「3組に1組が離婚」というデータは、本当ですか?

「夫婦の3組に1組が離婚する」と言われることがありますが、これは同じ年の婚姻件数と離婚件数を単純に比較したものです。そのため、実際にその年に婚姻した夫婦の3分の1が実際に離婚しているわけではないということは、理解しておかなければなりません。
離婚件数に関するデータを正確に理解するには、「特殊離婚率」と「普通離婚率」という離婚に関する統計指標を正しく読み解くことが必要です。
特殊離婚率とは、年間の離婚件数を婚姻件数で割って100を掛けたものをいいます。
厚生労働省が公表する「人口動態統計(確定数)の概況」のデータに基づけば、令和5年(2023年)の日本の特殊離婚率は38.7%になり、これが「夫婦の3組に1組が離婚する」と言われる根拠です。
なお、前述のとおり、これは同じ年の婚姻件数と離婚件数を単純に比較したものに過ぎず、実際に離婚した夫婦の割合ではないことに注意してください。
普通離婚率とは、人口1000人あたりの年間離婚件数のことをいいます。
年間離婚件数を人口で割り、1000を掛けることで算出することが可能です。普通離婚率は、主に人口規模の異なる国々同士で離婚率を比較する際に用いられます。厚生労働省が公表する同データでは、令和5年の日本の普通離婚率は1.52(人口千対)でした。これは、1000人あたり1.52件の離婚が生じているということを意味します。
特殊離婚率か普通離婚率かで数字が変わりますし、どのように定義するかで「3組に1組が離婚」が正しいと言えるかどうかも変わるでしょう。
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