夫から妻に離婚請求する場合

「性格の不一致」が理由の離婚請求が多い

夫が妻に対して離婚を請求する場合、「性格の不一致」を理由とすることが非常に多いと思います。

自分は家族のために必死に働いて、給料を稼ぎ、すべて妻に預けて家計を任せている。ところが、妻はまったく自分に感謝してくれない。

仕事から疲れて帰ってきているのに、ろくにご飯の用意もしてくれない。休みの日に家でゆっくりしていると、「あれをやれ」、「これをやれ」と口うるさく言われ、のんびりしていると家事を全く手伝ってくれないと批判される。

何かというと、子どもの為と言っては、自分の言い分を聞いてくれない。おまけに毎月の小遣いは少ないときている。そのくせ、妻は自分の欲しいものを好きに買っている。

このような妻の態度、日頃の言動から、いつしか妻に対する愛情は失われ、小さな不満が募っていって、ある日その限界を超えてしまい、離婚をしたいと考えるようになる。

夫側から離婚の相談を受ける際には、皆様の事情が似通っていることに驚きます。

まずは、離婚回避の努力を、我慢の限界を超えたら…

このようなご相談を多数受け、まずは、妻に対する小さな不満を自分の中にため込んでしまう前に、不満を感じる都度、妻に対してそのことを伝えていくことが重要なのではないかとの思いを強くしています。

おそらく、ケンカになることもあるでしょう。ですが、ケンカをしてでもまずは、自分の不満を伝えておくべきです。そうすることで、自分の中に不満が蓄積することも防げますし、相手の本当の気持ちを確かめることもできて、離婚を回避することができるかもしれません。

とはいえ、妻に対する不満が我慢の限界を超え、自分の気持ちが完全に妻から離れてしまうということはよくあることです。決して特別なことではありません。

このような場合、婚姻関係が続く限り、夫としては、法的義務が続くだけではなく、自分自身の心も縛られてしまい、気持ちが晴れるということはありません。

「性格の不一致」が理由の場合は、協議離婚を目指すことに

「性格の不一致」は単独では法律上の離婚原因になりにくいものです。裁判上の離婚を成立させることは極めて困難ですから、話し合いによる離婚を目指すことになります。

協議離婚や調停離婚をするにしても、夫から、性格の不一致を理由として離婚請求する場合、財産分与や、慰謝料、子どもの養育費等、妻に対して少なくない金額の支払いをしなければならないことが多いです。

弁護士からのアドバイス

弁護士

婚姻関係にある以上、一定の金額は法律的に払う義務があります。適切な金額である限り、離婚に際しては支払うお金は、再出発のための手数料と考えることができます。

ただ、ご自身では適切な手数料がいくらなのかは分かりにくい。妻から無茶な条件を提示され、再出発どころではなくなってしまう。だからこそ再出発への金額を適切に定めるため、アドバイザーが必要になるわけで、それが我々弁護士ということになります。

離婚という制度は法的に婚姻関係を終了させるための制度であることはいうまでもありません。しかし、離婚という制度を利用する以上それだけではもったいない。うまく使って、妻に対する不満を心の中からきれいに掃き出し、再出発を目指してみてはいかがでしょうか。

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