の存在を立証しなければなりません（民法第770条第1項各号）。

法定離婚事由

離婚裁判の手続きの流れ

離婚裁判の手続きは、以下の流れで進行します。

①離婚に向けた事前準備

離婚後の生活を見据えて、希望する離婚条件などを検討します。離婚裁判に発展する可能性も考慮して、法定離婚事由を立証し得る証拠を確保しておくことが望ましいです。

②離婚協議・離婚調停

離婚裁判を提起する前に、まずは合意に基づく離婚を目指して、離婚協議・離婚調停を行います。

③離婚裁判の提起

原則として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に訴状を提出し、離婚裁判を提起します。

④離婚裁判の審理

原則として、公開の法廷において審理が行われます。原告は法定離婚事由の存在を主張、立証し、被告はそれに対して反論をします。離婚条件についても、審理が行われます。
離婚裁判の審理にかかる期間は、1年以上におよぶケースが多いです。

⑤判決

審理が熟した段階で、裁判所が離婚を認めるか否かの判決を言い渡します。
なお、離婚裁判の途中で和解が成立するケース（和解離婚）、被告が離婚請求を全面的に受け入れるケース（認諾離婚）もあります。

離婚裁判が始まる前に弁護士へ相談するべき理由

離婚裁判が視野に入ってきたら、実際に離婚裁判が始まる前の段階で弁護士へのご相談をおすすめいたします。

①主張や証拠を整理できる｜勝訴の可能性が高まる

法定離婚事由の立証に失敗すると、裁判所によって離婚請求が棄却されることになります（敗訴）。その場合、離婚を再度目指すためには、原則として離婚調停から開始しなければならず、離婚の実現にはかなりの時間がかかります。そのため、離婚裁判へ臨むに当たっては、慎重に準備を整えるべきです。

事前に弁護士へ相談すれば、法定離婚事由の立証に足る主張や証拠を整理できるため、離婚裁判で勝訴できる可能性が高まります。

②冷静に手続きを進められる｜不安や心配も軽減される

弁護士が代理人として離婚裁判への対応を代行すれば、感情的な主張により裁判所の心証を悪化させることを防げます。

また、不慣れかつ複雑な離婚裁判への対応についてお抱えの不安や心配も、弁護士へのご依頼によって大幅に軽減されます。

③離婚条件についても相談できる

財産分与・慰謝料・婚姻費用・親権・養育費・面会交流などの各離婚条件について、弁護士にご相談いただければ、適正な内容や水準をアドバイスいたします。

④離婚裁判を回避できる可能性がある

離婚裁判は長期化しやすく、当事者にとって負担が重い点が大きなデメリットです。

協議・調停の段階から弁護士がサポートすれば、合意による離婚がまとまり、争い の長期化を回避できる可能性があります。

このように多くのメリットがあるため、配偶者との離婚を検討している方は、できる限り早い段階で弁護士にご相談ください。

なお、ベリーベスト法律事務所は、離婚問題トラブルの対応に関する多くの強みを持っています。離婚したい、調停がまとまらず裁判になりそう……など離婚のお悩みを、安心してご相談いただけます。

離婚裁判を含めた離婚手続きへのご対応は、ぜひベリーベスト法律事務所にお任せください。適切な条件で話が進められるように、ベストを尽くしてサポートいたします。